管理栄養士監修:夏が旬の野菜一覧!種類や栄養・効能も解説
夏野菜にはトマトやトウモロコシ、ピーマン、オクラなどがあり、夏バテや熱中症予防に役立つ栄養素が豊富に含まれています。夏の暑さに負けず、元気に過ごすために、夏野菜を積極的に取り入れてみましょう。
ここでは、夏野菜の一覧や、代表的な夏野菜に含まれる栄養素、おすすめのレシピなどをご紹介します。
監修者
- 保科 琴美(ほしな ことみ)
- 東京電力ホールディングス株式会社
管理栄養士
管理栄養士として医療の現場で栄養指導の経験と実績が豊富。日本糖尿病療養指導士。定期的にヨガ講師としての活動も行っている。
目次 [CLOSE]
6~8月が旬の夏野菜を一覧で紹介
野菜の区分は主に「果菜類」「葉菜類」「根菜類」の3つに分類できます。
それぞれの野菜の特徴と、代表的な野菜の旬を迎える月は以下のとおりです(それぞれの表で、各野菜の旬を迎える月に○を付けています) 。
果菜類:ビタミンやミネラルが豊富
果菜類(かさいるい) とは果実部分を食べる野菜のことで、ビタミンやミネラルが豊富な野菜が多く含まれています。夏が旬の果菜類には、トウモロコシ・トマト・ナス・きゅうりなどが挙げられます。
野菜 | 6月 | 7月 | 8月 |
---|---|---|---|
トウモロコシ | - | ○ | ○ |
トマト | ○ | ○ | ○ |
ナス | - | ○ | ○ |
きゅうり | ○ | ○ | ○ |
オクラ | ○ | ○ | ○ |
ズッキーニ | - | ○ | ○ |
さやいんげん | ○ | ○ | ○ |
枝豆 | - | ○ | ○ |
パプリカ | ○ | ○ | ○ |
ピーマン | ○ | ○ | ○ |
ゴーヤ | - | ○ | ○ |
かぼちゃ | ○ | ○ | ○ |
ししとう | ○ | ○ | ○ |
とうがん | ○ | ○ | ○ |
グリーンピース | ○ | - | - |
葉菜類:鉄・カロテンを摂取できる
葉菜類(ようさいるい)は葉の部分を食べる野菜で、鉄やカロテンなどの栄養素が豊富です。夏が旬の葉菜類には、ニラ・レタス・アスパラガス・モロヘイヤなどが挙げられます。
野菜 | 6月 | 7月 | 8月 |
---|---|---|---|
ニラ | ○ | ○ | ○ |
レタス | - | ○ | ○ |
空芯菜 | ○ | ○ | ○ |
おかひじき | ○ | - | - |
つるむらさき | - | ○ | ○ |
大葉 | - | ○ | ○ |
アスパラガス | ○ | ○ | - |
つる菜 | ○ | ○ | ○ |
ふだん草 | ○ | ○ | ○ |
ルバーブ | ○ | - | - |
芋茎 | - | ○ | ○ |
しそ | ○ | ○ | ○ |
モロヘイヤ | ○ | ○ | ○ |
チンゲン菜 | - | - | ○ |
根菜類:食物繊維が豊富
根菜類(こんさいるい)は根の部分を食べる野菜で、食物繊維が豊富です。夏が旬の根菜類には、ニンニク・新しょうが・ビーツ・みょうがなどが挙げられます。
野菜 | 6月 | 7月 | 8月 |
---|---|---|---|
新じゃが | ○ | - | - |
にんにく | ○ | ○ | ○ |
新しょうが | ○ | ○ | ○ |
らっきょう | ○ | ○ | - |
ビーツ | ○ | ○ | - |
みょうが | ○ | ○ | ○ |
夏が旬の人気野菜一覧
ここでは夏野菜の紹介だけでなく、野菜に含まれる栄養素と嬉しい効果について解説しています。夏野菜は夏バテや熱中症予防にも効果的なため、積極的に取り入れていきたいですね!
