外壁に設置された給湯器
すまいの知識

ガス給湯器の水漏れは放置NG!リスクや原因、対処法を解説

給湯器から水漏れが発生すると、火災などの事故につながるおそれがあるため、放置してはいけません。

今回の記事では、ガス給湯器から水漏れが発生する原因や放置したときのリスク、対処法、交換の基準などを詳しく解説します。今後、給湯器から水漏れなどのトラブルが発生したときに慌てないためにも、ぜひ参考にご覧ください。

給湯器からの水漏れは危険!放置NGな理由

ガス給湯器から水漏れが発生したら、決して放置してはいけません。火災などの事故につながる恐れがあるため、早急な対処が必要です。

給湯器の水漏れを放置してはいけない主な理由は、以下のとおりです。

それぞれの理由について詳しく解説します。

一酸化炭素中毒になる

ガス給湯器の水漏れで、とくに危険なのは一酸化中毒です。給湯器内部にはバーナー(加熱に必要な機器)が備わっています。水漏れでバーナーに水がかかり続けるとガスの不完全燃焼を引き起こし、一酸化炭素が発生する可能性があります。

一酸化炭素は無味無臭のため気づきにくく、体内に吸い込むと中毒症状を引き起こすおそれのある気体です。状況によっては、大事に至る可能性もあるので、注意が必要です。

水漏れの影響が階下まで及ぶ

集合住宅の2階以上の住宅で給湯器の水漏れが発生すると、水漏れが階下の部屋に影響を及ぼす可能性があります。

最初はポタポタと水滴が落ちる程度の少量の水漏れでも、時間が経つと徐々に圧力が加わって水量が増え、勢いが増す場合もあります。水漏れに気づいたら、迅速な対応が必要です。

天井の水漏れ

周囲の電子機器がショートする

給湯器の電気系統や、周囲に設置された電子機器に水がかかると、ショートを引き起こすおそれがあります。

水漏れの発生箇所次第では、給湯器内の通常では電気が流れない部分に電気が流れてしまう場合があり、感電リスクが生じることも考えられます。また、給湯器の表面や周囲がぬれていると、感電リスクがより高まるため注意が必要です。

ガス給湯器が水漏れしたときの対処手順

ガス給湯器が水漏れしたときの対処法は、原因や水漏れの状態によって変わります。

水漏れが発生したら、以下の手順で応急処置をして、修理を依頼しましょう。

それぞれの対処方法について詳しく解説します。

給湯器のコンセントを抜く

水漏れが発生した場合は、まず給湯器の運転を止め、確実に電源を切るためにコンセントを抜きましょう。お風呂の使用など、給湯器に関連するものはすべて停止し、給湯器や周辺機器へのダメージを最小限に抑えましょう。

水漏れの発生箇所を確認する

コンセントを抜いたら、給湯器のどの部分から水漏れが発生しているのかを確認します。水漏れ箇所によってとるべき対応が異なるため、本体カバーの下の水抜き栓や配管の接続部など、水漏れが起きやすい部分を注意深くチェックしましょう。

【水抜き栓からの水漏れの場合】お湯を出す

水抜き栓からの水漏れは、給湯器内部の減圧や凍結防止のために水を排出している状態であり、正常な動作です。

再度電源を入れ、お湯が正常に出る場合は、そのまま使用して問題ありません。

【本体からの水漏れの場合】ガス・水の元栓を閉める

配管接続部や本体からの水漏れは、劣化や故障が考えられます。速やかに給湯器のコンセントを抜き、給水の止水栓とガスの元栓を閉めてください。

給湯器を正常に使えない状態で放置すると、ガス代や水道代が無駄にかかるだけでなく、さらなる被害につながる可能性があります。

修理依頼の連絡をする

劣化や故障による修理の依頼先は、賃貸住宅か持ち家かによって異なります。

賃貸物件の場合は管理会社や大家さん、持ち家の場合は、新築であれば施工会社に、そうでなければガス会社や給湯器業者に連絡します。このとき、給湯器の型番や使用年数も伝えておくとスムーズに進みます。

修理を依頼する際は、給湯器修理の資格を持っている業者かどうかもチェックしておくと安心です。修理する内容によっては、有資格者でなければ対応できない作業もあります。また、修理代金は業者によって異なり、相場よりはるかに高い代金を請求される可能性も無いとは言い切れないため、事前に見積もりをとると安心です。

なお、修理にかかる時間は水漏れの箇所や作業内容によって異なり、2〜3時間で終わるケースもあれば1週間程度かかるケースもあります。

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ガス給湯器が水漏れする原因

ガス給湯器が水漏れする主な原因は、以下のとおりです。

原因や状態によって、修理か交換か、または部品のみの交換か本体ごとの交換か、などと対処方法が変わります。また、原因によっては放置しても問題ないケースもあるため、それぞれ詳しく解説します。

部品の経年劣化

給湯器内部の部品が劣化すると、水漏れが発生しやすくなります。とくに、蛇口や配管の接続部分に使われているパッキンなどのゴム製品は、年数が経過すると劣化により破損しやすい部品です。

