アロマ 虫除け効果
くらしの知恵

アロマで虫除け対策!メリット・デメリット・成分・作り方を解説

アロマオイルは、主にリラックスできる環境作りに適したグッズですが、香りによっては虫除け効果が期待できるものもあります。虫が寄ってきやすい夏の季節には、アロマオイルを使った虫除けがおすすめです。

今回は、アロマオイルが虫除けに効果がある理由や、虫除けにアロマオイルを使用する際の注意点を解説します。

アロマオイルとは?虫除け効果がある理由

アロマオイルとは、植物由来の天然香料または合成香料を、アルコールやキャリアオイル(植物油)などで希釈して作られた製品です。香りを楽しむ「芳香浴」で使用されるオイルで、肌に付けるオイルではない点にご注意ください。

アロマオイルは手作りできることも特徴です。自分の好みに合った香りを手軽に楽しむことができます。

虫が嫌がる香り成分が入っているものがある

植物由来の天然成分が入っているアロマオイルの中には、害虫に対しての忌避(きひ)効果が期待できるものもあります。

忌避とは「嫌って避けること」ことです。蚊やダニなどの害虫が嫌がる香りを含むアロマオイルを使用することで、その忌避効果によって害虫を身の回りに寄せ付けないようにできます。

好みの香りを身の回り品に付けてお出かけできる

アロマオイルで虫除けするメリット

ここからは、虫除けスプレーではなく、アロマオイルを虫除けに使用するメリットを解説します。

好みの香りを身の回り品に付けてお出かけできる

アロマオイルは芳香浴を目的に作られているので、虫除けの効果と同時に好みの香りを楽しむことができる点がメリットと言えます。

ただし、アロマオイルは香水のように香りが一日中続くわけではありません。香りが薄くなってきたときに付け直せるように、持ち運びしやすい小さめのスプレー容器に入れておくと便利です。

また、香水とは異なり、アロマオイルは直接肌に付けて使用するためのものではありません。肌荒れの原因にもなることもあるため、正しい使い方で使用してください(詳しくは、後述する「▼肌に合わない場合がある」もご覧ください)。

余っても自宅で芳香浴に使える

虫除けスプレーは虫除け目的でしか使えないのに対し、アロマオイルは自宅で香りを楽しむ目的でも使える点がメリットです。余った場合は、自宅での芳香浴に使用しましょう。

余っても自宅で芳香浴に使える

アロマオイルで虫除けするデメリット・注意点

ここからは、アロマオイルで虫除けするときのデメットや注意点を紹介します。

肌に合わない場合がある

アロマオイル全般に言えることですが、使用するときには肌に付かないように注意することが大切です。

とくに、虫除け目的でアロマオイルを使う場合は、精油(植物由来の天然素材のオイル)成分を含んだものを使うことが多くなりますが、精油の原液は肌への刺激が強く[1]、肌荒れの原因になることがあります。

精油を希釈したアロマオイルでも、誤って肌に付いてしまったときには、すぐに流水で洗い流す必要があります。赤み・刺激・発疹など肌に異常が出た場合は、医師の診療を受けるようにしましょう。

3歳未満の子どもへの使用には十分な注意が必要

精油は、3歳未満の子どもの肌には刺激が強い可能性があり、芳香浴以外での使用は推奨されていません[1]。精油成分を含むアロマオイルについても、3歳未満の子供の使用には十分な注意が必要です。

また、3歳以上であっても、精油の使用量は成人の使用量の10分の1程度から始め、多くても2分の1程度に収めることが推奨されています[1]。ただし、精油成分を薄めると虫除け効果があまり期待できなくなることには留意する必要があります。

肌が弱い3歳以下の子どもでも使用できる虫除けスプレーも市販されていますので、状況に合わせて適しているものを使用することをおすすめします。

こまめに付け直す必要がある

外出時にアロマオイルを使う場合は、薄めたものをスプレーの容器に入れて持ち歩くのが基本です。ただし、薄めたものを使う関係上、香りの持続力が低下し、虫除け効果も長く続かない可能性があります。そのため、こまめに付け直す必要が出てきます。

