うっかりパートナーを傷つけているかも? 好かれる言葉と傷つける言葉
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言葉の使い方によっては、自分の思いがきちんと相手に伝わらないことがあります。人を喜ばせたり元気にさせたりしたいと思うのなら、相手の心にやさしく響く言葉づかいを意識しましょう。ここに挙げた項目を、パートナーと良好なコミュニケーションを築くためのヒントにしてください。
うっかり傷つけてしまうひと言
自分にはそんなつもりがなくても、ちょっとしたひと言で誤解を生んだり、気持ちがすれ違ったりしてしまうことがあります。パートナーとの会話で、こんな言葉を使っていませんか?
1.手伝ってあげる
「〇〇してあげる」という表現は、「あなたのためにわざわざやってあげるから、感謝してほしい」というニュアンスが出てしまいがちです。いくら本心から手伝ってあげたいと思っていたとしても、この言い方では、相手に良い印象を与えることはできないでしょう。むしろ、「恩着せがましい」「やってくれなくていい」と思ってしまうかもしれません。
このようなケースでは、自分の意思をストレートに伝える「手伝うよ」や、相手の承諾を得るための「手伝わせてもらえる?」といった言葉を選ぶといいでしょう。きっと相手も素直に「手伝ってもらおう」という気持ちになるはずです。
2.〇〇でいいよ
たった1文字の助詞の使い方で、意図した意味と大きく異なってしまったり、相手に誤解を与えてしまったりすることがあります。
たとえば、パートナーから「コーヒーと紅茶のどっちにする?」と聞かれたとします。ここで「コーヒーでいいよ」と答えたとしたら、「どちらも魅力がないけど、仕方がないからコーヒーを選ぶよ」というニュアンスに受け取られてしまうことがあるのです。「〇〇でいい」という表現からは、感謝や喜びの気持ちは伝わらないことを覚えておきましょう。
このようなケースでは、自分のために何かを用意してくれるという好意に感謝の気持ちを伝えつつ、「ありがとう。コーヒーをお願いするよ」と答えるのが理想的です。
3.〇〇は上手だね
パートナーの長所をみつけたときに、「字はうまいんだね」「パソコンの入力は速いんだね」のような言い方をしたことはありませんか。助詞の「は」には、ほかと区別するという意味があるため、言われた相手は「ほかにはあまり取り柄がないけど、〇〇だけは上手なんだ」という意味に受け取ってしまうことがあります。
このようなケースでは、「〇〇も上手なんだね」と、助詞の「も」を使って褒めるようにしましょう。すると、「ほかにもたくさん取り柄があるけど、〇〇も同じくらい上手なんだね」というニュアンスが伝わり、言われた相手も嬉しい気持ちになるはずです。
無意識に怒らせてしまうフレーズ
人が優しい気持ちになる言葉とは、思いやりできれいにラッピングされた言葉といえます。悪気がなかったとしても、こんな言葉を使うとパートナーを怒らせてしまうこともあるので注意しましょう。
1.わかってるよ
コミュニケーションは、言葉の積み重ねで形作られていきます。日頃からパートナーに気持ちのいい返事をすることを心がければ、より良い関係を築くことができるでしょう。
たとえば、相手から「〇〇は大丈夫?」と確認されたとき、「わかってるよ」と返事をしたことはありませんか。このひと言は「(そんなこと言われなくたって)わかってるよ」という気持ちが透けて見えるため、言われて嬉しい返事ではありません。「大丈夫」「まかせておいて」のように、相手に安心を与える言い方を心がけましょう。
2.待った?