代表的な夏野菜とその旬は以下の通りです。
トマト(6~8月)
夏野菜として人気の高いトマトは、栄養価が高い野菜として知られています。
とくにビタミンAとビタミンCが豊富で、抗酸化作用(活性酸素から体を守る働き)も備えており、細胞を若く保つ効果があります。摂取することで、免疫力をアップさせる効果があります。夏場の紫外線が強い時期には、トマトを食べることで体の内側に起こるサビの防止に役立ちます。
トマトは夏の健康的な食事の一部として、積極的に取り入れるべき野菜と言えるでしょう。
トウモロコシ(7~8月)
トウモロコシは夏野菜のなかでも人気があり、栄養価も高いのが特徴です。
とくに、豊富に含まれているビタミンB1やB2は、エネルギー代謝を助け、疲労回復に効果的です。また、食物繊維も豊富に含まれており、腸内環境を整える働きもあります。夏の暑さで疲れ気味の方には、とくにおすすめの野菜です。
さっぱりとした甘みと歯ごたえが楽しめるトウモロコシは、バーベキューなどの夏のイベントにもぴったりです。ぜひ、夏の食卓にトウモロコシを取り入れて、栄養補給とリフレッシュをしましょう。
ピーマン(6~8月)
ピーマンに含まれるビタミンCは免疫力を高めてくれるため、風邪の予防に役立ちます。また、ビタミンCはアミノ酸と共にコラーゲンの生成を促進し、お肌のハリや弾力を保つのに役立つため、美容効果も期待できます。
さらに、ピーマンにはβカロテンも豊富に含まれています。βカロテンは体内でビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きがあります。
ピーマンはさっぱりとした味わいで、さまざまな料理に活用できます。サラダにして食べるだけでなく、炒め物に加えるのもおすすめ。風邪予防や美容効果を期待しながら、ピーマンを積極的に取り入れて健康な生活を送りましょう。
オクラ(6~8月)
オクラの特徴であるネバネバ成分には、ガラクタンやアラバンなどの食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整えるのに効果的です。また、食物繊維は消化吸収を遅らせ、便通の促進にも役立ちます。
また、オクラにはビタミンB1も豊富に含まれています。ビタミンB1はエネルギー代謝を助け、疲労回復に効果的です。さらに、ビタミンCが含まれている点にも注目です。免疫力をアップさせるだけでなく、抗酸化作用も期待できます。夏バテなどで疲れがたまっている際には、とくにおすすめの栄養素です。
オクラは生で食べられるほか、炒め物や和え物、スープなどにも活用できます。夏の健康をサポートするために、オクラを積極的に摂取しましょう。
ゴーヤ(7~8月)
ゴーヤには、高血圧やむくみ予防に欠かせないカリウムが豊富に含まれています。カリウムは体内のナトリウムとバランスを保ち、血圧を調整する役割があります。食物繊維も豊富に含まれており、腸内環境を整える効果も期待できます。
また、ゴーヤの苦味成分である「モモルデシン」や「チャランチン」は、夏バテ防止に適しています。これらの成分には食欲増進や消化促進の効果があり、夏の暑さで食欲がわかないときにも最適です。
ゴーヤは独特の苦味がありますが、炒め物や煮物、サラダなどさまざまな料理に活用できます。
ズッキーニ(7~8月)
ズッキーニは、むくみ解消に効果的なカリウムが豊富に含まれています。また、抗酸化作用が期待できるβ-カロテンも含まれています。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、「健康な細胞の維持」「免疫力の向上」といった効果を期待できます。
食物繊維が豊富な点もズッキーニの特徴です。食物繊維は消化を促進し、腸の調子を整える効果があります。これにより、便通の改善や消化不良の予防に役立ちます。
