睡眠負債の解消方法は?多くの日本人が抱える睡眠負債について解説
「ベッドに入ってもなかなか寝付けない」「朝起きたとき寝足りないと感じる」という経験はありませんか?現代社会では、長時間勤務やシフトワーク、夜型生活の増加などによって、睡眠に関するさまざまな問題を抱えている人が増えています。
慢性的な睡眠不足が続くと、注意力やパフォーマンスが落ちてしまったり、生活習慣病につながったりするリスクがあるため、注意が必要です。この記事では、多くの日本人が抱えている睡眠負債とその解消方法をご紹介します。眠れない日が続く方は、ぜひ参考にしてください。
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日本人に多い睡眠負債とは?
「睡眠負債」とは、慢性的な睡眠不足が蓄積することで心身に支障をきたしてしまう状態を、借金が積み重なって返せなくなる状態になぞらえて表現した用語です。睡眠負債に陥る原因はひとつではありませんが、仕事や家事が忙しく、睡眠時間を削って活動している方に多いといわれています。
厚生労働省が2022年1月に発表したデータ[1]によると、日本人の約67%が7時間未満の睡眠しか取れておらず、約34%が6時間未満の睡眠しか取れていません。ヨーロッパ諸国の睡眠時間は、ほとんどの男女で8時間を超えていることを踏まえると、日本人の睡眠時間が短いことが分かります。
睡眠不足は、次の日の行動に影響されるだけではなく、連日続くことで体に蓄積されます。一度睡眠負債に陥ると、悪循環が起こり、生活リズムの乱れや睡眠障害へつながる可能性もあります[2]。
また、スマートフォンを触る時間が増えたことで、睡眠時間が遅くなったり、睡眠の質が下がったりして、不眠につながることもあります。
睡眠負債を抱える人の症状一覧
睡眠負債を抱える人に現れやすいといわれている主な症状を一覧にしました。以下の症状が出ている場合、しっかりとした睡眠が取れていない可能性があります。
- 日中に疲労感や倦怠感がある
- 食欲が増加する
- 寝つきが悪い、途中で何度も目が覚める
このような症状に当てはまる人は、睡眠負債を抱えている可能性があります。睡眠負債は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病にもつながるリスクも指摘されています。
- 集中力を維持できない
- 意欲が低下する
- 抑うつ状態になる
- ストレスを感じやすい
本来、人は睡眠中に脳を休めて、記憶の整理や定着させると言われています。睡眠不足が起きると、認知力や判断力が低下して、事故やヒューマンエラーにつながるほか、精神面に影響が出る可能性もあります。
ストレスや緊張は眠りの妨げとなるほか、不眠が続くと、うつ病をはじめとするこころの病気にもつながるおそれが指摘されています。体と心を休めて、次の日も健康に動ける体をつくるためには、睡眠をきちんと取ることが大切です。
快適な睡眠を!睡眠負債の解消方法
睡眠負債を解消するには、「自分にとって最適な睡眠時間を知る」「質の良い睡眠をする」「目覚めの良い睡眠にする」の3点が大切です。
ここからは、それぞれのポイントについて紹介します。
自分にとって最適な睡眠時間を知る
自分にとって最適な睡眠時間を知ることは、とても大切です。睡眠時間には個人差があり、長い時間寝れば良いというわけでもありません。自分の活動時間や生活リズムに合わせて、適切な睡眠時間を算出してみましょう。
個人差はありますが、日本人の成人の標準的な睡眠時間は、25歳で7時間、45歳で6.5時間くらいとされています。まずは目安を6.5時間に設定して、次の日の起床時間に合わせて就寝時間を調整してみてください[2]。次の日、日中眠気や体調不良を感じることなく行動できれば、自分の最適な睡眠時間と判断できます。
また、昼間に眠気や疲労を感じる方は、短時間の昼寝をするのも効果的です。昼寝の時間は、30分未満が適切といわれています[2]。
質の良い睡眠をする
睡眠負債を解消するには、質の良い睡眠を取ることも大切です。質の良い睡眠のためにできる行動として、以下が挙げられます。
- 適度に身体を動かす
- お風呂につかる
- 寝る前にスマートフォンを見ない
- 照明はできるだけ暗くする、アイマスクを付ける
- 温度や湿度を心地よいと感じる程度に保つ
ウォーキングや家でできる筋トレは、適度な運動としておすすめです。運動の後にお風呂に入る際は、湯舟につかって、体を休ませます。湯舟につかることで、寝付きが改善されることが期待できます[3]。
また、寝るときの環境を整えることも大切です。就寝前に光を浴びると、夜間に睡眠を促す「メラトニン」というホルモンの分泌が遅れ、眠りにつきにくくなることや、寝ている間の光でも睡眠の質が悪くなることがわかっています[4]。
寝室の照明はできるだけ暗くし、スマートフォンやタブレット端末を持ち込まないことが大切です。ストレス無く入眠できるように、工夫してみましょう。
目覚めを良くする
朝すっきり目覚めるために、毎日決まった時間に起きて、寝ることが大切です。睡眠時刻を一定にすることで、体内時計が整い、質の良い睡眠につながります[2]。
また、朝起きたらカーテンを開けて、日光を浴びるのも効果的です。光を浴びることで体内時計が整い、体も目覚めやすくなります[2]。
寝だめや長時間睡眠は逆効果?
睡眠負債を解消するために、「寝だめ」や過度に長い時間睡眠をとることは、必ずしも効果的とはいえません。例えば、平日6時間未満の睡眠しか確保できていない方が、休日に10時間以上睡眠時間を確保したとします。すると、平日と休日で睡眠時間が大幅に違うことで、体のリズムが乱れてしまう可能性があります[2]。もし、睡眠のリズムが崩れてしまった時には、少しずつ理想のリズムに近づけるように調整してみましょう。
まとめ
多くの日本人が抱えている睡眠負債。シフトワークや長時間労働、家事・育児によって睡眠時間が短くなっていたり、ストレスによって寝付けなくなっていたりする方は、睡眠習慣の改善にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
日頃から十分な睡眠時間を確保できるよう生活リズムを見直したり、快適に眠れる環境を整えたりすることで、睡眠負債の解消につながります。今回ご紹介した方法をぜひ実践してみてください。
- 厚生労働省:
令和3年度 健康実態調査結果の報告 - 厚生労働省:
健康づくりのための睡眠指針 2014 - 厚生労働省:
快眠と生活習慣 - 厚生労働省:
スマート・ライフ・プロジェクト「寝ても疲れが取れないなら要チェック!あなたの睡眠の質 大丈夫ですか?」
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