結婚祝いの熨斗(のし)の正しいマナー|選び方・書き方を解説
結婚祝いを贈る際に使われる熨斗(のし)。目にすること自体はあるものの、自身で用意しようとすると、どんな種類を選んで、何の文字を書けばよいかで悩む方も多いでしょう。
そこでこの記事では、結婚祝いを贈る際の熨斗の必要性や適切な熨斗の選び方、表書きの書き方などについて解説します。これから結婚式への出席を控えている方は、ぜひ参考にしてください。
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結婚祝いの熨斗(のし)とは?準備は必要?
熨斗(のし)とは、結婚祝いや出産祝いなど、慶事の際に進物や贈答品に付ける飾りのことです。かつて、神事の供え物として「あわび」を用いたことに由来しており、「のしあわび」が省略されたものが熨斗なのです。
現在では、熨斗紙の右上に熨斗が印刷されていたり、貼られていたりするタイプが多く販売されています。
なお、熨斗を付けないことは、マナー違反ではありません。ただし、結婚祝いの贈り物に熨斗を付けることで、慶事の贈り物であることが分かりやすくなります。その意味で、できれば準備しておくことをおすすめします。
熨斗の種類・結婚式用の選び方
熨斗は慶事事によって水引の数や結び方が異なります。上記のうち、結婚祝いでは「紅白10本結び切り」が用いられます。
結婚祝いにかける熨斗紙を選ぶ際のポイントは、
- 熨斗の付いたものを選ぶ
- 水引は10本の「結び切り」か「あわじ結び」を選ぶ
- 手渡しは外熨斗・郵送は内熨斗を選ぶ
の3つです。ここからは、各ポイントについて詳しくご説明します。
熨斗の付いたものを選ぶ
先述の通り、熨斗の多くは贈り物に付けられ、お祝いの気持ちを表すものです。そのため、結婚祝いの贈り物には熨斗の付いた熨斗紙がふさわしいです。
ただし、食べ物を贈るときは意味が重なるため(※)、熨斗は必要ないとされています。
(※)昔は、「食べるものに困らないように」という意味を込めて「のしあわび」をお祝いに付けて贈っていました。そのため、食べ物に熨斗の付いた熨斗紙をかけることは意味が重複すると考えられています。
水引は10本の「結び切り」か「あわじ結び」を選ぶ
水引は「結び切り」または「あわじ結び」を選びましょう。簡単にほどけないことから、繰り返さないことがよいとされる結婚祝いやお見舞い、弔事などで使用されます。
水引の本数は左右それぞれ5本ずつ、計10本使われている祝儀袋を選びます。他の熨斗に比べて水引の数が多いのは、2人分の祝福であるため、5本×2=10本になるためです。
水引の色は紅白、もしくは金銀を選ぶのがマナーです。紅白は慶事全般で、金銀の水引は結婚や長寿祝いで多く使用されます。
手渡しは外熨斗・郵送は内熨斗を選ぶ
外熨斗と内熨斗は、贈り物の包装の外と中のどちらに熨斗をかけるかが異なります。結婚祝いの贈り物には、外熨斗の方が適しています。
内熨斗は包装の内側に熨斗がかけられるため、包装を開けるまでは何の贈り物なのか分かりません。一方で外熨斗は、包装の外側に熨斗をかけるため、受け取ってすぐに結婚祝いの贈り物だと伝わります。
ただし、郵送で送る際に熨斗が汚れたり傷ついたりする心配があれば、内熨斗でも問題ありません。最も大切なことはお祝いの気持ちです。どちらにするかは贈る相手や状況に合わせて決めましょう。
表書きは「寿」「御祝」「御結婚御祝」がおすすめ!4文字はNG
表書きはご祝儀袋と同じく、水引の上部に「寿」や「御祝」「御結婚御祝」と書きましょう。ちなみに、「寿」の旧書体である「壽」を用いても構いません。
なお、「死」を連想させる4文字の言葉(「御結婚祝」や「結婚御祝」)はマナー違反のため、用いてはいけません。また、「苦」を連想させる9文字の言葉も避けるべきだといわれています。
熨斗紙の名入れの書き方をパターン別に紹介
贈り主の名前は水引の下部に書きます。贈り主が複数人のときは少し書き方が異なりますので、以下の解説でご確認ください。
一人で贈る場合
個人で贈るときには特別な書き方はありません。贈り主の名前を水引の下部にフルネームで書きましょう。
夫婦で送る場合
夫婦で贈るときの書き方は3パターンです。
- 右側に夫の名前をフルネームで、左側に妻の名前だけを書く
- 右側に夫の名前を、左側に妻の名前をそれぞれフルネームで書く
- 中央に苗字を書き、その下の右側に夫、左側に妻の名前を中央揃えで並べて書く
(1)〜(3)のどの書き方でも問題ありませんが、右側に夫の名前、左側に妻の名前を書くようにすることが多いようです。
3人以下の連名で送る場合
3人までの人数で連名にして贈るときには、贈り主同士の関係性で書き方が変わります。
- 友人
- 右側から50音順にフルネームで名前を書きます。
- 会社の同僚
- 右側から役職の高い順にフルネームで名前を書きます。
4人以上の連名で送る場合
4人以上で連名にして贈るときは、以下の手順で贈り主の名前を書きます。
- 水引の下部、右側に代表者の名前を書く
- 左側に「〇〇一同」もしくは「外一同」と書く
- 別紙に贈り主の名前、住所を記載する
なお、別紙は別の袋に入れて渡すか、祝儀袋の場合は中包みや中袋に入れて渡します。別紙の書き方は以下の通りです。
- 別紙上部に「寿」もしくは「壽」と記載する
- 別紙下部に贈り主のフルネームと住所を記載する
- 贈り主が友人同士の場合は右側から50音順に記載する
- 贈り主が会社や団体関連のつながりであれば、右側から役職の高い順に書く
別紙には和紙を使用し、毛筆や筆ペンで記入しましょう。
結婚祝いのご祝儀やプレゼントの相場は?いつ渡すべき?
