新生活の不安を味方に変えよう! ネガティブな感情に気づいて自分らしく暮らす方法
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怒りは自分を愛するきっかけにしよう
ライフスタイルや人間関係の変化で気持ちがイライラとしても、感情をコントロールしようと思ってはいけません。「怒りを抑える」という言葉が使われるように、ネガティブな感情は自分で管理するべきものと、多くの人が信じています。しかし、それは大きな間違いです。なぜなら、ポジティブな感情もネガティブな感情も、理由がなく起こることはないからです。怒りをはじめとしたすべての感情は、自分に起こっていることを見つけ、問題点を探るための情報と受け取りましょう。怒りをコントロールしようとしても、いつかは限界に達し、暴走してしまいます。
ここで、怒りの正体について考えてみましょう。怒りは、何かに腹が立ったときだけではなく、他者承認に意識が向いているときにも生じます。他者承認とは、他者に自分の評価を委ね、「相手が自分のことをどう見ているか」を目的に動くことです。他者に目を奪われていると、自分の心に無関心となり、自分を認められなくなります。そして、他者中心になればなるほど、物事を自分で決めることができなくなります。その結果、「他者に認められようと頑張っても欲求が満たされない」という不満が鬱積し、増幅したネガティブな感情が怒りになるのです。
もしも、自分でも原因のわからない怒りを抱えたとしたら、無理にコントロールしようとしてはいけません。怒りを無理やりねじ伏せようとするのは、心を無視するという自分への暴力行為だからです。怒りは「自分を愛していない」という原因や理由から起こる感情であり、裏を返せば、「自分を愛するためのメッセージ」と受け取ることができます。ネガティブな感情が芽生えたときは、抑えたり無視したりせずに原因や理由を突き止め、解決するための具体的な方法を見つけましょう。そうして自分と向き合っていくことこそが、自分を愛するためのプロセスとなります。
不安を味方にしてネガティブを解消しよう
試験や会議の前に、「失敗したらどうしよう」「否定されたらどうしよう」と、ネガティブな結果を想像して不安になってしまうこともあるかもしれません。ここでは、不安を味方にしてポジティブに行動するための方法を紹介します。
1.100%の失敗はないと評価する
ネガティブな意識が強いと、つい、他者からポジティブな反応が返ってくることを疑ってしまいます。しかし実際は、どんな場面でも「失敗する可能性もあるし、成功する可能性もある」と考えるのが公平な見方です。「最後までできたから十分だ」「自分にしてはよくできた」と自分を評価する訓練をしましょう。どんな結果になったとしても、その中には、うまくいったことがあり、成長したところがあるはずです。「100%が失敗だった」となることはまずないと自分に語りかけましょう。
2.いまの自分の感情に気づく
不安は唐突に起こるものではありません。不安のひとつひとつには理由があり、その時々に起きている感情を無視したままでいると、「漠然と不安に駆られている」という状態になってしまいます。すると、ネガティブな思考がネガティブな感情をつくりだし、不安がさらにエスカレートしてしまいます。ネガティブな思考と感情の負の連鎖を防ぐには、自分が体験している「いまの場面」ごとに、自分にどんな感情が起きているのか気づくことが大切です。「いま、〇〇と考えて不安になった」「いま、△△と言われて不安になった」と、具体的な状況をつかむことで、ひとつひとつの不安に対処できるようになります。
3.自分の感情を基準に行動する
自分の感情を基準にすると、不安材料を具体的に消すための行動をとることができます。たとえば、「方向音痴で、初めての場所は時間通りに到着できるか不安」なのであれば、「初めての場所へ行くときは下見をして確認する」のように、不安を解消するための具体的な行動をとってみましょう。すると、安心を得られるのはもちろん、下見に出かけることを楽しみにする余裕も出てくるはずです。安心を得るための行動は、人生の土台づくりとなり、自信へとつながります。不安は、自分を守るための未来からのメッセージと受け取りましょう。ひとつひとつの不安に気づいて自分の味方に変えることができれば、漠然とした不安の量を減らすことができます。
焦りの気持ちを成功の糧にしよう
勉強や仕事に焦りを感じることもあるでしょう。そんなとき、いまに目を向けずに先のことばかり考えていると、ネガティブな感情にとらわれてしまいます。ここでは、焦りを成功に変える方法を紹介します。
1.他人と自分を比べない
