食の知識

管理栄養士監修:ヨーグルトはいつ食べるのが良い?レシピも紹介

ヨーグルトには、善玉菌によって腸内環境を整える効果があることが知られています。しかし、「いつ食べるのが効果的?」「他にどんな効果が得られる?」など、ヨーグルトについて詳しくは知らない方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、ヨーグルトに含まれるカルシウムや乳酸菌を効率良く吸収できる時間やヨーグルトの健康効果、ヨーグルトを使ったおすすめレシピについて解説します。

監修者

保科 琴美(ほしな ことみ)
東京電力ホールディングス株式会社
管理栄養士

管理栄養士として医療の現場で栄養指導の経験と実績が豊富。日本糖尿病療養指導士。定期的にヨガ講師としての活動も行っている。

保科 琴美

ヨーグルトはいつ食べる?夕食時がおすすめ

ヨーグルトは朝食代わりやおやつとして食べる人も多いですが、夕食時に食べることで、より健康効果を高められるといわれています。

まずは、ヨーグルトを夕食時に食べるのがおすすめの理由について、詳しく解説します。

カルシウムの吸収率が上がる

夕食時にヨーグルトを食べると、朝食や昼食時と比べてカルシウムの吸収率が高まるといわれています。

カルシウムは、骨や歯を作ったり、出血の予防や神経を安定させたりする働きがあり、健康に欠かせない栄養素の1つです。

カルシウムを効果的に摂取したいときは、夕食時にヨーグルトを食べるのがおすすめです。

乳酸菌やビフィズス菌を効果的に摂取できる

ヨーグルトを食べると、ヨーグルトに含まれている乳酸菌やビフィズス菌の働きによって、腸内環境が整えられます。しかし、空腹時にヨーグルトを食べると、腸に到達する前に胃酸で菌が死滅してしまいます。

これらを考慮すると、ヨーグルトは食事中もしくは食後に食べるのが最も効果的です。

食前を避けることで、菌が生きたまま腸に届きやすくなり、便秘や下痢の改善、免疫力向上などの効果が期待できます。

ヨーグルトと銀のスプーン

フルーツと一緒に食べるとさらに効果的

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内に到達して活動する際に「エサ」が必要とされています。そのエサとなるのが「オリゴ糖」と「食物繊維」といわれており、ヨーグルトと一緒に摂取することで、乳酸菌の効果がより出やすくなります。

おすすめは、ヨーグルトと一緒にフルーツを摂取することです。フルーツにはオリゴ糖や食物繊維が豊富に含まれているものが多くあり、ヨーグルトと同じタイミングで食べることで、乳酸菌の活動を手助けしてくれます。

ベリーのヨーグルト

食前にヨーグルトを食べるのはNG?

より多くの善玉菌を腸に届け、腸内環境を整えたい場合は、ヨーグルトは食前より食後に食べるのが効果的です。

一方で、食前にヨーグルトを食べると、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。ここからは、ヨーグルトを食前に食べたときの効果について、詳しく解説します。

整腸作用(便秘解消など)が弱くなる可能性がある

ヨーグルトを食前に食べるデメリットは、整腸作用の効果が低下する点です。

空腹時など、胃の中に食べ物が入っていないときは、乳酸菌やビフィズス菌が胃酸によって死滅しやすくなります。そのため、腸に届く菌の数が減少し、整腸作用が十分に発揮されにくくなってしまうのです。

ヨーグルトを食べて腸内環境を整えたいと考えている方は、できるだけ空腹時は避け、食中か食後に食べるのがおすすめです。

血糖値の上昇を抑えるメリットもある

食事の前にヨーグルトを食べるメリットは、血糖値の上昇を緩やかにできる点です。

ヨーグルトには、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の分泌を促すたんぱく質が含まれています。そのため、食前にヨーグルトを食べると、食事による血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できます。

血糖値の急激な上昇は、血管にダメージを与えるリスクを高めるため、食前にヨーグルトを食べるのは動脈硬化予防の観点からも効果的です。

血糖値が気になる方は、食前にヨーグルトを食べみてはいかがでしょうか。

ヨーグルトと木のスプーン

ヨーグルトの健康効果

ヨーグルトには、さまざまな健康上のメリットがあります。ヨーグルトを食べることで得られる効果には、以下のようなものがあります。

それぞれの健康効果について詳しく解説します。

腸内環境を整える

ヨーグルトに含まれる乳酸菌には、善玉菌を活性化させる働きがあります。活性化した善玉菌が、便秘や下痢を引き起こす原因となる悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境を整えるのです。

