共働き夫婦が子育てと仕事を両立する方法とは?悩みと解決方法も合わせてご紹介
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日本の共働き世帯は全体の6割を超え、これからも増加することが見込まれています。
しかし、共働きで子育てをこなすことは容易ではなく、実際に共働きをしながら子育てをしている人は、さまざまな悩みや苦労を抱えていることでしょう。
「働くことが好きなのに、家事、育児との両立がうまくできない」「どちらかの負担が大きいと感じてしまう」そんな人たちへ向けて、働きながら、家事、育児をうまく回せるヒントをいくつかご紹介します。
出典:男女共同参画局 男女共同参画白書(2018)
共働きをしながらの子育てにはどんなメリット・デメリットがある?
「男性は外で仕事をして、女性は家庭を守るもの」というイメージは昔の話で、夫婦が共働きである世帯数は増え続けています。
これは、男女平等に働くことを目指すために雇用形態が変化したことや、産休・育休などの子育て世帯でも働きやすいような制度の充実が背景にあります。
結婚を機に一度退職し、出産後にまた働くことを選択をする女性も少なくありません。
ここでは、子育てをしながら働くことのメリットと、デメリットを合わせてご紹介します。
共働きで子育てをするメリットとデメリット
共働きのメリットとデメリットには何があるでしょう。
子供にかけられるお金が多い
夫婦で働いているということは、世帯収入が増えるということになります。
子供が小さなうちはかかるお金も少なくて済みますが、子供が成長するのに伴い教育費などのお金がかかってくるようになります。
世帯収入が増えると、経済的な余裕も生まれ、その分子供の教育費にかけられるお金も増えます。塾や習い事など子供が「やってみたい」と言ったことをやらせてあげられる環境を整えられることは、共働き家庭の強みです。
子供との時間が少ない
働いている時間は、必然的に子供と離ればなれとなってしまいます。
例えば、9時〜17時のフルタイム勤務の方だと、子供との時間は、朝なら1〜2時間程度。仕事が終わって18時に帰宅したとしても、子供が寝るまでの間の3〜4時間しか関わる時間が持てません。1日のうち、子供と関わる時間は4〜6時間程度だと言えるでしょう。
子供と実際に関わる時間が全てとは限りませんが、子供との時間が少なくなってしまうことは、避けられません。
寂しい思いをさせているのでは…と考えてしまいがちですが、子供と過ごす時間が減ることはデメリットばかりではありません。忙しく働く親の姿を見て、子供が自ら進んで手伝いをするようになったり、自分の事は自分でするようになったりと、自立心の芽生えを促すきっかけになることもあります。
共働きの夫婦が子育てで抱えている悩みや不満は?
子供を育てながら働く夫婦は、どのような悩みを抱えているのでしょうか?
働きながら子育てと両立させることは容易ではありません。共働きのご家庭の中には、何らかの悩みを抱えている夫婦も多いことでしょう。
それでは、具体的にはどのような悩みがあるのでしょうか。共働きしている方が抱えている悩み・不安を5つにわけて紹介します。
家事育児が女性に偏りがち
昔に比べれば共働き家庭も一般的になってきましたが、共働きであるのにも関わらず、家や子供のことはいまだに女性の仕事とされることが多い傾向にあります。
家事といえば、料理に洗濯、お風呂やお部屋の掃除、食器洗いなど、やらなければならないことは数え切れません。
家事の他にも、子供が小さなうちは、ご飯を食べさせたりお風呂に入れたり、歯の仕上げ磨きをしてあげたりと親が動いてサポートしなければならない場面も多くあります。
そんな状態では仕事も思うように進まず、1人では家のこともうまく回すことができません。
現在日本では、共働きで子供がいる家庭において、女性が家事をしている時間が1日平均で4時間54分であるのに対して、男性はたったの46分と、今なお女性の負担が高くなっています。この調査は5年に一度行われており、次回は2021年に実施されます。
出典:総務省統計局社会生活基本調査(2016)第8表(夫婦と子供の世帯)
※家事時間は家事、育児、介護・看護、買い物の時間の合算値です。
子供の急病などで仕事を休まなければいけない
子供はまだ体の機能も未熟で、体調も崩しやすいです。
体調管理をしていても季節の変わり目には風邪をひきやすいですし、保育園などの集団生活の場にいると、どうしても体調を崩す機会が増えることになります。
夜は何事もなく元気な様子だったのに、朝起きてみたら熱が出ていてグッタリ……などということも。
子供の急な体調不良が起こった場合には、夫婦のどちらかが仕事を休む必要がでてきますよね。急なお休みとなってしまうため、仕事のスケジュール調整をしなければならなかったり、会社に休むことの了承を得なければなりません。
また、そのような場合に、夫婦のどちらが休みを取るのかなどの問題も話し合う必要があります。
残業ができなくなる
働いていると、定時の時間にキリがいいところで仕事が終わればいいのですが、なかなかそうはいきません。
この部分までは進めておきたいと思っていても、保育園のお迎えの時間だったり家で子供が待っていたりと、帰らなければならない状況がたくさんあります。
