調理・保存のコツ

冷凍できる野菜とは?美味しさを保つ最適な冷凍保存方法も紹介!

「スーパーに寄ったらいつもより野菜が安くて、ついたくさん買ってしまった」…誰しもこのような経験があるのではないでしょうか。傷んでしまう前に大量消費レシピで一気に食べきってしまうのも一つの手ですが、おすすめしたい方法は「冷凍保存」です。傷みづらい冷凍保存なら、自分のペースでゆっくりと野菜を消費できますよ。

本記事では、冷凍できる野菜の種類や、野菜を冷凍するときの方法をご紹介します。

冷凍できる野菜・向いていない野菜は何?

短期間で消費する野菜の保存方法として一般的なのは、「冷蔵保存」でしょう。しかし、野菜も肉やご飯と同じように、冷凍して保存することもできます。冷蔵保存ではすぐに傷んでしまう野菜も、冷凍することで鮮度を保ちながら長期間保存できるようになります。

一方で、冷凍で保存すると、風味や食感が悪くなる野菜も存在します。冷凍できる野菜と冷凍に向いていない野菜を知っておくと、野菜のまとめ買いや献立を考えるときにも役立ちます。さっそく、冷凍できる野菜の種類について見ていきましょう。

冷凍できる野菜

多くの野菜は、生のまま冷凍保存できます。使いやすい大きさに切って冷凍することで、調理の際にそのまま使用できるため便利です。

▽冷凍できる野菜の例

  • 葉野菜:キャベツ・白菜・ほうれん草・小松菜・ネギなど
  • 根野菜:にんじんなど
  • 果菜:トマトなど
  • その他:玉ねぎ・アスパラガス・きのこなど

このなかでも、比較的厚みのある葉野菜やきのこ類は、冷凍保存に向いています。トマトについては、冷凍すると生食には不向きですが、加熱調理には問題なく使用できます。

葉野菜

冷凍に向いていない野菜

解凍時に水分が抜けやすい野菜は、冷凍すると食感や味が悪くなりやすい傾向があります。以下のように、水分量が多くて生で食べることの多い野菜や、繊維の多い野菜は、冷凍保存には向いていません。

▽冷凍できない野菜の例

  • 生で食べることの多い野菜:キュウリ・レタスなど
  • イモ類:ジャガイモ・サツマイモなど

例えばレタスの場合、冷凍すると乾燥して砕けてしまうことがあります。前述のトマトのように、水分量の多い生野菜であっても冷凍保存できるものもありますが、生で食べるのではなく、加熱調理に使用しましょう。

また、イモ類をはじめとする繊維の多い野菜を冷凍すると、水分が抜けてしまい、茹でたり焼いたりといった調理方法では“ぼそぼそ”とした食感になってしまいます。ただし、切り方や保存方法・調理方法を工夫すれば、冷凍できる場合もあります。

野菜の種類別冷凍方法

冷凍保存できる野菜はさまざまありますが、野菜の種類ごとに適切な保存方法は異なります。冷凍した野菜をより美味しく食べるには、切り方や保存期間などに気を使うことが大切です。

ここでは、いくつかの野菜について具体的な保存方法を紹介します。

アスパラガス

アスパラガスには、冷凍保存方法が2つあります。

ひとつは加熱せずそのまま冷凍する方法です。茎の切り口を少し切り落として、下半分の皮を包丁やピーラーで剥き、ラップで包んで冷凍します。この方法の保存期間の目安は3週間程度です。

もうひとつは、茹でてから冷凍する方法です。切り口を落として皮を剥き、沸騰した湯に入れて1分半程度茹でます。その後、水気をよく切ってからラップに包んで冷凍します。この方法の保存期間の目安は、1か月程度です。

なお、時短アレンジとして、切った生のアスパラガスにベーコンを巻いて冷凍しておく方法もおすすめです。夕食の一品やお弁当のおかずとしてすぐに使えますよ。

アスパラガス

カボチャ

カボチャを保存するときにもっとも重要なことは、タネとわたを取り除くこと。タネとわたには水分が多く含まれているため、放置すると傷みやすくなります。冷凍する前に、なるべく早く取り除くことをおすすめします。

