うるう年
季節の行事

うるう年(閏年)とは?必要な理由は?由来や計算方法を解説

4年に1度訪れる、2月29日がある年のことを「うるう年」といいます。直近のうるう年は2024年ですね。

そもそも、うるう年は必ず4年に1度訪れるものなのでしょうか。また、なぜうるう年が必要なのか疑問に感じる方も多いはずです。

そこで今回は、うるう年の起源や必要な理由、判別・計算方法について解説します。また、うるう年とあわせて覚えておきたい「うるう秒」に関する内容も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

うるう年(閏年)とは?起源や必要な理由を解説

うるう年とは、4年に1度訪れる2月29日がある年のことを指します。

漢字表記は「閏年」で、中国から伝わった「閏」という漢字が使用されています。うるう月に王様が門から出ず、政務を行わない中国の習わしが由来です。

うるう年のない1年のことを「平年」といいます。平年よりも日数が1日多い年が、うるう年だと覚えておきましょう。ちなみに、前回のうるう年は2020年で、直近では2024年、2028年が該当します。

必要な理由:公転周期と暦のズレを修正するため

うるう年は、地球が太陽の周りを1周する「公転周期」と暦のズレを修正するために設けられています。

現在の「暦」である「グレゴリオ暦」という太陽暦は、地球が太陽の周りを1周する公転周期に基づき定められています。地球の公転周期は365日で、この数字がそのまま「1年」の日数になっています。

しかし、地球の正確な公転周期はちょうど365日ではなく、それよりも約1/4日長い約365.24219日です。時間に置き換えると、公転周期と暦には毎年およそ6時間のズレが生じています。

そこで、そのズレを修正するために設定されているのがうるう年です。4年に1度の年をうるう年に設定し、2月を29日間にすることで、公転周期と暦のずれを修正しているのです。

星の周期

うるう年の判別ルール・計算方法

原則、4年で割り切れる年がうるう年とされます。

ただし、うるう年にはいくつかの例外があることも把握しておかなければなりません。ここでは、うるう年を判別する方法や例外ルールとあわせて、21世紀のうるう年をまとめています。

4で割り切れる年は原則うるう年

多くの方が認識している「うるう年は4年に1度訪れる」というイメージのとおり、原則4で割り切れる年はうるう年となります。

過去、直近のうるう年2020年、その前は2016年でした。原則として、夏季オリンピックが開催される年が、うるう年に重なると覚えておくと良いでしょう。そのため、次のうるう年はパリオリンピックが開催される2024年ということです。

しかし、たとえ4で割り切れる年でも、うるう年にならないケースもあります。うるう年に関する例外は、次の項目をご覧ください。

うるう年の2つの例外ルール

4で割り切れる数字でも、西暦年数が100で割り切れる年はうるう年になりません。うるう年は公転周期と暦のズレを修正するために設けられていますが、うるう年により生じるズレもあります。

地球の公転周期は約365.24219日ですので、公転周期と暦には毎年約6時間(約0.25日)のズレが生じます。ただ、そのズレはちょうど0.25日ではなく、それよりもわずかに短い約0.24219日です。

つまり、4年に1度の年をうるう年にすると、その4年間の暦上の時間は地球の4回分の公転周期よりもほんの少しだけ長くなってしまいます。

これを修正するため、西暦年数が100で割り切れる年はうるう年にならないというルールがあります。さらに、西暦年数が100年で割り切れる年のうち「400で割り切れる年」はうるう年とする例外ルールもあります。例えば2100年は、400で割り切れないためうるう年にはなりません。一方で、400で割り切れる2000年は、うるう年になります。

これらによって、暦上の時間と地球の公転周期に生じているわずかな差を調整しているのです。

21世紀のうるう年一覧

うるう年の原則や例外ルールを踏まえたうえで、21世紀のうるう年を一覧にしています。

  • 2004年
  • 2008年
  • 2012年
  • 2016年
  • 2020年
  • 2024年
  • 2028年
  • 2032年
  • 2036年
  • 2040年
  • 2044年
  • 2048年
  • 2052年
  • 2056年
  • 2060年
  • 2064年
  • 2068年
  • 2072年
  • 2076年
  • 2080年
  • 2084年
  • 2088年
  • 2092年
  • 2096年

