副業を始めたい方へ!確定申告や税金に関する疑問を解消

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会社で働きながら、副業でもお金を稼ぐ。現在、副業を解禁する会社も増え、副業を始めたいと思っている人が増えています。しかし、一方で、新しいことを始めるときは不安がつきものです。
今回は、大橋 弘明氏の著書『サラリーマンの副業の税金が全部わかる本(自由国民社)』をもとに、これから副業を始めたい人に向けて、副業の税金に関する基礎を紹介します。副業にはどのような税金がかかるのか、そもそも確定申告は必要か、どんな税金がかかるのか、など税金の疑問や不安を解消していきます。

副業を始めたい方へ!確定申告や税金に関する疑問を解消

副業を始める前に「税金」について知る

平成30年1月に厚生労働省が、副業解禁へ向けて、「モデル就業規則」を改訂したことにより、就業時間外など会社に支障がなければ、副業・兼業を可能とする企業が増えました。しかし一方で、多くの人が副業を始めることに対して、不安も持っています。
参照:厚生労働省 モデル就業規則について

副業を始めたらなぜ税金を学ぶ必要があるの?

勤務した給与や賞与などにかかる税金は、会社が代わりに計算してくれます。会社の年末調整という手続きで、1年間の税金が計算されるので、困ることはありません。しかし、副業を始めた場合、自分で税金を計算して確定申告しなければなりません。初めて副業する人は戸惑うかもしれませんが、法人の税金よりも副業の税金は意外にもシンプルで簡単です。まずは副業に関わる税金のことを学び、副業で収入を得たらきちんと税金を計算して申告するようにしましょう。

副業にはどんな税金がかかるのか

副業にかかる主な税金は、「所得税」と「住民税」です。どちらも所得(儲け)に対して税金を計算します。所得税は、国に対して支払う税金で、所得が増えれば税率も高くなる累進課税(5%〜45%)になっています。一方、住民税(所得割)は、住んでいる市区町村や都道府県に対して支払う税金で、基本的に一律10%(市区町村民税6%、都道府県民税4%)です。

また、住民税は所得割のほかに、均等割といって一人あたりに決められた定額の税金もかかります。均等割の一般的な税額は、市区町村民税3,500円、都道府県民税1,500円となっています。その他に、副業を事業化した場合に発生する「事業税」や前々年の売上が1,000万円越になると発生する「消費税」がありますが、売上規模が大きな副業でなければ、事業税や消費税がかかる可能性は低いと言えます。

副業でも確定申告は必要なのか

確定申告は、所得税と住民税の2つの申告があります。
所得税の確定申告は、基本的に副業で得た収入から経費を差し引いた所得金額が、20万円を超える場合に行わなければなりません。例えば、収入が100万円で、経費が90万円、所得金額が10万円の場合には、確定申告をする必要はありません。

副業で所得税の確定申告をしなければならないのは、次のようなケースです。

① 副業がアルバイトなどの給与収入のケース
副業の給与収入が20万円を超える人
② 副業が雑所得など給与収入以外のケース
副業の所得が20万円を超える人
③ 副業がアルバイトと雑所得などの給与収入以外の2つのケース
①+②の合計が20万円を超える人

一方で、住民税の確定申告については、所得税の確定申告をすると同時に、市区町村にも所得金額等のデータが届くので、別途申告する必要はありません。
しかし、所得税で確定申告が不要な場合、つまり所得金額が20万円未満の場合においては、住民税の確定申告が必要となるので注意しましょう。その際は別途、住民税の確定申告書を作成し、市区町村に提出します。

副業で初めての確定申告!基本的な流れとポイント

では、副業の確定申告はどのように行えば良いのでしょうか。流れやポイント、そして所得税の計算例を見ていきましょう。なお、副業(アルバイトや株式投資、不動産投資を除く)の多くは「雑所得」に該当するので、ここではその場合を想定して紹介します。

確定申告を行う流れ

所得税の確定申告は、税務署に確定申告書を提出して、1年間(1月1日〜12月31日)の所得とその所得に対する納付所得税を計算し、翌年の2月16日~3月15日の期間に、税務署に申告書類を提出するのが原則です。期限日が土日や祝日の場合は、休日明けの平日が期限となります。

<確定申告の手順>
① 必要書類の準備
確定申告書や収支内訳書、口座情報、マイナンバーカードなどを用意する。
必要であれば、所得控除や税額控除を受けるための必要な資料も準備する。
② 帳簿書類の整理
売上や仕入、交通費や通信費といった経費などを集計する。
③ 確定申告書類を作成
スマホやパソコンで国税庁のホームページにアクセスして、「確定申告書作成コーナー」で確定申告書を作成し完成させます。
④ 確定申告書を提出する
提出の際は、スマホやパソコンでの電子申告(e-tax)や所轄の税務署で申告する方法があります。
⑤ 納税する
納付方法は、現金や口座振替、クレジットカードでの納付などを選択できます。
なお、税金は納税ではなく、還付される場合もあります。

雑所得の収入を集計する方法

副業での雑所得には、ライターやデザイナーとしての副業で得た「事業」に該当しない所得が挙げられますが、これらの対価として、お金を入金してもらうためには、相手先に請求書を発行します。雑所得で得た収入を集計する際は、1年分(1月1日〜12月31日)の請求書を集計します。

計上するタイミングは、基本的には業務の完了や商品の引き渡しが完了した時(発生ベース)です。なお、令和4年1月1日以降の雑所得の収入計上より、前々年の所得が300万円以下の場合、現金主義(入金ベース)でも収入を計上することができるようになりました。つまり、2022年の確定申告分から2020年の所得が300万円以下であれば、現金主義を選択できるということです。これまでは、発生ベースで計上していたところ、現金が入金された月で計上できるようになり、選択肢が増えます。

