甘酒
食の知識

管理栄養士監修|甘酒の効果!健康・美容・ダイエットなどの効能を解説

お米の甘みが魅力の「甘酒」は、お米を発酵させて作られる日本由来の飲み物です。そんな甘酒には豊富な栄養素が含まれており、日々のライフスタイルに取り入れて、美容やダイエットに活用したいと考えている方も多いでしょう。

そこでこの記事では、甘酒に含まれる栄養素や、甘酒を飲むことの効果について解説します。また、甘酒を飲む時間や飲む量、ご自宅で作れる甘酒のレシピ、飲み方のアレンジ方法もお伝えするので、ぜひお役立てください。

監修者

保科 琴美(ほしな ことみ)
東京電力ホールディングス株式会社
管理栄養士

管理栄養士として医療の現場で栄養指導の経験と実績が豊富。日本糖尿病療養指導士。定期的にヨガ講師としての活動も行っている。

保科 琴美

甘酒とは?

甘酒は、日本で伝統的に飲まれてきた、お米の自然な甘みを味わえる飲み物です。原料は米麹(こめこうじ)、または酒粕(さけかす)を使用して作られており、米麹から作られたものは「麹甘酒(こうじあまざけ)」、酒粕から作られたものは「酒粕甘酒(さけかすあまざけ)」と呼ばれます。

甘酒は名前に「酒」と入っていますが、麹甘酒にはアルコールが含まれていません。その一方で、酒粕甘酒には微量のアルコールが含まれています。これは、原料である酒粕そのものにわずかなアルコールが含まれるためです。

酒粕甘酒は微量のアルコールに注意が必要ですが、甘酒は基本的にアルコール分を気にせず気軽に飲むことができます。毎日の習慣として取り入れて、美容と健康のために飲み続けるのにぴったりです。

甘酒とお米

甘酒は栄養価が高く「飲む点滴」と呼ばれる

甘酒は栄養価が高いことから「飲む点滴」とも呼ばれています。美味しく飲みながら不足しがちな栄養を摂れるのが魅力です。

たとえば、甘酒に含まれる主な栄養素として以下が挙げられます。それぞれの栄養素の役割をチェックしてみましょう!

ブドウ糖 脳のエネルギー源になる
オリゴ糖 腸内環境を整えるビフィズス菌の餌になる
食物繊維 便通を良くして腸内環境を良好に保つ
ビタミンB群 エネルギー代謝を助ける
アミノ酸 体を作るタンパク質の原料になる
コウジ酸 シミやそばかすの原因となるメラニンの産生を抑える

甘酒から得られる効果

甘酒で得られる栄養素が分かったところで、次に具体的な甘酒の効果を解説していきます。

美容効果:美肌効果や肌荒れ防止

甘酒に含まれるビタミンB群には、エネルギー代謝を助けるほかに、皮膚を健やかに保つ働きがあります。なかでもビタミンB2は、不足すると肌荒れにつながるため、健康的な美肌を保つために欠かせません。

疲労回復:消化吸収の促進

麹甘酒の原料である麹には酵素が含まれており、消化吸収を助ける効果が期待できます。そのため、食べ物の栄養素を分解して消化吸収しやすくなり、疲労回復が促されます。

また、速やかに吸収されるブドウ糖が体を動かすエネルギーになるのもポイントです。

疲労が回復している様子

ダイエット効果:食べ過ぎの防止

甘酒に含まれるブドウ糖によって血糖値が上がると、満腹中枢が刺激されて空腹感を抑えられます。そのため、ダイエット中に小腹が空いたとき、食べ過ぎ防止の効果が期待できるでしょう。

ただし、甘酒に含まれるカロリーや糖質を過剰に摂取するおそれがあるため、飲み過ぎには注意が必要です。

健康効果:筋肉の維持や血行促進

甘酒には、筋肉を作るタンパク質の原料となるアミノ酸が豊富に含まれています。また、ビタミンB群が血行を促し、体を温めてくれるのもポイントです。

免疫力アップや生活習慣病の予防といった、体を健やかに保つ健康効果が期待できます。

便秘予防効果:腸内環境の調整

甘酒に含まれる食物繊維やオリゴ糖には、腸内環境を整える働きがあります。食物繊維によって排便が促され、便秘解消につながるのが魅力です。

さらに、オリゴ糖がビフィズス菌の餌になるため、善玉菌が増えて腸内環境が改善されます。

甘酒を飲むのにおすすめのタイミングと飲む量

ここまで、美容や健康にうれしい甘酒の効果をご紹介しました。日々の食習慣に甘酒を取り入れるなら、どんなタイミングで飲めば良いのでしょうか?おすすめの時間帯や摂取する量を解説します。

