秋分の日の食べ物は?秋分の意味・由来や過ごし方も解説
秋分の日は単なる祝日ではなく、きちんとした意味を持っています。この記事では、秋分の日の意味や由来を解説します。また、秋分の日におはぎを食べる理由やおすすめの過ごし方についてもご紹介します。
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秋分とは?【昼と夜の長さがほぼ同じになる日】
秋分とは、昼と夜の長さが同じになる日のことを指す言葉です。1947年以前、秋分の日は「秋季皇霊祭(しゅうきこうれいさい)」と呼ばれていました。秋季皇霊祭とは、歴代の天皇・皇后や皇族の霊を祀る儀式のことです。
この秋季皇霊祭を行っていた日が、1948年に「秋分の日」に改名され、祖先を敬い亡くなった人々を偲ぶための国民の祝日として正式に制定されました。
また、秋分の日を中日として前後3日間、合計7日間をまとめて「彼岸」と呼びます。まずは、秋分についての基礎知識から解説します。
2024年の秋分の日は9月22日
2024年の秋分の日は9月22日です。秋分の日は天文学に基づいた計算によって決定されるため、その年によって日付は変動します。
官報の「暦要項」に数年分がまとめて公表されているので、気になる方は確認してみましょう。
2023年~2027年の秋分の日 | |
---|---|
2023年 | 9月23日 土曜日 |
2024年 | 9月22日 日曜日 (9月23日振り替え休日) |
2025年 | 9月23日 火曜日 |
2026年 | 9月23日 水曜日 |
2027年 | 9月23日 木曜日 |
先祖を敬い、食べ物を供える風習がある
秋分の日には、古来より先祖を敬い、食べ物を供えるという風習があります。
仏教では、昼夜がほぼ同じ長さになる秋分の日や春分の日を「この世(此岸)とあの世(彼岸)がもっとも近くなる日」と考えます。そのため、秋分の日は生きている人の想いやお供え物が故人へ届きやすい日として捉えられてきました。
秋分の日の食べ物は「おはぎ」が一般的
日本では、秋分の日に「おはぎ」を食べる習慣があります。大衆に広まった起源は江戸時代ごろと言われており、縁起の良さや栄養価の高さから人気となりました。
ここからは、秋分の日におはぎを食べる理由や、風習になった理由をご紹介します。
おはぎは縁起物とされている
おはぎに使われている餅や小豆は縁起物とされており、秋分の日の食べ物として古くから親しまれてきました。おはぎを食べることが風習となった由来は諸説ありますが、餅には「五穀豊穣(ごこくほうじょう)」の願いが、小豆の赤色には「魔除け」の効果があるとして先祖に供えられるようになったと言われています。
江戸時代頃から食べ続けられている
おはぎを秋分の日に食べるようになったのは、江戸時代後期といわれています。この頃には、おはぎが供養や魔除けの意味を持つとして広く知られていたようです。
また、おはぎに使われる砂糖はかつて貴重品とされていました。そのため、甘味が少ない時代では、おはぎは特別な日にしか食べられないごちそうでした。
小豆は栄養豊富
おはぎの材料である小豆には、良質なたんぱく質と鉄分、亜鉛、カリウムなどのミネラルが多く含まれています[1]。これも、おはぎが昔から食べられてきた理由のひとつであるといえるでしょう。
そのほかにも、小豆には腸内環境を整える食物繊維など、美容と健康にうれしい成分も多く含まれています[1]。
秋分の日の過ごし方
秋分の日は先祖を敬い、故人を偲ぶための日として国民の祝日に指定されています。
ご先祖様への感謝の気持ちを伝えるために、秋分の日はぜひ以下のように過ごしてみてください。
ご先祖様への墓参り
秋分の日は、お墓参りや仏壇掃除、お供えなどの供養をするのがおすすめです。夏の暑さが和らぎ過ごしやすくなる時期のため、家族でお墓参りに行くのにも適しています。
先述のとおり、あの世との距離がもっとも近いと言われている日ですから、感謝の気持ちもきっと伝わるでしょう。
おはぎを食べる/お供えする
秋分の日には、古くからの風習に則り、おはぎを食べたりお供えをしたりして過ごしましょう。
ご先祖様への感謝や家族の健康を願いながら、家族でおはぎを作るのもおすすめです。
