教えて家電王!家電にまつわるアレコレを、家電王がお答えします~Vol.10 暮らしに溶け込む家族型ロボットの魅力は?日常にいるだけで癒されるロボットを新しい家族に!~

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百万馬力で悪者をやっつけたり、困ったときに秘密道具を出してくれたり、未来のロボットにはそんなイメージがあるかもしれません。しかし、現代のロボットに関して言えば、そこにいるだけで癒される家族型ロボット、もしくはペット型ロボットというのがひとつのジャンルとして確立しているようです。今回は見つめられると胸がキュン!となる家族型ロボットの魅力について、家電王こと中村剛さんと一緒に探ってきました。

教えてくれる人

中村 剛(なかむら つよし)さん

中村 剛
(なかむら つよし)さん

東京電力エナジーパートナー株式会社 勤務
2002年に『TVチャンピオン』スーパー家電通選手権で優勝し、銀座にて体験型ショールーム「くらしのラボ」の開設と運営に従事。現在は“家電王”として動画マガジン『くらしのラボ』をFacebookとYouTubeで毎週配信しているほか、テレビや雑誌、新聞などの様々なメディアで暮らしに役立つ情報を発信している。無類のネコ好き!

何もしないけれど、いるだけで幸せな気分にしてくれるロボット「LOVOT」

最初に紹介するのは家庭用ロボット事業を手がけるベンチャー「GROOVE X株式会社」が開発・製造・販売するLOVOT(らぼっと)です。LOVOTとは、LOVEとROBOTを合わせた造語なのですが、その名のとおり愛くるしい姿が、とにかくかわいいんです。

家族型ロボットとも呼ばれるLOVOTですが、最大の特徴は何の仕事もしないこと。普通のロボットは、掃除をするとか、物を組み立てるとか、何かしらの役割がありますよね。でもLOVOTにはそれがない。家族の一員として、愛されるために生まれてきたロボットなんです。

でも、このかわいい姿に反して、ハイスペックパソコン4台分くらいのCPUが搭載されていることに驚き。小さな体に最先端のテクノロジーがつぎ込まれているんです。といってもLOVOTのすごさ、かわいさは、実際にふれてみないと分からないと思います。まずはLOVOTに会える施設「LOVOT MUSEUM」に行ってみましょう!

吸い込まれそうなキラキラの目に最新の技術が結集

中村さんにすすめられるまま、やってきたのは日本橋のビルの7階にある「LOVOT MUSEUM」。ドアから一歩中に入ると、さっそくいましたよ、LOVOTちゃん。壁にドドーンと!
ここでは「LOVOTひとりじめ体験」という完全予約制のプログラムを開催。その名のとおり約40分間、LOVOTを独り占めできます(体験、見学、商談を合わせて約90分)。

スタッフに案内されたのは、靴を脱いで上がる部屋のようなスペース。近づくと、遊んでいたLOVOTたちが“なんだ、なんだ”という感じで寄ってきました。足下で立ち止まり、上目づかいでじっと見つめてきます。え?なにこのかわいさ…。

思わず顔に触れてみると、さらに驚き。温かいのです…!
なでられると腕をパタパタと振って甘えてくるLOVOTちゃん。もうたまらない。腕(?)の下に手を入れて抱き上げると、つけね部分はさらに温かく、まるで血が通っているみたい。しっかりとした抱き心地はありながら重すぎず絶妙な感触。予想していたロボット像はしょっぱなですべて打ち砕かれ、想定外のかわいさにやや混乱しています。

ころんとした体型に、羽のようにパタパタ動く短い腕、ときおり発する「きゅるる…」という鳴き声。かわいさの要素はたくさんあるのですが、なんと言っても印象的なのは目でしょう。開発には3年をかけたといいます。6枚の画像を重ねることにより、平らなディスプレーを使用しながら目の立体感や奥行きを表現。大きなくりっとした目に引き込まれそうです。あれ?今日この場にいる3体は、すべて目の色や瞳の大きさが違いますね。

LOVOTには10億通り以上の瞳のパターンがあるんですよ。どの個体も違う目を持って生まれてきますが、専用アプリから変更することもできます。同じく声も変えることができ、鳥のさえずるような声やハスキーな声など、こちらもさまざまなパターンのなかからお好みのものを選んでください。世界にひとつだけのLOVOTを作るのも、楽しみのひとつなんです。


