春節(中国の旧正月)とは?2025年はいつ?休暇期間や食べ物を解説
中国の旧正月である春節は、新年を盛大に祝う祝日です。この時期には多くの中国人観光客が日本を訪問し、ニュースで取り上げられることも多いですよね。ただ、中国で祝われる春節の伝統的な習慣や連休期間まで理解しているという方は少ないのではないでしょうか。
この記事では、春節の意味や連休期間、人々の過ごし方から縁起の良い食べ物まで、中国の春節を徹底解説します。日本で春節を楽しめるスポットも紹介しますので、この機会に訪れてみるのもいいかもしれませんね。
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春節(旧正月)とは?2025年の春節はいつ?
春節とは旧正月、つまり旧暦のお正月を意味します。中国ではこの春節が1年で最も重要な祝祭日とされており、新暦のお正月(1月1日)よりも盛大に祝われます。
2025年の春節は1月29日です。春節は旧暦に基づく祝日のため、現代で使われている太陽暦(グレゴリオ暦)では毎年日付が異なります。次の表のように、1~2月の間の特定の1日が春節の日となります。
年 | 春節の日付 |
---|---|
2023年 | 1月22日(日) |
2024年 | 2月10日(土) |
2025年 | 1月29日(水) |
2026年 | 2月17日(火) |
2027年 | 2月6日(土) ※日本では2月7日(日) |
春節の日付は太陰暦で決められます。日本と中国では1時間の時差がある関係で、稀に日本と中国で春節の日が異なることもあります。
中国の春節の連休期間はいつからいつまで?【春節の前後7日間程度】
中国では、旧暦の年末年始の期間を過年(かねん)と呼びます。旧暦12月23日の祭竈節(さいそうせつ)から旧暦正月15日の元宵節(げんしょうせつ)までの期間がそれにあたり、毎年、旧正月である春節の前後7日間ほどが連休となります。連休期間と日曜日が続く場合には、日曜日が「振替出勤日」として指定されることもあります。
2025年の連休期間は、春節前日の1月28日から2月4日までの8日間です。
年 | 春節の連休期間 | 連休日数 |
---|---|---|
2024年 | 2月10日(土) 〜2月17日(土) |
8日間 |
2025年 | 1月28日(火) 〜2月4日(火) |
8日間 |
2026年 | 2月16日(月) 〜2月22日(日)頃 ※ |
7日間程度 ※ |
※中国では、翌年の祝日が前年の12月頃に発表されます。そのため、2026年以降の公式な連休期間はまだ確定されていません。ここでは、予想される日付・期間を掲載しています。
春節の由来
中国では旧暦の年末年始の期間を過年(かねん)と呼びますが、過年には年越しの意味と併せて、想像上の動物である年(ニェン)をやり過ごすという意味もあります。
言い伝えによると、昔々、中国では一年の終わりに「年」が現れ、人々や家畜を食べるなどして恐れられていたといいます。人々はこの「年」をやり過ごすため、「年」が嫌がる赤い色の飾りつけをしたり、爆竹で大きな音を出して追い払ったりしました。諸説ありますが、これが春節の由来の一つとされています。
中国での春節の位置づけ・過ごし方
日本で春節といえば、大勢の中国人観光客が日本を訪れる期間というイメージがありますが、連休だからといって旅行に出かける人ばかりではありません。日本の正月休みのように、帰省して家族と過ごすという方も多くいます。
ここからは、中国での春節の位置づけや、一般的な過ごし方を見てみましょう。
中国での春節の位置づけ
春節は、中国における旧暦のお正月ですが、日本とは異なり国民の祝日に指定されています。中国には、春節以外にも次のような祝日が存在しますが、この中でも大型連休の代表となっているのが春節です。
- 清明節(せいめいせつ)
- 労働節(ろうどうせつ)
- 端午節(たんごせつ)
- 中秋節(ちゅうしゅうせつ)
- 国慶節(こっけいせつ)
春節は、中国本土だけでなく、香港や台湾などの中華圏でも祝われます。また、旧正月は、シンガポールやマレーシアのチャイニーズ・ニューイヤー、ベトナムのテト、韓国のソルナル(ソルラル)のように、東アジアの様々な国で国の祝日として定められています。
春節は家族で過ごすことが多い
日本では海外旅行に出かけるイメージが強い春節ですが、実際には家族で過ごすことが多いイベントです。日本の年末年始のように、都市部から実家へ帰省したり、家の大掃除をしたり、年越しそばのような縁起物として餃子を食べたりして過ごします。
