腸を整えて心身をリフレッシュ! 健康生活を支える腸活メソッド
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もしも、自分や家族が日頃の生活で心身の不調を感じているとしたら、腸内の調子が良くないことが原因かもしれません。腸内環境を整えることは自律神経を整えることと同じであり、腸活を意識すれば免疫力アップを導くことができると著者は説明しています。ここに紹介するメソッドを実践可能なものから取り入れつつ、健康的な生活を心がけましょう。
腸を整えると人生が変わる!
成人の小腸は7〜8mあり、消化物の栄養素を吸収する役目を担っています。また、大腸は約1.5mあり、水分を吸収して排泄物をつくる役割があります。腸の環境を整えることで、どんなメリットを得られるのでしょうか。
腸活で健康と美容をアップ!
腸で吸収された栄養分や水分は、血液となって全身に送られます。しかし、便秘などの症状で腸が汚れてしまうと、血液がドロッとして質が低くなり、皮下脂肪や内臓脂肪のもとになってしまいます。裏を返せば、腸内環境を整えることで、「代謝がアップして太りにくい体質になる」というメリットを得ることができるのです。
また、体内にある免疫細胞の約70%は腸にあり、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの約90%も腸で作られています。このことから、腸内環境を良くすれば、「免疫力アップで風邪を引きにくくなる」「老廃物デトックスで美肌効果」などの効果を得られるともいえます。
善玉菌を意識しよう
人間の腸内細菌をまとめると、数では約1000種類・100兆個以上、重さでは約1kgになるといわれています。腸内細菌の多くは大腸に生息し、人によって異なる生態系を作り上げています。そして、健康な大腸の中で腸内細菌が種類ごとに集まって花畑のように見える様子を、腸内フローラと呼びます。
さらに、腸内細菌は、3つのタイプに分けられます。1つめは「善玉菌」で、腸の消化吸収を促進し、老廃物を除去します。2つめは「悪玉菌」で、有害物質を作り出し、腸の炎症を引き起こします。3つめは「日和見菌」で、普段は何もせず、腸内環境が悪くなると悪さをします。
腸内環境の良し悪しは、これら3つのバランスで決まり、「善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1」なら良好な状態、「善玉菌1:日和見菌7:悪玉菌2」なら悪化している状態といえます。
腸内環境を改善して免疫力向上
人間が口にした食べ物には、目に見えない細菌やウイルスがついていることがあります。これらを攻撃するために、腸には異物に対する免疫力が備わっています。免疫細胞は全身の臓器や粘膜に生息していますが、上記したとおり約70%が腸に集中し、体の門番として活躍しています。
このことから、免疫機能の働きは、腸内環境に大きく左右されるといえます。実際に、便秘などの症状が改善して腸の働きが正常になったことが理由で、「風邪をひきにくくなった」「疲れがたまらなくなった」と感じる人は多いのです。
反対に、腸内環境が悪化すると、免疫細胞がうまく働かなくなり、有害な細菌やウイルスが侵入し、体にさまざまな不都合がもたらされることがあります。
美腸に導く食事メソッド
消化器官である腸を整えるためには、日頃の食事を意識することが大切です。どんな点に注意すればよいのでしょうか。
食生活を見直して腸を動かそう
腸内細菌は、遺伝的な影響を受けません。つまり、親が良い腸内環境だからといって、子にも受け継がれることはないのです。大切なのは、食生活などの後天的な環境です。パートナーや子どもと一緒に食生活を改善すれば、腸内環境を良いものへ変化させることができるでしょう。
まず意識すべきは、1日3食をきちんととり、適度に腸を刺激することです。1日2食では刺激が足りず、また、多すぎても負担となってしまうので、食事の回数は1日3食がベストです。
3食のなかでも、特に重要なのが朝食です。朝食を食べることで、腸が働き出し、副交感神経がスムーズに活動します。すると血流が良くなり、頭がしっかりと働きます。忙しい人は、バナナ1本でもいいので朝に食べるといいでしょう。バナナは、食物繊維やオリゴ糖、ミネラルがたっぷりと含まれている点からもおすすめです。
食物繊維で腸内を掃除
食物繊維は消化されにくいため、小腸や大腸を通過するときに、腸内の老廃物や食べカスを掃除してくれます。食物繊維には2種類あり、1つめは「水溶性食物繊維」です。果物や海藻、きのこ類に多く含まれ、水に溶けて便をやわらかくします。特に、リンゴやキウイ、柑橘類は、善玉菌を増やすペクチンと呼ばれる食物繊維も多く含んでいるので、おすすめです。
