乳幼児

医師監修:キャベツの離乳食レシピ!月齢別の調理法も解説

離乳食は、いつごろどんな食材を与えれば良いのか不安ですよね。キャベツは離乳食初期(生後5~6か月)から与えられる栄養豊富な野菜で、ゆでると甘みが増して食べやすくなります。ただ、キャベツをどう離乳食にアレンジするか悩むところです。

そこで今回は、キャベツを離乳食で使う際のポイントや成長段階に合わせた調理法、キャベツを使った離乳食のレシピについてご紹介します。

監修者

井上 信明(いのうえ のぶあき)
日本小児科学会専門医・同指導医/米国小児科専門医/米国小児救急専門医

日本の医学部を卒業後、日本、アメリカ、オーストラリアにて小児科および小児救急の研修を行う。

キャベツは離乳食初期から食べてOK

キャベツは、離乳食初期から安心して使える食材です。ゆでると自然な甘みが引き立つため、赤ちゃんにとっても食べやすく、離乳食初期(生後5~6か月ごろ)の野菜としておすすめです。とくに、内側のやわらかい葉は消化に良いため、離乳食初期の赤ちゃんでも無理なく食べられます。

キャベツにはビタミンKやカルシウム、食物繊維が含まれており[1]、赤ちゃんの骨や腸内環境の発達に役立ちます。離乳食初期〜中期(生後7~8か月ごろ)にかけてはゆでてからすりつぶす、後期(生後9~11か月ごろ)以降は粗みじん切りにするなど、月齢に応じて調理方法を変えて工夫しましょう。

キャベツ

キャベツを離乳食で使うときのポイント

キャベツを使った離乳食を作る際のポイントは、以下のとおりです。

上記のポイントを意識すると、栄養のあるキャベツを食べやすい離乳食として与えやすくなります。それぞれのポイントについて、詳しく解説します。

キャベツの内側の柔らかい葉を使う

赤ちゃんにキャベツを与える際は、何枚かむいて、内側の柔らかい葉を使うのがポイントです。内側の葉は繊維が柔らかく消化しやすいため、離乳食に適しています。

芯の部分は硬く消化しにくいので、離乳食初期のころは取り除いてあげましょう。中期以降であっても、やわらかく調理した葉を中心に与えると、赤ちゃんでも無理なく食べられます。

柔らかくなるまでゆでてから調理する

キャベツは、ゆでて柔らかくしてから調理すると、赤ちゃんが飲み込みやすくなります。ゆでることで、繊維がほぐれて自然な甘みが引き出されます。

離乳食に使うときは、月齢に合わせて柔らかくなったキャベツをさらにすりつぶしたり、みじん切りにしたりして調理します。

1週間分をまとめて冷凍保存する

毎回キャベツをゆでてすりつぶすのは手間がかかるため、まとめて調理して冷凍保存するのもおすすめです。水気をしっかりきり、小分けにしてラップや保存袋に入れて冷凍すると、使いたい分だけ解凍して手軽に使えます。

冷凍したキャベツを使うときは、電子レンジなどで解凍した後、おかゆやスープに混ぜて加熱調理します。一度ゆでて柔らかくしたキャベツは短時間で調理できるため、時短になります。

【月齢別】キャベツを離乳食にする際の調理方法

キャベツを離乳食に使う際は、以下のように月齢に合わせて調理しましょう。

適切な調理方法で赤ちゃんに離乳食を与えると、食べてもらいやすくなるだけでなく、栄養もしっかりとれるようになります。それぞれの調理方法について詳しく解説するので参考にしてください。

初期(5~6か月):ペースト状にする

離乳食初期(5~6か月ごろ)の赤ちゃんには、キャベツをしっかりゆで、なめらかなペースト状にして与えましょう。芯は取り除き、葉の柔らかい部分をゆでてからすりつぶすか裏ごしをすると、なめらかな食感に仕上がります。

