退職を上手に伝える言い方とは?切り出すときの注意点も紹介!
そこで今回の記事では、円満退社に向けた退職の流れや伝え方のポイント、注意点について解説します。
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退職を上手に伝える言い方のポイント
円満な退職を望む場合には、退職の意思や理由を上司に納得してもらわなければなりません。そこで重要になるのが、「伝え方」です。退職を理解・納得してもらうためには、最初に退職について切り出す際の言い方に気を付ける必要があります。
退職を上手に伝える言い方のポイントは、以下のとおりです。
お詫びの言葉と退職の意思をしっかりと伝える
退職の意思を伝える際には、はじめにお詫びを述べるのが大切です。退職自体は雇用者の権利ですが、退職者が出れば部署の人員が減り、増員されるまで上司や同僚の負担が増えます。その点についてお詫びをする、という意味です。
「突然のことで申し訳ありません」などの一言をまず伝えるようにしましょう。
次に、しっかりと退職の意思を伝えることが重要です。曖昧な相談ベースの会話では、本音が伝わりません。「単に仕事で悩んでいて、その相談をされているだけ」というふうに受け取られる可能性もあります。
ただし、一方的に「辞めます」と言い切るのも、相手に対しての気遣いに欠けた印象を与えますので、最初に記述したとおり、お詫びの言葉と共に伝えるようにしましょう。
なお、はじめから事細かに退職に至った経緯を話す必要はありません。まずは「一身上の都合」という理由に留めつつ、退職に向けた意思は固い、という気持ちを見せましょう。
退職の理由は引き止められにくいものとする
上司から退職の理由を詳しく聞きたいと尋ねられた際には、引き止められにくい理由を伝えましょう。引き止められにくくするポイントは、「個人的なやむを得ない事情」や「会社にとってネガティブではない理由」を伝えることです。
例えば介護や育児、健康問題といった事情であれば、引き止めるのも難しくなるでしょう。家庭の事情が退職の理由でない場合は、転職の軸を中心に考えるのがオススメです。具体例としては以下のようなものがあります。
- 将来的に就きたい仕事があり、そのためのスキル習得やキャリア形成のために転職したい
- 独立を検討しており、早い段階でチャレンジに踏み切りたいと考えている
など
前向きな理由による退職・転職であれば、上司も受け入れてくれやすいでしょう。
逆に、現職にネガティブな印象を与える退職理由の例は以下のとおりです。
- 出世できそうにないから
- 今の仕事に興味が出ないから
- 給与に不満があるから
- 同僚との人間関係がうまくいかないから
など
これらの理由は、反感を買うだけではなく、「退職しなくても配置換えや条件変更などで解消できる悩み」と捉えられる可能性があります。あくまでも退職を心に決めているのであれば、引き止めにあうことを避けなくてはなりません。
なお、繰り返しとなりますが、退職理由を伝える際にも、意思の固さについては必ずアピールしてください。少しでも迷いがあると思われると、引き止められて辞めづらくなる可能性があります。
退職時期は相談ベースで伝える
本来、退職の時期は自分で決められるものです。しかし、引き継ぎなどの問題もあるため、はじめから日時を断定するのは上司を困らせることもあるでしょう。
そのため、まずは相談ベースで調整をしたいと伝えるのが無難です。引き継ぎ期間などを含め、2カ月程度の猶予を持っておくとお互いに安心です。
ただし、何月中までには退職したい、といった目安を伝えることは問題ありません。転職の予定などがあるなら、譲れないタイミングについてははっきりと申し出ておきましょう。
なお、民法上では退職日の2週間前に申し入れをすることで、退職が可能とされています。ただし、年棒制/完全月給制・期間の定めがある雇用契約については、この民法の規定に当てはまりません[1]。
加えて、会社の就業規則に退職の申し出期限が記載されている場合もあります。「半年」「1年前」など、法外な場合は従う必要はありませんが、基本的には規定に従っておくのがよいでしょう。
退職を切り出すときの注意点
会社を辞めようと決心をし、その旨を上司に切り出すときには、引き止め、退職時期の延期など、さまざまな障害が発生する可能性があります。これをできる限り回避するには、退職を切り出すタイミングや切り出す際の態度などを工夫することも大切です。
会社の繁忙期は避ける
慢性的に忙しいという場合や、やむを得ない理由の場合を除き、退職のタイミングは繁忙期を避けるのが大切です。上司が多忙な状態だと、退職に関してきちんと取り合ってもらえない可能性があります。また、引き継ぎがスムーズに進められなくなるケースも考えられ、結局退職の時期が遅くなることも考えられます。
ただでさえ退職は後ろめたさが漂うものです。できれば仕事が落ち着いているタイミングで上司に時間をもらい、退職を切り出すほうが無難でしょう。
会社の愚痴や批判は理由に含めない
言い方のポイントでもお伝えしたとおり、退職を切り出す際にはポジティブな印象を大切にしてください。相談のなかで会社の愚痴や批判をすると、退職するまでの期間中、働きにくくなる可能性があります。もしくは、不満点を上司が把握することで、待遇改善を理由とした引き止めにあう場合もあるでしょう。
円満に退職をするためには、意思は固く、前向きな気持ちでいることが伝わるよう振る舞ってください。
感謝の気持ちは必ず伝える
相談の序盤・途中・最後、どのタイミングでも構いません。これまで一緒に働いてくれた上司や同僚、会社に対しての感謝の気持ちは、必ず述べるようにしましょう。
もちろん、退職の理由にはさまざまなものがあります。感謝することが疑問に思われる労働環境もあるかもしれません。しかし、退職するまでの期間、気持ちよく引き継ぎを行い、円満な状態で会社を去りたい場合は、感謝の気持ちを持ち、それを伝えるよう心がけましょう。
退職を相談するときのパターン別対処法
