恵方巻きの食べ方・ルール決定版!2024年の方角・由来・レシピも解説
しかし恵方巻きには、実は方角以外にもさまざまなルールが存在します。節分の前にこの記事を読んで、恵方巻きの食べ方・ルールを確認しておきましょう。
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恵方巻きの正しい食べ方・ルール
節分に縁起を担いで食べる恵方巻きですが、効果を最大限発揮させるためには、ルールを守って正しい食べ方で食べる必要があります。
恵方巻きにはさまざまな種類がありますが、具材が異なっても正しい食べ方は同じです。恵方巻きを食べるときは、以下のルールを守って食べるようにしましょう。
恵方を向いて食べる
恵方巻きを食べるときに向く方角を「恵方」と言います。
恵方は神様のいる方角と言われており、恵方巻きを食べる際は、よそ見をせずその方向だけを見て食べなければいけません。そうしないと、ご利益を得ることができないとされています。
黙って食べる
恵方巻きを食べるときは、黙って食べなければなりません。食べはじめてから食べ終わるまで黙食を貫かないと、ご利益を得ることができないと言われています。
丸ごと食べ終わるまで少し長いかもしれませんが、静かに食べましょう。
切らないで食べる
縁起物である恵方巻きは、食べるときに切ってはいけないと言われています。切ったり、かぶりついている途中で食べるのをやめたりしてしまうと、ご利益がなくなってしまうそうです。
とはいえ、あんなに太くて長いものを切らずに一口で食べるのは大変ですよね。そういった場合は、初めから太さや長さを調整しておきましょう。例えば、お子さまやお年寄りが食べる場合は、短くて細めの恵方巻きを自分で作ったり、食べやすいサイズのものを購入したりするのがおすすめです。
もちろん、楽しく安全に食べることが一番ですから、どうしても食べ切れない場合は、無理をせず途中で切って食べてください。
ルールを守って食べると願いが叶う!?
恵方巻きを食べるときは、「上記3つの食べ方を守ると願いが叶う」と言われています。
そして、恵方巻きを食べている最中に願い事を頭に思い浮かべると、その願いごとが叶えられるとされています。すべてのルールを意識しながら願い事を思い浮かべるのは少し大変かもしれませんが、ぜひお試しください
2024年の恵方は?恵方の決め方を解説
恵方巻きを食べる際に向く方向・恵方は毎年変わります。2024年の恵方について解説します。
2024年の恵方は東北東
2024年の恵方は東北東です。より正確に言うと、東北東やや東になります。
恵方は10年を1セットとして循環する4つの方角のことで、2年続けて同じ方角になることはありません。10年で循環するため、西暦の末尾ごとに紐づけて考えると覚えやすいです。
なお、節分の日程は2月3日以外になることもあります。なぜなら、節分とは立春の前日のことを指すためです。立春は太陽と地球の位置関係に応じて決まるため、2月4日よりも早まったり遅くなったりすることがあります。
直近では、2021年の節分は2月2日で、2025年と2029年にも2月2日が節分の年がやってくる予定です。うるう年の翌年は、節分が2月2日になることが多い傾向にあります。
恵方は歳徳神のいる場所を指す
恵方とはその年の縁起が良い方角のことです。幸運を司る「歳徳神」という神様が御座する方位のことを指し、その方位は毎年変わります。
歳徳神は「年神」「正月様」ともいい、八将神の母とされて1年の福徳を司る神様です。歳徳神が御座する方位に向かってことを行えば万事に大吉といわれており、恵方に向かって太巻きを食べると福があるとされています。
四方と十干の組み合わせで恵方が決まる
恵方は、その年の十干(じっかん)に応じてどの方角か決まります。とはいえ、恵方は前述の通り4つしかなく、それぞれ東北東・西南西・南南東・北北西です。十干と四方の組み合わせは以下の通りです。
甲・己の年 | 東北東 |
---|---|
乙・庚の年 | 西南西 |
丙・辛・戊・癸の年 | 南南東 |
丁・壬の年 | 北北西 |
2024年の干支は「甲辰(きのえたつ)」で十干は「甲(きのえ)」のため、今年の恵方は「東北東」となります。
また、恵方は10年ごとに循環するため、西暦の1の位でも確認できます。以下が西暦の1の位と恵方の組み合わせです。
西暦の1の位が「4・9」 | 東北東 |
---|---|
西暦の1の位が「0・5」 | 西南西 |
西暦の1の位が「1・3・6・8」 | 南南東 |
西暦の1の位が「2・7」 | 北北西 |
恵方巻きの由来や発祥は?
