仕事・キャリア

オーバーリアクションで会話を促す⁉ テレワーク時代の新ビジネススキル

社会人になると、仕事を進める上で、さまざまなビジネススキルが必要となります。テレワークが推奨されている今は、オンライン業務をスムーズにするスキルも知っておかなければなりません。ここでは、ビジネススキルに詳しい石川和男氏と宮本ゆみ子氏の著書『「気分よく」働けて、仕事がはかどる! 一流の人は知っているテレワーク時代の新・ビジネスマナー 』(WAVE出版)をもとに、テレワーク時代の新ビジネススキルを紹介します。


ビジネスパーソンにとって、テレワークは避けられいな働き方になりました。たとえ、自分の会社がテレワークに取り組んでいなくても、取引先が導入していれば、合わせなければならないのです。在宅やオンラインでのコミュニケーションについて、最初は戸惑うことがあるかもしれません。しかし、ノウハウさえ身につければ、ビジネスで成功する鍵になります。下記の新ビジネススキルを活用しましょう。

テレワークのための環境づくり


毎日の通勤が当たり前だった頃は、同じ時間に起きて出勤することがルーティンワークとなり、仕事を始める準備になっていました。しかし、在宅で行うことが多いテレワークでは、自分の意志で切り替えを行わなくてはなりません。まずは、環境づくりを意識しましょう。

1.オンとオフをしっかり区切る

テレワークで大切なことは、仕事をする時間としない時間を区切ること、つまり、オンとオフのスイッチを切り替えることです。スイッチは「こうすることで切り替えができる」と思えるものならなんでも構いませんが、おすすめは3つあります。
1つめは、デスクまわりの掃除です。デスクまわりが散らかっていると、仕事に集中することができません。だからといって、仕事に行き詰まって現実逃避をするように掃除を始めたのでは、時間のロスが生じてしまいます。掃除を仕事前のルーティンワークにすれば、集中力を高めることもでき、一石二鳥です。
2つめは、服を着替えることです。パジャマや部屋着のままでは、リラックスしすぎてしまう恐れがあります。人前に出ても恥ずかしくない服装で仕事を始めれば、気が引き締まるのはもちろん、突然のウェブ会議にも慌てることなく参加できます。
3つめは、軽い運動をすることです。駅まで歩いたり電車で立ったりすることは、少なからず運動になっていました。軽い散歩など、仕事前に無理のない運動をすることで、血流が良くなり脳が活性化し、仕事のスイッチをオンにできます。テレワークは運動不足になりがちなので、上手に取り入れましょう。

2.上司や同僚と情報を共有する

仕事は基本的に、一人では完結できません。チームで動くことで個人ではやり遂げられない大きな仕事を達成できることもあります。だからこそ、組織では、上司や同僚とのコミュニケーションを行うことが望まれるのです。お互いの働いている姿が見えづらいテレワークでは、情報共有が特に重要になります。
現在は、さまざまなスケジュール共有ツールやタスク管理ツールがリリースされているので、会社や部署で推奨されたものを利用しながら、仕事の予定や進み具合をこまめに報告しましょう。そして、お互いのスケジュールを共有し、進捗状況を知ってタスク管理を行いましょう。その結果、業務を進めていく者同士のコミュニケーションを築くことができ、テレワークが効率化されるのです。

3.休憩をとることも大切

テレワークでは、仕事を休憩したり終了したりするための、オフのスイッチも曖昧になりがちです。1時間に1回は立ち上がるなどして、体を動かしてリフレッシュしましょう。自然光を浴びれば、セロトニンという脳内の神経伝達物質が分泌されるため、精神を安定させて集中力を高めることができます。パソコン作業は眼精疲労の原因となるので、こまめに目を休めることも大切です。
さらに、しっかりと寝て体を休めることも大切です。夜の十分な睡眠はもちろん、昼の短い仮眠でも、仕事のパフォーマンスが向上するとの報告があります。真面目で責任感がある人ほど、頑張りすぎてしまう傾向があります。しかし、働き方改革で残業を減らすことが推奨されている中で、自宅だからと長時間労働を行なっていい理由はありません。きちんと休憩や睡眠をとり、質の高い仕事をするように心がけましょう。

オンラインでのコミュニケーション術


パソコンの画面などを通じて、相手の表情を見ながら会話ができる、オンラインでのコミュケーション。実際の対面と大きな違いはありませんが、いくつかのコツを覚えておくことで、より快適にビジネスを進めることができます。

1.マイク

話し方の注意点は、オンラインでも実際の対面でも変わりません。「早口よりはゆっくりと」「小さな声よりははっきりと」など、ビジネストークの基礎を知っておけば大丈夫です。ポイントは、「声」ではなく「音質」にあります。普段と同じしゃべり方でも、マイクの性能が高ければ、好印象を与えることができるのです。
オンライン用のマイクは、インターネットで検索すれば、さまざまなアイテムをみつけることができます。中でも手軽な価格でおすすめなのは、iPhone用のマイク付きイヤフォン「イヤーポッズ」です。イヤフォンジャックに接続できるタイプなら多くのパソコンで使用でき、リモコン部分に内蔵された小型マイクが、室内の反響音や雑音に左右されずにきれいに音を拾います。

