教えて家電王!Vol.19 目指せ次代のエンジニア。家電メーカーのプログラミング教育を体験!
将来、科学技術の分野で活躍できる人材を育成するため、注目されているのがSTEM(STEAM)教育。変化に激しい世の中に対応していく「21世紀型スキル」としても注目されており、2020年から小学校でもプログラミング教育が必修化されるなど、さまざまな取り組みがスタートしています。そんなSTEM(STEAM)教育に、最近では家電メーカーも参入。親子で楽しく学べるプログラミング教育サービスを提供しています。今回は実際に、家電メーカーによるプログラミング教育サービスを親子で体験してみました。
教えてくれる人
中村 剛
(なかむら つよし)さん
東京電力エナジーパートナー株式会社 勤務
2002年に『TVチャンピオン』スーパー家電通選手権で優勝し、銀座にて体験型ショールーム「くらしのラボ」の開設と運営に従事。現在は“家電王”として動画マガジン『くらしのラボ』をFacebookとYouTubeで毎週配信しているほか、テレビや雑誌、新聞などの様々なメディアで暮らしに役立つ情報を発信している。無類のネコ好き!
目次 [CLOSE]
ロジカルな思考を身につけるのにも最適!親子で一緒にプログラミングを体験してみよう
最近、耳にすることが多くなってきているSTEM教育。
「科学(Science)」「技術(Technology)」「工学(Engineering)」「数学(Mathematics )」の4つに、最近では「芸術・教養(Art)」も加わってSTEAM教育へと発展し、21世紀型スキルを身につけるための教育としてますます注目されています。これからの世界には、ひとつの専門分野だけでなく、いくつかの専門分野を併せ持つ人材(ジェネラリスト)が求められているというわけですね。
そんなSTEAM教育の中でも注目されているのがプログラミング教育。特にロボットを使ったプログラミングは、小・中学生のプログラミング学習方法として人気が高く、選択肢も増えてきています。ロボットがプログラムで指示した通りに目の前で動くので、原因と結果が結びつきやすく、論理的思考力を鍛えられるのが魅力。また、ロボットを組み立てることで、手先を動かすトレーニングにもなります。
最近では家電メーカーもプログラミング教育サービスを提供しており、家庭で手軽にロボット・プログラミングが体験できるものもあります。親子のコミュニケーションにも適していますので、ぜひ皆さんも体験してみてください。
専用キットで手軽にプログラミングを学べる「ココロキット」を体験
中村さんに教えていただいた家電メーカーによるプログラミング体験サービスの中から今回体験してみたのは、しっぽクッション「Qoobo」やファミリーロボット「BOCCO emo」を開発しているユカイ工学が提供するプロダクト&プログラミング環境シリーズ「kurikit(クリキット)」。小学1年生の子どもと一緒に体験してみた模様をお届けします。
さまざまなキットが用意されている「kurikit」の中から今回注文したのは、「ユカイな生きもの&ココロキットセット」。モータやスイッチ、結束バンドなどを使って自分だけのオリジナルロボットを作れる「ユカイな生きものロボットキット」と、それをBluetoothを用いてプログラミングで操縦するための「ココロキット」がセットになっています。こんなにコンパクトな状態で到着!
早速、箱を開けてみると、モータや電池ケース、結束バンド、プラ段ボールなど、ロボットを作るための材料がずらり。どんなロボットができるのかワクワクします。まずは「ユカイな生きものロボットキット」で、ロボット作りからスタート。
最初にロボットの本体とコントローラーに使うプラ段ボールをハサミでチョキチョキ。好きな形に切ってOK。目をつけたり、色を塗ったり、楽しく工作することができます。
切ったプラ段ボールの本体側に2つのモータを、コントローラー側にスイッチや電池ボックスを両面テープで貼り付けます。モータに、ロボットの腕となる結束バンドを装着。空回りしないようにしっかり付ける必要があるので、ここは親がお手伝い。あとはコードでつないで、電池を入れれば、あっという間にロボットの完成です。
コントローラーで左右の腕を回転させて、ロボットを動かすことができます。左右それぞれ前方向、後ろ方向に回転可能で、子どもは自分が作ったロボットが動く様子に大喜び。夢中になって操縦していました。
ここまででも十分楽しいのですが、プログラミングはここからが本番。本体とコントローラーのコードを外し、本体に「ココロキット」を取り付けます。続いて、プログラミングを行なう機器(パソコンやタブレット)を用意。追加のソフトウエアをインストールする必要はなく、Google Chromeブラウザ上でココロキットのために用意されたkurikitのビジュアルプログラミング画面を使って操作することができます。
kurikitのビジュアルプログラミング画面は、子ども向けのプログラミング教育でおなじみの「Scratch(スクラッチ)3.0」を活用しており、基本的に同じ画面構成。用意されているブロックを移動することで簡単にプログラミングすることができます。直感的に操作できるので、小さな子どもでも扱いやすいのが魅力です。
