成人式のお祝いの正解は？相場・人気ギフトをアンケートで調査！マナーも解説

2022年に成年年齢が引き下がったこともあり、「成人のお祝いはいつ渡せば良い？」「お祝い金はどのくらいが相場なの？」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。親族の立場や地域の慣習、相手との距離感によって“正解”が変わるからこそ、一般的な基準を知っておきたいですよね。

そこで本記事では、成人式のお祝いの意味やマナーから、金額の相場、ご祝儀袋の選び方・書き方、喜ばれるギフトの例まで、分かりやすく解説します。

成人式のお祝いとは？ルールはあるの？

成人式のお祝いは、成人になる若者を励まし、社会の一員としての自覚を促す節目の贈り物です。

日本では2022年の民法改正で成年年齢が18歳に引き下げられましたが、多くの自治体は従来どおり20歳で成人式を行っています。そのため、贈り物は18歳・20歳のどちらのタイミングでも問題ありません。贈る相手の状況や地域の慣習に合わせるのがおすすめです。

ここからは、誰に、何を、いつ贈るのが良いか、詳しく解説します。

• ▼成人式のお祝いは三親等内の親族が贈る
• ▼贈り物は現金・プレゼント・メッセージ
• ▼お祝いを贈るのは新年～成人式の間

成人式のお祝いは三親等内の親族が贈る

一般的には、祖父母・父母・兄弟姉妹・叔父叔母・いとこなど、三親等以内の親族が成人祝いを贈ります。ただし、親しい友人や恩師など、親族以外が贈ってもマナー違反ではありません。

贈る側の立場や相手との関係性によって、贈り物の種類や金額を柔軟に調整すれば十分です。誰が贈るか自体が問題になることは基本的にありません。

贈り物は現金・プレゼント・メッセージ

成人祝いは現金もプレゼントも正解です。使い道を本人に委ねられる現金は汎用性が高く、進学・就職・一人暮らしの準備など幅広く役立つため、迷ったときには現金が無難です。

一方、プレゼントは記念として残りやすく、趣味や進路に合った実用性のある品を選ぶと喜ばれます。距離感が近くない場合や相手に気を遣わせたくない場合は、丁寧なメッセージだけでも十分です。大切なのは「祝う気持ちが伝わること」だということを覚えておきましょう。

なお、「くらひろ by TEPCO」が独自に行ったアンケート調査にて「成人のお祝いとして贈ったもの／もらったもの」について質問したところ、「現金のみを贈った／もらった」が36.6％、「プレゼントのみを贈った／もらった」が20.7％で、現金の方が若干多い結果となりました。

お祝いを贈るのは新年～成人式の間

お祝いを贈る時期は、新年を迎えてから成人式当日までが目安です。ただし、成人式の当日は式典や写真撮影で慌ただしい場合が多いため、前日までに渡す、または式の後に落ち着いて渡すと良いでしょう。

成人式のお祝い金の相場は？

お祝い金の相場は、贈る側の立場や相手との距離感で決まります。家庭事情や地域差もあるため、無理のない範囲で調整してください。

ここからは、一般的な相場に加えて、「くらひろ by TEPCO」が独自に実施したアンケートの結果を紹介します。

• ▼子ども：相場1～5万円
• ▼孫：相場1～10万円
• ▼甥・姪：相場1～3万円
• ▼弟・妹：相場1万円
• ▼いとこ：相場1～3万円
• ▼友人・知人の子ども：相場5千～1万円

子ども：相場1～5万円

親から子どもへの成人祝いは1～5万円が目安です。成人式は社会的に大人として認められる大きな節目であり、門出を心から祝う意味合いが強く、金額がやや高めになる傾向があります。また、親から子どもへは、お祝い金に加えて、成人式用の晴れ着やスーツ、前撮り・後撮りの撮影費用を出す家庭が多いです。

なお、「くらひろ by TEPCO」が独自に行ったアンケート調査によると、親から子どもへ贈るお祝い金の金額は、「1万円程度（16.5％）」という回答が最多でした。

成人式関係の費用を出したり贈り物をしたりする分、お祝い金の金額は少なめにしたり、お祝い金としては贈らなかったりする家庭が多いのかもしれません。

孫：相場1～10万円

祖父母から孫への成人祝いは1～10万円が一般的です。兄弟の有無、家族での祝い方などによって幅が生まれます。相手に負担をかけない範囲で、家族間のバランスを考えて決めると良いでしょう。

「くらひろ by TEPCO」が独自に行ったアンケート調査の結果では、3万円程度、5万円程度、10万円程度がそれぞれ9％前後で同程度となっていました。祖父母から孫へ贈るお祝い金の金額は、親から子どもへ贈る場合と比べて幅が広いことがわかります。

