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紅葉狩り(もみじがり)の意味や由来は?2024年の地域別の見頃も解説

紅葉狩りとは、鮮やかに彩られた山々を鑑賞することです。毎年各地で紅葉狩りに行かれる方も多いかと思いますが、紅葉狩りという言葉を聞いて「紅葉狩りにはそもそもどんな意味があるのか知りたい」「紅葉狩りには、なぜ“狩り”という言葉が使われているのか知りたい」と思ったことはありませんか?

この記事では、紅葉狩りの意味や言葉の由来について分かりやすく解説します。古くから日本で行われてきた紅葉狩りの、由来や背景を知ることで、さらに楽しめるようになります。

また、紅葉の楽しみ方や2024年の各地の見頃についても紹介しますので、紅葉狩りを予定している方はぜひお読みください。

紅葉狩りの意味【木が紅く染まる景色を楽しむ行事】

「紅葉狩り(もみじがり)」とは、秋(例年9~11月ごろ)に山などへ出かけ、美しい紅葉を鑑賞する行楽行事のことです。

現存する最古の歌集である万葉集に「紅葉」という言葉が出てくることから、少なくとも約1200年前には、貴族の間で紅葉狩りが行われていたことが分かっています。しかし、現在のように行事として定着しているわけではありませんでした。

江戸時代中期に、伊勢神宮を参詣する「伊勢講」や熊野三山を参詣する「熊野詣」が流行した影響により、庶民の間で紅葉狩りが一般化しました。この時代に、紅葉した木の下に集まり秋の味覚を楽しむという現代の紅葉狩りに近い形が作られていったと言われています。

現代では、野山のほか街路樹、公園、庭園など、葉が紅く色づいた木々を見られる場所が多く、秋には多くの人が紅葉狩りを楽しんでいます。

紅葉狩りの意味【木が紅く染まる景色を楽しむ行事】

「もみじ」を「紅葉」と書くようになった由来

「紅葉」という言葉は、「揉み出づ」という動詞から変化したと言われています。

古代の日本人は、紅花を揉んで色を抽出することを「揉み出づ(もみいづ)」という動詞で表現していました。そのときに抽出された色と、秋に色づく落葉樹の色合いが似ていたことから、落葉樹の葉が紅くなる様子に対して「揉み出づ」を省略した「もみつ」という表現が使われ始めました。

その後、紅くなった葉そのものを「もみつ」の連用形である「もみち」で名詞化して呼ぶようになり、それが時代の変化とともに濁音化して、「もみじ」になったといわれています。

「もみじ」を「紅葉」と書くようになった由来

紅葉狩りに「狩り」が付いている由来

紅葉狩りの「狩り」とは「鑑賞すること」を指します。

平安時代中期に書かれた「宇津保物語」では、桜の花を鑑賞することが「桜狩り」と表現されており、「狩り=鑑賞」という理解はその頃からすでに広まっていたようです。

他にも、紅葉狩りに「狩り」が付けられるようになった由来で、有力なものを3つ紹介します。

貴族が紅葉を眺めることを「狩り」に例えた

ひとつは、紅葉の鑑賞を「狩り」に例えたという説です。

紅葉を見るためには、牛車(ぎっしゃ)では進めない山道を歩く必要があります。しかし、平安時代の貴族にとって歩くことは下品な行為とされていたため、「狩り」という名目で紅葉の鑑賞を楽しんでいたと考えられています。

紅葉の木の枝を折って鑑賞していた

平安時代の貴族たちが実際に紅葉の枝を折り(狩って)、手にとって鑑賞していたという説も有力です。

獲物を狩るように、紅葉の枝を折って集めていたと考えられます。なお、現在では紅葉の木を折るのは禁止されているため、見て楽しむだけにしましょう。

「鬼女紅葉伝説」の登場人物から広まった

「紅葉狩り」という言葉の由来には、平安時代に紅葉(もみじ)という女性を平維茂(たいらのこれもち)という武将が討ち取った(狩った)という伝説に由来しているという説もあります。

紅葉はかつて貴族の側室になるほどの美しい女性でしたが、京から追放されて山里で暮らすようになりました。はじめは村で穏やかに暮らしていましたが、次第に近隣の村を荒らすようになり、やがて「鬼女」と呼ばれるようになったといいます。