雑所得の経費を集計する方法

副業でも、かかった経費は計上することができます。副業にかかる主な経費には、仕入れや旅費交通費、通信費、消耗品費などが挙げられます。それらの経費がかかった場合は、支払い先から領収書やレシートをきちんと受け取っておきましょう。
領収書やレシートを受け取ったら、「発効日」「宛先」「金額」「消費税」「但し書き」「発行者の名称、住所」「収入印紙と消印(領収金額5万円以上の場合)」これらの項目の記載があるか確認します。そして、経費の種類ごとに支払い金額を集計して、1年間の経費を計算します。

なお、令和4年1月1日以降の雑所得の収入計上より、前々年の収入が300万円を超える場合には、領収書保存(5年)が義務化されるので注意しましょう。

副業における所得税の計算例

所得税は基本的に、個人が得た収入から支払った経費を差し引いた所得(儲け)に対してかかる税金です。確定申告を電子申告で行う場合は、自動で所得税が計算されますが、仕組みだけ理解するためにも、一例を紹介します。

例えば、会社で働いている給与所得と副業の雑所得を合算して、所得控除後の課税所得が400万円であった場合の所得税の計算は、次のように算出します。この場合の所得税で適用される累進課税の税率は20%で、控除額は42万7,500円です。

<計算方法>
① 所得税 400万円 × 20% − 42万7,500円 = 37万2,500円
② 復興特別所得税 37万2,500円 × 2.1% = 7,800円(100円未満切捨て)
③ ①+②= 38万300円

この場合、納付する税金は38万300円となります。復興特別所得税とは、震災復興のための施策を実施するために創設された税金です。
また、住民税で適用される税率は、基本的に一律10%なので、上記の計算例ですと、住民税は40万円(年間)になります。

副業の経費や節税のポイントは?

副業を始めたばかりだと経費をどこまで計上してよいか、領収書が発行されない場合はどうしたらいいのか?など、確定申告以外にも不安なことが多いはず。ここでは、経費のことや、節税のポイントを紹介します。

経費はどこまで含めていいか

節税のためには、経費をどこまで計上するかがポイントになってきます。支払いはしているのに、うっかり計上漏れということもあるので、どのような支払いが経費となるか知っておきましょう。副業で経費の例は、以下のようなものが挙げられます。

• 旅費交通費:出張旅費や宿泊費
• 会議費:カフェやファミレスでの打ち合わせ代、会議のためのお茶やコーヒ代
• 交際費:取引先との飲食代、取引先への手土産代
• 通信費:携帯電話やインターネット代(副業に使用する部分)
• 消耗品費:文房具や事務用品代
• 地代家賃:マンション家賃(副業に使用する面積分) など

この時、副業とプライベートでかかるお金は分けて、別管理することが大切です。通信費や地代家賃などは、あくまで副業で使用したもののみを計上します。
また、副業を始めるためにかかった準備費用も、開業費として経費にすることができます。例えば、副業に関する書籍代や事務用品などです。副業を始める前の領収書やレシートも保管しておきましょう。

領収書をもらえない場合はどうするか?

どうしても取引上、領収書をもらえないケースもあるでしょう。例えば、自動販売機でジュースを購入したときや取引先にご祝儀や香典を渡したとき、電車代やバス代を現金で支払ったとき、割り勘で飲食代を払ったときなどです。このような場合は、取引内容を記録することで経費とすることができます。取引内容記録する場合には、現金出納帳やメモ帳などに、「支払日」「支払先」「支払金額」「取引内容」この4つを記録して残しておきましょう。

所得控除や税額控除を知ってきちんと計上する

各所得を合算した所得金額に対して税金を計算しますが、税金を計算する前に差し引くことができる「所得控除」をきちんと計上することも節税の近道です。所得控除には、生活費を考慮した人的控除(7種類)と、特別な支払いを考慮した物的控除(7種類)の計14種があります。

基本的には、所得控除は会社が行う年末調整で適用を受けることができますが、1年間で10万円を超える医療費を支払った場合などの「医療費控除」、ふるさと納税や寄付金を支払った場合の「寄附金控除」、災害や盗難などの被害にあった場合の「雑損控除」などは、自ら確定申告して、所得控除の適用を受ける必要があります。

売上規模が増えたら青色申告に

確定申告には、白色申告と青色申告があります。副業し始めたばかりの人は、白色申告を選択する人が多いことでしょう。しかし、青色申告は節税のためのさまざまな特典があります。主には、最大65万円の控除を受けられることですが、収入から経費を差し引くのと同じで、最大65万円を差し引くことができる点はかなりメリットと言えます。売上の規模が増えたら、税金をおさえるためにも、青色申告を検討してみても良いでしょう。

まとめ

現在会社で本業として働きながら副業をしている人、これから副業を始める人に向けて、税金に関することを紹介しました。基本的には年間の所得が20万円を超えたら、所得税の申告が必要です。その際、経費や所得控除の漏れがないよう計上して、節税も意識してみてください。ぜひ本記事を参考に、所得税の仕組みや住民税、各所得控除などについて理解してから、申告を行ってみてください。

書籍紹介:『サラリーマンの副業の税金が全部わかる本 』(大橋 弘明 著/自由国民社)2021 年 11 月出版

『サラリーマンの副業の税金が全部わかる本 』(大橋 弘明 著/自由国民社)2021 年 11 月出版

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