料理家監修:冷凍した魚のおいしい焼き方!解凍方法やレシピも
今回は、冷凍保存した魚のおいしい焼き方や、できるだけおいしさをキープするための解凍方法、冷凍した魚を使ったおすすめのレシピをご紹介します。魚の状態に適した解凍方法や、調理器具別においしい魚の焼き方も解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
監修者
- 川久 景子(かわく けいこ)
- 料理家
食品の企画・メニュー開発を行う他、WEB媒体にレシピ・コラムを掲載。旬の食材を取り入れた、白ごはんに合うお手軽おかず料理が好評。
目次 [CLOSE]
冷凍した魚を焼くときは解凍方法が重要
冷凍した魚を調理する際には、解凍方法がおいしさを大きく左右します。魚の組織は柔らかいため、冷凍や解凍による影響を受けやすいからです。
解凍が不十分だと、ドリップ(解凍時に流れ出る水分)がたくさん出てしまい、うまみや栄養が失われるほか、魚特有の生臭さが目立つ原因となります。
水分が抜けた加工済みの魚はそのまま焼いてもOK
基本的に、冷凍した魚を調理するときは解凍が必要です。しかし、干物や味付け済みの切り身など、あらかじめ水分が抜けているものは解凍せずに調理できます。水分が抜けた加工済みの魚は、解凍時にドリップがほとんど出ないので、冷凍状態のまま焼いても十分おいしく仕上がります。
焼き方としては、凍ったまま弱火でじっくりと加熱するのがおすすめです。急激に温度を上げると、魚の中心まで熱が伝わる前に表面が焦げる可能性があるので注意しましょう。
冷凍した魚を解凍する方法
冷凍した魚は、解凍の仕方によって、魚のうまみや食感が大きく変わります。
冷凍した魚を解凍する方法は、主に以下の4つです。
それぞれの解凍方法について詳しく解説します。
流水で解凍
流水解凍は、比較的短時間で解凍できる方法です。完全密閉した食品用保存袋などに凍った魚を入れ、ボウルに入れて流水をかけ続けます。
魚を直接水にあてると栄養素が流れ出たり、魚がふやけたりしてしまうおそれがあるので、必ず密閉できる袋に入れてください。
魚のサイズにもよりますが、20~30分程度で解凍が完了します。
氷水で解凍
氷水を使った解凍方法は、鮮度をキープしつつ解凍できるのが特徴です。完全密閉した食品用保存袋に凍った魚を入れ、氷水を張ったボウルに沈めます。解凍中は氷をときどき足して、水温が上がらないようにしましょう。
解凍には1時間程度かかりますが、ドリップがほとんど出ず、魚本来の食感や味を損なわずに調理できます。
冷蔵庫で解凍
冷蔵庫での解凍は、ゆっくり時間をかける方法です。ドリップが少なく、味の劣化も抑えられるため、鮮度を保ちたい場合におすすめです。
ただし、解凍に5~6時間程度かかるため、その日の夕食分を解凍したいときは朝から昼のうちに冷蔵庫に移しておきましょう。
塩水で解凍
海水と同じ塩分濃度(3%程度)の塩水に浸してから冷蔵庫で解凍する方法も、おいしさを保つのに効果的です。海水と同じ程度の濃度の塩水に浸けることで、ドリップが流れ出にくくなり、色持ちも良くなります。
塩水での解凍方法は、海水魚やシーフードミックス、帆立貝などに適しています。
手順としては、水1Lに大さじ2の塩を混ぜた塩水に魚を直接浸した後、冷蔵庫に移してゆっくり解凍します。
刺身用のブロック(柵)サイズであれば、5分程度で塩水から取り出し、水気を拭いたらキッチンペーパーで包んで1時間~1時間半程度を目安に冷蔵庫に入れるのがおすすめです。
この方法は、そのまま何もせずに冷蔵庫で解凍するよりも、短時間で解凍できることもメリットです。
冷凍した魚を解凍する際の注意点
