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赤ちゃんの体重ってどう増えるの?1歳までの増加目安を一覧表で解説
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ママの母乳の出方には個人差があり、産後すぐに母乳がたくさん出るとはかぎりません。また、産まれたばかりの赤ちゃんはうまく吸えなかったり、ミルクを飲ませても上手に飲めなかったりすることがよくあります。そんなときに気になるのが体重の増え方。定期的に行う健康診査が近づいてくると、「赤ちゃんの体重が思うように増えていない」と心配に思う方は多いことでしょう。そんな不安が解消できるように、この記事では赤ちゃんの月齢ごとの体重の目安や体重の量り方、母乳/ミルク育児のことまで詳しく解説していきます。
新生児の体重は成長のバロメーター
新生児とは、産まれてから生後4週(28日)未満の赤ちゃんのこと。新生児の体重の変化は、成長のバロメーターのひとつとして考えられています。体重が毎日少しずつ増えていれば、順調に成長していると思ってよいでしょう。
ただし、赤ちゃんの成長には個人差があります。産まれてすぐの赤ちゃんの胃はとても小さいので一度にたくさん量は飲めませんし、母乳やミルクをあまり飲んでくれない子もいるものです。さらに、最初のうちは母乳の出もよくなく、ミルクのように飲んだ量が目に見えないので、ちゃんと飲んでいるのか不安に思うことでしょう。
「体重が増えない」「母乳の飲みが悪い」「ミルクを飲む量が減った」など、気になることがあれば、赤ちゃんを出産したクリニックや各自治体の育児相談窓口などを活用して、不安を解消しましょう。
「発育曲線」を参考に、適切な体重増加を知ろう
乳幼児には、適切な体重増加の目安があります。参考にするのが、厚生労働省が10年ごとに調査・作成している「発育曲線」と呼ばれる帯グラフ。帯の中には各月・年齢の94%の子どもの値が入るので、自分の子どもが全体のなかでどのくらいの発育状況なのかが、目安としてわかります。
発育曲線は母子手帳に掲載されていますので、体重を量ったらグラフに記入しておくといいでしょう。特に生後0~12カ月は、一生のうちで最も身体が成長する時期です。赤ちゃんの身長・体重を量ったら発育曲線と照らし合わせて、成長の具合をチェックしておきましょう。
参考:厚生労働省「一般調査及び病院調査による乳幼児身体発育値及び発育曲線」(平成22年調査)
生後1カ月は1kg増が目安
出生時から生後1カ月までに1kg体重が増えていれば、成長に問題はないと言ってよいでしょう。1日で約30g体重が増えていく計算です。
もちろん赤ちゃんの成長スピードには個人差があるため、体重増加が900gの子もいれば、1kg以上体重が増えている子もいます。1日に約30g増加という数字を目安にして、定期的に体重を確認してあげましょう。
発育曲線の帯に沿って成長していればOK
発育曲線はたくさんの子どものデータの平均をプロットしたものです。発育曲線の帯の中に入っていないと不安に思いがちですが、これは発育の問題を示すものではなく、どの辺にいるかを確認するための目安。乳幼児の発育は個人差が大きいので、その子がその子なりに帯に沿って順調に育っていればOKです。
気にすべきは、数カ月単位のデータをまとめて見たとき。発育曲線の帯より大きくはずれていく(太りすぎ、やせすぎ)、成長が止まってグラフが横ばいになった、体重だけ増えて急に右肩上がり、といった異常が見てとれたら、かかりつけ医に相談したほうが安心です。
母乳かミルクかで、体重の増え方は変わる?