そうなると必然的に残業することができなくなってしまい、仕事も決められた時間の中でこなしていくことになります。仕事量をセーブしなければならなかったり、その日の仕事が終わっていない場合には、翌日に持ち越しとなったりして、どんどん仕事がたまってしまいます。環境によっては残業ができないことにより、悪循環が生まれてしまうことがあります。
自分の時間がなくなる
子育て世帯の共働きの場合は勤務時間が終わると、今度は家の仕事が待っています。食事の支度や洗濯・お皿洗い、子供の勉強をみたり、お風呂に入れたり寝かしつけたり……。とにかくやらなければならないことが多いので、自分の時間を持つことは難しいのが現状です。
仕事を終えて少し一息つこうにも座る時間がなく、ベッドに入ってようやく休むことができたなどというケースも。
家族の人数が増えると、洗い物の量も増えていきます。洗濯物はその日のうちに回しておかなければ、次の日の洗濯物が大変になってしまったりと、後々大変になってしまいます。
また、朝もご飯やお弁当の用意だったり、子供たちの準備だったりと早く起きる必要があります。夜は子供を寝かしつけた後に家事をして布団に入ることが遅くなり、朝は準備をするために早く起きたりして、結果的に自分の睡眠時間が短くなってしまいます。
子育ての悩みを相談できない
同じような環境の方がいれば話をしやすいのですが、保育園などの送迎時では皆さんお互いにバタバタしていて、子育てに関する情報交換をする時間も取れませんよね。
働いていると勤務日は仕事に忙しくなってしまいますし、休日はいつも取れない分も、子供と過ごす時間を取りたいところです。
子育ての悩みを相談できるような友達がいたとしても、お互いに子育てをしながら仕事をしていると、なかなか会う時間が取れないということも。
子育てについて、誰にも相談できずに一人で悩んでいる人も多いことでしょう。
共働きの子育てに関する悩みを解決する方法
子育てをしながら働くことは容易ではなく、さまざまな悩みがついてきます。しかし、世帯収入は増やしておきたいし、子育てをしながら働くことは悪いことでもありません。もしできるなら、苦しんで働くよりも、楽しく働いていたいですよね。
働く選択をしたことを後悔しないよう、ここでは夫婦がお互いに楽しく働いていくためのヒントをいくつかご紹介します。
子育てに必要なタスクをリストアップ化して分担する
共働きであるのに、家事や育児に関しては女性である妻側に偏ってしまうことが多いと前項目でも述べました。
この背景には、「家事育児は女性がやるべきもの」という男性の意識が存在してしまっていることも1つの要因ですが、女性側も無意識のうちに「私がやらなければ」と思い込んでしまっているケースも多くみられます。
家事育児は夫婦どちらかが一方的にするものではなく、協力しながらやっていくことがお互いに楽しく生活するためのポイントです。どちらか一方に任せっきりになっては、負担が大きな方にいつか限界がきてしまいます。
無関心でいるのではなく、互いに手を差し伸べて助け合っていくことが大切です。何も言わなくても察して動くことはできますが、それだと得意な方に負担が偏ってしまいます。偏りをなくすためにも、具体的に何をすればいいのかを、まずはリストアップしてみましょう。
そうすることで、何をすればいいのか目で見て判断することができるようになります。リストを元に話し合って、お互いがやることを分担してみましょう。
余裕を持ったスケジュールを立てる
スケジュールは余裕を持って立てておくことをおすすめします。
例えば、子供は体調が急変するので急な休みを必要とする場合があります。仕事上でスケジュールを組む時でも、納期など余裕を持って組んでおくことで、急な休みにも対応できるようになります。
また、園や学校の行事などは年間のスケジュールを前もって把握しておくといいでしょう。そうすることで有休を使うタイミングを知ることができたり、行事にも参加しやすくなったりとメリットが多いです。
1日のスケジュールでも、時間に余裕をもって行動するように心がけると、心にも余裕が持てます。子供は時間通りに動くことはできず、出かける直前で靴を履くことを嫌がったりと思いもしないアクシデントが発生します。そんな時でも時間に余裕を持っていれば、慌てずに対応することができるしょう。
また急な休みに備えて、自分の仕事内容や現状を、同僚にも情報共有しておくなど、業務への支障を極力減らすように心がけておくことで、周囲からの理解・協力も得やすくなるでしょう。
両親や兄弟などに助けてもらう
近年では核家族世帯が増え、親や兄弟と同居する家庭は減っていることでしょう。
「自分たちで生活しなければ」「親や兄弟に頼ることは申し訳ない」などといった気持ちから、頼ることをしていないご家庭も多いです。
もし、ご両親との仲も良く関係が良好なのでしたら、遠慮せずに頼れるところは思い切って頼ってみてはいかがでしょうか。ご両親や兄弟も、頼られることが嬉しいと感じてくれたり、孫や甥、姪に会えて嬉しいと思ってくれたりする場合もあります。
夫婦の他にも、いざという時に頼れる大人がいるという安心感があると、気持ちも楽になりますよ。
家事代行やベビーシッターを活用する
子育てをしながらの仕事との両立は難しいものです。全部を自分たちだけでやろうとして、体力的にも精神的にも限界がきてしまうことも。
