ドキドキは誰でも解消できる! 「あがり症」克服のポイント
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あがり症は、脳が呼び起こす症状であり、きちんと向き合わないままに放置していると、自分の能力が埋もれてしまう原因となります。いくら素晴らしい企画を準備しても、緊張してあがってしまい上手に発表できなければ、ビジネスチャンスを逃してしまうかもしれません。あがり症を克服して、自分の素晴らしさを発揮しましょう。
あがり症について理解しよう
あがり症を改善するためには、症状がなぜ起こるかを理解することが不可欠です。あがり症の原因を知って克服する意志を持ち、今よりもっと積極的に、そして自信を持つためのきっかけにしましょう。
1.あがり症の症状と原因
あがり症には、「声が震える」「早口になる」「顔が赤くなる」「汗をかく」「手が震える」「息苦しくなる」「胸がバクバクする」「頭が真っ白になる」ほか、さまざまな症状があります。発表や面接、プレゼンの場などで、これらの「あがり」の症状を経験した人も多いことでしょう。そしてこれからも、環境の変化によって「あがり」と出会うことがあるかもしれません。
あがり症の原因は、2つの神経伝達物質の影響にあります。ひとつは「ノルアドレナリン」で、緊張やストレスを感じると多く分泌され、アドレナリンが生産されます。すると、精神状態が興奮し、心拍数や体温の上昇、発汗などの症状を引き起こします。
もうひとつは「セロトニン」で、緊張などで適切に分泌されなくなると、不安やストレスを強く感じるようになります。このように、神経伝達物質によって自律神経が刺激されると、「あがり」の症状は誰にでも表れます。あがり症は、脳が正常に動いているサインであり、悪いものではないと覚えておきましょう。
2.「言語化力」や「フレーム力」で改善
「あがり」の理由が、「言葉がみつからない」「うまく伝わらない」などであれば、それは準備不足が原因です。「言語化力」や「フレーム力」など、スキルやテクニックを磨くことで克服することができます。
「言語化力」とは、自分の言いたいことやイメージを言葉にする力です。「言いたいことを言葉にできない」「伝えたいことを表現できない」というのは、言葉の作り方を知らないことが原因です。わかりやすさを意識して、より具体的な言葉を選び、相手の思考レベルに合わせて話す訓練をしましょう。
「フレーム力」とは、話す順番や構成のことです。話す順番を間違えると、「言いたいことがよくわからない」と思われてしまいます。「結論から話す」など、話す順番(フレーム)を工夫することで、話がシンプルになり、わかりやすさが増します。フレームのパターンをいくつか持っておき、状況や相手に合わせて使い分けましょう。
3.あがり症とコンフォートゾーン
「あがり」の理由が、「自信がない」という感情にあるなら、その原因は、「コンフォートゾーンではないから」です。コンフォートゾーンとは、自分が「心地よい」「快適」と感じる慣れ親しんだ領域のことで、古くからの友人や行きつけのお店に安心するのは、これらがコンフォートゾーンだからです。そして、コンフォートゾーンから外れることで、緊張が起こります。
コンフォートゾーンは、人によって領域が異なります。たとえば、発表の場で10人を超えると緊張するというのは、「量」によってコンフォートゾーンが分かれているからです。また、初めて会う人に緊張するというのは、相手が誰かという「質」で人見知りを起こしているからです。自分の中にあるコンフォートゾーンの領域を知っておきましょう。
あがり症を克服した自分を想像しよう
あがり症はネガティブなものではなく、脳が機能している証拠といえます。あがり症について正しく認識した上で、克服するための一歩を踏み出しましょう。
1.ゴールを設定する
あがり症を治すためには、「人前で話すことを楽しみたい」のような願望を明確にして、ゴールを設定しましょう。ゴールを設定すれば、そこに向かって考え、行動し、結果を得ることができます。
ちなみに、ゴールを「あがらないようになりたい」とイメージするのは間違いです。「あがらない」というのは、脳が「あがる」を想起してから「(それを)しない」と処理するため、「あがらないように」と思えば思うほど、「あがる」ことを意識してしまうからです。
ゴールの設定を間違えると、望む結果を得ることができません。「リラックス」「自然体」「平常心」などの肯定の言葉でゴールを言い表し、近づくための行動を心がけましょう。
2.自己イメージを創造
ゴールを設定したら、望んだ結果を達成したときの自己イメージを、「能力」と「存在」から思い描いてみましょう。
「能力」の自己イメージとは、「私はコミュニケーションが高い」「私は論理的にわかりやすく伝えている」など、何かができるようになったという、スキルに関することです。
