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~脱炭素のために私たちができること~ 家庭からの二酸化炭素排出を削減するカギは「断熱」にあり

地球温暖化の原因となっている二酸化炭素(CO2)。そのCO2排出削減のために、国内外で様々な「脱炭素」の取り組みが進められていますが、家庭から出るCO2を減らすことも大切です。
そこで、くらひろ編集部 では、これから目指すべき暮らしである「脱炭素社会」について様々な取り組みをされているLIXILに、家庭でできる取り組みのひとつである「断熱」の重要性についてお話を伺ってきました。

脱炭素(カーボンニュートラル)に向けて

脱炭素(カーボンニュートラル)に向けて
はじめに「地球温暖化」についておさらいしておきましょう。

地球温暖化とは、人間の活動が活発になるにつれて二酸化炭素(CO2)などの「温室効果ガス」が大気中に大量に放出され、地球全体の平均気温が上がり始めている現象のことをいいます。1880年から2012年の傾向では地球全体の平均気温は0.85度と上昇しており、このままのペースで温室効果ガスが増え続けると、2100年には最大4.8度も上昇すると予測されています。
出典:JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター 「温暖化とは?地球温暖化の原因と予測」

そのため、CO2をはじめとする温室効果ガスの削減は全世界に課せられた課題となっており、2021年10~11月に開催された「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)」では、「気温上昇を1.5度以内に抑えることを目指して、努力を追求することを決意」することが合意されました。そして日本でも「2030年までに温室効果ガス排出を2013年度比46%削減」「2050年までに実質ゼロ(カーボンニュートラル)」という高い目標が立てられています。
この高い目標をクリアするためには国だけではなく、企業そして個人が目標に向けて動かなければ達成は難しいでしょう。
出典:環境省 地球温暖化対策計画

家庭から排出される二酸化炭素を減らすには?

家庭から排出される二酸化炭素を減らすには?
では、どうすれば家庭から排出されるCO2を減らすことができるのでしょうか。

「地球温暖化対策計画」(環境省)では、部門ごとに2030年までのCO2排出削減目標が掲げられていますが、最も高い削減率の目標が設定されているのが「家庭部門」で、2013年度比でマイナス約66%となっています。家庭部門に含まれているのは、冷房・暖房、照明、給湯、炊事、家電機器の使用など。私たちは暮らしの中で脱炭素を進めることが求められているのです。
出典:環境省 地球温暖化対策計画

そのためには、電気自動車への乗り換えなど様々な方法が考えられますが、特にCO2削減効果が高いと見込まれているのが、私たちが日々暮らしを営む「住宅」の省エネ化です。

「ZEH(ゼッチ=ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」という言葉をご存じでしょうか?
ゼロエネルギーハウスとも呼ばれていますが、屋根や外壁などは断熱性の高い素材を用い、内部は高効率のシステムの導入より大幅な省エネルギーを実現。さらに太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入することで、年間の一次エネルギーの消費量がゼロとなることを目指した住宅です。

ZEHは排出するCO2が少ないということはもちろんですが、個人にも大きなメリットがあります。まず、使用するエネルギーが少ないので、光熱費が少なくてすむこと。そして夏は涼しく冬は暖かいという快適な住環境であること。また、太陽光発電や蓄電池を活用することで、台風や地震などの災害時にも電気が使えるという点が挙げられます。

「断熱」により熱のロスを防ぎ、エネルギーの使用を減らす

「断熱」により熱のロスを防ぎ、エネルギーの使用を減らす
現在、各住宅メーカーがZEHの開発、普及に取り組んでいますが、LIXILが特に注目したのが「窓」。窓や玄関などの開口部は住まいの中でも熱の損失や流出が多い部分で、冬は熱が外に逃げ、夏は熱が外から流れ込んでしまいます。重要なのは、ここの断熱性能を上げることだといいます。
確かに、冬も夏もエアコンを使って快適な空間を作っていても、エアコンを止めた途端に寒くなったり暑くなったりしてしまい、仕方なくまたエアコンをつけるという使い方をしていたかもしれません…。快適な空気を閉じ込めておくためには「断熱」が重要なんですね。

LIXILの研究では、1枚だけの単板ガラスから、高断熱のトリプルガラスに変えた場合、熱の流出は約80%も抑えられ、排出されるCO2は新築住宅の場合で37.1%、既存住宅の場合で20. 6%削減できるということがわかったそうです。
家庭のCO2排出量のうち、冷暖房の消費エネルギーから発生するCO2は実に約4分の1にも上ります。もし、日本のすべての既存住宅の窓をトリプルガラスの窓にリフォームできたなら、年間約1509万トンのCO2削減になるというシミュレーションもあり、非常に大きな省エネ効果が期待できます。

高性能ハイブリッド窓「TW」で断熱と快適性を実現

そこでLIXILでは、2021年よりすべての窓シリーズ商品を刷新。脱炭素社会に向けての高断熱窓の導入に力を入れています。さらに2022年2月より順次、高性能ハイブリッド窓として新築住宅向けにより「TW」が発売されました。一体どのように進化したのでしょうか。
高性能ハイブリッド窓「TW」で断熱と快適性を実現
先ほど、住宅の断熱性能を高めるには、いかに開口部からの熱の出入りを少なくするかがポイントと言いましたが、一方でお客さまからは「窓はできるだけ大きくしたい」という要望も多いとか。採光性・眺望が良い窓と、省エネ性・快適性を兼ね備えた断熱窓という相反するポイントを両立させたのがこの窓なのです。