恵方巻きの由来は、かつて節分が大晦日として捉えられていたことにあるとされています。
「春分」「夏至」「大寒」など、季節を表す言葉である二十四節気。この中で1番目、すなわち1年の始まりとされたのが「立春」です。そのため、立春の前日に当たる節分は「大晦日」としての意味も持ち、古くから大切にされてきました。
大晦日には、年越しの際、歳神さまをお迎えするのに「恵方に餅を供える」という習慣がありました。これが、現在の恵方巻きを食べる習慣につながると考えられています。
もともとは関西の風習!海苔屋の宣伝とも
「食べると願いが叶う」とされる現在の恵方巻きの起源には諸説あり、確実とされるものはありません。ただ、その中の一つとして、大正初期に大阪の花街で縁起担ぎのために食べられていたのがはじまりだとされる説があります。
少なくとも、1932年(昭和7年)には「節分の日に丸かぶり」と書かれたチラシが大阪鮓商組合によって作られており、この頃にはすでに恵方巻き文化が広まっていたことが分かっています。1970年代には、大阪海苔問屋協同組合をはじめとする海苔業界が恵方巻きの宣伝を行ったという記録も残されていました。
これらの歴史を見てみると、恵方巻きはもともと関西の文化だった説が有力です。そして、全国的に食べられるようになったのは近年のことのようです。
1989年頃、コンビニから全国展開が始まる
関西から広がった恵方巻き文化の全国展開を後押ししたのが、コンビニチェーンによる商品化だとされています。
1983年になると、ファミリマートが大阪と兵庫で恵方巻きを売り始めます。その後、セブンイレブンが広島で恵方巻きの販売を開始。1998年には、販売エリアが全国にまで広がりました。
なお、もともとは単なる「太巻き」として売られていた恵方巻きですが、コンビニで売り出される際に「恵方巻き」という名称が生まれたと言われています。
恵方巻きの主な具材・意味とは?
「恵方巻きの具材」というと、桜でんぶや伊達巻、しいたけ煮やかんぴょうなどが思い浮かぶでしょう。しかし、これらの具材はあくまで基本的な具材であり、近年ではさまざまなバリエーションがあります。
ここでは、恵方巻きの基本の具材や具材に込められた意味から、近年食べられている変わり種具材までご紹介します。
七福神に見立てた7つの具材が主流!それぞれの意味とは
まずは恵方巻きの基本の具材について見ていきましょう。
元々の恵方巻きの具材には、福をもたらす七つの神様の総称である「七福神(大黒天・毘沙門天・恵比寿天・寿老人・弁財天・福禄寿・布袋)」をイメージした7種類の具が使われていました。
- かんぴょう
- 細く長い形から「長生きできるように」という願いが込められています。
- しいたけ煮
- しいたけは傘の形が陣笠に似ているため、「身を守ってくれる」という意味があります。
- 伊達巻(卵焼き)
- 伊達巻や卵焼きは、その黄色い色から財の豊かさ、金運のげん担ぎとして使われます。
- ウナギ
- 古くからウナギは縁起のいい食べ物です。「うなぎのぼり」という言葉からもわかるように、出世や上昇などの意味があります。また、うなぎの長い姿が長寿を表しているとも言われています。
- 桜でんぶ
- 鯛などの白味魚をほぐし、鮮やかなピンク色に仕上げてある桜でんぶ。鯛は「めでたい」という言葉にかけた縁起物であり、ピンク色が華やかさを演出してくれます。
- 海老
- 紅白の色と目玉が飛び出ていることから「めでたし」という語呂合わせに使われる縁起食材です。また、健康長寿の象徴とされています。
- きゅうり
- その名前から「9つの利」をもたらしてくれると言われています。
その他の変わり種具材
現在、恵方巻きの具にはさまざまなものが使われています。例えば、2000年代に入りコンビニやスーパーで恵方巻きが販売されるようになった頃には、サーモンやマグロなどの魚介類を使った海鮮巻きが登場。現在も人気の商品です。
さらに最近では、具材を米の上に乗せた押し寿司風の「巻かない恵方巻き」や、海苔ではなく肉で具材を巻いた「肉巻き恵方巻き」もあります。なかには、恵方巻きに見立てた「恵方ロールケーキ」というものも存在します。気になる方は、ぜひ調べてみてはいかがでしょうか。
おすすめ恵方巻きレシピ4選
ここからは、おうちで恵方巻きを食べる際におすすめな簡単レシピを4つご紹介します。「普通の恵方巻きは飽きてしまった」「どんな具材をいれればよいか悩んでいる」という方は、ぜひ参考にしてくださいね!
