自然の恵みを頂こう!初夏にとれる旬の野菜とは?

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日本には四季があり、自然の恵みを楽しみ大切にする文化があります。時期によって特色のある食材がスーパーに並んだり、ご近所から頂いたりすることで食材を通して季節を感じることがあるのではないでしょうか。
一年の中でも過ごしやすい季節である初夏は、「食」も充実しています。自分で料理するにしても、おでかけして食べるにしても、旬の食材を知ることでステキな季節をより楽しめるのではないでしょうか。
今回は、初夏が旬の野菜や果物の種類と、その特徴についてご紹介いたします。

旬を楽しもう!

旬とは、野菜や魚が自然にとれ、一番美味しく食べられる時期のことをいいます。ハウス栽培や養殖技術の進歩により、スーパーなどでは旬ではない時期でも買うことができるようになりましたが、自然にとれた旬の食材は、鮮度が良く栄養も豊富だと言われています。

たとえば、トマトに含まれるカロテンは旬とそうでない時期では2倍以上も差があるのです。また旬のものは市場にたくさん出回るので値段も手頃。日々の献立を考えるときの軸になりやすいのではないでしょうか。
野菜の写真

初夏ってどんな季節?

初夏は5月上旬から6月初旬とされています。ゴールデンウィークから梅雨入りまでの間だとイメージするとよいでしょう。日照時間も長くなり暑く感じる日も増えてきます。行楽にはもってこいのシーズンともいえます。
一方で、五月病といわれるように新しい学校や職場での疲れが一気に出てくる頃でもあります。環境の変化のストレスから体調を崩したり、気持ちが落ち込んでしまったりしがちですので、お疲れぎみな心身を食からサポートしたい季節でもあります。

初夏の野菜の特徴とは?

初夏は「春と夏のまんなか」とも言えます。春の若々として柔らかくしなやかな食材と、夏の太陽を浴びて育った色鮮やかでみずみずしい食材が共存しています。また、ハウス栽培では栽培されることの少ない食材が出回るのも特徴です。山菜やタケノコなどは土から顔を出してきた頃が美味しい時期。このように初夏でないと手に入りにくい食材は、まさに「旬」といえるでしょう。

どんな野菜があるの?

初夏の野菜は山菜や茎を頂くものが多いです。さらに春キャベツやチンゲンサイといった葉物や豆類など青々とした食材も食卓を楽しませてくれます。
山菜の写真

山菜

タケノコ

豊かな香りと味と歯ごたえが特徴のタケノコ。なんとピーク時には1日で1メートルも成長するというからおどろきですよね。成長してしまうと、固くて食べることがむずかしい「竹」となってしまいます。国産の生のタケノコを食べることができる時期は旬である初夏に限られており、他の時期に見かけるものは輸入品がほとんどでしょう。

もっとも有名なタケノコは「モウソウチク」と呼ばれるもので、スーパーでよく見かける品種です。その他にも細身でまだら模様が特徴の「マダケ」や、赤茶色の皮でさっぱりとした味わいの「ハチク」もあります。

煮てよし、焼いてよし、炊き込んでもよしと使い勝手の良いタケノコは、食物繊維が豊富なほか、カリウムなど栄養も豊富です。腸内環境を整え、コレステロールの吸収を抑えてくれるので動脈硬化や高血圧の予防も期待できます。

タケノコを選ぶときには穂先が黄色く、切り口が白く乾燥していないものがよいでしょう。皮は薄茶色のものがおすすめで、濃い色のものは避けるのがポイントです。タケノコは日光を浴びると光合成をするので、エグみやアクが増してしまうからです。

日光だけでなく時間の経過もアクが増えてしまう原因になるので、手に入れたらすぐに茹でてアク抜きをすることが大切です。スーパーで売っているタケノコは収穫から時間が経っているものもあるので、米ぬかや赤唐辛子を使うとよいでしょう。

参考:北陸農政局 今月の園芸特産作物:4月 たけのこ

ワラビ

日本中で春になると野山で芽を出し始めるワラビ。山奥でなくとも採れるので古くから愛されてきた身近な山菜の1つです。ワラビの根にはデンプンが多く含まれわらび餅の原材料ともなります。新鮮なワラビは緑色で産毛がたくさんついており、茎が太くて短く、先端が伸びず曲がっているものを選ぶとよいでしょう。

ワラビにはビタミンB2、ビタミンE、食物繊維が含まれています。皮膚・粘膜・髪・爪など細胞の再生、動脈硬化予防や血圧低下、腸内環境の改善に役に立つと考えられています。ただし、ワラビは山菜の中ではアクが強く毒性のある成分も含まれているので、しっかりとアク抜きをしてくださいね。

ワラビはお浸しにして苦味と粘り気を楽しむのが定番の食べ方です。ですが、何にでも合わせやすく和え物、佃煮、天ぷら、炊き込みご飯と料理のバリエーションは豊富です。ごま油や調味料でさっと炒めてナムル風にしても美味しいですよ。