飲む時間は目的に合わせる

甘酒を飲むタイミングは、その日の目的に合わせて判断しましょう。たとえば、1日のスタートに脳を目覚めさせたいなら、朝の時間帯に飲むのがおすすめです。

また、午後からの大事な仕事や勉強に集中したいなら、お昼のタイミングで飲むと良いでしょう。

さらに、ぐっすりと眠って回復したいときは、夜のリラックスタイムに飲むのがぴったりです。ぜひお好みで甘酒を飲むタイミングを選んでみてください。

飲む量は1日にコップ1杯程度

甘酒を飲む量の目安は、1日にコップ1杯程度です。美容や健康への効果を意識するなら、適切な量を守って飲みましょう。

甘酒にはさまざまな栄養素が豊富に含まれていますが、ブドウ糖やオリゴ糖などの糖分も含まれているので、過剰摂取は好ましくありません。飲み過ぎは体重増加につながるおそれがあるため、あくまでも適量を心がけましょう。

コップ1杯分の甘酒

甘酒の作り方【簡単レシピ】

甘酒は市販の商品を購入するだけでなく、ご家庭で作ることもできます。ここでは、甘酒の簡単な作り方をご紹介します。

用意する道具
  • 炊飯器
  • 温度計
  • ふきん
材料
  • ご飯(1合)
  • 水(360mL)
  • 米麹(400g)
作り方
  1. 炊飯器でご飯1合を炊きます。通常の炊飯よりも水の量を少し多めにして、やや柔らかめに炊くのがポイントです。
  2. 炊きあがったご飯に水を少しずつ加えてかき混ぜます。温度計を使って温度が60℃になるよう調整しましょう。
    甘酒を作るときは温度管理が重要です。温度が高くなりすぎると麹菌が死んでしまうため、必ず60℃を保つようご注意ください。
  3. 水を加えて60℃に保たれたご飯に、米麹を加えてかき混ぜます。炊飯器は保温モードにしましょう。
  4. ふきんを水で濡らしてしぼったら、炊飯器の蓋を開けた状態のまま、上からかぶせます。この状態で、6~8時間ほど保温モードで置いて発酵させましょう。
    ふきんが乾いてきたら、乾燥を防ぐために再び水で濡らしてしぼってください。また、途中で温度計を使って、内部が60℃前後に保たれているかをチェックします。
  5. 6時間が経過したら、かき混ぜて状態を確認します。全体がペースト状になり、甘い香りがしていたら出来上がりです。
    飲むときはお好みでミキサーにかけると、なめらかな口当たりを楽しめます。

甘酒のおすすめの飲み方

お米の自然な甘さがおいしい甘酒ですが、シンプルな味わいだからこそ、毎日飲み続けていると、アクセントが欲しくなることもあるでしょう。そんなときは、甘酒にちょっとしたアレンジを加えると、さらに味わいの幅が広がります。

ぜひ、以下のおすすめの飲み方をお試しください。

ホット甘酒
甘酒をお好みで温める飲み方です。肌寒い季節や、朝の時間帯にほっと一息つける一杯になります。
甘酒のソーダ割り
甘酒をソーダ水で割る飲み方です。冷たい炭酸が効いて、さっぱりと飲みたいときにおすすめです。
はちみつ甘酒
甘酒にはちみつを加える飲み方です。さらに甘さが際立ち、デザート感覚で楽しめる飲み物が出来上がります。
生姜甘酒
甘酒に生姜を加える飲み方です。爽やかな香りとぴりっとした刺激が、マイルドな甘酒とよく合います。
甘酒の牛乳割り
甘酒を牛乳で割る飲み方です。ミルキーなまろやかさが加わり、素材の自然な甘みを楽しめます。
甘酒アイスティー
アイスティーに甘酒を加える飲み方です。砂糖を使わずに、自然な甘みで紅茶が引き立ちます。
甘酒ヨーグルト
甘酒とヨーグルトを混ぜて食べます。程よい酸味のヨーグルトと甘酒は相性抜群。濃厚な味わいが魅力です。
甘酒スムージー
甘酒をフルーツスムージーで割る飲み方です。フルーツの自然な甘みと酸味が、甘酒とよくマッチします。
甘酒ゼリー
甘酒とクラッシュゼリーを混ぜて食べます。お好みのフレーバーのゼリーと合わせてみましょう。

まとめ

甘酒には、脳のエネルギー源になるブドウ糖、腸内環境を整えるオリゴ糖や食物繊維をはじめとした豊富な栄養素が含まれます。肌荒れ防止や消化吸収の促進、食べ過ぎ防止など美容と健康にうれしい効果が期待されている飲み物です。

1日1杯を目安に、お好みのタイミングで取り入れると良いでしょう。甘酒はご家庭で手作りもできるため、米麹を使って作ってみるのもおすすめです。毎日の習慣として取り入れるなら、ソーダ割りやスムージーをはじめとした飲み方のアレンジもお試しください。

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