冷凍できる野菜とは?野菜ごとの最適な冷凍保存方法や解凍のコツも
そこで、今回は冷凍できる野菜の特徴や、野菜ごとの冷凍・解凍のコツをご紹介します。最後までお読みいただくことで、野菜を適切に冷凍し、自分のペースで美味しく消費できるようになります。
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冷凍できる野菜とはどんな野菜?
肉やご飯と同じように、野菜も冷凍して保存できます。冷蔵保存ではすぐに傷んでしまう野菜も、冷凍することで鮮度を保ちながら長期間保存できるようになります。
一方、冷凍保存すると、風味や食感が悪くなる野菜もあります。冷凍できる野菜と冷凍に向いていない野菜を知っておくことで、野菜のまとめ買いや献立を考えるときにも役立ちます。
まずは、冷凍できる野菜の種類について見ていきましょう。
冷凍できる野菜の特徴:基本的に何でもOK
ほとんどの野菜は、冷凍保存しても問題ありません。冷凍に向いていない野菜もありますが、適切な冷凍方法を用いれば鮮度を保ったまま保存でき、解凍しても美味しく食べられます。
また、使いやすい大きさに切ってから冷凍すれば、調理するときにそのまま利用できて便利です。冷凍に向いている野菜の一例を以下にまとめました。
- 葉野菜:キャベツ・白菜・ほうれん草・小松菜・ネギなど
- 根野菜:にんじんなど
- 果菜:トマトなど
- その他:玉ねぎ・アスパラガス・きのこなど
なかでも、比較的厚みのある葉物野菜やきのこ類は、冷凍保存に向いています。トマトは、冷凍すると生食には不向きですが、加熱すれば問題なく使用できます。
冷凍に不向きな野菜の特徴:水分が多い、繊維質
解凍時に水分が抜けやすい野菜は、冷凍すると食感や味が悪くなりやすいです。以下のように、水分量が多くて生で食べることの多い野菜や、繊維の多い野菜は、冷凍保存には向いていません。
- 生で食べることの多い野菜:キュウリ・レタスなど
- イモ類:じゃがいも・サツマイモなど
例えば、キュウリのように水分が多い野菜や、じゃがいものように繊維質な野菜は、冷凍したときに味や食感が損なわれてしまうため、冷凍にはあまり向いていません。
しかし、冷凍するのに向いていない野菜でも、適切に下処理をしておくことで、解凍後も美味しく食べられます。
野菜ごとの適した冷凍方法
冷凍保存できる野菜はさまざまありますが、野菜の種類ごとに適切な保存方法は異なります。冷凍した野菜をより美味しく食べるには、切り方や保存期間などを工夫することが大切です。
ここでは、野菜ごとに具体的な保存方法を紹介します。
アスパラガス
アスパラガスの適切な冷凍保存方法は、2つあります。
ひとつは加熱せずそのまま冷凍する方法です。茎の切り口を少し切り落として、下半分の皮を包丁やピーラーで剥き、ラップで包んで冷凍します。この方法の保存期間の目安は3週間程度です。
もうひとつは、茹でてから冷凍する方法です。切り口を落として皮を剥き、沸騰した湯に入れて1分半程度茹でます。その後、水気をよく切ってからラップに包んで冷凍します。この方法の保存期間の目安は、1か月程度です。
なお、時短アレンジとして、切った生のアスパラガスにベーコンを巻いて冷凍しておく方法もおすすめです。夕食の一品やお弁当のおかずとしてすぐに使えるので便利ですよ。この方法でも、保存期間の目安は1か月程度です。
カボチャ
カボチャを保存するときに最も重要なのは、タネとわたを取り除き、冷凍することです。タネとわたには水分が多く含まれているため、放置すると傷みやすくなります。冷凍する前に、なるべく早く取り除いておきましょう。
冷凍保存の方法には、生で冷凍する方法とマッシュして冷凍する方法の2つがあります。生の場合は、使用する大きさに切って、ラップに包んで冷凍します。カボチャは酸化しやすいため、ラップに包むときはできるだけ空気を抜くことがポイントです。
マッシュする方法では、茹でたカボチャを木べらなどでなめらかになるようにつぶしてから冷凍します。より風味を落とさずに冷凍保存したいのであれば、こちらの方法がおすすめです。
どちらの方法でも、保存期間の目安は2週間程度です。
白菜
白菜は、葉っぱを1枚ずつはがして、カットした状態で密封容器に入れて保存します。カットした白菜は生のまま冷凍しても問題ありませんが、冷凍する前に茹でると、白菜の体積が小さくなり、冷凍庫の保管スペースを減らせるので便利です。
また、茹でてから冷凍する際は、茹で時間を普段調理に使うときよりも少し短めに設定すると、美味しく保存できます。生のまま保存する方法、茹でてから保存する方法のどちらも、保存期間の目安は10日程度です。
ほうれん草
ほうれん草は、生のままでも茹でてからでも冷凍保存できます。生のまま冷凍する場合は、食べやすい大きさに切った状態で保存袋に入れて冷凍しましょう。茹でてから冷凍するなら、茹でた後に適度な大きさに切ってから冷凍してください。茹でて保存すると、甘みが出てやわらかな食感を楽しめます。
また、ほうれん草の葉は凍ると砕けやすくなってしまうため、一度に使う分ごとに小分けにして保存袋に入れることがポイントです。どちらの方法も、保存期間の目安は1か月程度です。
なす
なすは、加熱してから冷凍保存しましょう。カットすると断面が空気に触れて酸化しやすくなるため、切らずに1本丸ごと保存するのがポイントです。