そのためにLIXILが採用したのが、アルミの良さと樹脂の良さを融合させてフレームのスリム化と高断熱性を両立した「ハイブリッド窓」と、3枚のガラスの間に高性能ガスを入れて断熱性能を実現した「トリプルガラス」の組み合わせ。
「トリプルガラス」の組み合わせ
LIXILによれば、「HEAT20(2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会)」が推奨する省エネ基準で日本最高の性能レベルのG2グレードにも対応できる断熱性能に加え、台風の強大化やゲリラ豪雨の増加などの気候変動の影響にも配慮し、住宅用の窓としては高い水準の耐風圧性能と水密性能を実現しているとのこと。室内の熱を逃がさないだけでなく、外部の影響からもしっかりと守ってくれるのがうれしいですね。

なお、LIXILのトリプルガラスは、中間ガラスを1.3mmという特殊薄板ガラスにすることで軽量化する「スマートライト構造」となっているため、窓自体の重さによる負荷を軽減しているのも特徴だそうです。住宅の高耐久化に貢献している点にも注目です。

機能面にもまして驚いたのがこの窓の広さ。
機能面にもまして驚いたのがこの窓の広さ。
TWはフレームをスリム化し、同じサイズの窓と比べてガラス面積が約30%アップしたとのこと。広々とした視界が確保でき、家の中にいても開放的な気分になれそうです。また、TWには窓の色に薄暮の時間帯をコンセプトとした新色「ダスクグレー」が追加されており、低コントラストで住宅と調和するコーディネイトも可能になっています。断熱はもちろん、住宅のデザインにこだわる人にとってもうれしいポイントですね。

暮らしやすさや手入れのしやすさにもこだわりが

断熱性と眺望を兼ね備えたTWですが、もうひとつ注目したいのが、その使いやすさです。

たとえば、TWの引違い窓「フラットタイプ」では下枠の段差をなくしているため、つまずきや転倒を未然に防止し、室内外の出入りがスムーズです。レールの溝にはごみやほこりが溜まり掃除が大変なのですが「フラットタイプ」なら溝がないため、ごみなども溜まりにくく、掃除がとても楽なんだとか!

またIoTホームリンク「ライフアシスト2」と連携することで、外出先からスマートフォンで窓を開閉したり、家から一定の距離を離れると自動で閉まるようにしたりと、防犯面でも役立ちます。

これまで、窓の性能なんてあまり意識していませんでしたが、高性能の窓に変えることにより、住まいが快適になるだけでなく、地球環境を守ることにもつながるんですね!

カーボンニュートラルには既存住宅のリフォームも必須

ここまで読んで「でも新築住宅を買う予定はないし…」と思った方もちょっと待って。
既存住宅でも、リフォームにより高断熱の窓の導入が可能なんです。

LIXILによれば、日本の住宅のおよそ90%が現在の省エネ基準に満たないということ。家庭からのエネルギー削減には、新築住宅のZEH化を進めるだけでなく、約6,200万戸ある既存住宅の高性能化も欠かせないのです。

そこでLIXILでは新たに既存住宅向けに、リフォーム可能な取替窓「リプラス 高断熱汎用枠」と、リフォーム玄関ドア「リシェント玄関ドア3 高断熱仕様 ハイグレードモデル」を2022年1月に発売しています。

たった1日で高性能な窓に交換できる「リプラス 高断熱汎用枠」

「リプラス 高断熱汎用枠」は、上で紹介したTWのようなトリプルガラス仕様のハイブリッド窓のリフォーム商品。既存住宅でも窓の高断熱化ができるようになりました。

リフォーム用の窓でありながら、欧州の新築基準レベルの断熱性能を誇り、寒さ・暑さを防いだり、換気量をアップさせたりと、この窓に変えるだけでも、住まいの快適性は大きく向上するのだとか。壁工事・足場工事不要で、1窓あたり約半日でリフォームが完了するという手軽さも魅力です。
たった1日で高性能な窓に交換できる「リプラス 高断熱汎用枠」

もう一つの開口部、玄関ドアも性能アップ!

窓と共に住まいの開口部となる玄関には「リシェント玄関ドア3 高断熱仕様 ハイグレードモデル」がおすすめだそう。高い断熱性能を誇るリフォーム用ドアで、内部に高性能断熱材を充填することで、高い断熱性能を実現しているとのこと。こちらも1日で工事は完了するので、気軽にリフォームできますね。
もう一つの開口部、玄関ドアも性能アップ!

窓の「断熱」など住宅の高性能化で脱炭素を進めよう!

すべての窓シリーズのさらなる性能向上を推進し、2026年3月期までに高性能窓比率100%の達成を目標にしているというLIXILでは、住宅の開口部の高性能化だけでなく、新築住宅向けに高性能住宅工法である「SW(スーパーウォール)工法」や高性能換気システム「エコエア90」などを、また既存住宅向けには、ローコストで住宅一棟丸ごと性能改善リフォームする「まるごと断熱リフォーム」や、ひと部屋ごとの性能改善リフォーム「ココエコ」などを用意し、さまざまな商品・サービスで、住宅全体での高性能化を推進しているとのことです。

まとめ

家庭からのCO2排出削減に大きなポイントとなる「断熱」。窓を高断熱化して熱ロスを防ぐことで、使用エネルギーを削減することができ、さらには生活をより快適にすることができそうです。脱炭素社会に向けて私たちができることとして、まずは皆さんもご家庭の窓を見直してみてはいかがでしょうか。

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