季節の行事

2025年の立春はいつ?立春とは?節分との違いや由来、伝統行事も解説

暦の上での春の始まりを指す「立春」。普段、その日付を意識する方は少ないかもしれませんが、実は昔から二十四節気の1番目として大切にされてきた日です。

そこで今回は、立春とはどのようなものかについて解説します。併せて、節分・旧正月(春節)・春分との関係や、当日に行われる行事、食べると縁起が良いといわれている食べ物ついてもご紹介。立春の文化的・歴史的背景に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

2025年の立春はいつ?

そもそも、立春とはどのような日なのでしょうか?

ここからは、立春とはどのような時期を指す言葉なのか、そして文化的・歴史的にどのような背景を持つ言葉なのかを見ていきましょう。また、2025年の立春の日付についてもご紹介します。

立春とは?【二十四節気の1つで春の始まりを指す】

立春とは二十四節気(にじゅうしせっき)の1つで、冬が極まり春の気配が立ち始める日とされています。

二十四節気は、1年を春夏秋冬の4つに分け、それをさらに6つに分けた1年の区分方法で、立春はその1番目とされています。二十四節気には、「夏至(げし)」「秋分(しゅうぶん)」「大雪(たいせつ)」などが挙げられます。

現代では聞きなれないものも多いですが、二十四節気のいくつかは今でも風習として残っており、伝統的な行事が行われることもあります。冬至に柚子湯に浸かったりカボチャを食べたりするのも、現代まで残っている風習の1つですね。

2025年の立春は2月3日

2025年の立春は2月3日(月)です。まだまだ肌寒い季節ではありますが、暦の上では春の訪れとなります。

立春を含め、二十四節気の日時は年によって前後します。これは暦を調整する「うるう年」があるためです。2024年からの立春の日付をいくつか見てみましょう。

2024年 2月4日(日)
2025年 2月3日(月)
2026年 2月4日(水)
2027年 2月4日(木)
2028年 2月4日(金)

上記の表のとおり、うるう年の翌年の立春は2月3日になることが多いです。例えば、2025年はその前の年(2024年)がうるう年となっており、立春は2月3日になっています。

立春と節分の違い

ここまで、立春がどのような時期を指す言葉なのかについて詳しく解説しました。節分もまた、2月を代表する日本の伝統的な行事の1つです。

ここからは、立春と節分の関係について詳しく見てみましょう。

節分は立春の前日

節分は立春の前日に当たり、冬から春への季節の節目を意味しています。

もともとは、二十四節気で春夏秋冬それぞれの季節の始まりである「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日すべてが「節分」と呼ばれていました。しかし、いつしかその中で最も大切にされてきた立春の前日のみを「節分」と呼ぶようになりました。

節分とは、冬から春への「季節の分かれ目」という意味のある節目ですが、節分は二十四節気ではありません。節分は「雑節(ざっせつ)」と呼ばれる二十四節気とは異なる節目に属しています。

雑節には「節分」のほか、「彼岸」「社日」「八十八夜」「土用」などが含まれています。いくつかの雑節は現代でも目にすることがあり、さまざまな行事が行われています。

節分に豆まきをする理由

節分と言えば、豆まきをして鬼を払う風習が知られています。ではなぜ、立春の前日である節分に鬼を払うのでしょうか?

それは、二十四節気の順番において立春が1番目だからです。二十四節気で1番目ということは、1年の始まりにあたる日が立春ということになります。したがって、その前日である節分は大晦日と同じような意味合いを持っています。

古くから、立春は正月と同様に1年の始まりの日として考えられてきました。そのため、「新しい年が来る前に、厄を払っておこう」という想いを込めて、大晦日にあたる節分の日に豆まきをするようになったといわれています。

立春と旧正月、春分の違い

ここまで、立春と節分の関係について説明をしてきましたが、「旧正月」や「春分」なども同時期にある行事です。

立春と旧正月や春分との間には、何か関係はないのでしょうか?