おはぎをお供えする際の注意点
秋分の日におはぎをお供えする際は、注意すべきポイントがあります。ここでは、おはぎをお供えする際の注意点をご紹介します。
仏壇にお供えの際は「五供」が基本
仏壇にお供えする際には「五供(お線香・ろうそく・生花や造花・ご飯・水やお茶)」を用意しましょう。特に水やお茶は、「故人の喉を潤す」「お参りする人の心を洗う」という意味が込められているため、お供えには欠かせません。
ただし、浄土真宗では「浄土には飢えや乾きが一切ない」とされており、飲み物を供える必要がないとされているなど、宗派によってお供え物の内容が異なる場合もあるため、事前に調べておきましょう。
おはぎが傷む前に家族で食べても問題はない
仏壇やお墓へ供えたおはぎは、時間が経って傷む前に下げ、家族で食べても問題はありません。たとえ、傷んでいなかったとしても、朝に供えたら夜に下げるのが基本です。
また、手土産として持ち込んだお供え物については、お参り後にすぐ食べてしまっても問題ありません。
秋分の日に食べたい秋の味覚
秋分の日には、おはぎとあわせて季節の食材を食べるのもおすすめです。地域によっては、旬の食べ物を行事食として取り入れていることもあります。
ここでは、秋分の日におすすめの旬の食材をご紹介します。
里芋:縁起が良い根菜
里芋は、種芋に複数の子芋が付くことから、子孫の繁栄や豊かな実りなどを祈願する縁起のよい食べ物とされています。里芋を選ぶ際には、表面に泥がついていて皮が乾燥しておらず、ひび割れや芽がないものを選びましょう。さらに、丸く重みのあるものは新鮮な里芋の証拠とされ、おすすめです。
里芋を料理する際には、煮物や皮のまま蒸す「きぬかつぎ」、ポテトフライのように揚げる「里芋フライドポテト」などがおすすめです。こうしたシンプルな料理であれば、里芋の素材の旨味を最大限に引き出せます。
舞茸:いろんな料理に合わせやすい
名前の由来の一つとして、希少価値が高く「見つけると舞うほどうれしい」ことから名付けられたとされる舞茸も、秋分の日にぴったりな食べ物です。舞茸を選ぶ際には、カサの部分が肉厚で色が濃く、光沢のあるものを選ぶようにしましょう。
舞茸を使った料理の定番としては舞茸ご飯や天ぷらが一般的ですが、いろいろな料理によく合うのも舞茸の特徴です。炒めて使う際は、舞茸に含まれる水分を出し過ぎないよう火の通りに注意すると、歯ごたえが残って美味しく食べられます。
サンマ(秋刀魚):上質な脂がたっぷり乗った魚
秋の魚の代名詞ともいえるサンマも、秋分の日におすすめの食材です。サンマを選ぶ際は丸々と太っていて、背が青黒く、腹が銀色のものを選んでください。
黒目の周りが透明で澄んでいて、尻尾を持ったとき刀のように一直線に立つものほど鮮度が良いとされています。
一般的な調理方法は塩焼きですが、他にもかば焼きや竜田揚げなど様々な調理方法があります。焼き魚として食べる際は、塩を20cmの高さから満遍なく振りかけた後、軽く手で塗り込むことで皮がパリッと美味しく焼けます。
後片付けの手間を減らしたいときは、フライパンにフライパン用ホイルシートを敷き、弱火~中火で片面ずつ7~8分焼くと良いでしょう。
全体をホクホクに焼き上げたい場合は、魚焼きグリルを中火にし、表面にじっくり焦げ目がつくまで焼くのがおすすめです。
ぶどう:お彼岸のお供え物としてよく使われる
ぶどうは、お彼岸のお供え物として定番の果物です。みずみずしく美味しいぶどうを選ぶ際は、粒の色が濃く皮に張りがあり、枝の切り口が緑のものを選びましょう。
また、秋分の日がある9月に旬を迎えるぶどうの品種には、シャインマスカットやピオーネ、巨峰、ナガノパープルなどがあるので、これらを店頭で探してみるのもおすすめです。
まとめ
日本の伝統的な仏教行事のお彼岸の中日にあたる秋分の日は、ご先祖様を敬い、感謝を伝える日です。お彼岸に食べるおはぎには、故人への感謝の気持ちや家族の健康を願う気持ちが込められています。
秋分の日には家族でお墓参りに行き、おはぎや旬の食材をお供えしてご先祖様に感謝の気持ちを伝えてみてください。
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