赤ちゃんの体重増加で、切っても切れないのが栄養方法の話。母乳かミルクかによって、体重の増え方が変わってくることがあるからです。
母乳育児
母乳育児とは母乳で赤ちゃんを育てる状態のことで、母乳のみのことを「完全母乳」、足りない分をミルクで補う場合を「混合」と言います。一般的に完全母乳で育てている赤ちゃんは、体重の増加が緩やかな傾向があります。
母乳はあげた量が目に見えないため不安に感じると思いますが、授乳のリズムが整うまでは、母乳は赤ちゃんが欲しがった分だけ与えてよいと言われています。また、初めは母乳の出がよくなくても、赤ちゃんに吸わせるうちに母乳が出てくるようになるので、焦らずあげていきましょう。
ミルク育児
ミルク育児とは、粉ミルクや液体ミルクなど、人工乳で赤ちゃんを育てることを言います。哺乳瓶を使うので、どのくらいミルクを飲んだか量がわかりやすく、体重の管理がしやすいことがメリットです。ただし、母乳よりもミルクはゆっくり消化するため、1回の目安量は大幅に超えないことと、間隔をあけることが大切。欲しがるだけあげてしまうと、逆に体重が増え過ぎてしまうので注意が必要です。
新生児の体重の量り方
新生児の体重を量る際は、タイミングと体重計に注目しましょう。特に量るタイミングによっては体重が大きく増えたり減ったりすることもあるので、正しい測定を心がけましょう。
量るタイミングは?
赤ちゃんの体重を量るときには、だいたい同じ時間帯に量りましょう。体重はずっと右肩上がりでなく、増えたり減ったりを繰り返しながら成長していくので、神経質に毎日乗る必要はありません。
赤ちゃん用の体重計を使おう
赤ちゃんの体重は1g単位で計測するため、出産前に赤ちゃん用の体重計(ベビースケール)を準備しておくとより安心です。オンラインショップやベビー用品店で購入することも可能ですが、赤ちゃんのうちだけ使うことを考えたらレンタルで済ますのもありです。
また、ベビースケールはクリニックや保健センターに置いてあるほか、商業施設やベビー用品店の授乳室でも見かけます。お出かけの際、おむつ替えで立ち寄ったときに体重計測しておくといいでしょう。
新生児の体重の目安を表でご紹介
産まれたばかりの赤ちゃんが1歳になるまでには、体重は出生時の約3倍まで増えるといわれていますが、発育曲線は成長するにつれてだんだんカーブが緩やかになっていくものです。また、新生児から12カ月までの体重目安は、男の子と女の子でも若干異なり、一般的に女の子よりも男の子の方が身長と体重ともに著しく増加する傾向があります。
ここでご紹介する数値は平均値です。値より少なくても(または多くても)、同様の発育曲線で成長していれば問題ありません。数値そのものではなく、毎月どのくらいずつ増えているかを参考にしてください。
新生児から12カ月までの体重目安表・男の子
まずは、男の子の出生時から12カ月までの身長・体重の平均値についてご紹介します。
あくまでも目安ですが、男の子はおおむね12カ月で6kg程度体重が増え、約25cm身長が伸びています。
【男の子の体重と身長の平均値(平成22年調査)】
月齢 | 体重 | 身長 |
---|---|---|
出生時 | 2.98kg | 48.7cm |
生後1カ月~2カ月未満 | 4.78kg | 55.5cm |
生後2カ月~3カ月 | 5.83kg | 59.0cm |
生後3カ月~4カ月 | 6.63kg | 61.9cm |
生後4カ月~5カ月 | 7.22kg | 64.3cm |
生後5カ月~6カ月 | 7.67kg | 66.2cm |
生後6カ月~7カ月 | 8.01kg | 67.9cm |
生後7カ月~8カ月 | 8.30kg | 69.3cm |
生後8カ月~9カ月 | 8.53kg | 70.6cm |
生後9カ月~10カ月 | 8.73kg | 71.8cm |
生後10カ月~11カ月 | 8.91kg | 72.9cm |
生後11カ月~12カ月 | 9.09kg | 73.9cm |
参考:厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査の概況について」
新生児から12カ月までの体重目安表・女の子
