おかねの知識

【初心者向け】つみたてNISAって?特徴やメリット、ほったらかし投資のはじめ方

この記事で解説するNISAに関する情報は、2023年までのNISAについての内容です。2024年1月から始まった新しいNISAについては、以下のサイト等からご確認ください。
金融庁:NISAを知る(外部リンク)

最近、よく耳にする「つみたてNISA」。名前は聞いたことはあってもどんなものか分からない。投資なのか?貯金なのか? そんな疑問をお持ちの方に、つみたてNISAの特徴や活用するメリット、はじめ方を紹介します。老後を暮らしていくのに、1人2,000万円が必要などと言われているので、つみたてNISAについて学び、老後に備えましょう!

ファイナンシャルプランナーであり、家計再生コンサルタントである横山光昭氏の著書『知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoをはじめたいです。(インプレス)』をもとに、つみたてNISAに関する基礎を解説します。

つみたてNISAの基本をおさえよう

まずは、「つみたてNISA」について概要や特徴を紹介します。他にも「一般NISA」や「ジュニアNISA」がありますが、その違いも解説します。

つみたてNISAとは

つみたてNISAは、投資信託の運用で得た利益が非課税になる制度です。2018年1月からスタートした国の仕組みで、最長20年間運用できます。現状、つみたてNISAで投資信託を購入できるのは2042年までとなっています。

投資信託とは、複数の企業の株式や債券が組み込まれている商品のことを指します。普通の証券口座で投資すると税金がかかるところ、NISA口座で投資すれば一定の投資額以内で得た利益に対して税金がかかりません。

20歳以上なら年間40万円まで投資が可能

NISA口座は、20歳以上で日本に住んでいたら誰でも開設することができます。年間40万円まで投資できて、はじめに商品を購入してから20年間は利益が非課税となります。

<つみたてNISAの要件>
加入条件:20歳以上
投資額上限:年間40万円
運用期間:最長20年
税優遇:掛金×、運用益◯、受取時×
投資商品:一定の条件を満たした投資信託、ETF
手数料:運用時に発生(信託報酬など)
投資方法:定期的な積立が原則
出金:いつでも可能

一般NISA、ジュニアNISAとの違い

一般NISAは、加入条件は20歳以上で、年間の投資上限額は120万円、非課税期間は5年間となります。投資信託だけではなく株式にも投資できるので、上級者向けと言えます。なお、つみたてNISAとは選択制で、どちらかしか利用できない点に注意しましょう。長い期間コツコツ投資するなら、つみたてNISAがおすすめです。

一方で、0歳〜19歳の未成年を対象にしたジュニアNISAは、年間の投資上限額は80万円で、1人1口座に限り開設できます。現状、新規購入できるのは2023年までなので、検討している方は急ぎましょう。なお、成年年齢の引き下げに伴い、2023年は0歳~17歳の方が対象となります(※)。

※参照:金融庁:ジュニアNISAの概要

つみたてNISAを行うメリットと注意点

つみたてNISAを行うメリットと注意点

つみたてNISAにはどんなメリットがあるか、また注意点について紹介します。

投資で得た利益が20年間非課税

普通の証券口座では税率が約20%のため、例えば10万円の利益が出たら、そのうち約2万円は税金として課されます。仮に、毎年5万円の分配金がもらえるとすると、20年間で20万円近く税金が浮くことになります。

投資商品が厳選されていて選びやすい!

投資は、数ある投資信託からどの商品が良いか選ばなければなりませんが、つみたてNISAでは投資できる商品を、金融庁がすでに厳選しています。選定基準は、これまでの運用実績や手数料の低い商品とされているため、初心者にとっては選びやすいと言えるでしょう。数百円から投資可能なものもあり、投資資金が少額で済む点もメリットです。

専門家が運用を代行してくれる

投資信託は、投資家が株式や債券などを直接買うのではなく、投資信託の購入を通じて運用会社にお金を預けて、運用を代行してもらうものです。

社会や経済情勢は刻々と変わるので、投資商品は売ったり買ったりを行わなければなりません。しかし投資信託は、それを専門家が運用してくれるため管理の手間がかかりません。その代わり、運用してもらうための手数料がかかってきます。

いつでも引き出せる&途中解約も可

人生には、マイホーム購入や子どもの教育費、介護費などあらゆるライフステージで、何かとお金がかかります。つみたてNISAは、そうした資金の引き出しとしても備えられます。また、届出書を提出すれば途中解約もできます。

【ここに注意!】損をしたら非課税メリットが活かせない

普通の証券口座では商品Aで出た損失を、商品Bの利益と合算して損失をカバーできます。しかし、つみたてNISAで開設した口座と他の口座の損益は合算することができません。つまり、つみたてNISAは利益が出たときだけ税金の優遇ができるという点を念頭においておきましょう。

また、年間40万円の非課税枠は1月〜12月の1年で使い切りのため、余ったとしても翌年に繰越しはできません。たとえ保有している商品を売却しても、投資可能額は変わりません。