2つめは「不溶性食物繊維」です。ごぼうやさつまいも、豆類に多く含まれ、水に溶けずに便通の促進や整腸効果などをもたらします。普段は水溶性食物繊維を多めにとり、お通じが不安定な場合は不溶性食物繊維を増やすといいでしょう。慢性的な便秘に悩んでいるなら、「不溶性2:水溶性8」くらいの割合が理想的です。
発酵食品で善玉菌を増やす
発酵食品とは、微生物の働きによって発酵し、味や栄養価、保存性が向上した食品です。豊富に含まれる酵素や微生物、乳酸菌が、腸内環境に良い影響を与えます。
代表的なものには、乳酸菌や麹菌を含む味噌や、日和見菌を含み食物繊維も豊富な納豆、ビフィズス菌や乳酸菌を含む漬物、善玉菌のエサになるヨーグルト、乳酸菌の塊といえるチーズなどがあります。発酵食品はそれぞれで生息する菌が異なるので、腸内環境を良い状態で保つためには、定番のヨーグルトに加えて2種類など、複数の発酵食品を食べることが有効です。
ゆる運動とダイエットのすすめ
腸活では体を動かすことも大切です。運動が苦手な人でも無理なく続けられる、ストレッチから始めてみましょう。腸内環境を整えれば、ダイエット効果がアップすることもあります。
ストレッチで腸を刺激しよう
長時間のデスクワークなどによる、座りすぎのリスクが危惧されています。長時間座っていると、血流が悪くなって腸のぜんどう運動が滞り、不調をきたすこともあるので注意しましょう。
仕事の合間にできる簡単なストレッチには、両手でお腹をもみながら腰を回す方法や、体側を伸ばして腸まわりの筋肉に刺激を与える方法、上半身をおへそからねじって腸に刺激を与える方法などがあります。1時間座るごとに数分間のストレッチを行うことを心がけましょう。
太りやすいのは腸内環境のせい?
腸内環境が悪くなると、消化や吸収の力が弱まります。すると、代謝が悪化して内臓脂肪が溜まりやすくなります。その結果、同じカロリーを摂取しても、腸内環境が良い人は太りにくく、悪い人は太りやすいという差が生じてしまうのです。太りにくい体になるためには、腸内環境を整えて、きれいな血液を全身の細胞に行きわたらせることが大切です。
腸内環境を良くするためには、食物繊維を多めに食べ、甘酒などに多く含まれるオリゴ糖を意識して摂取するといいでしょう。すると、日和見菌を善玉菌の味方にすることができ、副交感神経の働きを上げ、腸のぜんどう運動を活性化させることができます。
腸活ダイエットを始めよう
腸内環境を整えて血行が良くなると、代謝が上昇してエネルギーが燃焼され、脂肪がつきにくい体になります。腸活ダイエットで大切なのは、まず、朝型の規則正しい生活です。人間の体には、新陳代謝やホルモン分泌を行う体内時計があり、体内時計がきちんと機能していないと、腸の動きが停滞してしまいます。朝起きたら太陽の光を浴び、朝食を摂って体内時計を整えましょう。
また、食事はよく噛んで食べるように心がけましょう。飲み込むような食べ方では、腸の消化や吸収がうまくいかなくなり、エネルギーが体脂肪として蓄えられてしまいます。よく噛めば噛むほど、咀嚼のリズムが副交感神経を活性化させ、消化や吸収がスムーズになります。温かい飲み物や酸味のある食べ物も、副交感神経を刺激するのでおすすめです。
加えて、肌をきれいにする腸内細菌として、エクオールという物質があります。大豆のイソフラボンに含まれる成分から生み出されるもので、美肌効果があると考えられています。エクオールは、誰もが腸内で作れるわけではありませんが、サプリメントが開発されているので上手に利用しましょう。
まとめ
家族の健康的な生活を維持するためには、栄養を吸収する腸の活動を意識することが大切です。人間は約1000種類・100兆個以上の腸内細菌を持っていて、「善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1」のバランスが悪化すると、免疫細胞がうまく働かなくなります。すると、体に有害な細菌やウイルスが侵入し、健康にさまざまな不調がもたらされてしまいます。
腸内細菌を整えるためには、「1日3食の正しい食生活」「食物繊維を摂取して腸内を掃除」「発酵食品で善玉菌を増やす」など、毎日の食事に気を配ることが第一歩です。加えて、ストレッチやダイエットで副交感神経を活性化させる意識を高めれば、美肌などの効果も期待することができます。
引用書籍:『腸活にいいこと超大全』(小林弘幸著/宝島社)2021年12月出版
出版社・書籍紹介:『腸活にいいこと超大全』(小林弘幸著/宝島社)2021年12月出版
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