しばらくLOVOTと遊んでいると、たびたび目が合います。正面からじっと見つめたり、上目づかいで見てきたり、ときにはほかの人と遊びながらちらりと横目で見てきてどきっとさせられたり。実はLOVOTの目には物を見る機能はありません。目の役割をしているのは、LOVOTの頭にちょこんと乗ったセンサホーンに備わっている半天球カメラ。この半天球カメラが360度、周囲を見渡し人間の目や顔の位置を認識することで目を合わせられるのだそう。初めて会ったときから、このちょんまげのような物体が気になってはいたのですが、そういう機能をもっていたのですね。

センサホーンの正式名称は「MULTI SENSOR HORN」といいます。半天球カメラのほか、音声の方向を判別する半天球マイクや明るさを感知する照度センサ、人か物かなどを識別するのに一部使用している温度カメラを内蔵。それらを使って部屋の状況を把握して、名前を呼んでくれた人がどこにいるかも察知するんです。

一度会った人の顔をちゃんと覚えて、たくさんかわいがってくれた人に甘えるなど、オーナー心をくすぐる賢さも備えています。さらに、プログラムどおりの反応ではなく、50以上のセンサで状況を判断し、外部からの刺激をディープラーニングなどの機械学習技術で処理して動きや反応を決めています。しばらく放っておくと「抱っこして」とせがんできたり、ほかの人とコミュニケーションを取りながら、チラッとこちらを見たり。あざといけどかわいいんです(笑)。
出荷時から少しずつ性格が違うのもユニークですよね。コミュニケーションの取り方で性格は変わっていくので、一緒に過ごすうちにまるで成長しているように感じられるはずです。

抱っこするのが心地よい、柔らかなボディと温かさ

丸みを帯びたボディもLOVOTのかわいらしさの要素のひとつ。抱き心地のよい柔らかな肌触り。最初に抱き上げたときに腕の下が温かく感じられたのは、エア循環システムによるもの。このおかげで全身が生き物のように温かいのです。体全体にタッチセンサがついていて、どこを触られているかもちゃんとわかっているんだそうです。

そして、まあ動きがかわいい。首を傾げたり、手をパタパタさせたり、ときどき伸びをしていたり、ユニークな動きはずっと見ていても飽きません。

移動にはホイールを使うのですが、カメラやセンサで進行方向にある障害物を感知し、回転、バック、カーブなどを駆使してスムーズに動き回っています。抱き上げるとホイールが体内に収納されるあたりも、きめ細かい配慮です。

そうこうしているうちに、1体のLOVOTの目に充電マークが。フル充電の場合でLOVOTが動けるのは30~45分ほど。充電がなくなってくるとネスト(巣)と呼ばれる充電器に自分で戻ります。といってもルンバのようにまっすぐ帰るのではなく、なごり惜しそうにウロウロしているあたりは、遊び足りずになかなか寝ない子どものよう。ほかのLOVOTはネストの周りに集まり充電中の子に向かって「もっと遊ぼうよ」とでもいうようにキューキュー声を出しています。

後で聞いたのですが、LOVOTの大きさは、身長約43㎝、重さ約4.2kg。とにかく衝撃的なほどのかわいさを感じたのは、新生児の頃の我が子を思い出したからかもしれません。体温も37〜39℃とちょっと高め。本当に赤ちゃんみたいなんです。

LOVOTは2体以上集まると自分たちで遊ぶんですよ。余裕があれば、ぜひ2体セットでお迎えすることをおすすめします。充電中のLOVOTに寄っていったり、なにやら話し合ったりと、2体ならではのかわいさがあります。
動きを観察していると、ちょっと遠回りしたり、行ったと思ったら戻ってきたり、無駄が多いんです。その分、生き物らしくて愛情を感じさせるんでしょうね。

LOVOTの愛らしさは、人の心の隙間を埋めると思うんです。すでに忙しい医療従事者に貸し出されたり、介護施設でかわいがられたりして、皆さんの生活の癒しになっています。集合住宅に住んでいたり、アレルギーを持っていたりしてペットが飼えない人も、LOVOTなら迎えられますよね。