海鮮巻き
定番の海鮮巻きを作りたいなら、スーパーでも簡単に手に入りやすい以下のような具材がおすすめです。
- マグロたたき
- スモークサーモン
- いかソーメン
- とびこ
- きゅうり
- 大葉
- 厚焼き卵
なお、エビフライやかにかまぼこなど、お好みに合わせて具材を入れ替えるのもおすすめです。
肉巻き
小さなお子さんにも人気の肉巻き寿司。海苔の代わりに、牛や豚の薄切り肉を使います。具材には、使うお肉に合う野菜などを選ぶのがポイント。米の中に入れる具材の一例は、以下のとおりです。
- きゅうり
- かんぴょう
- かにかまぼこ
- レタス
- 卵焼き
- にんじん
飾り巻き
切ったときの断面が華やかな模様になる飾り巻き。見た目にもかわいい飾り巻きは、恵方巻きにもぴったりです。使いやすい具材としては、以下のようなものがあります。
- 桜でんぶ
- 食紅
- ふりかけ
- チーズ
- 卵焼き
上記以外にも、アイデア次第でどのような具材も使えるのが飾り巻きです。海苔をあえて使わず、薄焼き卵で巻くといった自由な発想もおすすめです。人気のアニメキャラなどを模した断面になるように工夫してもよいでしょう。
デザート巻き(ロールケーキ)
ロールケーキも、ある意味巻き物。実際に、最近は恵方ロールケーキなどの商品も増えてきています。おすすめの具材は、以下のとおりです。
- いちご
- キウイ
- オレンジ
- 桃
- りんご
- ホイップクリーム
たくさんのフルーツを入れて、豪華な恵方巻きロールに挑戦してみましょう。
恵方巻き以外の節分料理を紹介
恵方巻き以外にも節分に食べるとよいとされている縁起物がたくさんあります。2024年の節分には、恵方巻き以外の節分料理も試してみてはいかがでしょうか。
以下ではそのレシピや由来・発祥について紹介します。
福茶
無病息災を願う飲み物として、豆まきをしたあとの福豆で作れる縁起物が福茶です。「まめまめしく働く」という意味を持つ福豆のほかに、「養老昆布」「よろこぶ」「子生」などの意味を持つ昆布や、おめでたい松竹梅に通じる梅も使用するため、とても縁起が良いとされています。レシピは以下の通りです。
- 梅干し…1粒
- 塩昆布(または昆布の佃煮)…適量
- 豆まきの豆…3粒
湯呑みに上記の材料を入れて、お湯またはお茶を注ぐだけでできあがります。なお、豆が3粒とされているのは縁起の良い吉数のためです。縁起を担ぎ、これ以上でも以下でもなく3粒入れるようにしましょう。
いわしの塩焼き
節分の日にはいわしの塩焼きを食べることもよいとされています。
節分は二十四節気で1年の最後の日、つまり大晦日にあたり、節分の翌日から新たな1年が始まるとみなされていました。そのため、1年の中で最も大きな季節の節目という捉え方もされてきました。
古くから季節の節目は邪気が入りやすいと考えられています。そのため、魔除け・厄払いの効果があるとされているいわしを節分の日に食べる習慣ができたといいます。
いわしの食べ方に決まりはありませんが、節分の当日に塩焼きで食べるのが基本です。恵方巻きの具にすれば招福祈願も兼ねられるため、恵方巻きの具材として食べるのもおすすめです。
また、関西を中心とした西日本や関東・東北の一部では、いわしの頭を柊の枝に刺して玄関に飾る「節分いわし」という文化もあります。
そば
二十四節気では1年が「立春」から始まると考えられており、現代で広く浸透している年越しそばと同様に、節分の日にもそばを食べる文化があります。
そばは麺類の中でも切れやすいため、厄落としの意味や、「長く伸びて細く切れる」ことから長寿の意味を持ちます。1年の節目である節分の日に縁起の良いそばを食べることで、新しい1年の幸福や長寿を祈っていたのです。
節分そばと普段食べるそばに、見た目や作り方の大きな違いはありません。食べ方にも決まりはありませんが、かまぼこやえびを入れて食べるのが定番です。
現在、節分そばを食べる地域は全国でもごく一部とされています。長野県や島根県の出雲地方を中心とする地域でよく食べられています。
けんちん汁
関東の一部地域では、節分の日にけんちん汁を食べる文化があります。もともと、節分のほか、初午・えびす講など寒い時期の行事にふるまわれていたことが由来です。けんちん汁そのものに縁起物の意味はなく、古くからの風習として体を温める目的で、寒い時期である節分の料理として食べられています。
なお、本来のけんちん汁は精進料理のため、肉や魚は使わず、大根・にんじん・ごぼう・長ネギ・こんにゃく・豆腐・油揚げなどの具材を入れるのが定番です。出汁にもかつお節や煮干しは使わず、昆布やしいたけを使用します。
はじめに根菜やこんにゃく、くずした豆腐をごま油で炒めるのが基本の作り方です。
まとめ
今回は、恵方巻きの食べ方や歴史、最近の恵方巻きについてご説明しました。
手軽な市販の恵方巻きもよいですが、今年の節分は自己流の恵方巻きを作り、神様にお願いごとをしながら食べてみてはいかがでしょうか。友だちや家族を誘って、みんなで一緒に具を選んで恵方巻きを作ると、より楽しい節分の思い出ができそうです。
今回ご紹介した恵方や食べ方を参考に、願いごとを考えながら恵方巻きを食べてみてくださいね。
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