熨斗のルールと合わせて知っておきたいのが、結婚祝いのご祝儀やプレゼントについてです。ここでは、相場やタイミング、渡し方についてまとめます。
ご祝儀の相場
結婚祝いのご祝儀の相場は、友人や会社の同僚と親族では大きく金額が異なります。それぞれについて以下で詳しく解説します。
- 友人・会社の同僚
-
式へ出席 3万円 式を欠席 1万円 - 会社の上司・部下
-
式へ出席 3万円~5万円(夫婦の場合は2人で5万円でも可) 式を欠席 3千円~5千円(多くても1万円まで) - 親族
-
式へ出席 3万円~10万円(8万円がおすすめ) 式を欠席
友人・会社の同僚が渡すご祝儀の相場は3万円です。一般的な結婚式は、ゲストの飲食代で2万円程かかります。そのため、飲食代に合わせてお祝いを渡す意味で1万円多く渡します。
親戚へ渡すご祝儀の相場は、8万円がおすすめです。お祝いごとに偶数を使用するのは、幸せが割れてしまうため縁起が悪いといわれますが、「8」は「末広がりの八」として幸せが広がるようにと縁起がよい数字とされます。
なお、4万円や9万円は「死」や「苦」を連想させることからマナー違反ですので避けてください。
プレゼントの相場
プレゼントの相場は新郎新婦との関係性によっても異なります。付き合いの深さを基準にして検討するとよいでしょう。
- 友人・同僚
-
式へ出席 3千~5千円 式を欠席 1万円~2万円 - 親族
-
式へ出席 3万円~10万円(ご祝儀込み) 式を欠席
プレゼントは相場を守ることが大切です。盛大にお祝いをしたいと思ってもかえって新郎新婦の負担になりますので、あまり高額になりすぎないようにしましょう。
渡すタイミング
ご祝儀を渡すタイミング
まずはご祝儀を渡すタイミングについてです。タイミングは新郎新婦との関係性や、式の参加・不参加で変わります。
- 友人
-
式に出席 結婚式の当日(受付時) 式を欠席 結婚式当日の1〜2か月前、遅くとも1〜2週間前 式が未開催 報告を受けてから1か月以内 - 親族
-
式に出席 結婚式の前日まで ※間に合わない場合は式の当日(受付時) 式を欠席 結婚式当日の1〜2か月前、遅くとも1〜2週間前 式が未開催 報告を受けてから1か月以内
プレゼントのタイミング
プレゼントを贈るタイミングも、式の参加・不参加で変わります。
- 友人・親族
-
式に出席 結婚式の1〜2か月前 式を欠席 結婚式が終わってから1か月以内 式が未開催 結婚の報告を受けてから1か月以内
なお、結婚式の直前は、新郎新婦は結婚式の準備で忙しくなるため、早めに贈るよう心がけましょう。
また、式が未開催の場合は、まず結婚の報告を待ちます。報告を受けてないのに贈ってしまうと、新郎新婦に気を使わせてしまうからです。
渡し方
ご祝儀
結婚式へ参加される場合は、受付にご祝儀を渡すのが一般的です。もしも式を欠席、もしくは未開催の場合には、手渡しや現金書留を利用します。
- 友人
-
式に出席 - ご祝儀袋の名前が見えるように受付の人へ渡す
- お祝いの言葉を添える
式を欠席 - 手渡しまたは現金書留で贈る
- お祝いの言葉と欠席のお詫びの手紙を添える
- 親族
-
式に出席 - 新郎新婦に直接手渡し
- 当日の場合は受付の人へ渡す
式を欠席 - 手渡しまたは現金書留で贈る
- お祝いの言葉と欠席のお詫びの手紙を添える
プレゼントの渡し方
結婚祝いは、吉日に新郎新婦の家に訪問して手渡しで渡すことが正式な慣わしです。ただし、予定が合わないようなら、必ずしも吉日にこだわる必要はありません。
また、遠方にお住まいの場合は、お祝いのメッセージを添えた郵送でも問題ありません。配達日を指定できるのであれば、吉日に届くよう指定すると新郎新婦にも喜ばれます。
まとめ
熨斗やご祝儀袋の選び方や書き方、結婚祝いを渡す際のマナーについて解説しました。新郎新婦の新たな門出を適切にお祝いできるようマナーを守って贈り物をしましょう。
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