ゼンマイ

先端がくるっと丸まっている見た目が特徴的なゼンマイ。ワラビと共に山菜を代表する存在です。ゼンマイは群生していることも多く、湿った場所を好んで生えます。丸まっている若葉をワタ毛が包んでおり、そのワタ毛が落ちて大きくなる前の新芽を食用としています。一部地域では乾燥させて保存食としても重宝されてきました。

ゼンマイの選び方は白いワタ毛がヒント。新鮮なゼンマイにはワタ毛が残っています。さらに巻きがしっかりしていて、葉が広がっていないものが美味しいとされています。そんなゼンマイはβカロテンが多く含まれています。

βカロテンはビタミンAとなり目や皮膚の粘膜の健康維持や、抵抗力を高める働きがあります。ビタミンAに変換されなかった分のβカロテンには抗酸化作用があり、老化抑制、動脈硬化予防なども期待できます。その他にビタミンCや食物繊維も含まれています。

スーパーで売られている水煮と違い、生のゼンマイはアク抜きが必要です。ゼンマイはクセが少なく、他の食材と一緒に油で炒めたり、煮物にしたりするのが定番。常備菜やお弁当のおかずとしても使いやすい食材です。

参考:文部科学省 (日本食品標準成分表 PDF)
参考:厚生労働省 (試験問題作成に関する手引き(令和4年3月))

葉物野菜

春キャベツ

春キャベツはふんわりとした丸い形をしているのが特徴です。普通のキャベツに見慣れていると「中身が詰まっていない」と敬遠してしまいそうですが、葉がやわらかく生でも食べやすいのでサラダとして好まれています。調理する場合、和え物に使うなど素材の味を活かした使い方がおすすめです。

キャベツに含まれるビタミンKは胃腸薬の成分としても使われています。傷んだ胃粘膜の修復を助けてお腹の調子をよくする作用が期待できます。その他にもカルシウム、ビタミンC、カリウムなどたくさんの栄養が含まれています。
キャベツの写真

チンゲンサイ

中国の食材であるチンゲンサイは日本に来てまだ50年ほど。ですが、すっかりおなじみの食材で和食や洋食にも取り入れられるようになっています。シャキシャキとした食感と癖のないほのかな甘みが特徴です。中華食材ということもあって炒めものとの相性は抜群。煮崩れもしにくいのでスープやお浸しにも活躍します。

チンゲンサイに含まれるβカロテンは免疫力アップや目や皮膚の粘膜の健康維持も期待できます。その他に皮膚のシミやしわを防ぐビタミンCや血行を促進するビタミンEなど栄養満点の食材です。

参考:文部科学省 (日本食品標準成分表 PDF)
参考:厚生労働省 (試験問題作成に関する手引き(令和4年3月))

茎を頂くもの

アスパラガス

可愛らしい形のアスパラガス。実は収穫まで2年から3年もかかります。食用になったのは明治以降で、一般家庭で広く食べられるようになったのは1950年代からと言われています。青臭さもありますが、シャキシャキとした食感が楽しめます。

アスパラガスは栄養が豊富で、疲労回復にはもってこいの食べ物です。アスパラガスに多く含まれる「アスパラギン酸」は栄養ドリンクにも使われています。ビタミンA、ビタミンB1、B2、ビタミンC、ルチン、ビタミンE、食物繊維なども含んでいるからです。

ですが、アスパラガスに含まれる栄養成分は水に溶け出しやすいので茹でる調理方法はなるべく避けましょう。切らずにそのまま油と一緒に短時間でサッと炒めるのがよいでしょう。油は避けたいという人は、ラップをかけてから電子レンジで、1~2分(600W)ほど蒸すのがおすすめです。

ニンニクの芽

お肉料理をはじめとして大活躍するニンニク。よくスーパーなどで目にするのは地中に埋まっている球根の部分です。一方、ニンニクの芽は実は「茎」なのです。

春から初夏にかけてニンニクも花をつけるために、地上に伸びていきます。ですが、花が咲くとニンニクの球根の栄養が減ってしまうので切ってしまいます。それがニンニクの芽として食べられています。ニンニクの芽の多くは中国からの輸入品ですが、国産も初夏に売られています。

ニンニクの芽はアリシン、ビタミンB6、ビタミンCなど疲労回復や新陳代謝に効果のある成分が含まれています。ニンニクの香りも適度にあり、食材の臭み消しとしても使えます。レシピとしては炒めものとして、和洋中問わずに活躍してくれるでしょう。

参考:文部科学省 (日本食品標準成分表 PDF)
参考:厚生労働省 (試験問題作成に関する手引き(令和4年3月))

にんにくの芽の写真

その他

トマト

夏野菜と思われがちなトマト、実は旬が初夏であることをご存知でしょうか? たしかに夏の出荷量も多いですが、トマトは高い気温が得意ではありません。夏に採れるトマトは水気が多く、さっぱりとしています。一方、初夏のトマトは甘みが強く、濃い味で栄養価も高いのです。