その後、朝廷の命を受けて紅葉の退治に乗り出した維茂は、最初は苦戦を強いられますが、神仏の力を借りることで見事紅葉を征伐したとされています。

紅葉狩りの楽しみ方5選

紅葉狩りには、さまざまな楽しみ方があります。おすすめの楽しみ方を5つ紹介しますので、これから紅葉狩りに出かける方はぜひ参考にしてみてください。

綺麗な風景を見て楽しむ

木々が紅葉している美しい風景を眺めているだけでも、紅葉狩りを十分に楽しめますが、さらに山や滝、渓谷などの景色と紅葉のマッチングに注目すると、美しくて迫力のある光景を楽しむことができます。

公園でピクニックしながら楽しむ

秋の公園は、絶好の紅葉狩りスポットです。近所に公園があれば、紅葉がしっかりと色づいて天気も良いタイミングを狙って足を運べるでしょう。

都市部の公園にはイチョウ並木が多く、秋には視界一面に鮮やかな黄色が広がります。公共交通機関で行ける都市公園なら、近隣のカフェやパン屋さんでランチをテイクアウトして、ピクニック気分で紅葉を鑑賞するという楽しみ方もあります。

公園でピクニックしながら楽しむ

秋が旬の食べ物と一緒に楽しむ

「食欲の秋」と紅葉狩りを同時に楽しむのもおすすめのプランです。

紅葉の季節には、栗やサンマ、サツマイモといった数多くの食材が旬になり、美味しい商品も多く出回ります。紅葉スポットで旬の食材を取り入れたお弁当を食べれば、視覚だけでなく、味覚でも秋を実感できるでしょう。

近年は、紅葉スポットの周辺で秋の味覚をつかったメニューを用意している飲食店も多いため、友人や家族と一緒に、紅葉と飲食店巡りを楽しむプランを組むのもおすすめです。

寺社や庭園などで和に触れながら楽しむ

お寺や庭園に出かけて紅葉を見るのも、おすすめの楽しみ方のひとつです。

お寺や庭園は、普段からしっかりと手入れが行き届いているだけではなく、“和”を演出するように作られているため、美しい景観を楽しめます。

なかには、紅葉の時期に合わせて特別拝観を行っているお寺や、夜間のライトアップをしている庭園などもあり、紅葉と和のマッチングを楽しむことができるのでおすすめです。

温泉に浸かりながら楽しむ

心身の疲れを癒せる温泉に浸かりながらの紅葉狩りも、至福のひとときとなります。

人混みが苦手という方は、混雑する有名な紅葉スポットでは落ち着いて紅葉鑑賞を楽しめないかもしれません。

その点、ゆっくりとお湯に浸かりながら、秋の風物詩でもある紅葉を眺められる温泉は、紅葉狩りの時間をおだやかに過ごしたい方に適しています

2024年の紅葉の見頃・おすすめスポット【地域別】

紅葉の見頃は地域によって変わります。

以下に、日本気象協会が発表した2024年の紅葉の見頃予想[1]とおすすめスポットを地域ごとに紹介します。紅葉狩りのスケジュールを立てる際にお役立てください。

北海道・東北:9月下旬~11月下旬

北日本は秋の訪れが早く、日本では最初に紅葉シーズンを迎える地域です。

日本の最北端に位置する北海道は最も紅葉の早い地域で、9月下旬頃から紅葉が見られます。例年の見頃は9月下旬から11月上旬ごろですが、2024年は平年並みかやや遅い傾向にあります。

東北地方の紅葉の見頃は、例年9月下旬から11月下旬頃ですが、2024年は平年より遅い傾向にあります。東北地方では、渓流や峡谷などの大自然の中で色づく紅葉を眺めることができます。

2024年の見頃 例年の見頃
定山渓
(北海道)
10月9日から 10月上旬~10月中旬
大沼国定公園
(北海道)
10月25日から 10月中旬~11月上旬
奥入瀬渓流
(青森県)
10月26日から 10月中旬~11月上旬
鳴子峡
(宮城県)
11月7日から 10月中旬~11月上旬
裏磐梯
(福島県)
10月25日から 10月中旬~11月上旬

