イヤイヤ期
乳幼児

イヤイヤ期はいつから始まる?何歳で終わる?期間と接し方を解説

お子さんが2歳前後に始まる「イヤイヤ期」。初めての育児をしているママやパパからすると、「子どもにどんな変化があるの?」「なぜイヤイヤ期になるの?」「イヤイヤ期の子どもとの接し方は?」など、不安や疑問に思うポイントが多くあると思います。

そこで今回は、イヤイヤ期の始まりから終わりの期間や、子どもといい関係を保てる接し方について解説します。

イヤイヤ期とは?大変だと言われる理由

イヤイヤ期とは、行動や言葉に対して「嫌!」という否定的な態度を取り、自己主張を通そうとすることが多くなる時期を指します。自分勝手に動き回り、どこでも構わず大声で鳴き出すようになるため、苦労するママやパパも多くなります。

イヤイヤ期は「指示されることを嫌う」

イヤイヤ期に入った子どもは、とくかく親の言うことを聞きません。ただし、その行動をしたくないというよりは、指示自体を嫌っているような印象があります。

たとえば、これまで大人しく入ってくれていたお風呂や、習慣化していた歯みがきなども嫌がります。「どうして急に?」と思ってしまうかもしれませんが、これがイヤイヤ期なのです。

否定的な行動は家庭内だけに留まらず、時には病院やお店、保育園などでも騒ぎ出してしまいます。たいていの場合、自分がしたいと思っていたことができなかったときに、不満が爆発して、こうした行動につながるようです。

なお、この時期の子どもの行動力や好奇心はすさまじく、とにかく何でもやってみようと挑戦します。しかし、それが上手くいかないと、泣き出してしまいます。

泣いている子ども

やりたいことの判断ができ始めるのが原因

親としてはなんとも悩ましいイヤイヤ期。しかし、こうした行動は、実はお子さんの成長の証でもあります。

人の脳は発達と共に自我を芽生えさせます。すると、これまで何となくしていた行動について「やりたい」と「やりたくない」の区別をつけられるようになります。

ただし、脳の発達はそこまで早いものではなく、ストレスなどに耐える、いわば“我慢する脳”は未発達の状態なままです。そのため、少し上手くいかないだけでも「イヤイヤ!」と騒いでしまうのです。

また、自分の主張を上手く伝えられないもどかしさも、イヤイヤ期に関連していると言えるでしょう。心の中にある想いをどのように表現すれば良いか、子どもはまだその術を知りません。「イヤイヤ行動によってアピールをしている」とも捉えられます。

イヤイヤ期はいつから?何歳まで続く?

それでは、イヤイヤ期はいつから始まり、いつ頃終わるのでしょうか?具体的な時期について見ていきましょう。

2歳にピークを迎えることが多い

一般的に、イヤイヤ期は2歳前後のタイミングで訪れると言われます。そのため、この時期を「魔の2歳」と呼ぶ人もいるようです。

2歳は、以前よりは手がかからなくなったものの、まだまだお世話が必要なことも多い年頃です。それに加えてイヤイヤも始まるため、親御さんにとってはとにかく忙しい日々になります。

この頃の子どもには、自我だけでなく、自己流のルールも存在します。そのため、失敗をした際に、悔しさや憤りといった感情が溢れ出てしまうのです。

ただし、ここで大人目線のアドバイスをしても、かえってイヤイヤが増すことも少なくありません。子どもには子どもなりの理屈や決まりごとがあり、それに対して口を出されると反発が起こります。そのため、この時期には過干渉を控え、根気よく温かい目で見守ることを心がけましょう。

生後6か月から兆候が見えることもある

イヤイヤ期が始まるタイミングには個人差があります。早い子だと、生後6カ月程度から兆候が見えることもあるでしょう。具体的には、寝返りが上手くできなかったり、離乳食が気に入らなかったりという理由でイヤイヤが始まることが多いです。

また、この頃の子どもにとって、自分の強い気持ちを伝える手段は泣くことくらいしかありません。もしくは、離乳食を吐き出すといった行動を用いることもあります。

いずれにせよ、これらは赤ちゃんからのメッセージであると捉え、対応していくことが大切です。

泣いている赤ちゃん

3歳ぐらいから落ち着いてくる子どもが多い

ピークである2歳を過ぎ3歳を迎える頃には、だんだんと自我が発達して、イヤイヤが収まる子が増えていきます。言葉を少しずつ覚えて、両親とのコミュニケーションが取りやすくなることも理由のひとつでしょう。

ただし、まだまだ何かを我慢するのは苦手というケースも少なくありません。たとえば、新しくできた友だちとの間で気持ちの食い違いなどが起こり、問題を起こしてしまうことも往々にして考えられます。この際には、問題行動を頭ごなしに叱るのではなく、子どもの気持ちを理解してあげるように心がけてください

イヤイヤ期が無いこともある

「2歳が近づいているのに、うちの子は全然イヤイヤしない」というケースもあります。しかし、これは大きな問題ではありません。子どもによって、成長の度合いはもちろん、性格や考え方にも違いがあるのは当然です。

性格が大人しかったり、自己主張が少なかったりする子どもは、イヤイヤの程度が小さい傾向にあります。また、言葉を覚えるのが早い子は自分の欲求を上手く表現できるため、イヤイヤ期が短くなるケースもあるようです。