そんな初夏のトマトはリコピンが豊富。リコピンはトマトを赤くさせているもとで抗酸化作用があります。老化の抑制、生活習慣病の予防、美肌効果が期待されます。その他、体の抵抗力を高めるビタミンC、高血圧予防が期待できるカリウムなどが含まれています。

参考:文部科学省 (日本食品標準成分表 PDF)
参考:厚生労働省 (試験問題作成に関する手引き(令和4年3月))

甘みの強い初夏のトマトはサラダにしても美味しいでしょう。栄養を効果的にとるには油を使うと効果的。オリーブオイルを使ってカプレーゼにするのもおすすめです。また、リコピンは加熱すると栄養の吸収率がアップするので、スープや煮込み料理に取り入れてもよいですね。

果物も忘れないで!

初夏に美味しいのは野菜だけではありません。暖かくなるのに合わせて、いろどり豊かな果物もドンドン増えてきます。初夏の果物は南国をイメージさせるものや、古くから日本で食べられてきたものなど種類も豊富。そんなギュッと味の詰まった初夏の果物は食卓を明るくしてくれるでしょう。
デザートの写真

旬の果物の選び方!

初夏の果物はさくらんぼ、ライチ、ビワ、メロンとさまざまです。果物は野菜と比べれば食べる機会が少ないので、どう選んだら良いのかいまいち分からないという人もいるでしょう。選び方のポイントを知って、旬を美味しく楽しみましょう。

さくらんぼ

桜の一種であるさくらんぼは、その可愛らしい姿からデザートに添えられるなど人気が高い果物です。甘みと酸味のバランスがよく、他の味を邪魔しないおしゃれさが特徴ですよね。

さくらんぼの選び方のコツは赤くて光沢・ツヤがあるものを選ぶことです。特に色はポイントで、黒ずんで茶色がかった色や、青みが残っているものは避けましょう。枝の部分が鮮やかな緑色でシッカリしたものを選ぶことがコツです。

さくらんぼは鮮度が落ちやすいので早めに食べることが基本です。保存するには風通しのよい涼しい場所が良いですが、急激な温度変化には弱いので、冷蔵庫に入れるときは温度差に注意しましょう。

ライチ

ライチは中国やベトナムで栽培され、日本でも沖縄や九州など暖かい地域で栽培されています。ホテルのバイキングやレストランなどで目にすることが多いのではないでしょうか。きれいなピンク色で食感はプルッとした肉感があります。

ライチは硬めの皮に包まれています。皮付きの状態で購入するのであれば、皮に張りがあって鮮やかな色のものを選びましょう。
ライチはビタミンCや葉酸が豊富に含まれていて美肌効果があります。ただし、強い成分も含まれておりますので、1日に10個以内(子供は5個以内)にとどめるように気を付け、たくさん食べすぎないようにしましょう。どのような食べ物でも言えることですが、おいしいからといって大量に摂取すると体に負担がかかりますので気を付けてくださいね。
ライチの写真

ビワ

やさしい甘さとみずみずしさが特徴のビワは、平安時代頃から日本に自然に生えていました。江戸時代から食用になり、品種改良が続いて今のような大粒の姿になったのです。ビワはβカロテン、カリウムなどが豊富に含まれており健康維持に嬉しい果物です。

ビワを買う時は、全体にうぶ毛が残っていてハリとツヤがあるものを選びましょう。ヘタの部分がしっかりしているか、鮮やかな赤みがかった黄色であるかもポイントです。ビワは皮を剥いてそのまま食べるだけでなく、コンポートやジャムにしても楽しめます。

メロン

高級果物として贈り物としてもされるメロンですが、網目がついたものと無いものがあります。網目のついたメロンは甘みと香りが強く値段も高いですが、網目のないものは手頃な値段で買うことができます。

メロンは種類や栽培方法がたくさんあり、選び方もいろいろな方法があります。中でも共通しているのは形です。しっかりと育てられたメロンは左右対称でキズもありません。そして、ずっしりとした重みがあります。メロンは完熟すると香りが豊かになりますが、香りが強すぎる場合は熟しすぎているかもしれません。

まとめ

四季がはっきりしている日本では旬を楽しむ文化が根付いています。旬の食材は安いだけではなく、栄養も豊富で良いことがたくさん。初夏の野菜は山菜、茎など芽吹いてきたものが多く、葉物でも柔らかく食べやすいのが特徴です。忘れてはいけない果物は、みずみずしくて、ほのかな甘さと酸っぱさが美味しいものがそろっています。

スーパーに行けばいつでも買えると思ってしまう野菜や果物。実は季節によって手に入るものに変化はあり、いつも見る食材であっても味や栄養に変化があります。自然の恵みを取り入れて、初夏の食生活をより豊かに楽しみましょう。

監修:東京電力HD 管理栄養士 保科 琴美

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