冷凍保存の方法には、生で冷凍する方法とマッシュして冷凍する方法の2つがあります。生の場合は、使用する大きさに切って、ラップに包んで冷凍します。かぼちゃは酸化しやすいため、ラップに包むときはできるだけ空気を抜くことがポイントです。マッシュする方法では、茹でたかぼちゃを木べら等でなめらかになるようにつぶしてから冷凍します。より風味を落とさずに冷凍保存したいのであれば、こちらの方法がおすすめです。

どちらの方法でも、保存期間の目安は2週間程度です。

かぼちゃ

白菜

白菜は、葉っぱを1枚ずつはがして、カットした状態で密封容器に入れて保存します。カットした白菜は生のまま冷凍しても問題ありませんが、冷凍する前に茹でると、白菜が小さくなり、冷凍庫の保管スペースを減らすことができます。

また、茹でてから冷凍する際は、茹で時間を普段調理に使うときよりも少し短めにすると、美味しく保存できます。生のまま保存する方法、茹でてから保存する方法のどちらも、保存期間の目安は10日程度です。

ほうれん草

ほうれん草は、生のままでも茹でてからでも冷凍保存できる野菜です。生のまま冷凍する場合は、食べやすい大きさに切った状態で保存袋に入れて冷凍します。茹でてから冷凍するなら、茹でた後に適度な大きさに切ってから冷凍します。茹でて保存すると、甘みが出てやわらかな食感を楽しめます。

また、ほうれん草の葉は凍ると砕けやすくなってしまうため、一度に使う分を保存袋に入れることがポイントです。どちらの方法も、保存期間の目安は1か月程度です。

なす

なすは、加熱してから冷凍保存します。カットすると断面が酸化してしまうため、1本まるごと保存することがポイントです

まず、へたを切り落として、耐熱容器にのせてラップをかけて電子レンジで加熱処理します。加熱時間はなす2本で、600W・2分30秒程度が目安です。加熱後、粗熱を取って1本ずつぴったりとラップでくるみ、保存袋に入れて保存します。

保存期間の目安は1か月程度です。

キャベツ

キャベツは、使いやすい大きさにカットして、生のまま冷凍保存できます。

細切り、ざく切り、くし形切りなど、調理での使い方を想定してカットしておくと時短につながります。カットした後は、密封できる保存袋に入れて冷凍すれば完了です。冷凍キャベツはしんなりとした食感になるため、ザクザクとした食感を残したい方は、大きめにカットするとよいでしょう。

また、茹でてから保存する方法もおすすめです。体積を小さくしてから保存できるため、冷凍庫のスペースを消費してしまうのを防げます。

どちらの方法も、保存期間の目安は1か月程度です。

ピーマン

ピーマンを生のまま保存する際は、食べやすい大きさに切ってから保存袋に入れて冷凍します。より長期間保存したい場合には、加熱してから冷凍する方法がおすすめです。

食べやすい大きさに切った後、冷凍する前に茹でる・油で炒める、あるいは電子レンジを使用して加熱します。ただし、茹でる・油で炒めるといった方法では、切り口の断面から栄養が逃げてしまいます。栄養素をできる限り残して冷凍したい方は、電子レンジで加熱することをおすすめします。加熱調理してから冷凍保存する場合の保存期間の目安は、1か月程度です。

なお、ピーマンのタネは保存しているうちに酸化して黒く変色してしまうため、生のまま冷凍する方法、加熱してから冷凍する方法のどちらでも事前に取り除きましょう。

ピーマン

にんじん

にんじんは冷凍保存すると水分が抜けてしまうため、冷凍していないにんじんと比べて食感が悪くなりやすいです。そのため、3~5mm角程度のブロック状、またはせん切りなどにカットしてから冷凍することが美味しく食べるコツです。

