豚肉 保存
食の知識

豚肉の上手な冷凍保存方法は?解凍方法やおいしいレシピも紹介

豚肉は、さまざまな料理に使えるため、一度に多く購入し、冷凍保存する方も多いのではないでしょうか。しかし、冷凍・解凍方法を誤ると、酸化して味が劣化してしまうおそれがあるので、注意が必要な食材でもあります。

そこで今回は、豚肉を上手に冷凍保存する方法や解凍する際のコツ、解凍した豚肉を使ったおすすめのレシピをご紹介します。

豚肉の冷凍はラップに包んで保存する

豚肉はパックから取り出し、ラップに包んで冷凍するのが基本的な保存方法です。

ここでは、豚肉をパックのまま冷凍することによる弊害や、冷凍した豚肉のおいしさをキープできる保存期間について解説します。

豚肉はラップに包んで冷凍保存

パックのまま冷凍すると酸化しやすい

豚肉は空気に触れてしまうと酸化が進み、劣化していくので、購入したときのパックのまま冷凍庫に保存することは避けましょう。

これは、冷凍庫の中で豚肉の水分が蒸発し乾燥することで、「冷凍焼け」が発生する可能性があるからです。冷凍焼けが発生すると、お肉が変色して味や風味が劣化してしまいます。

そのため、豚肉を冷凍保存する際はラップに包んで冷凍し、冷凍焼け対策をしましょう。少量ずつ複数回に分けて解凍したい場合は、冷凍時に小分けにするのがおすすめです。

冷凍した豚肉の保存期間は1か月程度

冷凍した豚肉の保存期間は、およそ1か月程度と言われています。空気に触れる面の多いひき肉は、2週間を目安にしてください。

ただし、保存期間内でも冷凍焼けを起こす可能性があるため、できるだけ早めに解凍して調理するのがおすすめです。

また、冷蔵庫(冷凍庫含む)の故障や詰め込みすぎなどでなかなか庫内が冷えなかったりすると、せっかく購入したお肉の鮮度も落ちてしまいます。日頃から庫内の掃除やお手入れ、点検をしましょう。

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上手な豚肉の冷凍・解凍方法:薄切り肉・こま切れ肉の場合

豚肉を冷凍する際は、必要な量ずつ小分けにして保存することで調理しやすくなります。あわせて、よりおいしい状態で冷凍保存する方法も覚えておくと良いでしょう。

ここからは、おいしさをキープしながら豚肉を冷凍保存する方法について、薄切り肉・こま切れ肉・厚切り肉・ひき肉に分けて紹介します。

1食分に分けて冷凍

薄切り肉・こま切れ肉の場合は、1食分の量をラップなどに包んで冷凍しましょう。

広げたラップの上に、約80g(1人分)を目安に薄く広げて空気が入らないように包みます。ラップに包んだら、冷凍保存用の袋に入れ、急速冷凍しましょう。

凍ったまま調理に使用してOK

薄切り肉・こま切れ肉は薄く火が通りやすいため、凍ったまま調理可能です。事前に薄く広げて冷凍しておくと、解凍の手間がかかりません。

まとまって凍っている場合は、電子レンジの解凍モードで1分程度加熱してから使用しましょう。

肉 凍ったまま

上手な豚肉の冷凍・解凍方法:厚切り肉の場合

トンカツやポークソテーなどに使用する厚みがある豚肉は、薄切り肉とは異なり、冷凍・解凍に一工夫が必要です。

ここでは、厚切り肉のおすすめの冷凍・解凍方法をご紹介します。

下処理をした後に冷凍する

厚切り肉を冷凍保存する際は、ラップで1枚ずつ包み、冷凍保存用の袋に入れて保存するのが基本です。

また、厚切り肉を冷凍する際は、事前に下処理をしておく必要があります。衣や下味を付けたり、筋を切ったりと、解凍後の調理方法に合わせて下処理をしておきましょう。下処理を行うことで、解凍後の調理時間の短縮につながります。

厚切り肉 下処理後に冷凍

冷蔵庫で自然解凍する

冷凍した厚切り肉は、そのまま調理しても中まで火が通りません。そのため、冷蔵庫でしっかり自然解凍するのがおすすめです。

冷凍庫から冷蔵庫に移しておくと、おいしく解凍できます。ただし、解凍には100gあたり6~8時間程度かかるため、調理時間から逆算してあらかじめ解凍しておく必要があります。