つみたてNISAのはじめ方 〜口座を開設する〜

つみたてNISAをはじめるには、証券会社の口座開設や税務署の審査書類の記入などが必要になります。つみたてNISAをはじめる方法を紹介します。

3ステップで口座が開ける

つみたてNISAの口座開設までの大まかな流れは、次のとおりです。

1)金融機関で口座開設を申し込み

つみたてNISAを提供している金融機関のホームページから、口座を開設しましょう。

2)利用する口座を選択

加入者情報を入力します。課税口座は「特定口座(源泉徴収なし)」がおすすめ。非課税口座は必ず「つみたてNISA口座」を選びましょう。

3)必要書類を提出

申込み完了後に証券会社から郵送される「非課税口座開設届出書」を記入し、返送します。マイナンバーも申し込みに必要になります。

口座開設

税務署の審査などを経て、晴れてつみたてNISAで投資可能となります。申し込みから口座開設まで、長くて2ヶ月程度は見ておきましょう。

投資の仕組みを押さえよう

投資信託では基本的に、売買による差益を得る「売却益」と決算の時期に運用会社から配られる「分配金」の2つの方法で利益を得ることができます。なお、分配金は商品によってないものもあります。

投資する場合は、「分散」「積立」「長期」の3セットを心掛けましょう。分散は、投資先となる国や資産の種類を複数に分けること。積立は、一定額を定期的に投資すること。長期は、商品を長く保有すること。時間はかかりますが、小リスクで安定的なリターンを得るためにこの3つを意識することが大切です。

どの金融機関を選べばいいか

金融機関は、取扱商品が圧倒的に多いネット証券から選ぶのが良いでしょう。どのネット証券も、つみたてNISA独自のサービスを提供しています。例えば、楽天証券なら楽天のショッピングで使える楽天ポイントのシステムが、積立投資にも導入されています。主な証券会社の特徴を紹介します。

・楽天証券:楽天ポイントを貯めたり、積立代金として使用したりできる
・SBI証券:積立管理ができるスマートフォンアプリでこまめにチェックが可能
・マネックス証券:節税効果が算出されるシミュレーションが利用できる
・auカブコム証券:NISA口座開設で通常の現物株式の取引手数料が最大5%割引になる

金融機関の途中変更はデメリットばかり

つみたてNISAの場合、金融機関を年1回変更することはできますが、著者いわく、デメリットが多いため途中で変更することはおすすめしません。商品のラインナップに不満があるなど、特別な理由がない限り行わない方がいいでしょう。

つみたてNISAのはじめ方 〜商品を選ぶ〜

つみたてNISAのはじめ方 〜商品を選ぶ〜

口座が開設できたら、どの商品がいいか選びます。商品購入までの流れと、商品の選び方、買付金額の設定方法を紹介します。

商品購入までは2ステップで完了!

つみたてNISAの商品購入までの大まかな流れは、次のとおりです。

1)積立を行う商品を決める

金融機関のホームページから、購入できるつみたてNISAの商品を検索し、購入するものを選びます。

2)買付画面で設定を行う

商品の案内ページから買付の注文を行います。決済方法や購入時期・頻度、積立金額を設定していきます。

商品購入

一度決めた設定は、それ以後も引き継がれていくため、何度も設定する必要はありません。あとはほったらかしでもOKですが、一定額を定期的に長期投資することを心掛けましょう。

どの商品を選べばいいか

著者のおすすめは「楽天・全世界株式・インデックスファンド」。世界中のあらゆる企業の株式を対象に投資をしている投資信託です。メリットとしては、手数料が安く、購入者が多いため純資産が大きいこと。ある日突然運用が終了してしまう可能性が低いと言えます。

買付金額の設定方法

商品を選んで注文手続きをする際、「引落方法」「積立設定」「分配金コース」を設定する必要があります。分配金コースとは、投資信託による分配金の利益をお金で受け取るか、再び投資に回すかを選択するもの。より良い運用を考えると「再投資型」を選ぶと良いでしょう。

まとめ

つみたてNISAの特徴やメリット、口座を開設して商品を選定するところまで紹介しました。つみたてNISAで取り扱っている投資信託の商品は、あらかじめ金融庁が厳選しているため、初心者でもはじめやすいです。最長20年間、運用利益を非課税にすることができ、マイホーム購入や子どもの受験・入学などライフステージの変化によって、必要な時に引き出せる点も魅力です。

つみたてNISAは最低でも年1回は運用状況を確認しましょう。新規投資期間20年の期限がきたら現金で受け取るか、そのまま課税口座に移して運用を続けてもOKです。現状、つみたてNISAで投資信託を購入できるのは2042年までです。はじめたいと悩んでいる方は早めに申込みすることをおすすめします!

引用書籍:『知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoをはじめたいです。』(横山光昭 (著), ペロンパワークス (編集) 著/インプレス)2021 年 11 月出版

『知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoをはじめたいです。』(横山光昭  (著), ペロンパワークス (編集) 著/インプレス)2021 年 11 月出版

出版社・書籍紹介:『知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoをはじめたいです。』(横山光昭 (著), ペロンパワークス (編集) 著/インプレス)2021 年 11 月出版
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