切ったにんじんは、平らになるように保存袋へ入れて冷凍します。冷凍したにんじんの保存期間の目安は1か月程度です。

にんじん

ネギ

ネギを冷凍保存する際は、刻まずに長いまま保存することがポイントです。細かく刻まないことで、ネギに含まれる香り成分を逃がさず保存できます。保存しやすい長さに切って、乾いたペーパータオルで水分をふき取ってから保存用袋に入れればOKです。

ただし、ネギの青い部分は白い部分よりも早く傷むため、保存袋を分けて入れることがポイントです。保存期間の目安は、1か月程度です。

トマト

トマトを冷凍する際は、丸ごと保存する方法と、ざく切りにしてから保存する方法の2つがあります。どちらもヘタを取り除いてから皮付きのまま保存袋に入れて冷凍します。

丸ごと冷凍する場合は、一個ずつラップで包んでからヘタの部分を下にして保存することがポイントです。刻んで保存する場合は、チャック付きポリ袋などに一回分の量ごとに保存しておくと、ソース作りやスープに使う際に便利です。どちらの保存方法でも、食べる際は加熱調理しましょう。

トマトの保存期間の目安は、2週間程度です。

トマト

野菜を冷凍保存する際のコツとは?

野菜を冷凍保存する際に、押さえておきたい「コツ」があることをご存じですか?同じ切り方の同じ野菜でも、ちょっとした工夫をすることで、美味しさを保った状態で野菜を保存できます。

チャック付きポリ袋や密閉容器に入れる

野菜を冷凍する際は、平らになるように並べてから、チャック付きポリ袋や密封容器に入れます。このとき、菌の繁殖を防ぐために清潔な未使用の袋を使うことが重要です。

食材を平らにして入れることで、野菜が冷凍庫内の冷気を受ける面積が増加します。その結果、早く冷凍状態にさせることができます。

空気をしっかり抜く

野菜が劣化してしまう原因のひとつに、酸化してしまうことが挙げられます。野菜に含まれる成分が空気中の酸素と反応すると、色が黒ずむ、苦味・渋みが発生するなどの変化が起こり、美味しくなくなってしまうのです。

これを防ぐためには、なるべく野菜が空気に触れないようにする必要があります。保存袋に入れる際は、できるだけ中の空気を抜いて真空状態にすることが重要です

急速冷凍する

野菜を美味しく冷凍保存するには、早く冷凍状態にすることも重要です。急速冷凍をすることで、野菜の味や品質を保ったまま保存できます。

急速冷凍機能がついていない冷凍庫の場合は、金属トレイを使用します。使い方は簡単で、冷凍する野菜を金属トレイ上に乗せて冷凍庫に入れるだけです。金属の方が空気よりも熱を伝えやすいため、野菜をはやく冷やすことができます。

冷凍した野菜を美味しく解凍するコツとは?

冷凍した野菜を美味しく食べるには、野菜に適した解凍方法を選ぶことも大切です。

生のまま冷凍した場合は、冷凍したままの状態でいつも通りに加熱調理する方法がおすすめです。解凍する時間を省けるだけでなく、炒める場合に余分な水分を飛ばすこともできるため、より美味しく調理できます。

加熱処理してから冷凍した野菜は、調理の前に流水解凍します。流水解凍とは、水を張ったボウルやバットに野菜の入った保存袋・保存容器を入れて、水道水にさらして解凍する方法です。水にさらすことで、自然に解凍するよりも早く解凍できます。

流水解凍した野菜を調理する際は、事前に水気をよく切っておくことがコツです。

野菜盛り合わせ

まとめ

野菜には冷凍に適しているものと、適していないものがあります。野菜の種類に合った保存方法を選ぶことで、美味しさを保つことができます。また、冷凍保存する際は、ポリ袋や保存容器などに入れて密閉してから、急速冷凍や金属トレイを使用してなるべく早く冷凍させることもコツです。

常温保存や冷蔵保存では傷みやすい野菜も、冷凍のコツさえ知っておけば、まとめ買いをして長期間使うことができます。野菜を賢く冷凍保存して、日々の食事の準備を楽しく簡単にしましょう。

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