脱プラはエコバッグだけじゃない!キッチンの脱プラを始めてみよう!
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レジ袋有料化など身近なところにも影響が出てきた「脱プラスチック」の動き。エコバッグを使い初めて脱プラに興味が出てきたという方も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、脱プラの動きについておさらいするとともに、身近なキッチン用品から「脱プラ」できるエコなアイデアをご紹介します。
少しでも環境に優しい暮らしをしたいと考えている方は、ぜひこの記事を読み、新しいライフスタイルのヒントにしてくださいね。
脱プラスチックって?
最近は「脱プラスチック」という言葉をよく聞きますが、なぜプラスチックを規制する必要があるのでしょうか。「地球環境のためらしいけれど、とにかくレジ袋が有料化になったからとりあえずエコバッグを使っている」という方も多いと思います。
しかし、せっかくエコバッグを使っているなら、「自分は環境に優しいことをしているんだ」ともっと胸を張っていいのです。そこで、脱プラスチックの背景や日本や世界の脱プラスチックについてを知り、その一部に自分が貢献しているのだという意識を持ってみましょう。
脱プラスチックの背景
まず、プラスチックによる環境への悪影響を解説しましょう。石油を原料とするプラスチックの製造時には、温室効果ガスが発生します。そして廃棄後の焼却時や自然投棄されたプラスチックが劣化する際にも、温室効果のあるガスが発生するんです。
また海洋投棄されたプラスチックは海の生物の生命にも危険を及ぼします。プラスチックが劣化し非常に細かくなった「マイクロプラスチック」は、海洋生物だけでなくそれを食している人間の身体にも蓄積していっています。
1950年以降に世界で生産されたプラスチックは、およそ83億トンです。そのうち63億トンはゴミとして廃棄されましたが、回収されたプラスチックゴミのなかでリサイクルされたのはたったの9%。79%は埋め立てられるか海洋へ投棄されました。
そして現在のペースのままだと2050年までに120億トン以上のプラスチックが、埋め立てか自然投棄されると目算されています。
日本はプラスチック廃棄量が多い
「日本人は意識が高いから、問題になるほどプラスチックを使っていないでしょう」なんて思っている方も多いかもしれません。実は日本はプラスチック生産量・廃棄量ともに多い国として、世界から遅れをとっています。
ちなみに2015年の日本におけるプラスチック容器などの生産量は、世界第1位。一人当たりのプラスチック容器包装の廃棄量はアメリカについで第2位です。
丁寧に何重にも包装された高級フルーツやお菓子などを思い出すと、このデータにも納得がいくかもしれません。日本の過剰包装は、実は海外の方からも疑問視されています。
世界の使い捨てプラスチックに関する規制
プラスチック問題は、日本だけでなく世界的な問題です。さて、日本以外の国々はどういったプラスチックに関する規制をおこなっているのでしょうか。
フランスでは、2020年1月以降使い捨てのタンブラーやコップ、皿などの使用を原則として使用禁止とする政策を発表しました。またイタリアでは、2020年1月よりマイクロプラスチックを含有する洗い流せる化粧品の製造・販売を禁止する計画を通知。
アメリカのニューヨーク市では、すでに買い物袋や公園でのペットボトル販売を禁止していますが、さらにバー・レストラン・カフェなどでのプラスチックストローやマドラーの使用禁止を提案しました。
そのほかの国々でもさまざまなプラスチック商品に対する規制を実施したり、計画を立てたりしています。世界を見渡すと日本国内でのレジ袋有料化は、もはや当然の流れということがわかりますね。
環境省が提唱する「プラスチックスマート」
日本の環境省は、世界的なプラスチック問題解決の足がかりのために、「プラスチックスマート」というキャンペーンを立ち上げました。
プラスチックスマートの公式サイトでは、脱プラスチック問題解決への取り組み事例やプラスチック問題に関する資料やデータなどを紹介。あらゆる方に向けて、脱プラへの後押しをおこなっています。
現在、多くの個人・自治体・NGO・企業・研究機関などがプラスチックスマートに登録しており、さまざまな取組をおこなっています。気になる方は、ぜひプラスチックスマートのサイトをチェックしてみてください。
参照:環境省「プラスチックを取り巻く国内外の状況」
参照:環境省 プラスチックスマート
私でもできる!身近なところから脱プラ
世界的なプラスチック問題というと、個人でできることは限られていると感じてしまいますが、やはり環境問題には一人ひとりの力が必要不可欠です。すべてにおいて脱プラをするのは不可能ですが、無理なく身近なところで脱プラを始めていきましょう。
エコバッグを持ち歩く
レジ袋の有料化を機に、エコバッグを持ち歩くようになった方は多いと思います。最初は戸惑ったけれど、すっかり慣れてしまったという声もよく聞きます。
しかしエコバッグにも注意点があります。それは、エコバッグにもプラスチックを使ってつくられた製品が多いということです。すてきなデザインのエコバッグがたくさん売られていますが、すぐに交換せず同じエコバッグを長く使うことで、はじめて大きな意味が生まれます。
環境にやさしい素材でつくられたエコバッグも多数あるので、ぜひ環境にやさしく、丈夫で長い間使えるエコバッグを選んでくださいね。
使い捨てスプーン、フォークなどをもらわない
今までの世代にとって、コンビニやスーパーなどで惣菜を購入したときに使い捨てスプーンやフォークが付いてくるのは当たり前のことでした。