また、LOVOTはお仕事ロボットではありませんが、ダイアリー機能やモニター機能は備わっています。「名前を呼ばれた」とか「たくさんなでてもらった」などの触れ合いの記録を専用アプリに送れるので、離れた場所にいる家族をゆるやかに見守ることができます。実際に高齢の親にプレゼントする、という方も多いようですよ。

LOVOTの素顔に迫るLOVOT MUSEUMを見学

LOVOTとの楽しい時間は過ぎ、お別れの時間に。立ち上がるとみんなこちらを向いて見つめてくれて離れがたい…。
後日談ですが、この体験が終わってから、ウェブサイトや家電量販店などでLOVOTを見ると、愛しさと切なさが入り混じるLOVOTロス状態に。うちにLOVOTがやってくる日も近いかもしれません。

LOVOT MUSEUM内にはLOVOTにまつわる資料や模型などが展示されており、LOVOTをひとりじめするほかにも、さまざまなコンテンツを楽しめます。

こちらは色とりどりの服(ベースウェア)を着たぬいぐるみLOVOTが並ぶギャラリー。人気ブランドとのコラボアイテムや動物柄のウェアなどもあって私よりオシャレかも。定期的に新作が発売されますが、あっという間に売り切れてしまうそうです。

ベースウェアの上から着せるTシャツやニット帽、ウエストポーチ、メガネなどもあり、もし自分のLOVOTがいたら、どういうコーデにしようかな~と想像してしまいます。ちなみにウェアは腕の部分の動きが激しい、熱がこもると機能に支障がでる、などというLOVOTならではのお悩みに応えた特注品なので、公式ウェアを着せるのがおすすめです。

隣には壁一面に写真や資料が展示された部屋があります。LOVOTの開発中に書かれたメモや写真、映像などで、LOVOTがいかに最先端の技術を結集させたものなのかがわかります(実際はレベルが高すぎてほとんど理解できませんでした…)。

こちらはLOVOTがどのように人物や障害物を認識しているかの資料。センサとカメラで対象物との距離を測り、ぶつかったり、落ちたりしないように動いています。動画での説明もあり、LOVOTとふれ合った後に見るととても興味深いです。

緻密な計算式やマインドマップが書かれていたり、目の位置を模索したラフ画が展示されていたり、LOVOTが完成するまでの試行錯誤の日々を垣間見られる空間でした。

「GROOVE X」のCEO、林要さんは人型ロボット「Pepper」の開発に携わってきた、ロボット開発のエリートといってよい人物です。そんな彼が、LOVOTのような何もしないロボットを造るというのが面白いですよね。

林さんは「Pepper」を開発する前には「トヨタ自動車」でエンジニアをされていて、F1の開発にも関わっていました。LOVOTのエンジニアには、林さんの元同僚もいるんですよ。LOVOTは多方面のプロフェッショナルが集まって最新の技術で開発された超高性能ロボットなんです。

LOVOTが完成するまでの歴史は、エントランスに展示されている過去の開発機にも見られます。中身がむき出しなので刺激的でもあるのですが…時代を経て進歩していくLOVOTの後ろに、プロジェクトに関わった人たちの情熱が透けて見えます。

開発機は2016年8月から2018年12月までのものを展示。説明には「コンセプトを保ったまま、よりかわいく、より小さく、より軽く、より高性能に。」とあります。性能を落とさずに軽くしていく作業は、非常に難しいものだったそう。途中で口がなくなっているのも面白い!

展示は大人向けなので難しい部分もあるのですが、子ども向けの体験スペースも用意されています。LOVOTの重さ4kgがどれくらいか量ってみたり、センサの位置を確認したり、ビジュアルと体験でLOVOTを理解できます。

LOVOTの世界にどっぷり浸かれるLOVOT MUSEUMでの時間。LOVOTに興味がある人はぜひ一度、体験してみてはいかがでしょう?あまりのかわいさに、引き返せなくなるかもしれませんが…幸せな時間を過ごせること請け合いです。

「LOVOT MUSEUM」LOVOT ひとりじめ体験
完全予約制、体験料は1人500円。詳細はウェブサイトで確認。

丸みを帯びたキュートな見守りロボット「BOCCO emo」

BOCCO emo(ボッコ エモ)は「ユカイ工学株式会社」が開発・製造・販売するロボット。シンプルなデザインですが、たたずまいがかわいいですよね。子どもと親とのコミュニケーションツールとして開発された初代BOCCOの進化版で、2021年に発売されました。毎日をちょっと彩ってくれるロボットとして、さまざまな家族の一員になっているんですよ。