アロマオイルを外出時に使用する場合、肌につかないように注意し、襟や腰あたりの服、持ち物にふりかけるようにしましょう。

殺虫目的では使えない

アロマオイルには、虫が嫌がって近づかない効果がありますが、殺虫効果はありません。殺虫スプレーと同じ使い方をしても効果はないので、ご注意ください。

虫除けに効果があるアロマ成分

ここでは、虫除けに効果的なアロマ成分を紹介します。それぞれに特徴があるため、自分の目的と好みにあったアロマオイルを探してみましょう。

ペパーミント

ペパーミントの香り成分である「メントール」は虫が苦手な香りで、スーッとした清涼感があります。

ペパーミントが対策に効果があるとされる虫は以下のとおりです。

  • アリ
  • ダニ
  • ゴキブリ など

レモングラス

レモングラスの主要成分である「シトラール」や「シトロネラール」には、害虫忌避効果があります。レモングラスは昔から蚊帳(かや)に編み込まれるなどして、蚊よけとして活用されてきました。

レモングラスの効果が有効とされる虫は以下のとおりです。

  • ゴキブリ
  • ダニ
  • ハエ など

シトロネラ

シトロネラには、害虫忌避作用があるとされる「シトラール」や「シトロネラール」が多く含まれています。

シトロネラの効果が有効とされる虫は以下のとおりです。

  • ブユ
  • ダニ
  • ノミ
  • ゴキブリ など

ユーカリ・シトリオドラ

ユーカリ・シトリオドラの主成分は「シトロネラール」です。含有量は65%~75%と多く、虫除けによく使われます。レモンに似た柑橘系特有の香りがするので、害虫忌避効果だけでなく、デオドラント効果や抗菌・抗ウイルス作用も期待できるでしょう。

ユーカリ・シトリオドラの効果が有効とされる虫は以下のとおりです。

  • ダニ
  • ハエ
  • ゴキブリ など

ハッカ

ハッカの香りには、虫が嫌がる成分が含まれています。清涼感があるため、付けやすい香りです。

ハッカの効果が有効とされる虫は以下のとおりです。

  • ブヨ
  • アブ
  • ゴキブリ など

虫除けアロマスプレーの作り方

ここでは、手作りの虫除けアロマスプレーの作り方を紹介します。

材料は100円均一やドラッグストアで手に入り、作業工程も簡単なので、お気に入りのアロマで作ってみましょう。

【材料】

  • アロマオイル(ペパーミント、レモングラス、ゼラニウム、シトロネラ、ユーカリ・シトリオドラ、ハッカなど)から1~3つ、その他好きなアロマ
  • 無水エタノール5mLまたはキャリアオイル5mL
  • 精製水45mL
  • 50mLスプレー容器

虫除けスプレーの作り方

  1. ①スプレー容器に無水エタノールを入れる
  2. ②合計10滴になるように好みのアロマを入れる
  3. ③スプレー容器の蓋をしてよく溶かす
  4. ④精製水をスプレー容器に入れて再度よく混ぜる

無水エタノールの代わりに、ホホバオイルなどのキャリアオイル(植物の果実や種子などから抽出したオイル)も使用可能です。

ただし、手作りの虫除けスプレーは、防腐剤が入っていないため長期保存ができない点に注意してください。

虫除け以外での汎用的なアロマの使い方

ここからは、アロマのさまざまな使い方を紹介します。

沐浴法(もくよくほう)

沐浴法とは、アロマオイルをお風呂のお湯に混ぜて、湯気と一緒に広がる香りを浴室で楽しむ方法です。

お湯に入れて揮発した精油を含む水蒸気を吸い込むことで、精油成分を取り入れられます。

沐浴法(もくよくほう)

芳香浴法(ほうこうよくほう)

芳香浴法とは、アロマオイルを室内に漂わせて香りを楽しむことで、リラックスや気分転換を図って心身のバランスを整えるアロマの使い方の1つです。熱いお湯にアロマオイルを垂らし、蒸気で拡散してより広い範囲で香りを楽しめます。

他にもディフューザーを利用したり、アロマストーンの上にオイルを1~2滴ほど垂らして置いておいたりなど、さまざまな手法があります。

まとめ

アロマオイルは芳香浴に使用されているアロマです。害虫に対して忌避効果のあるアロマ成分を使用すれば、虫除けをしつつ、香りも楽しめるのが良い点です。ただし、肌に付けるものではないため、虫除けで使うときは、服や持ち物にふりかけるようにしましょう。

お休みの日にキャンプやハイキングなど外でのレジャーを楽しみたい方は、ぜひ虫除け効果のあるアロマを使ってみてはいかがでしょうか。

  1. 公益社団法人 日本アロマ環境協会:
    安全に楽しむために
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