ズッキーニはサラダや炒め物、グリルなどさまざまな料理に利用できます。その軽やかな食感とさっぱりとした味わいは、夏の食事にぴったり。むくみ解消や抗酸化、腸の調子を整える効果を期待しながら、積極的にズッキーニを取り入れて健康な生活を送りましょう。
ナス(7~8月)
汗をかくことで失われがちなカリウムが豊富に含まれているナスは、夏バテ予防に効果的な野菜です。カリウムはナトリウムと一緒になり、血圧の調整や体内の水分・ミネラルバランスの調整を行ってくれる大切な成分です。夏の暑い季節には、汗をかきやすくなりカリウムも失われやすいため、ナスを積極的に摂取しましょう。
さらに、ナスには貧血を防ぐ効果のある葉酸が含まれています。そのほかにも、βカロテンや食物繊維など、免疫力や腸内環境を整える成分が豊富な点も、ナスの魅力です。
ナスは煮物や揚げ物、グリルなど、さまざまな調理法で楽しめる夏野菜です。夏の疲れや熱中症予防のために、ナスを積極的に取り入れて健康な夏を過ごしましょう。
ビーツ(7~8月)
鮮やかな色合いと独特の風味が特徴のビーツは、栄養が豊富で、スーパーフード(栄養価が高い食材を指す言葉)とも言われています。
ビーツに有されるカリウムは余分な塩分を排出する効果があり、むくみを予防するのに役立ちます。とくに夏の暑い季節には、体内での水分バランスが乱れやすくなり、むくみが起こりやすくなるため、積極的に取り入れましょう。
また、ビーツにはカルシウムも含まれています。カルシウムは神経を安定させる効果があり、夏の暑さによるイライラを解消するのに役立ちます。ストレスや疲れがたまりやすい夏の季節には、ぜひビーツで心を落ち着けましょう。
ビーツはサラダやスープ、ジュースなどに利用できます。栄養価が高いビーツを積極的に取り入れて、夏の健康をサポートしましょう。
夏バテ予防につながる?夏野菜に含まれる栄養素を解説
上記でもご紹介したとおり、夏野菜の多くが、夏バテ予防に役立つ栄養素を含んでいます。ここでは、そのなかでもとくにピックアップすべき栄養素を解説します。
- 水分
- 水分は体内の熱を調整します。汗と一緒に放熱をすることで、疲労や体調不良を防ぐ効果が期待できます。
- カリウム
- 体内の水分バランスを調整し、むくみを予防する効果があります。
- ビタミンB
- エネルギー代謝をサポートし、疲労回復を促進してくれる効果が期待できます。
- ビタミンC
- 免疫力を高め、風邪予防に役立ちます。抗酸化作用により、老化や生活習慣病の対策にも役立ちます。
- 食物繊維
- 胃腸の調子を整え、便通を良くしてくれます。
夏の疲労や熱中症予防のために、夏野菜を積極的に取り入れて、バランスのとれた食事を心がけましょう。
夏バテ防止!夏野菜の調理方法・レシピ3選
くらひろで公開している簡単・お手軽レシピのなかから、夏野菜を使ったものを3つピックアップしました。今年の夏の食卓に、ぜひお試しください。
ナスとズッキーニの焼き浸し
夏野菜の代表とも言えるナスとズッキーニをこんがりと焼き、油を含ませた一皿です。出汁と醤油、みりん、酒、砂糖を使った甘辛い味付けで、ご飯も進みます。
アボカドとトマトとサーモンのマリネ
アボカドとトマトを、サーモンとマリネしていただくレシピです。旬のトマトのみずみずしさを直に感じられるほか、森のバターと呼ばれるアボカドや、DHA・EPA(中性脂肪を減らす栄養素)が多く含まれるサーモンを堪能できるのが魅力です。
豚肉と2色ピーマンのオイスター炒め
赤ピーマンと緑ピーマンの色合いが美しい一皿。豚もも肉を使っているため、ボリュームも満点です。オイスターソースの風味と旨味が食欲をそそり、夏バテ解消にもぴったりです。
まとめ
夏を目いっぱい楽しむためには、暑さに負けない体づくりが大切です。そのためには、食事内容を工夫するのが効果的でしょう。今回ご紹介した夏野菜は、いずれも夏バテや疲労回復などに役立つものばかり。積極的に日々のメニューに取り入れて、暑い夏を乗り切りましょう。
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