少し前までは黙っていても店員さんが使い捨てのスプーン・フォークを入れてくれましたよね。自宅で食べる場合にも使い捨てを使っていた方は多いはずです。
しかし脱プラのためには、まずは必要のない使い捨てスプーン・フォークをもらうことをやめ、必要なときにだけ使うよう意識しましょう。そして、もう少し一歩前に進める方は、マイスプーン・マイフォーク・マイ箸を持ち歩くようにしましょう。
タンブラー・水筒を活用
出かけるときや学校・仕事へ行くときは、つい自動販売機やコンビニなどでペットボトルの飲み物を買ってしまいますよね。そんなときはタンブラーや水筒を使いましょう。ペットボトルゴミを減らすことができますし、買い物も減って節約効果もあるかもしれませんよ。
タンブラーや水筒は、保温・保冷機能がついているものもあり、またデザインも豊富。スターバックスコーヒーを始め、多くのカフェで購入した飲み物をマイタンブラーに入れてくれるサービスも行われています。
自分の楽しみを増やす意味でも、タンブラーや水筒を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
家で使っているものを脱プラに切り替える
外出先だけでなく、家でも脱プラはできます。実はわたしたちの生活のなかで、プラスチックは大活躍しています。キッチンだけでも、ラップ(食品用ラップフィルム)やプラスチック製の食器、洗剤の容器などなど。部屋をざっと見渡すと、ほとんどのものにプラスチックが使われていることに気が付くはずです。
すべてのプラスチックを使用しないというのは、とても現実的ではありません。活躍してくれているプラスチックに感謝しつつ、脱プラ製品に変えられる部分だけを切り替えていきましょう。
キッチンの消耗品を脱プラ!
先ほど紹介したように、キッチンにはさまざまなプラスチック製品が使われています。家族の健康を預かる場所なので衛生面には注意が必要ですが、プラスチックを使った使い捨て製品を使わなくても、衛生面を保ちながら環境への配慮が可能です。
ここからは、キッチンで使える脱プラグッズを紹介していきます。キッチンで当たり前につかっているプラスチックグッズを環境によい製品に替えると、ほかの材質の製品の良さをあらためて発見できるチャンスにもなりますよ。
ストローを紙製に
ストローは、飲み物をスムーズに飲むために必要なものです。コップから直のみするのが難しい幼い子供や高齢者、体を自由に動かせない方などにとっては、生活必需品と言ってもいいでしょう。
そのほかにもストローは、ストローが必要な飲み物や、マスクをしたまま飲み物を飲みたいときなど、多くの場面で必要とされています。しかし、従来のストローの原料はプラスチック。しかもそのほとんどはリサイクルされることなく、ほかのゴミとともに破棄されてしまいます。
そこでストローが必要な方は、紙ストローを生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。紙ストローはたとえ廃棄されてしまったとしても、分解が早いので環境にあまり影響を与えません。
食品保存容器の素材を見直して長く使う
残った食材や作り置きの食材を保存するために、プラスチック製の食品保存容器を使っている方も多いと思います。安価で軽く使いやすいというメリットがありますが、匂いや色がつきやすく、汚れが落ちにくいというデメリットもあります。痛みやすいので買い替えの頻度も高くなってしまいます。
保存容器の素材にはプラスチックだけでなく、「ホーロー」や「ガラス」があります。双方ともプラスチックに比べると重く、高価で衝撃に弱いという面がありますが、匂いや色がつきにくく、汚れが落ちやすい、そして長く使えるという利点があります。
プラスチック製の保存容器はそのまま食卓に出すと何となく華やかさに欠けますが、ホーローやガラスの保存容器なら、そのまま食卓へ出しても、おしゃれなテーブルウェアとして活躍してくれることでしょう。
衛生的で割れない「ホーロー」
ホーローは、金属の表面にガラス質を高温で焼き付けたもので、耐久性・耐熱性に優れています。匂いがつきにくく、食材の成分に影響を与えにくいので、長期保存に最適。酸やアルカリに強いので、ぬか漬けや梅干しなどの保存に向いています。
プラスチック製の保存容器よりも高価ですが、長いあいだ愛用できる確かな素材としておすすめ。ホーロー製の製品は、色が鮮やかで見た目が美しいという利点もあります。作り置きの食材を入れたまま食卓に出しても、おしゃれな食卓の雰囲気を崩しません。
汚れや臭いが付きにくく中身が見やすい「ガラス」
ガラスの食品保存容器は、汚れや匂いが付きにくく、油汚れでもスルリと落ちるのが魅力です。耐熱ガラスでできている保存容器なら、電子レンジでの利用も可能。オーブンでも使えます。
またガラス製品は中身が見やすいので、冷蔵庫に入っている保存容器を見て「何を入れたんだっけ?」ということにもなりにくいですね。
割れる・重い・高価という面もありますが、高級感もあり、保存容器としてだけでなくテーブルウェアとしても使えるということを考えて、長く使えるキッチン用品として取り入れるのはよい選択でしょう。
まとめ
脱プラスチックは、とても大変で面倒くさいという印象もあるかもしれません。しかし、環境を考えてライフスタイルを変えようとすれば、今まで出会えなかったさまざまな考え方や、素材・エコグッズと出会うことができるでしょう。
新たに出会ったものは、環境だけでなく個人のライフスタイルの向上にも貢献してくれるかもしれません。まずはキッチンから脱プラを始めて、毎日の料理時間や食卓を充実させてくださいね。
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