一方、親を怖がったり、顔色をうかがったりする場合は、少し注意が必要です。この場合は、嫌だという気持ち以上に、問題を起こしてはならないという考えが心を占めている可能性があります。

普段から厳しく叱ることが多いといった心当たりがあるなら、「育児を見直す」「専門家へ相談する」といったことを検討してみましょう。

遊んでいる子ども

イヤイヤ期の子どもとの接し方

イヤイヤ期の子どもと過ごす際には、相手の気持ちに立って行動を決めることが大切です。ここからは、イヤイヤ期の子どもと接する際のポイントを解説します。

子どもの意見を理解してあげる

前述のとおり、イヤイヤの原因は、自分の気持ちを上手く表現できない、という子どもの気持ちにあります。そのため、「泣いたりわめいたりしなくても、ママやパパは自分のことを分かってくれる」と子どもが感じてくれれば、イヤイヤの程度を和らげられます。

子どもから出る何らかのサインを見かけたら、まずは何をしたいのかを考えてあげてください。その時々にあった行動を取ることで、きっと安心してくれます。

会話している親子

遊び感覚ですすめてみる

お着替えや歯みがきなどを嫌がっている子どもに対し、強い口調で命令をしても言うことは聞いてもらえません。

そこで、子どもが好きなキャラクターから「歯みがきしよう!」とお願いをしたり、「どっちが早く着替えられるか競争ね!」と声がけをしたり、遊び感覚を採り入れてみましょう。

ゲームをしているような楽しい気分になってくれればイヤイヤも紛れるので、お願いを聞いてくれる可能性も高まります。

いつも以上に余裕をもって行動する

イヤイヤ期には、スケジュール通りの行動はできないと考えましょう。たとえば朝の身支度でイヤイヤが始まると、収まるまで外出ができなくなってしまいます。親としては焦りますので、つい強い口調で「早くして!」と言いたくなるでしょう。しかし、これは逆効果。ますますイヤイヤを強くしてしまう可能性があります。

こうした状況が想定されるため、イヤイヤ期にはいつも以上に時間の余裕を持つことが大切です。むしろ、イヤイヤが起こる前提で予定を組むようにしてみてください。

子どものやりたい様にやらせて一緒に楽しむ

イヤイヤ期の子どもは、とにかく指示されることを嫌がります。そこで、あえて指示することをやめ、「子どもの好きに行動させる」という方法もあります。

自分で決めた方法で行動し、成功・失敗を経験することは子どもの成長に大きなプラスとなるでしょう。こうして子ども自身に学んでもらうのも、ひとつの子育て方法です。

また、子どもがやりたいことをママやパパが一緒になってすることで、よりよいコミュニケーションが取れる場合もあります。スキンシップの機会も増え、子どもの心も安定するはずです。

一緒に遊んでいる親子

選択肢を与える

子どもに選択肢を与えるという方法は、イヤイヤ期を乗り越える際に使えるテクニックです。

たとえば家族旅行に出かけるような場面で、子どもがなかなか靴を履いてくれない、といった話はよく聞かれます。ここで「早く靴を履きなさい」というのは逆効果です。

ポイントは、命令ではなく自発的な行動を促すことです。靴を2種類子どもの前に持っていき、「今日はどっちの靴を履く?」と問いかけましょう。子どもからすると、これは命令ではなく自らによる選択です。

このように、指示されたと思いにくいような文言で問いかける工夫をしてみましょう。

イヤイヤ期にやってはいけない行動

説明の折にもいくつか触れてきましたが、ここからはイヤイヤ期の子どもにしてはいけない親の行動についてまとめます。

頻繁に叱る行為

叱るという行動は、子どもの反抗心を強める可能性があるので注意が必要です。もちろん、教育としての叱責はすべきですが、細かいことで頻繁に叱ることは好ましくありません。

また、感情的に叱るのは、イヤイヤがさらに強くなるため、逆効果。子どもからも感情的なリアクションが返ってきてしまい、収拾が付かなくなります。

距離を置く・突き放す行為

イヤイヤ期の子どもが起こす行動は、いわば「どうして分かってくれないの?」という気持ちの表現です。こうしたメッセージに対し、距離を置いたり突き放したりする行動は、今より寂しさを膨らませてしまう行為です。

多忙で疲れている際など、つい冷たい態度を取ってしまいたくなる気持ちも分かりますが、できる限り子どもに向き合うよう過ごしましょう。

脅す・怖がらせる行為

脅すという行為は、あくまで対処療法です。確かに、その場では言うことを聞いてくれるかもしれません。しかし、こうした親の行動が子ども心にトラウマを植え付ける可能性も十分に考えられます。

また、理由もなく言うことを聞かせている場合は、より注意が必要です。子どもにとって、なぜ叱られているかを知ることは成長につながります。一方、叱られている理由が分からない状態は、心にモヤを作ってしまいます。行動を改めることにもつながらないため、控えてください。

まとめ

イヤイヤ期の子どもを持つママやパパの心労は大変なものです。しかし、この時期は子どもにとって成長のための重要なタイミング。

心を健やかに育むためにも、親御さんのサポートが必要です。今回ご紹介した内容を参考に、イヤイヤ期の子どもとの接し方について考えてみましょう。

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