実際に退職について相談をしてみたものの、上司から引き止められたり、次の転職先について質問をされたりすると、うまく受け答えができなくなってしまうという方は少なくありません。そこで、退職相談時に抑えておきたいパターン別対処法をご紹介します。
引き止められたとき
退職を引き止められた場合には、曖昧な回答を避け、しっかりと断ることが大切です。そもそも、退職とは許可を得るものではなく、自分の意思だけで決められるもの。後ろめたさから、引き止めの言葉に耳を貸す必要はありません。
なお、引き止めによって環境が改善する可能性は確かにあります。しかし、逆にやる気のない社員と捉えられ、人事評価が低下し、待遇が悪くなったり、左遷されたりするケースもあるので注意しなくてはなりません。
次の会社がまだ決まっていないとき
相談時に「次の仕事は決まっているの?」と聞かれることがあります。この際、「何も決まっていない」と言えば、引き止められる可能性が高まります。
そのため、転職先が未定であったとしても、次はどの業界・分野にチャレンジしたいといった明確かつポジティブな理由をはっきり伝えるようにしましょう。その業界・分野に関するキャリアが現職で積めないことを上司に理解してもらえれば、引き止めを回避できます。
競合他社への転職の場合
転職先が決まってはいるものの、それが競合他社の場合には事情が少し複雑です。この際は、正直に転職先を名言する必要はありません。かと言って、噓の転職先を言うのはトラブルの元なので避けるようにしましょう。
なお、一部の会社では入社時などに、同業への転職を禁じる競業忌避契約を設けている場合があります。憲法上は職業選択の自由があるので、転職自体を縛ることはできません。ただし、情報の取り扱いなどに関して禁止事項などが定められているケースがあるので、確認しておくようにしましょう。
退職を伝えた後の流れ
最後に、退職を伝えた後の流れについて整理していきましょう。
退職を伝えただけでは、まだ離職が確定したわけではありません。実はまだ会社を辞める決意が固まっていなかった、というケースもあるでしょう。引き返したいと少しでも思ったのなら、「仕事を辞めたい時にすべきことは?退職の判断基準や流れも解説」をぜひ参考にしてみてください。
退職願を提出する
退職願の要不要は会社によって異なります。なかには口頭のみでよい会社もあるので、上司に相談する際に質問しておきましょう。なお、退職願は上司への相談が終わった後で作成します。いきなり退職願を持って相談にいかないよう注意してください。
フォーマットや提出先は就業規則に定められていることもあるので、確認をしておきましょう。なお、「退職願」はあくまでも退職を願い出るという相談ベースのものです。一方、「退職届」は通知であり、提出すると原則撤回はできないという違いがあります。そのため、基本的には円満退社のために「退職願」を使うのが一般的です。
退職の手続きを行う
退職手続きには、大きく分けて「社内での手続き」と「公的な手続き」の2つがあります。
社内での手続きについては、就業規則などに定められているため、手続き期限などを再確認するようにしましょう。また、社内の引き継ぎだけでなく、取引先にも担当変更に伴う挨拶などを済ませてください。
公的な手続きには、住民税の支払いなどがあります。また、退職後には失業給付や年金の切り替え、健康保険の切り替えといった手続きも発生するため、事前に準備しておくようにしましょう。
退職する
退職日が来る前に、会社から貸し出された物品の確認・返却を行います。また、当日にバタバタしないよう、デスクやロッカーの片付けも進めてください。
退職当日は、挨拶回りや離職手続きのため、いつもより早く出社しておきましょう。なお、当日には以下の必要書類が総務から渡されます。
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳 など
※後日郵送の場合もあり
なお、以下の書類は、退職後1週間程度たってから郵送されることが多いです。
- 源泉徴収票
- 離職票 など
上記の書類は、廃棄せずしっかり保管しておきましょう。例えば、源泉徴収票は転職後の年末調整や確定申告で必要になります。会社を離れたからといって、すぐに廃棄しないよう注意してください。
退職後に失業給付を受け取る場合には、離職票が必要です。一般的に、退職から2週間程度で自宅に会社から郵送されるので、確認しましょう。
なお、失業給付を受け取るためには、離職票を受け取った後に、ハローワークで受付票への記入を行い、面接を受けることになります。受給資格が決定したら、7日間の待機期間を経て、雇用保険給付説明会に参加。会社都合の退職の場合は、待機期間が満了すると、翌日から手当が支給されます。
自己都合(転職など)や懲戒解雇の退職の場合は、1週間の待機期間に加えて2か月間の給付制限を経てからの支給となります。以前は3か月の給付制限でしたが、2020年10月1日の制度改正[2]により、5年間のうち2回の退職の場合、給付制限は2か月に短縮されました。3回目の離職以降は3か月となりますので、ご注意ください。
なお、一部ハローワークにおいては、新型コロナウイルス感染防止のため、雇用保険給付説明会が中止となり、代わりに動画視聴などを行っている場合があります(2022年12月現在)[3]。対応については、ご自身が通われるハローワークにご確認ください。
まとめ
退職の意思を伝えるのは誰しもが後ろめたいもの。しかし、現状に満足ができず、その解決方法として離職を選ぶのであれば、一歩踏み出すことも大切です。退職への固い意志がしっかり伝われば、上司からも応援をしてもらえるでしょう。円満退社のためにも、今回ご紹介したポイントをぜひ参考にしてください。
- e-Gov法令検索
明治二十九年法律第八十九号 民法 - 厚生労働省
「給付制限期間」が2か月に短縮されます - 東京労働局
雇用保険受給手続きをされた皆様へ~雇用保険説明会のWeb視聴について
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