7~10年ほど経過すると、ゴム製品の劣化から隙間ができて水漏れが発生する場合もあり、使用頻度が高いほど劣化のスピードが早まります。

もし、経年劣化が原因と考えられる場合は、劣化部分の修理や交換を行う必要があります。放置しておくと水漏れが広がり、他の部品にも悪影響を及ぼす可能性があるため迅速に対処しましょう。

給湯器自体の寿命

給湯器の寿命は、約10年が目安とされています。10年近く使用している場合、水漏れ以外にも不具合が発生するリスクが高まります。

発売から10年以上経過した給湯器は、必要な部品が製造終了となっている可能性があり、修理が困難なケースが多いです。その場合、修理ではなく新しい給湯器に交換することになります。

修理よりも交換の方が費用は高額になることが多いですが、省エネ性能の高いモデルに切り替えれば、ランニングコストも抑えられ、長期的にみるとコストパフォーマンスが良くなることもあります。

その際、太陽光発電で効率よくお湯を沸かすことができる「おひさまエコキュート」の導入を検討してみるのも一つの手です。おひさまエコキュートは、太陽光でつくった電気と昼間の暖かい空気の熱を使って、少ない電気でお湯を沸かして一日中利用できます。

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長期間の不使用

旅行や長期出張などで給湯器を長期間使用しないと、内部の圧力が高まり、水漏れを引き起こす場合があります。その際は、お湯を少しずつ出してみてください。水漏れがひどくなったりお湯が出なくなったりなどの問題が無く、正常に稼動すれば、そのまま使用しても構いません。

また、冬場に給湯器を長期間使っていないと、凍結する可能性もあります。凍結が心配な場合には、次で紹介する対策を事前に講じておきましょう。

配管の凍結

冬場に配管内の水が凍結すると、水が膨張して配管が破裂し、水漏れの原因となる場合があります。凍結は、防寒対策がしっかりとられている寒冷地域よりも、比較的温暖な地域で起きやすい傾向にあるといわれています。

凍結対策としては「配管に保温材を巻く」「少しずつ水を流し続ける」などの方法があります。流す水の量は、流水の幅4mm程度が目安です。

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設置時の人的ミス

給湯器を設置してすぐに水漏れした場合は、業者の取り付けミスの可能性が考えられます。取り付けたハウスメーカーや施工会社、設置業者に連絡し、保証内での対応を依頼しましょう。

最初は問題がなくても、給湯器を使用しているうちに施工ミスがある箇所から水漏れが起きる場合もあります。施工ミスが考えられる場合は、まず設置した会社に問い合わせましょう。

故障ではない給湯器からの水漏れもある

給湯器から水漏れしていたとしても、すべてが故障によるものではありません。水漏れの中には、故障や不具合ではなく正常な機能で放置して問題ないものもあります。

水漏れしていても問題ないケースについて、それぞれ詳しく解説します。

水抜き栓から水が出ている

水抜き栓から水が出ているのは、故障ではなく正常な動作です。水抜き栓には、水の排出によって給湯器内部の高まった圧力を低下させる役割があります。

ただし、水の量が異常に多かったり、排出が長時間続いたりする場合はトラブルの可能性があるので、専門業者に点検を依頼してください。

連結ゴムから水滴が落ちている

連結ゴムについている水滴は、結露が原因である場合がほとんどです。とくに、室温と水温の差が大きい冬場には結露が発生しやすくなります。

結露による水滴は基本的に修理の必要がないため、過剰な心配はいりません。修理が必要かどうかを判断するためには、水がどこから発生しているのか、よく確認して見極めることが大切です。

水漏れした給湯器の修理・交換の基準は?

給湯器の水漏れを解消するには、修理か交換のどちらかの対応が必要です。しかし、同じ原因でも給湯器の状態などにより、対応が異なる可能性があります。

ここでは、修理か交換か、判断の基準について解説します。

修理:長期間不使用、人的ミス、配管の凍結

長期間の不使用や人的ミスが原因の場合、部品交換などの修理で解決できる場合がほとんどです。例えば、ゴム製パッキンの劣化であれば、部品交換だけで水漏れが即日で解消する場合もあります。

一方で、配管の凍結が原因の場合、破損した部品を交換する修理で済むケースもあれば、給湯器内部の配管が破裂しているために本体の交換をすすめられるケースもあります。

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交換:寿命、経年劣化

経年劣化で水漏れが発生したときや給湯器の使用年数が10年前後である場合は、本体の交換を検討するタイミングです。古い給湯器は部品の入手が困難となり、修理に手間と時間がかかる場合も少なくありません。

また、経年劣化が進むと他の部品にも影響が及ぶため、本体を交換したほうが長く使えるでしょう。新しい給湯器に交換すれば省エネ性能が高いものも多いため、電気代の節約などのメリットも得られます。

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まとめ

給湯器の水漏れは、一酸化炭素中毒を引き起こしたり階下に被害が拡大したりするおそれがあるため、小さなものでも放置せず、早めに対処してください。事前に原因や状況に応じた対処法を理解しておけば、水漏れが起きても慌てず冷静に対応できます。

修理や交換が必要な場合は、信頼できる業者に依頼し、快適な生活を守りましょう。

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