「4で割り切れる」という原則に従うと2100年もうるう年なのでは?と思うかもしれませんが、2100年は100で割り切れるものの400で割り切れないため、平年となります。

上記のとおり、直近のうるう年は2024年で、その次のうるう年は2028年です。

カレンダー

うるう年が誕生日の人はいつ歳をとる?

うるう年生まれの人でも、当然のように毎年歳をとります。

暦上で4年に1度しか誕生日が来なくても、1年に1度歳をとる計算です。ここでは、うるう年の人が歳をとる仕組みについて、法律上の視点から解説します。

法律上は2月28日の24時

明治35年12月22日に施行された「年齢計算ニ関スル法律」[1]によると、年齢の計算は出生日を初日に換算するとされています。

つまり、誕生日から起算して次に迎える誕生日前日の24時に歳をとるということです。そのため、たとえ4年に1度しか訪れない2月29日生まれだとしても、2月28日の24時になった段階で歳を重ねることになります。

「生まれた日」とする2月29日は確かに4年に1度ですが、平年生まれ同様に誕生日は毎年訪れるということです。

うるう秒とは?

うるう年と関連する言葉に「うるう秒」があります。ここでは、うるう秒の概要や今後について詳しく解説します。

地球の自転速度の変化に時間を合わせるためのもの

日本時間では数年に一度、9時00分00秒の前に、8時59分60秒がカウントされます。1分は60秒であるため、59秒の次は00秒となるのが通常ですが、数年に一度59秒の次に60秒がカウントされます。これが「うるう秒」です。

もともと、1日の長さは地球の自転周期に基づいて決められていました。しかし、技術の進歩により「原子時計」が登場したことで、非常に正確な時間測定が可能になり、地球の自転周期にはムラがあることが分かってきました。

その結果、地球の自転周期を基準とする時間と原子時計を基準とする時間のあいだに、わずかな差が生じるという問題が浮上しました。これを調整するため、原子時計を基準とする時間に追加されるのが「うるう秒」です。

うるう秒はうるう年とは異なり、規則的に訪れるわけではありません。地球の自転周期を測定し、原子時計を基準とする時間とのあいだに差が生じたときに設定されます。

直近のうるう秒は、2017年の1月1日でした。それ以前では、2015年の7月1日、2012年の7月1日にうるう秒がありました。あくまで「地球の自転周期によるズレ」を修正するタイミングで設定されるものとして、認識しておきましょう。

時計の時刻をあわせる

うるう秒は2035年までに廃止予定

国際度量衡局(BIPM)によると、地球の自転速度に応じて設定されるうるう秒は、2035年までに廃止されるとされています。うるう秒の廃止には、近年のデジタル化が背景にあります。

近年は通信システムや衛星ナビゲーションなど、人間社会への影響度が大きいデジタルインフラが多くあります。しかし、不規則なタイミングでうるう秒が追加されると、その影響でシステム障害が発生するおそれがあり、社会に甚大な混乱をもたらす可能性が否定できません。

これを防ぐため、2035年までにうるう秒を廃止する方針が決まりました。それ以降は別の方法でズレを修正することになりますが、その方針は現在検討が重ねられているそうです。

まとめ

うるう年とは、現在の暦であるグレゴリオ暦と、地球の公転周期のズレを修正するために設けられている年のことです。原則、4年に1度訪れるもので、うるう年には2月が29日までになります。

4年に1度訪れるのが基本的なうるう年の周期ですが、100で割り切れる年はうるう年になりません。ただし、100で割り切れ、かつ400でも割り切れる年はうるう年になります。

少し不思議な感覚を抱かせてくれるうるう年。平年よりも1日長い貴重な日を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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