旧正月は立春とはあまり関連がない

旧正月は旧暦の正月を意味する言葉で、現在では中国をはじめとする東アジアなどの中華圏を中心に祝われています。中国ではこの日を「春節」と呼び、新年の始まりとして大切に扱われています。

旧正月は毎年立春と同じ頃に訪れるため、立春と旧正月は同じだと誤解する方もいるかもしれません。しかし、立春と旧正月は全く別のもので、関連性もあまりありません。

立春は太陽の見かけのうえでの通り道(黄道)を基準に定められ、毎年2月3日か4日頃がそれにあたります。一方、中国の旧正月(春節)は冬至から2回目の新月が空に上がる日とされており、毎年1月下旬から2月下旬頃がそれにあたります。

つまり、立春と旧正月は日付の決め方が大きく異なり、多くの年で日付も異なります。

春分と立春も関連性は低い

「立春」に似た言葉で「春分」というものもあります。しかし、こちらも立春とは異なる日付であり、関連性は低いです。

春分の日は、太陽が春分点(真東からのぼり真西に沈む点)に達した日のことを指します。毎年、3月20日か21日頃がそれにあたり、日本では祝日に指定されています。

古来、日本では春分の日にご先祖様や自然に感謝を示し、五穀豊穣を祈る行事が行われてきました。春分の日は日本の風土の中で育まれてきた文化と言えるでしょう。

立春に行われる伝統行事や風習

ここまで立春について詳しく解説をしてきましたが、立春に行われる行事についてはあまり聞いたことのない方も多いのではないでしょうか。

実は、立春にも伝統的に行われてきた行事や風習が存在します。ここからは、それらの伝統行事や風習について紹介します。

「立春朝搾り」で搾りたての生酒を楽しむ

まず紹介するのは、「立春朝搾り」です。立春朝搾りは立春の日に作られる祝い酒の名称で、節分の夜から一晩中もろみを搾り、立春の早朝に搾り終わってすぐの状態の日本酒です。出来上がった日本酒は瓶詰めされ、地元の神社でお祓いをしてもらうため、縁起物とされています。

立春朝搾りでは、お酒ができあがったその日のうちに、地元の酒屋さんが蔵元まで足を運び、ラベル貼りや瓶詰めを手伝って蔵元から新鮮な日本酒を持ち帰ります。立春朝搾りは単に祝い酒を買うだけの行事ではなく、「その地域でお酒を造る人、売る人、飲む人」が一体となって楽しめる地域密着型の一大イベントなのです。

日本酒で乾杯する画像

「立春大吉」のお札で厄除け

次に紹介するのが「立春大吉」のお札という風習です。こちらはあまり聞き馴染みのない方も多いかもしれません。

立春大吉のお札は、豆まきと同じように厄除けを目的としたものです。「立春大吉」という文字はすべての漢字が左右対称で縁起が良いとされ、窓に貼れば外から見ても内から見ても同じ「立春大吉」と読めます。

このことから、「万が一鬼が家に入ってきても、このお札を見たときに外からと全く同じように読め、鬼がまだ外にいると勘違いして出て行く」という言い伝えが広まりました。このようにして、立春大吉のお札が厄除けとして使用されるようになったといわれています。

立春大吉のお札

「豆まき」で鬼を払う

節分の豆まきは、立春の前日に行われる日本の伝統行事です。

起源はいくつか説がありますが、平安時代に宮内で行われた追儺(ついな)という儀式が由来と考えられています。この儀式では、季節の変わり目に訪れる病気や災害などを鬼に見立て、外に追い出すという厄払いが行われていました。現代の豆まきの原型ともいえます。

一般的に、豆まきに使われるのは炒った大豆です。それを「鬼は外!福は内!」と唱えながら、鬼の面を被った鬼役に投げつけます。この言葉は「福を入れ、災いを入れないように」という意味であり、豆をまくことで邪気を払い、福を家に呼び込めると考えられています。

なお、豆を投げた後には、自分の年齢と同じ数の豆、もしくは自分の年齢+1個の豆を食べる風習があります。これには、長寿と健康、そして財運に恵まれるという願いが込められています。