中には忙しすぎて、家事育児に手が回らないご家庭もあるかと思います。そんな時は、プロの手を借りてみることも1つの方法です。
例えば、家事代行サービスを使えば、掃除を任せている間に、自分は子供と過ごしたり、自分の時間に使ったりと、自由に時間を使うことができます。
家事代行サービスやベビーシッターは値段が高そうに思えて、なかなかサービスの利用に踏み切ることができない方も多いことでしょう。インターネットで調べてみると2時間の利用で、6,000円から7,000円かかるサービスもあるようです。
また、家事代行サービスの方は家事や子育てのプロ。上手く利用すれば家事の負担を減らせて自分時間や家族と過ごす時間をつくることもできます。事前にサービス内容や費用などをよく確認し、ご家庭に合った使い方を一度試してみることをおすすめします。
子育て支援制度を活用する
働く家庭のために、行政ではたくさんの支援サービスが充実しています。
働きながら子育てするのは大変なことですし、疲れてしまうのは当たり前。1人で悩みを抱え込むことがないように、このような支援サービスをうまく使っていくことをおすすめします。
学童保育
子供が保育園だと、自身の仕事が終わり次第で夕方の6時〜7時頃に親が園へお迎えに行きますよね。ところが、小学校に上がると授業が終われば子供は自分で家に帰宅することになります。その時間に大人が家にいることができればいいのですが、働いているとなかなかそうはいきません。
小学校低学年の頃はまだ1人でお留守番をさせることは不安だし、どうしたらいいのか悩む親御さんも少なくないはず。
そんな時は、「学童保育」のサービスを利用してみてはいかがでしょうか。
学童保育は、学校が終わってから親の仕事が終わるまで子供を預かってくれるサービスです。親が働いているという証明があれば申し込むことができます。
子供も家で不安になって待つよりも、同年代の子供と遊びながら待つことができて楽しく過ごすことができるでしょう。
ファミリーサポートセンター
ファミリーサポートセンターとは、地域において育児などの援助を受けたい方と、それを支援したい方が会員となり、お互い支え合い助け合うシステムです。
援助を受けたい方(依頼会員)も、援助を行いたい方(援助会員)も、どちらも特別な資格は必要ありません。資格がないと不安に思われる方もいるかもしれませんが、お互いが安心して利用することができるように、必要な知識や技術の研修も行われているので心配することなく利用できます。
このサービスを利用することで、例えば「夏休み中の子供を預かってほしい」「保育園までお迎えに行ってほしい」などの要望にも応えてくれます。
条件が合えば、保育園が終わった後に預かってもらうことも可能です。どうしても残業しなければならない多忙な時期などでも、安心して仕事に打ち込むことできますね。
地域子育て支援拠点
地域子育て支援拠点とは、公共施設や保育所・児童館などの、地域における身近な場所で子育て中の親子の交流や、情報を提供してくれるサービスのことです。
直接的な支援サービスではありませんが、子育ての悩みを解消したり、地域の情報を得たりすることができます。
同じ悩みを持つ大人と話すことによって精神的に楽になることもあるでしょう。
土日もサービスを行っているところも増えているので、誰かに悩みを相談する時間を取れない方でも時間を設けることができます。
一時預かり
一時預かりには「一般型」「幼稚園型」「余裕活用型」の3種類が存在します。
子供が幼稚園に通っている場合は、働くことができる時間は幼稚園のお迎えの平均時間である14時ごろまでとなってしまいます。一時預かりを利用することで、幼稚園に在籍している園児を夕方5時〜6時頃まで園でそのまま預かってもらうことができます。
近年の待機児童問題により、保育所に入ることができなかった家庭でも、このような制度を利用することで長く働くことが可能となります。
家事も子育ても完璧を求めすぎないのが大事!
仕事も家事育児も全てを完璧にこなそうとすると、精神的にも身体的にも限界がきて疲れてしまいます。そうならないためにも、完璧は求めすぎず「まあいいか」と思う気持ちも持つようにしておくことがポイントとなります。
パートナー間でも「家事ができていない!」と相手を責めるのではなく、互いに協力し、時には目を瞑ることが必要となる時もあるでしょう。
頑張ることも大切ですが、無理をして頑張りすぎないよう、必要な支援サービスを利用しながら、無理することなく働けるような環境作りを整えることができるといいですよね。
まとめ
共働きの子育て世帯のメリット・デメリットや、さまざまな子育て支援制度などを紹介しました。いかがでしたでしょうか?
家事育児と仕事との両立は簡単なことではありませんが、不可能なことでもありません。パートナーと互いに協力し、適切なサービスを利用することによって、精神的な負担を減らすことができます。
自分たちだけで頑張ろうとせずに、思い切って親や兄弟・行政などを頼ってみるのも大切です。夫婦がお互いに輝ける社会生活を送っていれば、それを見ている子供たちにとっても、成長や喜びへとつながることでしょう。
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