「存在」の自己イメージとは、「私は価値がある人間だ」「私は幸せで心穏やかだ」など、パーソナルな性質に関することです。
このふたつを達成している前提で自己イメージをつくり、日々を過ごすことで、ゴールにより近づくことができます。
3.自分軸と他人軸を区別
あがり症で「人の目が気になる」と悩む人がいます。話し方や立ち居振る舞いがどう思われているかなど、自分の評価が気になるというものです。ここで考えるべきは、「自分の評価をするのは誰か」ということです。
自分の評価を相手がするものと考える人もいますが、自分の評価は自分、つまり「自分軸」でするものです。「人の目が気になる」と困っている人は、「他人軸」で生きてしまっているのです。
他人を評価することや、自分と誰かを比較することに、意味はありません。自分の能力や価値、存在は、自分で評価するものです。自尊心を持って自分を認める意識を持ちましょう。「他人軸」で生きている人は、「自分軸」に戻すことが望まれます。
言葉と映像で自分を変えよう
最後に、あがり症を改善するためのトレーニングを紹介します。日頃の生活で意識しながら、理想の自分を手に入れましょう。
1.セルフトークでポジティブ思考に
人は生活の中で、「これから仕事だ」「何を食べよう」など、心の中でさまざまなことをつぶやいています。これを「セルフトーク」と呼び、その数は、ぼんやりと思ったり感じたりするものを含めると、1日に平均で6〜7万回になると報告されています。
もし仮に、自分のセルフトークがネガティブなものばかりだったらどうでしょう。1日に数万回も、否定的な内容を自分に刷り込んでいることになります。さらに、1年間で365日、齢を重ねるごとに繰り返されるとしたら、すっかりネガティブ思考が身についてしまいます。対して、セルフトークがポジティブな内容であれば、立派なポジティブ思考を確立することができるのです。
物事をどう捉えるかは、自分が日頃からどんな言葉をつぶやいているかに相関し、その言葉により、自分の考え方や思考ができあがります。ピンチに陥ったら「これをチャンスに!」、失敗をしたら「経験を次に生かそう!」とポジティブに捉えて、肯定的なセルフトークが増えるように心がけましょう。初めのうちは、「この言葉は肯定的か否定的か」と意識しつつ、肯定的な言葉を選ぶように努めましょう。
2.理想像を描き近づく努力を
セルフトークに続いて、映像によるトレーニングです。まずは、「人前で堂々と話して自信に満ちあふれている自分」「発言や感情を自由にコントロールしている自分」など、心から望む自分の理想像を意識しましょう。
次に、理想の自分がコンフォートゾーンの中にいることを想像しましょう。すると、人前でのびのびとスピーチをしている自分が浮かんでくるはずです。これを繰り返して想像すれば、理想のイメージを脳が擬似体験として認識し、コンフォートゾーンを広げることができます。より確実に脳に刷り込むには、5つのステップがあります。
1つめは、「作った理想像を書き出す」です。自分の望む理想のイメージを具体的に書き出しましょう。
2つめは、「目を閉じてリラックスした状態を作る」です。目を閉じて脳の中にアルファー波が多く出ると、リラックスした状態になります。寝る前のうとうとした状態のときは、特に刷り込みに適した時間といえます。
3つめは、「声に出して読む」です。書き出した理想のイメージを、自分に語りかけるように読み上げます。
4つめは、「映像を描く」です。理想を達成した自分を頭に描き、イメージを広げていきましょう。
5つめは、「感情を乗せる」です。理想を達成した自分に、「嬉しい」「楽しい」「誇らしい」などの肯定的な感情を乗せていくことで、考え方の変化がおこり、コンフォートゾーンを広げることができます。
まとめ
あがり症は、神経伝達物質の影響によって、脳が呼び起こす症状です。「あがり」の理由が、「言葉がみつからない」「うまく伝わらない」などにあるなら、「言語化力」や「フレーム力」など、スキルやテクニックを磨くことで克服することができます。
「あがり」の理由が、「自信がない」という感情にあるなら、コンフォートゾーンを広げるトレーニングをしましょう。「人前で堂々と話している自分」など、理想の自分を思い描き、擬似体験として脳に認識させることで、考え方の変化がおこり、あがり症を克服することができます。
引用書籍:『ドキドキ・ブルブルなし 理想の自分で輝くためのあがり症克服術』(村本麗子著/明日香出版社)2020年10月出版
出版社・書籍紹介:『ドキドキ・ブルブルなし 理想の自分で輝くためのあがり症克服術』(村本麗子著/明日香出版社)2020年10月出版
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