冷凍した魚を解凍する際、以下の3つのポイントに注意すれば、風味や食感を損なわずにおいしく調理できます。
それぞれの注意点について詳しく解説します。
短時間で急速に解凍しようとしない
電子レンジや高温のお湯を使って短時間で解凍しようとするのは、できるだけ避けましょう。高温で急速に解凍しようとすると魚が部分的に加熱されてしまい、加熱ムラが発生しやすくなります。その結果、食感が変わったり、風味が損なわれたりするおそれがあります。
おいしさを保つには、ゆっくりと低温で解凍するのが理想です。
ドリップをなるべく抑える
解凍時に出るドリップをそのまま放置していると、魚のうまみや栄養が失われるだけでなく、水っぽくなり臭みが出る原因にもなります。ドリップを最小限に抑えるためには、低温でゆっくり解凍する方法が効果的です。
ドリップが出た場合は、キッチンペーパーでやさしく拭き取ってから調理すれば、魚の臭みを抑えておいしさを引き立てられます。
常温での自然解凍は避ける
常温で解凍すると内部との温度差が大きくなり、ドリップを増やす原因となります。また、細菌が繁殖しやすい状態になるため、食中毒のリスクも高まり危険です。
解凍は必ず冷蔵庫や氷水などを使った低温状態でおこない、常温で放置するのは避けましょう。
冷凍した魚のおいしい焼き方
魚の種類や冷凍状態に応じた焼き方と調理器具を選べば、ふっくらとジューシーな仕上がりを楽しめます。
魚を焼く方法には、以下の3つがあります。
それぞれの焼き方について詳しく解説します。
魚焼きグリルを使う方法
魚焼きグリルは、高火力でじっくりと魚を焼き上げるのに適した調理器具です。以下の手順で調理すれば、香ばしくジューシーな焼き魚が完成します。
- グリルを2~3分程度、予熱で温めておく
- 網に薄く油を塗って、魚をのせる
- 中火で片面(身側)を5~7分焼く
- 魚をひっくり返して、もう片面を5~7分焼く
表面に適度な焼き色がついたら完成です。
グリルを使うと網に魚がこびりついてうまくはがれないことがあるので、あらかじめ網に薄く油を塗ってこびりつきを防ぐのがコツです。そうすれば網も汚れにくくなり、掃除も楽になります。
また、グリルの種類が「水ありタイプ」の場合、水を入れて焼くのがおすすめです。水蒸気が上昇し、ジューシーな仕上がりになります。
オーブントースターを使う方法
オーブントースターを使えば、一度に両面を焼けます。ただし、熱源が近いため焦げやすい点には注意が必要です。
オーブントースターを使用する場合、解凍した魚をそのまま10~12分加熱するだけで焼きあがります。
オーブントースターは上の面のほうがきれいな焼き色が付きやすいため、皮目を下にするのがおすすめです。焦げを防ぎたい場合は、アルミホイルで魚を覆いましょう。
フライパンを使う方法
フライパンは焼き加減を調整しやすく、粕漬けやみりん漬けの魚など、焦げやすい魚を焼くのに向いています。フライパンを使った手順は、以下のとおりです。
- フライパンにクッキングシートを敷いて魚を置く
- 中火で片面に焼き色がつくまで加熱する
- 魚を裏返し、ふたをして蒸し焼きにする
クッキングシートを敷いて焼けば、フライパンに魚が付きにくいほか、フライパンににおいがつくのも防げるため、後片付けの手間も省けておすすめです。
なお、クッキングシートは難燃性のシートを利用し、250℃を超えない範囲で利用してください。また、ご利用のクッキングシートのメーカーが提唱する注意事項も必ずご確認をお願いいたします。
魚を焼くと、レンジフード・換気扇にニオイや汚れが染みついていきます。定期的に、プロに掃除をおまかせしてみてはいかがでしょうか?