2. オーバーリアクションで聞き上手に

コミュニケーションは、聴く側の力も重要です。実際の対面では、話し手に向けて身体を傾けたり、適度に相づちを打ったりすることで、話しやすい環境をつくることができます。しかし、オンラインでは、パソコンなどの小さな画面でやり取りをするのが一般的なため、動作や相づちが伝わりにくく、同じような効果は期待できません。
そこで大事になるのが、ジェスチャーです。相手の話に合わせて首を上下に振る「うなずき」の動作を取り入れれば、「きちんと話が伝わっている」と安心してもらうことができます。画面からは小さな動きは伝わりづらいので、やや大げさに動きましょう。そのほか、「挙手」や「リアクション」を積極的に取り入れることで、相手にとって話しやすい雰囲気を作りながら、会話をスムーズに進めることができます。

3.カメラと照明でポイントアップ

オンラインでのコミュニケーションは、ノートパソコンに内蔵されたカメラでも可能です。しかし、パソコンによっては、画質が良くなかったり、顔が画面いっぱいに映ってしまったりと、相手に良い印象を与えられないこともあります。余裕があれば、オンライン用のカメラの購入も検討しましょう。最近のスマートフォンはカメラの性能が高いので、アプリを利用してパソコンに接続し、ウェブカメラとして使用することもできます。
加えて、自分を照らすライトを利用すれば、相手に明るい印象を与えることができます。ビジネスでは見栄えも大切なので、オンラインで営業やプレゼンをする人は、必携アイテムといえるでしょう。おすすめは、LEDのサークルライトです。発光部分が円状になっているため、正面から照らせば顔によけいな影ができず、さわやかな印象を与えることができます。

ウェブ会議のテクニック


最後に、ウェブ会議に参加する際に知っておきたいビジネススキルを紹介します。実際に対面するリアル会議と同じで、事前準備を万全に行い、簡潔な発言を心がけることも大切です。

1.ウェブ会議は10分前に入室

リアル会議では、交通機関の遅れなどを考慮し、時間に余裕をもって会場の近くに到着しておくのが理想でした。ウェブ会議ではどうでしょうか。自分がホスト(主催者)なのかゲスト(招かれた側)なのかなど、シチュエーションによって考え方は異なりますが、10分前にアクセスして待機するのがベストでしょう。「相手を待たせないこと」がビジネスマナーの基本だからです。
ちなみに、ウェブ会議から退出するタイミングは、お客様や目上の人の後にするように心がければ、失礼にあたりません。いつまでも退出を忘れた人が残っている場合は、「それでは失礼します」と一声をかけてから退出しましょう。

2.会議をスムーズにする語尾と背景

ウェブ会議で自分の意志を伝えるためには、「○○です」なのか「○○ではありません」なのか、「肯定」か「否定」かがわかるように、語尾をはっきりと発言しましょう。ウェブ会議では発言者の表情が読みづらく、聞き返すことがはばかられる場合もあるからです。発言の終わりに「以上です」と付けて、自分の発言が終わったことを知らせることも大切です。
また、ウェブ会議ツールの「バーチャル背景」の機能を上手に利用しましょう。無防備に室内を映してしまうと、ビジネスの相手に生活環境や個人情報をさらけ出すことになりかねません。背景を選ぶ際は、背景も自分の印象を左右する要素となることを意識し、オフィス仕様のイメージにするのが無難です。宇宙やリゾート地、アニメキャラクターの画像などは避けて、シンプルで清潔感のあるものを使用しましょう。

まとめ

テレワークで大切なことは、オンとオフをしっかり区切ることです。デスクまわりの掃除をしたり、服を着替えたりして、仕事に臨む姿勢を整えましょう。また、つい頑張り過ぎてしまう場合もあるので、休憩や睡眠をしっかりと取り、心身をリフレッシュさせることも大切です。
オンラインでのミーティングや会議では、外付けのマイクや照明を利用することで、相手により良い印象を与えることができます。小さな画面からは表情や動作が伝わりづらいので、相づちやうなずきは、オーバーリアクションで行いましょう。発言した内容が肯定なのか否定なのかを明確にするために、語尾をはっきりと伝えることも大切です。

引用書籍:『「気分よく」働けて、仕事がはかどる! 一流の人は知っているテレワーク時代の新・ビジネスマナー 』(石川和男、宮本ゆみ子著/WAVE出版)2021年5月出版

出版社・書籍紹介:『「気分よく」働けて、仕事がはかどる! 一流の人は知っているテレワーク時代の新・ビジネスマナー 』(石川和男、宮本ゆみ子著/WAVE出版)2021年5月出版
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