時短したい場合:電子レンジや流水で半解凍する

自然解凍する時間がない場合は、電子レンジや流水で半解凍するのがおすすめです。

電子レンジの解凍モードを使用するときは、耐熱容器にキッチンペーパーを敷き、豚肉のドリップ(肉の解凍時に出てくる水分)を吸い取れるようにしておきます。袋から出した豚肉を1分ごとに上下を返しながら、トータルで3~4分程度加熱して解凍しましょう。

流水で解凍するときは、凍った豚肉を食品用の保存袋やビニール袋に入れ、水を張ったボウルに入れて流水を当て続けます。解凍時間の目安は、100gあたり5~7分です。流水解凍は表面温度の変化が起こりにくいので、ドリップが抑えられ、よりおいしく解凍できます。

上手な豚肉の冷凍・解凍方法:ひき肉の場合

ひき肉は空気に触れる表面積が大きく酸化しやすいため、保存方法には注意が必要です。

ここでは、ひき肉をおいしく冷凍・解凍する方法をご紹介します。

軽く炒めた後に冷凍する

ひき肉は軽く炒めた後に、ラップで小分けにして包んで冷凍しましょう。軽く炒めることで、ひき肉がくっつかずコクも出やすくなります。炒めた後は、十分に冷ましてからラップに包んでください。

生のまま冷凍する場合は、冷凍と解凍がスムーズになるよう、できるだけ厚みを持たせず、冷凍保存袋に入れるのがおすすめです。小分けにせず冷凍するのであれば、菜箸などで線を入れ、解凍時に分けやすくしておきましょう。

冷凍するひき肉をラップで小分けにしたら、空気を抜き、冷凍保存袋に入れて冷凍庫で保存してください。

ひき肉 軽く炒めた後に冷凍

フライパンで蒸すようにして解凍する

ひき肉を炒め物などに使う場合は、フライパンで蒸すように解凍する方法がおすすめです。解凍後はそのままフライパンで調理でき、加熱ムラもできにくいというメリットがあります。

ひき肉100gに対し、70mLほどの水をフライパンに入れ、ふたをして弱火で加熱するだけで解凍できます。

冷蔵庫で自然解凍する場合は、100gあたり1時間程度を目安に放置して解凍させましょう。

流水解凍する場合は、100gあたり5分程度が目安です。しっかり密閉できる保存袋にひき肉を入れ、ボウルに入れた水に浸しながらゆっくり溶かしましょう。

ひき肉は、電子レンジを使って解凍するとドリップが出やすく、加熱ムラも起きやすいです。できるだけ、フライパンで加熱して解凍するのがおすすめです。

豚肉を冷凍保存する際のコツ

ここでは、豚肉を冷凍保存するうえで覚えておきたいコツについて解説します。紹介するコツを参考に、豚肉をおいしく保存・調理しましょう。

使用しない豚肉はすぐに冷凍する

購入した日に使用しない豚肉は、すぐ冷凍するようにしましょう。

冷凍に時間がかかると品質が落ちてしまいます。そのため、ご自宅の冷凍庫に「急速冷凍」の機能がある場合には、その機能を使うのがおすすめです。

急速冷凍では、通常時の冷凍庫で凍らせるよりも短時間で冷凍でき、より鮮度が高い状態をキープできます。

空気を含まないように冷凍する

豚肉を冷凍保存する際は、空気が入らないようラップに包み、冷凍保存用の袋か容器に入れましょう。

冷凍保存した食品のおいしさをキープするには、空気に触れさせないことが大切です。豚肉の冷凍保存も同様で、空気に触れる面をいかに減らすかがおいしさをキープするうえで重要になります。

下ごしらえを済ませておく

豚肉を冷凍する前に、下ごしらえをしておくのもおいしさをキープするのにおすすめの方法です。

醤油や味噌で下味を付けたり、事前に加熱したりすることで、ある程度味が整った状態で保存できます。調味料による下味や加熱は細菌の増殖を抑え、生のまま冷凍するよりも賞味期限を伸ばすことができます。