この保存方法では、まずヘタを切り落として、耐熱容器に載せてラップをかけ、電子レンジで加熱処理します。加熱時間は、なす2本で600Wの場合、2分30秒程度が目安です。加熱後は粗熱を取り、1本ずつぴったりとラップでくるんでから保存袋に入れてください。
保存期間の目安は1か月程度です。
キャベツ
キャベツは、使いやすい大きさにカットして、生のまま冷凍保存できます。
細切り、ざく切り、くし形切りなど、調理での使い方を想定してカットしておくと時短につながります。カットした後は、密封できる保存袋に入れて冷凍すれば完了です。冷凍キャベツはしんなりとした食感になるため、ザクザクとした食感を残したい方は、大きめにカットするとよいでしょう。
また、茹でてから保存する方法もおすすめです。体積を小さくしてから保存できるため、冷凍庫のスペースを消費してしまうのを防げます。
どちらの方法も、保存期間の目安は1か月程度です。
ピーマン
ピーマンを生のまま保存する際は、食べやすい大きさに切ってから保存袋に入れて冷凍します。より長期間保存したい場合には、加熱してから冷凍する方法がおすすめです。
食べやすい大きさに切った後、冷凍する前に茹でる・油で炒める、あるいは電子レンジを使用して加熱します。ただし、茹でる・油で炒めるといった方法では、切り口の断面から栄養が逃げてしまいます。栄養素を保ったまま冷凍したい方は、電子レンジで加熱するのがおすすめです。加熱調理してから冷凍保存する場合の保存期間の目安は、1か月程度です。
なお、ピーマンのタネは保存しているうちに酸化して黒く変色してしまうため、生のまま冷凍する方法、加熱してから冷凍する方法のどちらでも事前に取り除きましょう。
にんじん
にんじんは冷凍保存すると水分が抜けてしまうため、食感が悪くなりやすいです。そのため、3~5mm角程度のブロック状、またはせん切りなどにカットしてから冷凍すると、美味しく食べられます。
切ったにんじんは、平らになるように保存袋へ入れて冷凍します。冷凍したにんじんの保存期間の目安は、1か月程度です。
ネギ
ネギを冷凍保存する際は、刻まずに長いまま保存することがポイントです。細かく刻まないことで、ネギに含まれる香り成分を逃がさず保存できます。保存しやすい長さに切って、乾いたペーパータオルで水分を拭き取ってから保存用袋に入れましょう。
ただし、ネギの青い部分は白い部分よりも早く傷むため、保存袋を分けて入れるのが良いでしょう。保存期間の目安は、1か月程度です。
トマト
トマトを冷凍する際は、丸ごと保存する方法と、ざく切りにしてから保存する方法の2つがあります。どちらもヘタを取り除いて、皮付きのまま保存袋に入れて冷凍します。
丸ごと冷凍する場合は、一個ずつラップで包み、ヘタの部分を下にして保存します。刻んで保存する場合は、チャック付きポリ袋などに料理一回分の量ごとに分けて保存しておくと、ソース作りやスープに使う際に便利です。どちらの保存方法でも、食べる際は加熱しましょう。
トマトの保存期間の目安は、2週間程度です。
大根
大根は、皮をむいて生のまま冷凍保存できます。冷凍保存する際には、用途に合わせて切った状態にしておくと、解凍したあとで便利です。用途別の切り方の例は、以下のとおりです。
- みそ汁、炒め物→いちょう切り
- 煮物→輪切り
- 大根おろし→すりおろし
冷凍するときは、ペーパータオルで水気をしっかり拭き取り、小分けにしてラップで包んでから保存袋に入れましょう。輪切りの場合は、ラップに包まずそのまま保存袋に入れても問題ありません。
大根は冷凍することで繊維が壊れるため、煮物にすると早く味が染み込みやすくなります。あらかじめ下味をつけてから冷凍するのもおすすめです。
保存期限は1か月程度で、比較的長持ちします。
じゃがいも
じゃがいもは本来冷凍には向いていない野菜です。しかし、冷凍する前に工夫することで、美味しく食べられるようになります。
じゃがいもの芽や緑色に変色した皮には毒素が含まれているため、はじめに「芽が伸びていないか」「皮が変色したり傷ついたりしていないか」を確認しましょう。
じゃがいもは水分が多く、そのまま冷凍してしまうと解凍したときに水分が抜けてスカスカになってしまいます。そのため、カットして加熱後に冷凍するのがおすすめです。事前に火を通しておけば、解凍した際にも食感を保てます。
加熱方法は電子レンジで蒸したり、お鍋で茹でたりするのがよいでしょう。食感が気になる方は、マッシュポテトにして冷凍したり、つぶすことを前提にサイコロ状にカットしてコロッケに利用したりするのがおすすめです。
また、解凍するときは食感の変化を抑えるために、自然解凍ではなく加熱してから解凍するようにしましょう。保存期間は1か月程度です。
ごぼう
ごぼうもそのまま冷凍すると筋っぽくなり、食感が悪くなってしまいます。ごぼうを生で冷凍する場合は、大きめにカットして冷凍すると水分が抜けにくく食感の変化を抑えられます。
ささがきや千切りにしてから保存したい場合は、先に油で炒めてから冷凍するのがおすすめです。加熱することで、食感が大きく変化するのを防げます。
なお、ごぼうは冷凍した際に切り口が変色することがあります。アクによるものなので心配ありませんが、保存の際にラップで包んで密閉容器に入れておけば防ぐことができます。保存期間は、生・加熱どちらも約1か月です。
野菜を冷凍保存する際のコツとは?