東京電力エナジーパートナーでは、無料で登録できる「くらしTEPCO web」の会員さまを対象に、特別価格でハウスクリーニングサービスをご紹介しています。
換気扇クリーニングは、全国47都道府県(一部離島を除く)で展開するおそうじ本舗がサービスをご提供。お掃除のプロが訪問し、ご家庭ではなかなか落ちない頑固な油汚れも、隅々まで徹底的に洗浄します。
サービスの詳細は以下のバナーからご確認ください。
- 本サービスは東京電力エナジーパートナー(株)が提携するHITOWAライフパートナー(株)の「おそうじ本舗」FC加盟店が提供します。
- 本サービスには利用条件がございます。
冷凍した魚を活用したおすすめレシピ3選!
冷凍した魚を使った料理は、ちょっとした工夫でおいしく仕上げられます。今回は、簡単でおいしく魚を楽しめるレシピを3つご紹介します。
お刺身カルパッチョ風サラダ
お刺身用の魚を野菜と一緒にカルパッチョ風にアレンジしたサラダです。作り方は、お好みの冷凍魚を解凍して薄切りにし、トマトや玉ねぎと合わせてオリーブオイルやレモンをかけるだけです。
魚の鮮度が保たれているため、さっぱりとした風味を楽しめます。
白身魚のハーブパン粉焼き
冷凍の白身魚を使った洋風レシピです。解凍した白身魚にパン粉やパセリなどのハーブをまぶし、オリーブオイルで焼き上げます。芳しい香りが食欲をそそる、良質なタンパク質やコラーゲンが含まれた栄養満点のメインディッシュです。
鮭とさつまいもの唐揚げ
解凍した冷凍鮭をひと口大に切り、さつまいもと一緒に揚げます。鮭のうまみとさつまいもの甘味が絶妙にマッチした一品です。お弁当のおかずやおつまみにもぴったりです。
まとめ
冷凍した魚は適切な解凍方法と焼き方を選べば、鮮度やおいしさを保ったまま調理できます。解凍時にはドリップを抑え、低温でゆっくりと解凍するのがポイントです。
また、調理器具ごとに適切な焼き方を選ぶと、魚本来のうまみを存分に引き出せるでしょう。今回ご紹介した解凍方法やレシピを参考に、自宅にある冷凍した魚をおいしく活用してみてください。
KEYWORD
#人気のキーワード
RECOMMENDED
#この記事を読んだ人におすすめの記事
-
管理栄養士監修:ヨーグルトはいつ食べるのが良い?レシピも紹介
-
お餅のおすすめの食べ方!王道・定番からアレンジレシピを紹介
-
管理栄養士監修:玄米と白米の違いは?栄養素や炊き方を解説
-
シュトーレンとは?日持ちする理由や食べ方・レシピを解説
-
冷凍できる野菜とは?野菜ごとの最適な冷凍保存方法や解凍のコツも
-
管理栄養士監修:冷凍した野菜の栄養価はどうなる?適切な冷凍方法も
-
豚肉の上手な冷凍保存方法は?解凍方法やおいしいレシピも紹介
-
管理栄養士監修:発酵食品を一覧で紹介!効果を高める食べ方も解説
-
管理栄養士監修:生姜の成分や効能は?健康効果やレシピも解説
-
医師監修:コーヒーに含まれるカフェイン量は?適切な摂取量と作用
-
管理栄養士監修:秋が旬の野菜一覧!栄養・保存方法・見分け方も解説
-
管理栄養士監修:ドラゴンフルーツの栄養素は?種類・食べ方も解説
-
ホームパーティーの定番料理20選!簡単・お手軽おすすめレシピ
-
料理家監修:さつまいもをより甘くする調理方法は?甘さが増す保存方法も紹介
-
管理栄養士監修:柿は皮ごと食べて大丈夫?栄養素や効能を解説
-
管理栄養士監修:夏が旬の野菜一覧!種類や栄養・効能も解説
-
管理栄養士監修:ぶどうは皮ごと食べられる?メリットや栄養を解説
-
おはぎとぼたもちの違いは?あんこ・食べる時期・由来を解説
-
すだちの正しい保存方法とは?冷蔵・冷凍の判断基準を解説
-
シャインマスカットの旬はいつ?選び方や保存方法・食べ方も解説