甥・姪：相場1～3万円

叔父・叔母から甥・姪へは1～3万円が目安です。親族の縁を大切にしながらも、各家庭の事情に合わせて無理のない額に調整して問題ありません。

「くらひろ by TEPCO」が独自に行ったアンケート調査の結果では、「1万円程度（19.7％）」が一番多く、次いで「3万円程度（7.3％）」という結果でした。「5万円程度」は2.6％と「数千円程度」の4.5％よりも少なく、親族の中では比較的少額となる傾向です。

弟・妹：相場1万円

兄や姉から弟・妹へは1万円程度が一般的です。贈る側が学生や新社会人で収入が限られる場合には、相場より少額でも失礼にはあたりません。お祝いの気持ちを優先して選びましょう。

「くらひろ by TEPCO」が独自に行ったアンケート調査の結果では、「贈っていない／もらっていない」が8割を超える結果となりました。きょうだいの場合は、現金ではなくプレゼントを贈ったり、成人ではなく誕生日をお祝いしたりする方が多いのかもしれません。

いとこ：相場1～3万円

いとこに贈る場合は1～3万円が目安です。甥・姪より関係が遠くなる分、金額を控えめに設定したり、品物やメッセージのみを贈ったりすることも多く見られます。

「くらひろ by TEPCO」が独自に行ったアンケート調査の結果では、きょうだい同様「贈っていない／もらっていない」が8割を超えています。贈った・もらったケースでは、「1万円程度（8.5％）」という回答が最も多く、「気持ち程度」の金額にとどまる傾向が見られます。きょうだいやいとこは、成人する本人と年齢が近いケースが多いため、似通った結果になるようです。

友人・知人の子ども：相場5千～1万円

友人や知人の子どもには5千～1万円程度が一般的です。高額すぎると相手に気を遣わせてしまうため、現金なら控えめな金額を送りましょう。もしくは、同程度の予算で実用的なプレゼントを贈るのも良い選択といえます。

「くらひろ by TEPCO」が独自に行ったアンケート調査の結果でも、一般的な相場同様に「数千円程度（5.1％）」「1万円程度（6.4％）」が多く、10万円以上の回答はありませんでした。

ご祝儀袋（のし袋）の準備・書き方

成人祝いを現金で贈る場合は、ご祝儀袋の選び方や書き方も整えて、気持ちよく受け取ってもらえるようにしましょう。

押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

• ▼金額は奇数で新札を用意する
• ▼紅白蝶結びの水引のものを選ぶ
• ▼毛筆または筆ペンを使って書く
• ▼表書きには「祝御成人」「成人式御祝」と書く

金額は奇数で新札を用意する

お祝い金は「1・3・5・7万円」など割り切れない奇数にするのが通例です。

偶数は“割れる”印象から避けられがちですが、「8」は漢字で「八」となり末広がりの意味で縁起が良いとされ、8万円は例外的に認められます。一方で、「4万円」「9万円」は「死」「苦」を連想させるため、避けるのが無難です。

お札は折り目のない新札を用意しましょう。手元にない場合は、銀行で両替ができます。

紅白蝶結びの水引のものを選ぶ

ご祝儀袋は紅白の蝶結び（花結び）を選びます。何度あっても良い慶事に用いられる結び方で、成人祝いに適しています。水引の本数は奇数が基本で、一般的には5本、高額を包む場合には7本を選べば安心です。

毛筆または筆ペンを使って書く

表書きや名入れは毛筆が本来の正式ですが、実用性の観点から筆ペンでも問題ありません。いずれの場合も、一画一画を丁寧に書く姿勢が相手への敬意を表します。にじみやすい紙もあるため、下書きや試し書きをしてから清書すると失敗が少なくなります。

表書きには「祝御成人」「成人式御祝」と書く

表書きは中央上部に「祝御成人」または「成人式御祝」と記します。ほかに「御成人御祝」「賀　成人式」などの表現も使われます。水引より下の中央に贈り主の氏名を書き、夫婦連名の場合は右に夫の氏名、左に妻の名を記すのが一般的です。

住所や連絡先が必要な場合は中袋に記入し、金額は中袋の所定欄に旧字体を用いて明記するとより丁寧です。

成人式のお祝いには何を贈る？

成人祝いに贈る品は、「長く使える実用性」と「節目にふさわしい特別感」の両立が鍵です。本人の進路や生活シーンに合わせ、ビジネスシーンでもプライベートでも使いやすいものを選ぶと活躍の機会が増え、記念としても残ります。

• ▼男女共通で喜ばれる贈り物
• ▼男性への成人のお祝い
• ▼女性への成人のお祝い

男女共通で喜ばれる贈り物

腕時計や上質なボールペンや万年筆、革のキーケースや財布などは、男女を問わず定番の贈り物です。社会人になってからも長く使えるものだと、より喜ばれるでしょう。

シンプルで長く使えるデザインを選び、色は黒・ネイビー・グレー・ベージュといったベーシックカラーにすると、ビジネスシーンから普段使いまで幅広く活躍します。さらに、名入れやメッセージカードを添えると、特別感がいっそう高まります。