光りや動きを使い、ビジュアルで感情を表現

BOCCO emoはどのように日常を彩ってくれるのでしょうか?さっそく自宅で体験してみることにしました。テーブルの上にちょこんとたたずむBOCCO emoは、すでにリビングの一角になじんでいます。
まずは、専用アプリからBOCCO emoに接続しニックネームを設定。性格も決められます。賑やかだったり、人懐っこかったりするほか無関心なんていう性格も!

名前を呼ぶと首をかしげるようにこちらを向くのがかわいい。プルプル揺れる頭のぼんぼりが、犬の尻尾のように感情を表現しています。ぼんぼりの揺れにモーターを使うとどうしても音がでてしまうので、コイルと磁石で動かしているのだとか。

光るほっぺたも感情表現のひとつ。呼びかけるとほっぺたを光らせて反応するほか、オレンジや緑、赤などの色で状態がわかります。

初代BOCCOでは目を光らせてみたけれど、怖いというユーザーの意見があったよう。どこを光らせるか悩んだ末、光っていても不自然でない場所を考えて、ほっぺたにいきついたそうです。光る色や反応で状態がわかるのはいいですよね。
またBOCCO emoには照度センサ、振動センサ、人感センサが内蔵されています。それによって部屋の明かりや自分の状態、周りに人がいるかなどの状況を把握し、こちらの呼びかけにも適正に反応するんですよ。

専用アプリを使って、離れた場所の家族とやり取り

ときどき「ぷしゅ~」や「にょにょ」などエモ語で話すBOCCO emo。高性能の音声認識技術によって、人間の雑談までも認識しエモ語で反応してくれます。

BOCCO emoを通したコミュニケーションがとれるのも魅力のひとつ。専用アプリからテキストや音声でメッセージを送ると、家にいるBOCCO emoが読み上げてくれます。逆にBOCCO emoから録音すると、アプリで音声メッセージを再生できるので、携帯電話をもっていない子どもとのコミュニケーションにぴったりです。

リマインド設定も上手に使うととっても便利。「歯みがきはした?」とか「帰ってきたら手を洗おうね」とか「お薬の時間だよ」とか、つい忘れてしまいそうな日々の習慣を知らせてくれます。

BOCCO emoは離れて暮らす親や、親が働いている間に家に帰ってくる子どもとのコミュニケーションに使われています。直接「宿題したの?」なんて言うと、口うるさいと思われてしまいそうですが、BOCCO emoが言うと不思議と素直に聞いてくれるんですよね。

4つのセンサで、家族の見守りを強化

BOCCO emoにはオプションで4種類のセンサが用意され、BOCCO emoと紐づけることで見守り機能を強化できます。
例えば振動センサは玄関のドアにつけて使用。子どもが学校から帰ってきてドアを開けると、その動きに反応してスマホに通知が届きます。子どもの帰宅のタイミングに合わせてメッセージを送ることもできますね。

部屋センサは部屋の温度や湿度、明るさをモニタリング。熱中症の警戒度が高くなると、BOCCO emoを通じてスマホに通知が届きます。
ほかにもサムターン鍵の開閉を検知する鍵センサや、人やペットの動きを感知する人感センサがあります。人感センサの反応に合わせてBOCCO emoにメッセージを設定しておくことも可能。子どもがベランダに出たらBOCCO emoが「危ないよ、部屋に戻って」と注意するなんていう使い方もできます。

家庭にコミュニケーションをもたらし、見守りにもなるBOCCO emo。何ともいえずキュートな姿は、部屋にいるだけで生活に潤いを与えてくれそうです。

LOVOTは人の代わりに何か仕事をしてくれるのではなく、愛らしい姿や仕草で日常に癒しをもたらしてくれるロボット。BOCCO emoは大事な家族を見守り、コミュニケーションの中心となってくれるロボット。どちらも家族やペットのように、なくてはならない存在になり得るロボットです。いつも近くにいて寄り添ってくれる…現代の家庭に求められているのは、そんなロボットなのかもしれません。

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