健康・美容

医師監修:白湯の効果とは?作り方やおすすめのアレンジを紹介

健康に良いと近年注目されている白湯ですが、「白湯を飲むとどんな効果があるの?」「どのタイミングで飲めばいい?」など、白湯について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、白湯の基礎知識と期待できる健康効果、おすすめの飲む量やタイミングについて解説します。作り方や注意点、白湯の効果がアップするおすすめのアレンジも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

監修者

井上 信明(いのうえ のぶあき)
医師/公衆衛生学修士(MPH)

日本の医学部を卒業後、アメリカとオーストラリアで医師として7年半勤務。

白湯とは?

白湯とは温かい水のことですが、ただ温めただけの水ではありません。古くから薬を飲むときなどで使われていたメリットの多い水です。

ここでは、白湯(さゆ)の特徴や由来について、詳しく紹介していきます。

一度沸騰させて50℃程度まで冷ましたお湯

白湯とは、水を沸騰させて50℃程度まで自然に冷ました純粋なお湯のことで、湯冷ましとも呼ばれている水です。

一度沸騰させるのは、水の中に含まれる残留塩素などの不純物を取り除くためです。雑味のない白湯は、健康面で良い影響を及ぼすといわれています。

インド古来の健康医学が由来

白湯は、インド古来の健康医学である「アーユルヴェーダ」がルーツともいわれています。アーユルヴェーダでは、人間を含む自然界すべてのものが以下の3つのエネルギーで構成されているとされています。

  • カパ(水のエネルギー)
  • ピッタ(火のエネルギー)
  • ヴァータ(風のエネルギー)

アーユルヴェーダでは、白湯は、これら3つの要素が調和している飲み物で、飲むと体内のバランスを整えられると考えられています。

インド古来の健康医学が由来

白湯に期待できる健康効果

白湯を飲むことで、次のような健康効果が期待できます。

ここでは、それぞれの効果について詳しく解説します。

基礎代謝の向上

白湯を飲むと内臓が温まり、基礎代謝が向上します。基礎代謝とは、呼吸や体温の維持など、人間が生命を維持するために最低限必要なエネルギーのことです。

基礎代謝の向上によって、普段の生活においてもエネルギー消費が増えるので、ダイエット効果が期待できます。

基礎代謝の向上

老廃物の排出

白湯によって内臓が温まると、胃腸の動きが活発化し、排便を促す効果が得られます。

また、体の内側の体温が上がることで、血液やリンパの循環も促進されるため、老廃物が排出されやすくなります。老廃物の排出は、むくみの解消にもつながるので、デトックス効果も期待できるでしょう。

新陳代謝の活性化

白湯を飲んで体が温まると、血液の循環も良くなります。血液の循環が良くなると、体の隅々の細胞まで酸素や栄養素が行きわたるため、肌のターンオーバーが促されます。

ターンオーバーとは、古い細胞がはがれ落ち、表面が新しく生まれ変わることを指します。白湯によって、皮ふのターンオーバーが適切なタイミングで行われるようになると、美肌効果が期待できます。

また、血流が良くなることは、肩こりや腰痛の痛み軽減にもつながります。肩こりや腰痛は、温めると症状が和らぐことがあります。血行が促進されることによって、筋肉のこりや痛みの改善が期待できます。

新陳代謝の活性化

白湯を飲む量とタイミング

ここでは、白湯を飲む量とタイミングについて紹介します。適正な量とタイミングで飲むと、健康効果がより期待できます。

1日700~800mLが目安

「健康のため水を飲もう」推進委員会(国土交通省)によると、人間が1日に摂るべき水分摂取量の目安は2.5Lです[1]。そのうち、体内で作られる水分や食事から得られる水分を除くと、飲み水で摂るべき量の目安は1.2L程度です。

白湯以外の飲み物からも水分を摂取することを考慮すると、白湯の1日の摂取量は700~800mL程度が目安となります。

起床後・食間・就寝前に分けて飲むのがおすすめ

白湯は、複数回に分けて飲むと体に吸収されやすいとされています。これは、体内で一度に吸収できる水分量が200~250mLとされるためです。白湯を飲むのにおすすめのタイミングは、次のとおりです。

  • 起床後
  • 食間
  • 寝る前

睡眠中は水分が不足してしまいますが、起床後に白湯を飲めば水分を補うことができます。また、起床時は体温が低い状態になっているため、白湯で体の中を温めると、目覚めのスイッチが入りやすくなります。

白湯を食間に飲むと、内臓を温められるので、食べ物を消化しやすくなる効果も期待できます。ただし、飲みすぎると胃液が薄まり消化不良になってしまうため、食間に飲む場合は少量にとどめましょう。