ロボットはBluetoothで接続します。Google Chromeブラウザ上から接続することができますが、iPadなどの iOS端末ではGoogle Chromeブラウザ上からココロキットにBluetooth接続をすることができません。「Bluefy」などのアプリを使う必要があるので注意が必要です。
うまく接続できたら、あとは自由にプログラミングしてロボットを動かすだけ。LEDを光らせたり、腕(モータ)を回転させたり、猫の鳴き声を出させたり(笑)など、いろいろな動作をプログラミングして楽しむことができます。
プログラミングがどのようなものなのか簡単に体験することができる「kurikit」の「ユカイな生きもの&ココロキットセット」。自分が作ったロボットが自分のプログラミング通りに動く様子を見るのは、子どもにとって大きな感動体験になるはずです。今回、小学1年生の娘と一緒に体験しましたが、親の手伝いはわずかで、子どもが自分のペースでどんどん進めていたのが印象的でした。ぜひ皆さんも体験してみてはいかがでしょうか。
そのほか、家電メーカーによるプログラミング体験サービスはこちら
今回体験したユカイ工学の「kurikit」以外にも、家電メーカーからいろいろなプログラミング教育サービスが提供されています。
ロボット工学の基礎を学習できる、アイロボットのプログラミングロボット「Root™」
ロボット掃除機「ルンバ」でおなじみの「アイロボット」がプログラミング教育サービスとして提供しているのが、プログラミングロボット「Root™」。ルンバをモチーフとしたRoot™を使い、ロボット工学の基礎を学習することができます。家庭で楽しく遊びながら、豊富なプログラミングアクティビティを簡単に体験できる「Root™ rt0」と、実践的なプログラミングを目に見える形で体験しながら、計算的思考スキルを養うことができる「Root™ rt1」の2機種を用意。
プログラミングやロボットに触った経験がなくても、無料アプリ「iRobot Coding」を使って楽しくプログラミングを体験。ブロックをドラッグ&ドロップするレベル1から本格的にフルテキストコードを描くことができるレベル3まで、3段階のレベルで構成されています。
絵を描いたり、光を発したり、音楽を奏でたり、「rt0」では20種類以上、「rt1」では30種以上の機能とセンサーを備えており、ユニークな学習体験を通じてプログラミングによってロボットを実際に動かすことができるのが魅力です。学習ライブラリにはコンテンツが豊富に用意され、Root™でのプログラミングをすぐに始めることが可能。その使いやすさ、わかりやすさから、小学校の授業などでも活用されています。
かわいいLOVOTと一緒に楽しく学べる、GROOVE X「LOVOT STUDY」
暮らしに溶け込む家族型ロボットとして大人気の「LOVOT」。「LOVOT STUDY ビジュアルプログラミング」は、そんな愛すべきLOVOTともっとふれあい、そして子どもたちが自ら学びたくなるビジュアルプログラミングです。プログラミングが初めての人でも楽しめるので、子どもはもちろん、プログラミングを体験してみたい大人にもおすすめです。
用意するのはLOVOTとパソコン/タブレットがあればOK。パソコンやタブレットでアクセスできる「LOVOT STUDYビジュアルプログラミング」のページは、「Scratch(スクラッチ)」と基本的に同じ画面構成となっており、ブロックを移動することで簡単にプログラミングをすることができます。LOVOTと接続し、「イベント(LOVOTの行動のきっかけ)」、「ふるまい」、「アクション」などのブロックを組み合わせることで、センサーホーンを光らせたり、両手を上げたり、声を出したりと、LOVOTにさまざまな行動をさせることが可能です。友達と相談しながらオリジナルの動きを考えたり、ダンスをLOVOTと一緒に楽しむことも!
プログラミングが必須スキルになるこれからの子どもたちにとって、”テクノロジーと楽しく過ごす”ことは好奇心の芽を育む何よりの経験です。「LOVOT STUDY」は、LOVOTとより仲良くなりながら、プログラミングのスキルも成長させることができて一石二鳥。家族みんなで一緒に体験してみてはいかがでしょうか。
※LOVOTについては以下の記事もぜひご覧ください。
教えて家電王!Vol.10 暮らしに溶け込む家族型ロボットの魅力は?日常にいるだけで癒されるロボットを新しい家族に!
まとめ
今回は家電メーカーによるプログラミング体験サービスを紹介しました。ロボットを使ってのプログラミング学習は子どもにとってもわかりやすく、プログラミング学習へのハードルを下げてくれます。メーカーならではの工夫もいろいろ施されているので、楽しく学習できるのが魅力。皆さんもぜひ体験してみてください。
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