とくに便秘は、悪玉菌の増加によって引き起こされるケースが多いため、改善には善玉菌を増やすことが重要です。

さらに、腸内の善玉菌が増えると、ビタミンB群の合成が促進されます。ビタミンB群は、エネルギー代謝や神経機能をサポートする重要な栄養素で、体内で生成されることにより体全体の活力を高めやすくなります。

また、腸内環境が良好になると、カルシウムなどのミネラルも効率良く吸収されるようになり、骨や歯の健康維持も期待できるでしょう。加えて、腸内には免疫力を整える細胞の7割近くが存在していることから、風邪やガンの予防にも効果的です。

腸内環境を整えることは、全身の健康を支える土台づくりにもつながります。

血圧やコレステロールを調整する

ヨーグルトに含まれる乳酸菌には、コレステロールの上昇を抑える効果があります。また、ヨーグルトには、体内の余分なナトリウムを排出する働きのあるカリウムも含まれているので、血圧を下げる効果もあるとされています。

さらに、乳酸菌の発酵により生成されるペプチドには、血圧の上昇を抑える働きもあるため、血圧やコレステロール値に悩んでいる方は、ヨーグルトを食生活に取り入れるのがおすすめです。

ただし、加糖タイプのヨーグルトを過剰摂取すると、糖質を摂りすぎてしまい逆効果となります。糖質が気になる方は、無糖のヨーグルトを選びましょう。

美肌効果がある

ヨーグルトは、粘膜を健康に保つビタミンAや代謝を高めるビタミンB群が豊富です。とくに、ビタミンB12は、肌のターンオーバーを促進し、皮ふの修復を助ける働きがあります。

さらに、腸内環境の改善により腸内から老廃物の排出が促されるため、肌のトラブルを軽減させられます。腸内環境の改善は、血流促進にもつながり、肌のくすみや乾燥の改善も期待できるでしょう。

美肌の女性

消化しやすい

ヨーグルトは、乳酸菌の発酵によって乳糖が分解され減少しているため、消化しやすい食品です。乳製品に含まれる乳糖を摂ると腹痛や下痢などの不調が出やすい「乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)」の方でも、比較的食べやすい食品だといえます。

乳酸菌は、たんぱく質を分解する働きを持つため、消化酵素のような役割を果たし、胃腸に負担をかけにくいのも特徴です。

消化が良いヨーグルトは、夜食としておすすめの食品でもあります。

ヨーグルトを使ったおすすめレシピ4選

ヨーグルトはそのまま食べるだけでなく、料理にも活用できる万能食品です。

ここでは、くらひろお手軽レシピの中から、ヨーグルトを使ったおすすめのレシピを4つご紹介します。

白菜とりんごのヨーグルトサラダ

白菜とりんごのヨーグルトサラダ

ヨーグルトドレッシングのさっぱりした味わいと、白菜やりんごのシャキシャキとした食感が楽しめるサラダです。

疲労回復効果のあるビタミンCや、腸内環境の改善に役立つ食物繊維が豊富に含まれています。

「白菜とりんごのヨーグルトサラダ」のレシピはこちら

鶏肉とレンコンのエスニックつくねヨーグルトミントソース

つくねヨーグルトミントソース
エスニック風のつくねにヨーグルトミントソースが絶妙にマッチした一品。夕食のメインにもぴったりです。

腸内環境を整えるだけでなく、れんこんやミントにはアレルギー反応を抑制する働きがあるため、花粉症予防にも効果的です。

「鶏肉とレンコンのエスニックつくねヨーグルトミントソース」のレシピはこちら

キャロットミニマフィン

キャロットミニマフィン
しっとりとした食感や、にんじんのほんのりと甘い風味を楽しみながら、ビタミンAをたっぷり摂れるおやつです。

良質なたんぱく質を含む卵や、カルシウムを含むヨーグルトが使われているため、栄養バランスも整っています。

「キャロットミニマフィン」のレシピはこちら

鶏むね肉とカリフラワーのタンドリーチキン

カリフラワーのタンドリーチキン
スパイシーなタンドリーチキンを、ヨーグルトでマイルドに仕上げたレシピです。低脂肪である鶏むね肉を使っているため、カロリーが気になる方や体づくりをしている方にもおすすめです。

カリフラワーには、疲労回復や免疫力向上効果のあるビタミンCも含まれています。

「鶏むね肉とカリフラワーのタンドリーチキン」のレシピはこちら

まとめ

ヨーグルトを食後に食べると、カルシウムや乳酸菌を効率良く摂取でき、腸内環境の改善や美肌効果などのさまざまなメリットが得られます。

今回ご紹介したレシピも参考に、ヨーグルトを日々の食事に取り入れて、健康的な体づくりに役立てましょう。

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