春節の連休を利用して多くの人が帰省する現象は、民族大移動とも呼ばれています。公共交通機関は大混雑となり、高速道路の渋滞で車がまったく動かなくなることも珍しくありません。高速道路では体をほぐすためにダンスを踊ったり、バーベキューをして待ったりする姿も見られるそうです。
連休を利用して海外旅行を楽しむ人も
春節の前後は大型連休となるため、連休を利用して海外旅行に出かける姿も多く見られます。特に、日本の人気は高く、春節の時期には多くの中国人が日本で観光や買い物を楽しみます。
多くの人が旅行を楽しむことから、航空券の予約争いは熾烈を極め、空港もとても混雑します。さらに、セキュリティ強化で保安検査が厳重になり、通常よりも移動に時間がかかることがあります。
日本とは違う?春節を祝う中国の伝統的な習慣
日本におけるお正月と言えば、おせちを食べたり初詣に出かけたりするなど、静かに過ごすことが多いですよね。ただ、中国の春節には、日本のお正月とは違う独特の祝い方もあります。
ここからは、中国ならではの伝統的な習慣をご紹介します。
爆竹・花火などで大きな音を出す
春節におけるお祝いの代表として、爆竹や花火があります。
わざわいをもたらす想像上の生き物、年(ニェン)を大きな音を鳴らして追い払ったという伝承に由来し、花火や爆竹で音を出すことで邪気を追い払うという意味が込められています。よって、少しでも大きな音が出る爆竹が特に人気だといいます。日ごろは規制が多い中国の街角においても、春節のときは花火が飛んだり爆竹が鳴り響いたりするシーンが当たり前のように見られます。
近年は、大気汚染や安全への配慮から、春節の花火もエリアで規制されることが増えてきました。とはいえ、市民感情としては「春節くらいにぎやかに花火を楽しみたい」という声が少なくなく、規制を緩めようという動きもあるようです。中国において、春節の花火は人々に欠かせないものなのですね。
「赤」を飾る
中国の春節では、赤がラッキーカラーとされています。そのため、あらゆるものが赤に彩られ、身につけるものも赤に統一されることが多いです。
建物の入り口には赤い対聯(ついれん、たいれん)が飾られ、道路には赤い提灯が掲げられます。銀行や公共機関では、お金に恵まれることを祈願して、新年の様子が描かれた写真が飾りつけられます。
伝統的な行事も
家族と過ごすことが多い春節ですが、街中でも多様な行事が行なわれます。街のお寺では、様々な催しものが華やかに開催されます。伝統的な龍の舞や獅子舞、そして皇帝の結婚式のような催しものを行う大邸宅もあるようです。
北京の寺院では、春節の元旦から元宵節(げんしょうせつ、旧暦の正月15日)まで縁日が開かれており、中国の北方では扭秧歌(ヤンコ踊り)と呼ばれる田植え踊りが披露されます。まさしく、お祭り騒ぎで盛り上がるのが中国の春節の風景となっています。
日本のお年玉に似た文化も
日本では、お正月に子供にお年玉をあげるのが定番となっていますが、中国にも似た文化があり、圧歳銭(ヤースイチエン)と呼ばれています。
これは、年始に大人が子供に金銭などを与えることで子供を襲う祟りが振り払われ、一年を平穏無事に過ごせるという民間信仰に基づくものです。お年玉袋に当たる紅包(ホンバオ)には、当然春節のイメージカラーである赤が用いられます。
春節に食べると縁起の良い食べ物
春節では、日本のおせちのように定番の食べ物が存在します。それぞれの食べ物に意味があるのも日本と同じです。ここからは、春節に食べると縁起が良いとされる食べ物とその意味を説明していきます。
魚
中国語には年年有余という言葉があり、「毎年経済的にゆとりがあること」を意味します。また、中国語で「魚」の漢字は「余」と同じ読み方をします。そのため、「魚」はその年のゆとりある暮らしを願う縁起物とされており、長江南部をはじめとする多くの地域で、春節の時期に魚料理が振る舞われます。
地域によっては、魚を食べるときに頭と尾を取っておいて、新しい一年が年始から年末まで平安に過ごせるように祈願されます。魚の並べ方にも意味があり、頭を貴賓者や先輩に向けることで、尊敬の気持ちを示す場合があります。
餃子
中国で餃子と言えば、水餃子のこと。その独特な形は、中国の昔の貨幣である元宝(銀錠)という銀貨がルーツとされ、餃子は富をもたらす縁起物とされます。
春節の餃子には、旧暦の大晦日の夜12時前に家族で作り始め、年を越して深夜1時ごろの子の刻に食べるという風習があります。春節の日に餃子を食べることで、その年に富がもたらされると言われています。また、用意した餃子の中に1つだけ硬貨を入れておくという風習もあります。この硬貨が当たった人は、その1年金運に恵まれるとされています。
餃子の餡には、なつめや落花生、栗の実などを入れることが多いです。なつめを食べると新年を甘く感じさせて幸せな日々を送れるとされており、落花生は健康長寿を象徴します。