男性への成人のお祝い

男性には、ビジネスリュックやブリーフケース、ネクタイやタイピン、ベルト、名刺入れ、腕時計といった“社会人の基本装備”が好相性です。

ワイヤレスイヤホンやモバイルバッテリー、シェーバーなど、日常の質を上げるガジェットも実用的でおすすめです。サイズ選びが不要で、ロゴが控えめな上質品を選ぶと、学校・職場のドレスコードを問わず使いやすくなります。

「くらひろ by TEPCO」が独自に行ったアンケート調査の結果によると、「腕時計（23.4％）」「ネクタイ・ネクタイピン（23.4％）」「文具（21.8％）」を贈った・もらった方が多いようです。

女性への成人のお祝い

女性への成人祝いには、フォーマルな場面でも使える上質なアイテムがよく選ばれます。例えば、一粒ダイヤやパールのネックレス・ピアスはどの年代でも使いやすく、入学式や就活、式典などにもふさわしい定番です。

生活の質を高めるという意味では、ドライヤーやヘアアイロン、上質なスキンケアセットなどの美容家電・コスメも喜ばれやすいです。香りや色味の好みが分かれるコスメやフレグランスは、事前に嗜好を確認するか、選べるギフトや商品券に置き換えると失敗が少なくなります。

「くらひろ by TEPCO」が独自に行ったアンケート調査の結果によると、「アクセサリー（24.4％）」が最も多く、次いで「花束（16.3％）」「腕時計（14.4％）」を贈った・もらったと回答しています。

成人式のお祝いに関するよくある質問

最後に、成人式のお祝いに関する質問にお答えします。

• ▼成人式のお祝いにお返しは必要？
• ▼成人式のお祝いは18歳と20歳のどちらの時に贈るべき？
• ▼成人式のお祝いで避けるべきものはある？
• ▼お祝いはメッセージだけでも良い？

成人式のお祝いにお返しは必要？

成人祝いのお返しは必須ではありません。「くらひろ by TEPCO」が独自に行ったアンケート調査でも、約8割の方が「お返しをしていない（78.4％）」と回答しました。

いちばん大切なのは、いただいた相手へ感謝の気持ちを丁寧に伝えることです。お礼状やメッセージ、近況報告を添えた写真などで気持ちが伝われば十分でしょう。

もし品物でお返しをするなら、いただいてから1か月以内を目安に、金額は「いただいた額の3分の1～半額」を意識すると良いでしょう。のし（ご祝儀袋）は紅白蝶結びで「成人内祝」または「内祝」とし、名義は新成人本人の氏名にするのが一般的です。

成人式のお祝いは18歳と20歳のどちらの時に贈るべき？

結論としては、18歳でも20歳でも問題ありません。

成年年齢は18歳に引き下げられていますが、成人式の開催年齢は自治体や学校の慣習によって異なります。そのため、贈る相手の成人式のタイミング、家族・親戚でのお祝いの予定に合わせるのが現実的です。

事前に本人や保護者へ確認し、式の直前・直後など、落ち着いて受け取ってもらえるタイミングを選ぶとスムーズです。

成人式のお祝いで避けるべきものはある？

一般的なマナーとして、成人祝いでは避けたほうが良いとされる品があります。くし（「苦」「死」を連想）、刃物（「縁を切る」意味につながる）、ハンカチ（涙や別れを連想）などが代表的です。

最近は有名ブランドのハンカチを実用品として贈る例も増えていますが、相手の受け取り方に配慮したうえで選びましょう。宗教や文化的な背景、アレルギーの有無、香りの強さなどにも気を配ると安心です。

お祝いはメッセージだけでも良い？

関係性や状況次第では、メッセージだけのお祝いでも十分です。遠方に住んでいて対面で渡せない場合や、相手に気を遣わせたくない場合にも適しています。

成人を祝う言葉に加え、「これからの門出を応援するひとこと」や相手の強み・努力を具体的に称える文を添えると、気持ちがより伝わりやすくなります。カードやメールでも、丁寧な書き方とタイミングを心がけることが大切です。

まとめ

成人のお祝いに絶対的な正解はありません。重要なのは、相手の状況や地域の慣習に寄り添い、無理のない範囲で「応援する気持ち」を形にすることです。18歳でも20歳でも贈るタイミングは相手に合わせて決め、現金・プレゼント・メッセージのいずれを選ぶ場合も、実用性と特別感のバランスを意識すると失敗しにくくなります。

現金なら奇数額の新札を紅白蝶結びのご祝儀袋に包み、表書きは「祝御成人」または「成人式御祝」とするのが基本です。品物を贈るなら長く使える定番を、メッセージだけなら具体的な励ましの言葉を丁寧に添えましょう。

迷ったときは、相手の立場と自分の予算を基準に「現金＋短いメッセージ」や「実用的な定番＋名入れ」でシンプルに整えるのがおすすめです。成人の門出を温かく後押しする気持ちが伝われば、それが何よりの贈り物です。この記事を参考に、あなたらしい祝福の形で思いを伝えてみてください。