また、下ごしらえをしておけば、解凍後の調理を簡略化できるのも嬉しいポイントです。なお、下ごしらえをした場合も保存方法自体は変わりません。

下ごしらえ

冷凍した豚肉のおいしい活用レシピを紹介

豚肉は冷凍保存や解凍の方法を覚えておくことで長期保存でき、手軽においしく調理できる食材です。

「くらひろ」では、日々の食卓を彩る簡単・お手軽な一品料理のレシピを公開しています。ここでは、くらひろが紹介する、冷凍の豚肉を使ったおすすめレシピをご紹介します。

みじん切り野菜と豚ひき肉のカレー風味ドリア

みじん切り野菜と豚ひき肉のカレー風味ドリア

豚ひき肉と、みじん切りにした人参・かぼちゃ・ピーマン・パプリカなどの緑黄色野菜をごはんと一緒に炒めた一品です。

豚肉のビタミンB1により疲労回復やスタミナ増強が期待でき、かつ緑黄色野菜に含まれるビタミン群やカロテンにより、免疫力アップも期待できます。

※管理栄養士監修レシピ

「みじん切り野菜と豚ひき肉のカレー風味ドリア」のレシピはこちら

豚しゃぶ梅干しうどん

豚しゃぶ梅干しうどん

薄切りにした豚肉を茹でて、うどんと絡めて召し上がれる一品です。

豚肉に含まれるビタミンB1は炭水化物との相性が良いため、うどんに合います。抗酸化作用や疲労回復効果が期待できる梅干しを一緒に摂取することで、エネルギー摂取だけでなく健康促進も可能になるでしょう。

※管理栄養士監修レシピ

「豚しゃぶ梅干しうどん」のレシピはこちら

豚ロースの塩麹焼き

豚ロースの塩麹焼き

厚切りの豚ロース肉を、塩麹に漬けてから焼き上げる一品です。

塩麹は豚肉と同様にビタミンB群が豊富に含まれているため、糖質の代謝を促しやすくなります。また、疲労回復・ストレス解消・自律神経失調症の改善も期待できるので、効率的にビタミンB群を摂取したい方におすすめのメニューです。

※管理栄養士監修レシピ

「豚ロースの塩麹焼き」のレシピはこちら

大根と豚肉の甘辛煮

大根と豚肉の甘辛煮

豚肉のこま切れを、相性の良い大根と合わせて甘辛く煮込んだ、食欲が刺激される一品です。

豚肉に豊富に含まれるビタミンB1が、糖質の代謝を促して疲労回復をサポートし、大根の辛味成分イソチオシアネートが、消化吸収を助けます。こま切れ肉は凍ったまま調理可能なため、時短にも役立つ嬉しいレシピです。

※管理栄養士監修レシピ

「大根と豚肉の甘辛煮」のレシピはこちら

豚肉とキャベツの塩麹レモン鍋

豚肉とキャベツの塩麹レモン鍋

栄養豊富な豚肉とキャベツを、塩麹とレモンでサッパリといただける一品です。ごま油とニンニクで炒めた豚ももスライスと、レモンの爽やかな香りが食欲をそそります。

キャベツのビタミンU(キャベジン)が胃粘膜を守り、塩麹に含まれるオリゴ糖や乳酸菌は腸内環境改善効果が期待できます。豚肉のビタミンB1は、疲労回復やスタミナ増強に役立つため、食欲がない日にもおすすめです。

※管理栄養士監修レシピ

「豚肉とキャベツの塩麹レモン鍋」のレシピはこちら

まとめ

今回は、豚肉を上手に冷凍・解凍する方法や、豚肉を使ったおすすめのレシピをご紹介しました。

豚肉はパックから取り出し、空気に触れないようラップに包み、急速冷凍させるのが基本的な冷凍保存方法です。冷凍庫で1か月ほど保存可能ですが、できるだけ早く調理することでおいしい状態のまま食べられます。

豚肉は、形状に合わせて冷凍方法を変えることで、おいしさを保ったまま保存できます。冷凍保存する際のコツとあわせて、把握しておくと良いでしょう。

豚肉を使ったレシピを作って、冷凍した豚肉をおいしく味わいましょう。

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