「人に評価されたい」と思うことは、自然な感情です。しかし、「どんなことで評価されたいのか」と問われたときに、具体的に答えられる人は少ないのではないでしょうか。評価されたい気持ちと実際の行動が結びついていなければ、他者に認められることを望むあまりに、「早く結果を出さなければ」と焦りに支配されてしまいます。つまり、漠然と「誰かに評価されたい」と望んでいること自体が、心が焦りで占められている証拠なのです。他者にとらわれるのをやめ、自分の心と向き合いましょう。
2.いまに焦点を当てる
焦る人たちの多くは、「いまを感じない」で「一歩先」に焦点が当たっています。たとえば、赤信号ではそわそわと青に変わるのを待ち、駅の改札を通過するなり電車を気にするなど、自分の意識が常に一歩先にとらわれています。そして、そんな焦りが、ミスや失敗を引き起こすのです。一方で、「いまに生きている」人ほど、焦りません。赤信号ではリラックスして自分に意識を向け、駅の改札から走って電車に乗り込むこともありません。成功を望むのであれば、「一歩先を見る癖」をやめて、いま自分が取り組んでいる「目の前のこと」をていねいに実感しましょう。
3.ポジティブな実感を増やす
ネガティブであれポジティブであれ、自分が実感するものが人生を彩る設計図になります。いつも焦っている実感が根幹にあれば、絶えず焦りを抱いて生きることになり、自転車操業のような出来事が頻繁に起きてしまいます。実感は意識であり、私たちの人生は、意識がベースとなっています。自分の人生をよくするには、不安や焦りといったネガティブな実感よりも、ポジティブな実感を増やす努力をしましょう。焦らないように頭で考えて律するのは至難の業ですが、いまを実感することに集中すれば、ネガティブな思考を止めることができます。いま目の前で起きている心地よさや満足感など、ポジティブな感情をゆっくりと味わうことができれば、焦りを遠ざけて目標を達成できるはずです。
自分の心の声に寄り添ってみよう
難しい選択に悩んだり、人の言葉が気になったりと、ネガティブな感情を引き出しかねないきっかけが、私たちのまわりにはたくさんあります。ここでは、自分の声に寄り添って、自分らしく生きるための方法を紹介します。
1.ときには五感を使った判断を
人間は誰しも、幸せになりたいし、得をしたいものです。物事を判断するときに、損得を基準とすることは悪いことではありません。ただし、実際の行動を損得だけで判断すると、損をすることも多いと知っておきましょう。なぜなら、損得にとらわれると、自分の心が考慮されないからです。たとえ損得勘定では得する案件であっても、自分に不安や苦痛があるなら、断ることで不安や苦痛を避けられます。自分の心に正直な判断をするには、欲求や感情、五感、肉体の感じ方など、感覚のすべてを無意識からのメッセージと受け止めましょう。
2.自分を守るために自分を信じる
自分の心に寄り添えるということは、自分というよりどころがあるということです。人間関係では、相手の言葉が自分の心にどう響いているのか耳を澄ませば、相手と自分の気持ちを読み取ることができます。自分の感じたことが常に正確とはいえませんが、感じ方のセンサーを磨くことで、トラブルを未然に防ぎ、対処できるようになります。自分を信じることが、自分を守る第一歩なのです。
3.いまを生きるために大切なこと
いまを生きるとは、いま自分が体験していることを、あらゆる感覚や感情を総動員して味わうことです。いまを生きながら、自分の心に沿った選択をすれば、充実感や満足感を得ることができます。たとえば、人と一緒にいて楽しい気分に浸っているときは、それは自分を愛している時間でもあります。つまり、ポジティブな感情に包まれているときこそ、心と行動が一致し、自分を愛することができるのです。ポジティブな感情は自分を愛しているというサインであり、ネガティブな感情は自分を愛していないというメッセージです。日々の小さな歓びを味方にして、自分の望む幸せや成功を導きましょう。
まとめ
感情は、自分を愛するために届けられた無意識からのメッセージです。コントロールしたり抑えたりするのではなく、自分の気持ちや状態を知るための情報として、寄り添うことが大切なのです。
怒りや不安、焦りなどのネガティブな感情が起きたときは、そのときどきで立ち止まり、原因や理由を知ることがいちばんの解決方法。自分に生じた具体的な不安に気づき、ひとつひとつ解消すれば、漠然とした不安から解放され、ポジティブに自分らしく生きていくことができるでしょう。
引用書籍:『感情はコントロールしなくていい 「ネガティブな気持ち」を味方にする方法』
出版社・書籍紹介:『感情はコントロールしなくていい 「ネガティブな気持ち」を味方にする方法』(石原加受子著/日本実業出版社)2020年6月出版
・Amazon
・楽天ブックス
・紀伊國屋書店
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