野菜を冷凍保存する際に、美味しさを保つための「コツ」があることをご存じですか?同じ切り方の同じ野菜でも、ちょっとした工夫をすることで、鮮度を保った状態で野菜を保存できます。
これから紹介するコツさえ覚えておけば、美味しさをキープできるので、ぜひ参考にしてください。
水気をきちんと拭き取る
野菜を洗ったときや切ったときの水分をそのままにしておくと、冷凍庫で凍るまでに時間がかかったり、霜が発生したりします。味や食感が落ちる原因になるため、冷凍する前に水分は十分に拭き取っておきましょう。
また、雑菌の繁殖を防ぐために、水気を拭き取る際は清潔なキッチンペーパーを使いましょう。
薄く小分けにして冷却効率を上げる
野菜を美味しく冷凍保存するには、冷凍状態にするまでの時間を短くすることも重要です。
野菜を大きな塊や厚く重ねた状態のまま冷凍すると、中まで凍るのに時間がかかります。冷凍の際には小分けにしておくことで、冷凍状態になるまでの時間を短縮できるだけでなく、使いたい分だけ解凍できるのでおすすめです。
なお、使わなかった野菜を再冷凍すると、鮮度や品質が落ちてしまいます。冷凍する前にできるだけ小分けにして、再冷凍しないで済むように工夫しましょう。
ご家庭の冷凍庫に急速冷凍機能があれば、それを使うのも有効です。急速冷凍をすることで、凍るまでの時間が短くなり、野菜の味や品質を保ったまま保存できます。
急速冷凍機能がついていない冷凍庫の場合は、金属トレイを使用します。使い方は簡単で、冷凍する野菜を金属トレイ上に乗せて冷凍庫に入れるだけです。金属の方が空気よりも熱を伝えやすいため、野菜を早く冷やせます。
また、冷却効率を上げるには冷凍庫の温度も重要です。薄く小分けにしたり金属トレイを使用したりしても、庫内の温度が高ければ冷凍に時間がかかります。特に、冷凍庫の調子が悪いと、庫内の温度が高くなってしまったり、凍るまでに時間がかかったりするため、日頃から庫内の掃除やお手入れ、点検をするのがおすすめです。
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密閉容器に入れてしっかり空気を抜く
野菜を冷凍する際は、平らになるように並べてから、チャック付きポリ袋や密封容器に入れてからしっかり空気を抜きましょう。このとき、菌の繁殖を防ぐために未使用の清潔な袋を使うことが重要です。
野菜が劣化する要因の一つに、酸化が挙げられます。野菜に含まれる成分が空気中の酸素と反応すると、色が黒ずむ、苦味・渋みが発生するなどの変化が起こり、美味しくなくなってしまうのです。
酸化による劣化を防ぐために、なるべく野菜が空気に触れないように意識しましょう。
冷凍した野菜を美味しく解凍するコツ
冷凍した野菜を美味しく食べるには、冷凍方法ごとに適した解凍方法を選ぶことも大切です。
生のまま冷凍した場合は、解凍せず冷凍したままの状態でいつも通りに加熱調理する方法がおすすめです。解凍する時間を省けるだけでなく、炒めるときに余分な水分を飛ばせるため、より美味しく調理できます。
加熱処理してから冷凍した野菜は、調理の前に流水解凍します。流水解凍とは、水を張ったボウルやバットに野菜の入った保存袋・保存容器を入れて、水道水にさらして解凍する方法です。水にさらすことで、自然に解凍するよりも早く解凍できます。
流水解凍した野菜を調理する際は、事前に水気をよく切っておくことがコツです。
まとめ
野菜には冷凍に適しているものと、適していないものがあります。野菜の種類に合った保存方法を選ぶことで、美味しさを保つことができます。また、冷凍保存する際は、ポリ袋や保存容器などに入れて密閉してから、急速冷凍や金属トレイを使用してなるべく早く冷凍させることもコツです。
常温保存や冷蔵保存では傷みやすい野菜も、冷凍のコツさえ知っておけば、まとめ買いをして長期間保存できます。野菜を賢く冷凍保存して、日々の食事の準備を楽しく簡単にしましょう。
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