春巻き
一説によると、春巻きの名前は立春に近づく頃に食べられることから名付けられたといいます。春巻きは春の象徴的な食べ物とされ、春節の時期に食べるのも縁起が良いとされていて、中国東部では特に人気のある旧正月料理です。
また、春巻きに似た食べ物として春餅があります。小麦粉で作ったクレープ状の皮で野菜や肉などを巻いたもので、地方により春巻きのように揚げる場合と、揚げずに食べる場合とがあります。
春巻きや春餅は肉と野菜を包み、頭から尾まで食べることから、「終始一貫」という意味で縁起が良いとされています。
長麺(長寿麺)
長麺は長寿麺とも呼ばれ、長寿の願いを象徴しています。麺の長さが食べる人の人生の象徴とされ、カットせずに通常よりも長くした麺を調理します。
麺が長いほど寿命も長くなると信じられている事から、麺を噛み切ってはいけないと言われています。長い麺ですが、噛み切らずにすすって食べるのが良いとされます。
おもち(年糕)
中国では、日本と同じく年糕(ねんこう)と呼ばれるお餅を食べる習慣があります。中国において、年糕は「年高」と発音が同じであり、「年々高くなる」という意味があります。つまり、年糕には収入や身分が上がってほしいという願いが込められているのです。
北方の年糕は蒸し物と揚げ物があり、甘めに味付けされています。一方、南方の年糕は蒸し物、揚げ物だけでなく、炒めてスープにすることも多く、甘いだけでなく塩辛い味付けにすることも多いです。
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日本で春節を楽しむには?おすすめのスポットを紹介
ここまで、中国における春節の過ごし方を解説してきました。新年を盛大に祝う楽しそうな雰囲気に、魅力を感じていただけたでしょうか?
中国に旅行に行くのは、少しハードルが高いかもしれません。しかし、実は日本にも春節のお祝いを楽しめるスポットがあります。ここからは、春節の時期にイベントを開催している国内のおすすめ中華街を紹介します。
横浜中華街「春節燈花」
横浜中華街では例年、春節期間の前後に春節燈花というイルミネーションが開催されます。
春節燈花は、横浜中華街が一丸となって春節を盛り上げていこうというイベントで、ランタンや提灯などのイルミネーションが華やかに街を彩ります。街全体に、縁起が良いとされる赤や金色の飾りつけや、龍や鳳凰を模したランタンオブジェなどが現れ、日本に居ながらにして本場の春節を楽しむことができます。
2025年の春節燈花は、2024年11月1日(金)に点灯式が開催されました。イルミネーションは2025年2月24日(月)まで続く予定です。
神戸南京町「南京町春節祭」
神戸市の南京町中華街では例年、春節当日から5日間程度の期間で春節祭が開催されています。このイベントは南京町最大のお祭りで、神戸市地域無形民俗文化財にも指定されています。
例年、春節祭では迎春餐と福袋が開催されています。迎春餐では、中華街の一部飲食店にて割引価格で食べられ、お祭り気分を楽しみながら食べ歩きもできるイベントになっています。
2025年の南京町春節祭は、2025年1月29日(水)~2月2日(日)の5日間開催される予定です。
長崎新地中華街「長崎ランタンフェスティバル」
長崎市の新地中華街では、2025年1月29日(水)~2月12日(水)にかけて「長崎ランタンフェスティバル」が開催されます。新地中華街をはじめとする長崎市中心部に色鮮やかなランタンが飾られ、長崎の夜を彩ります。
例年、中国・清朝の皇帝・皇后が民衆と共に新年を祝う様子をイメージしたという「皇帝パレード」や、航海安全の神である「媽祖(まそ)」を崇める「媽祖行列」などのイベントが開催されています。
中華街だけでなく長崎市中心部の街全体が春節のお祝いに染まるので、より本場に近い空気感を味わえるのではないでしょうか?
まとめ
春節とは中国の旧正月のこと。2025年の春節は1月29日(水)です。
春節は、赤い飾りつけや爆竹・花火を打ち鳴らす賑やかさ、そして帰省・旅行客による「民族大移動」と呼ばれるほどの渋滞・混雑が有名です。一方で、おせち料理のように縁起物の食べ物があったり、お年玉に近い文化があったりと、日本のお正月によく似た一面もあります。
新年を祝い、その年の幸せを祈る気持ちは、中国の春節も日本のお正月と変わりありません。日本国内にも春節の雰囲気を味わえる中華街などのスポットがありますので、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか?
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