続いては、女の子の新生児から12カ月までの体重の目安をご紹介します。
男の子に比べて、女の子のほうが体重の増加が緩やかな傾向がみられます。もちろん個人差はありますが、1歳になる頃には5.6kgほど体重が増え、約24cm身長が伸びています。
【女の子の体重と身長の平均値(平成22年調査)】
月齢 | 体重 | 身長 |
---|---|---|
出生時 | 2.91kg | 48.3cm |
生後1カ月~2カ月未満 | 4.46kg | 54.5cm |
生後2カ月~3カ月 | 5.42kg | 57.8cm |
生後3カ月~4カ月 | 6.16kg | 60.6cm |
生後4カ月~5カ月 | 6.73kg | 62.9cm |
生後5カ月~6カ月 | 7.17kg | 64.8cm |
生後6カ月~7カ月 | 7.52kg | 66.4cm |
生後7カ月~8カ月 | 7.79kg | 67.9cm |
生後8カ月~9カ月 | 8.01kg | 69.1cm |
生後9カ月~10カ月 | 8.20kg | 70.3cm |
生後10カ月~11カ月 | 8.37kg | 71.3cm |
生後11カ月~12カ月 | 8.54kg | 72.3cm |
参考:厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査の概況について」
体重増加はあくまで「目安」です。
赤ちゃんの体重についていろいろご紹介してきましたが、上記はあくまでも平均値です。赤ちゃんには個人差があり、成長スピードはそれぞれ。出生体重が違うように、成長が遅めの赤ちゃんもいれば、どんどんと大きく育っていく赤ちゃんもいます。
ミルクや母乳をよく飲み、機嫌がよく、排せつ物がしっかり出ているようであればまず問題ないでしょう。気になることがあれば産院、小児科、自治体の子育て相談窓口に連絡を。
赤ちゃんの体重が増えない……。その原因と対処法
赤ちゃんの成長は一定ではないとわかっていても、赤ちゃんの体重が増えていかないと不安に感じる方もいるのではないでしょうか。新生児の体重が増えない場合、いくつかの原因が考えられます。以下では、赤ちゃんの体重が増えない原因と対処法について解説していきますので、悩んでいる方はぜひチェックしてみてください。
母乳が足りていない
おっぱいを吸うことに慣れていなくて、しかも一度にたくさん飲めない新生児のうちは、「泣いたら授乳」の繰り返し。ただし、おっぱいから離れたがらなかったり、授乳する間隔が1時間程度だったりする場合は、母乳が足りていない可能性があります。
母乳の出が悪くてもまずは吸ってもらうことが大事なので、完全にミルクへは置き換えず、母乳+ミルクの混合で様子見を。母乳がしっかり出るようになったら、完全母乳に戻してみましょう。
補うミルクの量や完全母乳へ戻すタイミングなど、わからないことは産院や自治体の新生児訪問時に相談を。また、乳房マッサージや母乳育児相談を行っている助産院もありますので、頼ってみてもいいでしょう。
体重が増え過ぎてしまったら?
体重が思ったように増えていかない赤ちゃんがいる一方で、体重が増え過ぎる赤ちゃんもいます。体重が増える原因は、だいたいが母乳やミルクの飲み過ぎです。起きる時間が長くなり活動量が増えてくれば、消費エネルギーが自然と増えます。体重の増加も緩やかになっていくので、焦らずしばらくは様子を見ましょう。
発育曲線からあまりにも離れ過ぎてしまったら、かかりつけ医に一度相談したほうがいいでしょう。勝手な判断で授乳回数やミルクの量を減らすのは、かえってよくありません。
まとめ
ここまで赤ちゃんの体重の増え方や測り方、増え過ぎたときの原因と対処法などについてご紹介してきました。
赤ちゃんの体重が思うように増えていかないと、心配になってしまいますよね。でも、神経質になりすぎないのが一番。赤ちゃんが元気にしていれば、気にしすぎることはありません。
心配ごとがあれば、産院やかかりつけの小児科、子育て相談窓口等に頼るのがおすすめ。一人で抱え込まず、悩みを解決していきましょう。
監修:アドバンス助産師 S
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