鏡開き
季節の行事

2024年の鏡開きはいつ?意味や由来もあわせて解説

お正月に行われる行事と言えば「鏡開き」です。鏡餅(かがみもち)を割って食べることだとは知っていても、「いつ行うのか」「どんな意味が込められているのか」については知らない方も多いでしょう。

そこで今回は、鏡開きの日程や行事の意味・由来、行う際の注意点についてまとめます。最後にはおすすめのレシピもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

鏡開きは毎年「1月11日」が基本

鏡開きは、一般的に1月11日に行われています(例外あり)。この日には、神棚や家族が集まる場所に飾っていた鏡餅を木槌で割って、そのかけらを調理して食べるのが習わしです。

鏡餅は年神様の依り代になる存在と言われているため、残さず食べると良いとされています。

この時期は、神様がいる期間とされる「松の内」が明けて数日が経ったタイミングです。つまり、お正月に招いた神様が帰ってから行うというのが、鏡開きの時期ということになります。

鏡開きを行う時期は地域によって違う

地域 鏡開き 松の内
東北
関東
九州
1月11日 1月7日まで
関西 1月15日 1月15日まで
京都 1月4日 1月15日まで

東北・関東・九州地方など、多くの地域での鏡開きは1月11日が一般的です。これらの地域では、門松・松飾りを出しておく「松の内」を1月7日までとしています。

一方、関西地方では松の内が1月15日までとなっています。それに合わせて、関西では鏡開きを1月15日に行うことが多いと言われています。また、京都の一部地域のように1月4日に鏡開きを行うという例外的なエリアもあります。

鏡開きの意味や由来

鏡開きは単に飾っていたお餅を食べるだけの行事ではありません。その意味を知ることで、新たに始まる一年を気持ち良く迎えられます。鏡開きの意味や由来について、詳しく見ていきましょう。

一年の無病息災を願って行われる

鏡開きは、鏡餅をお雑煮やお汁粉などで食べる行事です。鏡餅を食べることは年神様の力を取り込むという意味があり、一年の無病息災を祈願することにつながります。

そもそも、鏡餅や鏡開きに使われている「鏡」には、平和や円満といった意味があります。また、「開き」は縁起の良い“末広がり”を意味する言葉です。

なお、鏡開きは「鏡割り」という別称もありますが、「割る」という言葉の縁起が悪いということで避けられています。

お餅を食べている家族

室町時代に行われていた「具足開き」が由来

鏡開きの由来は、室町時代や江戸時代の武家社会で行われていた「具足開き(ぐそくびらき)」とされています。これは、お正月の鏡餅を床の間に飾られた具足(甲冑)へ供え、その後の1月11日に小槌で割って食べる行事です。元々の具足開きは1月20日に行われていたそうです。

しかし、徳川家光が慶安4年4月20日に亡くなったことから、月命日である20日が武家社会では忌日になり、鏡開きも1月11日に行われるようになったと言われています。現代の東日本で行われている鏡開きが1月11日なのも、この経緯が関係しています。

「樽酒の鏡開き」との違い

酒樽の上蓋を割って日本酒を飲む行事にも「鏡開き」という名称が付けられています。しかし、これは鏡餅を使った鏡開きとは別のものです。

酒樽を使った鏡開きは、縁起を担ぐための行事です。主に結婚式や祝賀会などで行われています。

一方、鏡餅を使った鏡開きには“正月の終わり”としての行事です。目的は、神様に今年の健康や幸福を祈り、感謝することです。

樽酒の鏡開き

鏡開きでやってはいけないこと

鏡開きを行う際には、いくつかの決まり事があります。覚えておきたい「やってはいけないこと」は以下の3点です。

鏡餅を包丁で割るのはNG

鏡餅を割るときは、木槌を用います。包丁などの刃物を使ってはいけません。

理由は、鏡餅の由来が武家社会にあるためです。武士にとって、刃物は切腹をイメージするなど、縁起が悪いものとして扱われていました。現代の鏡開きについてもこの習慣を踏襲しています。

なお、木槌がない場合には、手で割るのが習わしとなります。

餅の破片を残すのはNG

鏡餅には年神様が宿るとされています。鏡開きで割られた破片にも、年神様の力がしっかりと詰まっていると考えられています。

そのため、小さなカケラであったとしても、残さずにいただく必要があります。一部だからといって、鏡餅を捨てるようなことはしてはなりません。

松の内が明ける前に食べるのはNG

鏡餅は、お正月を迎える際に神棚や家族が集まる場所に飾ります。その後、松の内と呼ばれるタイミングが過ぎた際に下ろし、鏡開きを行います。これは、鏡餅に宿った年神様は、松の内まで滞在していると考えられているためです。

「三が日が過ぎたからもう食べて良い」とはなりません。正しい時期を迎えてから鏡開きを行った上で美味しくいただきましょう。

【くらひろお手軽レシピ】お餅のおすすめ料理を紹介

最後に、「お餅を使ったお手軽レシピ」をご紹介します。定番からスイーツ的な楽しみ方まで、おすすめの調理方法3選です。鏡餅をすべて残さず食べきるためにも、いくつかの料理を試してみましょう。

黒豆ココナッツミルクぜんざい

黒豆ココナッツミルクぜんざい

お正月に大活躍する黒豆と、鏡開きしたお餅を組み合わせた料理です。味付けにはココナッツミルクや牛乳などが加えられ、さながらスイーツのような味と香りに変身。食後のデザートなどにももってこいです。

「黒豆ココナッツミルクぜんざい」のレシピはこちら

磯辺焼き

磯辺焼き

お餅料理の定番として多くの人から親しまれている磯辺焼き。海苔の香りと少し煮詰まった醤油の風味が合わさり、お餅のおいしさを引き立てます。

ボリュームも満点なので、昼食や夕食のメニューにもぴったり。おやつとして楽しむのもおすすめです。

材料(2人分)

  • 餅:1~2個(50~100g)
  • 醤油:適量
  • 砂糖:適量
  • サラダ油:小さじ1

作り方

  1. フライパンを中火で熱し、サラダ油を加えて餅を焼く。
  2. 焼き色がついたら裏返し、蓋をして弱火で加熱する。
  3. 餅が柔らかくなったら、砂糖と醤油を混ぜ合わせたものを加えて、弱火で煮からめる。
  4. 味が馴染んだら火から下ろす。
  5. 餅に海苔を巻き、お皿に盛り付ける。

きな粉餅

きな粉餅

お餅に砂糖ときな粉を振りかけたきな粉餅は、おやつにぴったりのメニューです。鏡開きしたお餅の量が多いときは、欠片のうちいくつかをきな粉餅にする、というのもおすすめ。レンジを使えば手間が少なく、それでいてふっくら柔らかい仕上がりになります。

材料(2人分)

  • 餅:1~2個(50~100g)
  • きな粉:適量
  • 砂糖:適量

作り方

  1. 餅を耐熱ボウルに入れ、被る程度の水を加える。
  2. ラップせず、電子レンジで2分30秒(600W)加熱し、柔らかくする。
  3. バットにきな粉と砂糖を入れ、よく混ぜる。
  4. 水気を取った餅に「3」のきな粉をまぶす。
  5. お皿に盛り付けて完成。

まとめ

今回は鏡開きについて、詳しくご紹介しました。とくに、意味や由来については知らなかったという方も多いでしょう。

1月11日には、その年の無病息災を祈りつつ、おいしく鏡餅をいただいてください。

Facebookでシェアする
LINEでシェアする