豆まきの画像

立春の日に食べると縁起が良い食べ物

立春の日には、縁起ものの食べ物を頂くことで厄を祓い、1年を健康で幸せに過ごせるといわれています。前日の節分に比べるとあまり知られていない食べ物が多いですが、ぜひこの機会に習慣として取り入れてみましょう。

立春生菓子

立春の朝に作る和菓子は「立春生菓子」と呼ばれています。その日のうちにすべて食べきると縁起が良いとされ、代表的な種類としては、うぐいす餅、さくら餅、お団子などが挙げられます。

ちなみに、さくら餅には関東風と関西風の2種類があります。見た目は異なりますが、いずれも餅を塩漬けした桜の葉2枚で、甘みと塩味の絡み合った味わいが特徴です。

立春生菓子は和菓子屋でも購入できます。そのほか、シーズン前後にはスーパーや百貨店などにも並んでいるので、立春のタイミングでぜひご賞味ください。

和菓子の画像

立春大吉豆腐

白という色には、邪気を払い、身を清める力があると昔から信じられてきました。その縁起を担ぐのにぴったりなのが白い豆腐で、立春に食べられるものを「立春大吉豆腐」と呼んでいます。

立春に立春大吉豆腐を食べると、罪や穢れ(けがれ)を追い払うことができるといわれています。ポイントは、調味料には醤油ではなく藻塩を選ぶことです。白い豆腐をそのままの色で頂くことで邪気を祓い、身を清められるとされています。

豆腐の画像

立春大福

立春大吉にあやかり生まれたとされるのが「立春大福」です。もともと大福は「大きな福を呼ぶ」とされる縁起の良い和菓子。そこに立春大吉の厄除けの意味が加わることで、より縁起の良いものとして昔から伝わりました。

立春大福の作り方には決まりはありません。店頭では、立春のタイミングで立春大福が販売される場合もあります。季節の風味を味わいたいときには、春に新芽を出すよもぎで作られた立春大福がおすすめです。

よもぎ大福の画像

天候とも関係が深い立春

上記のように暦や厄除けと関係の深い立春ですが、実は天候とも深い関係があり、立春と天候に関連した単語が今でも数多く存在します。立春に関連する言葉にはどのようなものがあるのか紹介します。

春一番

最初に紹介する「春一番」は聞き馴染みがある方も多いのではないでしょうか。春一番とは、立春から春分の日までの間に吹く南寄りの風のことです。この風が吹いた後に気温が上昇すると、春一番として認められます。

もともとは、長崎県の漁師たちが海に吹く強い南風を春一番と呼んでいたことが語源といわれており、実は春二番や春三番も存在します。

立春、そして春一番という言葉はイメージもぴったりと合いますね。

寒明けの雨

寒明けの雨とは、1月の寒の入りからおよそ1か月たち、寒が明ける頃、つまり立春の時期に降る雨のことを指す言葉です。

立春がある2月初旬というのはまだまだ寒い時期ですが、昔の人々はこの時期の雨に、来たる春に対しての希望を込めてこのように呼んでいたそうです。また、寒明けは春の季語でもあります。

現在ではあまり使われることのない言葉ではありますが、先人がどのように冬や春のことを考えていたのかが分かる言葉といえます。

雨の画像

寒の戻り

寒の戻りとは、立春を過ぎてすっかり暖かくなった春の終わり頃に、一時的に寒さがぶり返す現象のことを指します。

春の訪れを示す立春ですが、実際には立春を過ぎてもまだまだ寒い時期が続きます。一般的には、3月頃の暖かくなり始めた後に起こる寒さのぶり返しを指すことが多いようです。

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まとめ

今回は立春の文化的・歴史的背景や、立春に行われる行事、縁起が良いとされる食べ物などについて紹介しました。新しい季節の始まりとして、未来への期待を込めた風習が多かったことが分かります。

2月初旬の行事といえば節分の豆まきが有名です。しかし、節分の次の日である立春も二十四節気の1番目として古くから大切にされてきました。今年は、節分と立春、両方をご家族で楽しんでみてはいかがでしょうか。

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