せっかくの楽しい場面も、ネガティブな言葉を使ってしまうと、それだけで雰囲気が悪くなってしまうことがあります。
たとえば、パートナーとの待ち合わせに遅れたときに、「待った?」とひと言で済ませてしまうことがあります。しかし、相手にとってみれば、お詫びの言葉もなく軽い態度をとられたら、いい気持ちがしなくても当然です。「本当にごめん。待っていてくれてありがとう」のように、まずは「お詫び」の気持ちを示し、そのあとに「感謝」の言葉を続けましょう。
ちなみに、レストランで料理を待つときに「遅いねぇ、まだこないのかなぁ」のようにネガティブな言葉を使うと、イライラした空気が相手にまで広がってしまいます。「早く来るといいね!」とポジティブな期待に満ちた表現を使えば、自分と相手の気持ちを和ませることができます。
3.どれでもいいよ
「どれでもいいよ」という言葉は、「どれでもかまわないですよ」と善意のつもりで口にしたつもりでも、「どうでもいいよ」というニュアンスで伝わってしまうことが多いので注意しましょう。
たとえば、パートナーがいくつかのデザートを用意してくれたとします。そこで、「どれも美味しそうだから、どれを食べてもいい」という意味で「どれでもいいよ」と伝えても、「デザートなんてどうでもいい」というニュアンスに聞こえて、楽しい雰囲気が壊れてしまうことがあります。「どれもおいしそうだね」と、選ぶのに迷っていることを言葉にしながら、感謝の気持ちを表現しましょう。
カドを立てない言葉のテクニック
ここまで紹介してきたように、ちょっとした言い方の違いで、受け取る側の印象が大きく変わってしまうことがあります。よりパートナーとのコミュニケーションを円滑にするために、こんな言葉の使い方も意識してみましょう。
1.会話をやわらげるクッション言葉
「クッション言葉」とは、あとに続く内容をやわらげる効果を持つ言葉です。大人の会話術としてはもちろん、言いにくいことを伝える上でも、身につけておくと役に立ちます。
代表的なクッション言葉には、「恐れ入りますが」「お手数ですが」「申し訳ございませんが」「差し支えなければ」「お忙しいところ恐縮ですが」「もしよろしければ」などがあり、会話の冒頭に添えると、全体がやわらかい印象になります。パートナーとの会話でも、「申し訳ないけど」「もしよかったら」のように言い回しを軽くして応用できるので、上手に取り入れましょう。
2.NOを使わずに代案を提供
何かを提案をする場合、多くの人は自分なりにいろいろな状況をシミュレーションし、最善の方法を伝えています。にもかかわらず、その提案を否定するということは、相手を傷つけたり怒らせたりする心配があり、とても労力がいるものです。そんなときは、「NO」と言わずに「NO」を伝えるテクニックを利用しましょう。
たとえば、パートナーと出かけるときに、「遅れそうだから駅まで走ろう」と言われたとします。走るのは嫌だからと「今から走ってもどうぜ無理だよ」と答えたとしたら、相手は良かれと思った提案を一蹴されたことで、気分を害してしまうかもしれません。そんなときは、「次の電車でも間に合うから大丈夫だよ」と伝えてみましょう。すると、相手も「そんなに急ぐことはないか」と気づき、お互いにわだかまりなく駅まで歩いていけるかもしれません。
また、仕事が大変なときにパートナーから用事を頼まれたとしましょう。いくら時間がないからといって「忙しいから無理」のように答えてしまうと、相手は自分を拒絶されたと感じて大きなショックを受けてしまうかもしれません。「資料の整理が片付いてからでいい?」のように、「なぜできないのか」「いつからできるのか」を明確にすることで、正しく気持ちを伝えることができます。
3.心が通じ合う言葉とは
相手の気持ちに寄り添った言葉を意識して使うと、パートナーに与える印象が変わっていきます。もしも、パートナーと「最近ちょっと気まずい空気が流れているかも」と感じることがあれば、「言葉のラッピング」を心がけてみましょう。
相手の心に寄り添うための会話のポイントは、「相手の気持ちになって想像してみる」「ネガティブな表現をなるべく含めない」「自分の考えを押しつけない」の3つです。「どんな言い方をすれば相手が気持ちよく受け止めてくれるか」を意識しつつ、これらを実践してみてください。
相手を知ろうと努力をすれば、その思いが言葉に現れ、気持ちがつながっていくはずです。パートナーと一緒に「心の通じる会話」を増やしていきましょう。
まとめ
受け取る人の心が優しい気持ちになる言葉とは、思いやりでラッピングされたきれいな言葉ということができます。パートナーを喜ばせたり元気にさせたりしたいと思うなら、相手の心にやさしく響く言葉づかいを意識しましょう。
また、日常の会話でふと投げかけた言葉が、パートナーを傷つけたり怒らせたりしてしまうこともあります。「相手の気持ちになって想像してみる」「ネガティブな表現をなるべく含めない」「自分の考えを押しつけない」の3つのポイントを意識し、感謝の気持ちを言葉にしましょう。
さらに、会話をやわらげるクッション言葉や、「NO」と言わずに「NO」を伝えるテクニックを身につけることで、パートナーや周囲の人たちとのコミュニケーションがより円滑になるでしょう。
書籍紹介:『思わず言ってしまう○言葉、×言葉』(渡辺由佳著/三笠書房・王様文庫)2021年11月出版
出版社書籍紹介:『思わず言ってしまう○言葉、×言葉』(渡辺由佳著/三笠書房・王様文庫)2021年11月出版
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