温泉に浸かりながら楽しむ

関東・甲信越:10月上旬~12月上旬

関東・甲信越地方では、例年10月上旬から12月上旬ごろに紅葉の見頃を迎えます。2024年の見頃は、例年よりもやや遅い傾向にあります。

関東では、山間部の観光地に加えて、都市部の公園などにも紅葉の名所が多くあります。旅行はもちろん、日帰りで気軽に紅葉を楽しむのもおすすめです。

甲信越は高い山が多く、標高の高い地域では10月上旬頃から紅葉シーズンが始まります。山間部では、山一面が紅色や黄色に染まる絶景を眺めることができます。

2024年の見頃 例年の見頃
日光・華厳滝
(栃木県)
10月24日から 10月上旬~10月下旬
明治神宮外苑
(東京都)
11月中旬から 11月中旬~12月上旬
高尾山
(東京都)
11月18日から 11月中旬~12月上旬
河口湖畔
(山梨県)
11月中旬から 11月上旬~11月下旬
弥彦公園
(新潟県)
11月13日から 10月下旬~11月中旬
上高地
(長野県)
10月17日から 10月上旬~11月上旬

近畿・東海・北陸:10月中旬~12月上旬

近畿・東海・北陸地方では、例年10月中旬から12月上旬までが紅葉シーズンとなりますが、2024年は平年並みかやや遅い傾向にあります。気候や地域、標高によっては、10月上旬から葉の色が変わったり、12月下旬まで紅葉が続いたりする地域もあります。

近畿地方では、11月中旬から12月上旬頃にかけて紅葉を迎えます。歴史的建造物の多い近畿地方では、お寺や神社、お城などと紅葉のコラボレーションが圧巻です。

東海地方では、10月中旬から11月下旬頃が紅葉シーズンです。渓谷や川、滝などの観光地に紅葉の名所が多く、水辺にライトアップされた美しい景色を望めるスポットもあります。

北陸地方では、10月下旬から11月下旬頃に紅葉シーズンを迎えます。北陸地方にも、渓谷や古い歴史を持つ建造物、庭園などと紅葉を一緒に楽しめる観光地が多くあります。

2024年の見頃 例年の見頃
嵐山
(京都府)
11月26日から 11月下旬~12月上旬
勝尾寺
(大阪府)
11月中旬から 11月中旬~12月上旬
姫路城
(兵庫県)
11月中旬から 11月中旬~11月下旬
白川郷
(岐阜県)
10月28日から 10月中旬~11月中旬
香嵐渓
(愛知県)
11月23日から 11月中旬~11月下旬
黒部渓谷
(富山県)
11月上旬から 10月下旬~11月中旬
兼六園
(石川県)
11月下旬から 11月中旬~11月下旬

関東・北陸・東海:10月中旬~12月上旬

中国・四国・九州:10月下旬~12月上旬

中国・四国・九州地方では、例年10月下旬から12月上旬まで紅葉を楽しめます。

中国・四国地方では、11月上旬から11月下旬頃に紅葉を楽しむことができます。秋には、公園や大自然などのさまざまな観光名所が紅葉スポットとなり、毎年多くの人で賑わいます。

九州地方は、11月上旬から12月上旬頃が紅葉シーズンです。断崖が続く渓谷など、大自然の絶景と紅葉を同時に味わえるスポットが豊富にあります。

2024年の見頃 例年の見頃
宮島
(広島県)
11月23日から 11月中旬~11月下旬
大山
(鳥取県)
11月6日から 10月下旬~11月上旬
寒霞渓
(香川県)
11月18日から 11月上旬~11月下旬
秋月城址
(福岡県)
11月中旬から 11月中旬~11月下旬
深耶馬渓
(大分県)
11月19日から 11月上旬~11月下旬
高千穂峡
(宮崎県)
11月21日から 11月中旬~11月下旬

まとめ

鮮やかに色づいた景色を見ているだけでも、十分に紅葉狩りを楽しめます。加えて、紅葉狩りの意味や歴史的な由来を知っておけば、さらに味わい深いものになるでしょう。

ご紹介した楽しみ方やスケジュールを参考に、この秋はぜひご家族やご友人と一緒に紅葉狩りに出かけてみてはいかがでしょうか。

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