寝る前に白湯を飲むと、副交感神経が優位になり、眠りにつきやすくなります。質の良い睡眠につながるため、就寝前に白湯を飲むのもおすすめです。

起床後・食間・就寝前に分けて飲むのがおすすめ

白湯の作り方

白湯は、どのような水で作るかによって作り方が変わります。ここでは、それぞれの作り方を紹介します。

ウォーターサーバー:お湯7水3の割合で混ぜる

ウォーターサーバーの水で作る場合は、ウォーターサーバーのお湯と水を「7:3」程度の割合で混ぜると、適した温度になります。

水道水とは異なり、ウォーターサーバーの水は浄化されており、基本的に不純物が入っていないため、お湯を沸騰させる必要はありません。

ミネラルウォーター:電子レンジや電気ポットで温める

ミネラルウォーターを使用する場合、電子レンジや電気ポットなどで水が50℃程度になるまで温めましょう。

ウォーターサーバーの水と同様に、ミネラルウォーターにも塩素などの不純物は入っていないため、沸騰するまで温める必要はありません。

水道水:10分以上煮沸させる

水道水から白湯を作るときは、消毒効果のある塩素系物質(いわゆるカルキ)などの不純物を取り除くために、一度、煮沸(しゃふつ)させる必要があります。煮沸の時間は10分以上が理想的です。

多めに作ったときは、ポットに入れて保温しておくと、何度も煮沸する手間を省けるでしょう。

ウォーターサーバー:お湯7水3の割合で混ぜる

白湯を飲む際の注意点

白湯を飲む際には、以下のような注意点があります。

ここでは、それぞれの注意点について詳しく紹介します。

飲みすぎに注意する

白湯を含め、過剰な水分の摂取は、腎臓に負荷がかかったり、体内の塩分濃度が薄まったりするなどの危険性があります。

体に良いからといって飲みすぎてしまうと、かえって健康を害するため、1日の摂取量の目安とされる700~800mL程度を意識しましょう。

適した温度で飲む

ぬるい温度の白湯では、本来の効果が得られませんが、反対に熱すぎるとやけどをするリスクもあります。白湯を飲むときは、適切な温度である50℃前後に調整して飲みましょう。

水道水を電気ポット・電気ケトルで温めない

電気ポットや電気ケトルでは、10分以上煮沸できません。そのため、白湯を作ることを目的に、残留塩素(いわゆるカルキ)などの不純物が含まれている水道水を使う場合は、これらの機器では温めないようにしましょう。

ただし、ミネラルウォーターは、初めから不純物が入っていないため、電気ポットやケトルでも白湯が作れます。

水道水を電気ポット・電気ケトルで温めない

白湯の効果UP!おすすめアレンジ5選

ここでは、白湯の効果がアップする、おすすめのアレンジレシピを5つ紹介します。

少しアレンジを加えるだけで味を変えられるため、飽きずに継続しやすくなるでしょう。

はちみつを小さじ1杯加える

コップ1杯分の白湯に、小さじ1杯のはちみつを加えてみましょう。ほんのり甘みがつくため、そのままの白湯よりも飲みやすさを感じることができます。

はちみつには、体内の余分な塩分を排出する働きのあるカリウムが含まれるので、白湯の効果と相まって、むくみの改善が期待できます。

はちみつを小さじ1杯加える

生姜を小さじ1杯加える

白湯に、チューブの生姜を小さじ1杯入れてみましょう。生姜の効果でより基礎代謝の向上が見込まれ、冷え性の予防効果が期待できます。

夜の間にスライスした生姜を水の中に入れ、翌日温めて白湯として楽しむ方法もあります。

レモン汁を数滴入れる

白湯にレモン汁を数滴加えると、すっきりとした口当たりを感じられます。

レモンに含まれるビタミンCによって、抗酸化作用やコラーゲンの生成を促進する効果も期待できるでしょう。

シナモンの粉末を2~3振り入れる

白湯に、シナモンの粉末を2〜3回ほど振り入れてみましょう。

シナモンは、体を温めたり、血行を促進したりする効果があるスパイスです。シナモンの香りを楽しみながら、リラックス効果も期待できます。

梅干しを1つ入れる

白湯に梅干しを1つ入れる飲み方もおすすめです。梅干しの酸味によって、すっきりと飲みやすくなります。

梅干しは加熱することで血行を促進する成分が生じることが知られています。また、血糖値の急激な上昇を抑制する効果も期待できます。

まとめ

白湯は、一度煮沸して50℃前後まで冷ましたお湯のことです。白湯を飲むと、基礎代謝の向上をはじめ、老廃物の排出や新陳代謝の活性化、血行の促進などの効果を期待できます。

1日700〜800mLを目安に、起床後・食間・就寝前に分けて飲むのがおすすめです。毎日適量をこまめに飲み続けると、健康効果を得やすくなります。

紹介したアレンジレシピで違った味を楽しみながら、生活に白湯を取り入れてみてはいかがでしょうか。

  1. 国土交通省「健康のため水を飲もう」推進委員会:
    健康のため水を飲もう講座
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