おかゆに混ぜたり、ほかの野菜とコンソメやだしをベースに合わせたりして、味にバリエーションをつけるのもおすすめです。

ペースト状のキャベツ

中期(7~8か月):みじん切りにして煮る

離乳食中期(7~8か月ごろ)は、キャベツを細かくみじん切りにして調理する方法がおすすめです。細かく切ることで、食感を残しつつも飲み込みやすくなります。

また、じっくり煮ることで甘みも加わります。おかゆやスープに加えると、自然なとろみがつき、赤ちゃんが飲み込みやすくなりおすすめです。他の野菜と合わせて煮込めば、栄養バランスも整いやすくなります。

後期(9~11か月):5mmほどの粗みじんにする

離乳食後期(9~11か月ごろ)は、キャベツを5mm角ほどの粗みじんにして調理します。粗めにみじん切りにすることで、歯が生え始めた赤ちゃんの噛む練習にもなります。

キャベツにとろみをつけたり、他の野菜やジャガイモと合わせたりすると、さらにバリエーションを増やせます。また、キャベツ独特の甘みや風味が楽しめるため、赤ちゃんの食の興味を引き出すのにも役立ちます。

完了期(1歳~1歳半):白い茎の部分で歯ごたえを楽しむ

離乳食完了期(1歳~1歳半)になると、キャベツの白い茎部分もゆでれば少しずつ与えられるようになります。茎は葉とは異なりしっかりとした食感があるため、赤ちゃんの噛む力の発達にもつながります。

芯の部分は硬いのでゆでてやわらかくしてから使用し、調理の際は葉とバランスよく混ぜましょう。キャベツを余すことなく使うことで、赤ちゃんにさまざまな食感や味を教えてあげられます。

キャベツを切っているシーン

【月齢別】キャベツを使った離乳食レシピ

キャベツを使った人気の離乳食レシピについて、月齢別に紹介します。

初期(5~6か月)の離乳食レシピ

生後5〜6か月の赤ちゃんは、まだ自分で噛み砕く力がないため、飲み込みやすい離乳食がおすすめです。

キャベツのペースト

キャベツの甘みを活かしたなめらかなペースト状のメニューです。初めてキャベツを食べる場合も、無理なく飲み込みやすいでしょう。

  1. 内側の柔らかい葉をクタクタになるまでゆでる
  2. 硬い芯の部分は取り除き、すりつぶすか裏ごししてペースト状にする

中期(7~8か月)の離乳食のレシピ

生後7〜8か月の赤ちゃんは少しずつ歯が生え始めますが、まだ柔らかい離乳食を中心に与える必要があります。キャベツ以外の野菜も組み合わせながら、栄養バランスを考えたレシピを与えるのがおすすめです。

キャベツのおかゆ

キャベツを7倍がゆ(米の量に対して水の量が7倍)に加えれば、野菜の栄養をとりつつ食べ応えも感じられる一品に仕上がります。他の野菜とも組み合わせやすく、栄養バランスを整えられるので、おすすめです。

  1. キャベツを柔らかくなるまでゆで、すりつぶすかみじん切りにする
  2. にんじんなどの他の野菜もゆでて柔らかくし、すりつぶす
  3. すりつぶした野菜を7倍がゆに混ぜる

後期(9~11か月)の離乳食のレシピ

キャベツのスープ

歯の生え始める時期には個人差がありますが、一般的に、生後9〜11か月になると上下の歯が生えるため、食べ物を噛む練習もゆっくり進めていきましょう。

キャベツとジャガイモのスープ

キャベツとジャガイモのスープは、離乳食後期にピッタリの栄養たっぷりなスープです。キャベツの自然な甘みとジャガイモのほくほく感が相まって食欲が増すほか、噛む練習にもつながります。栄養バランスを考え、にんじんや玉ねぎを加えるのもおすすめです。

  1. キャベツを粗みじんにする
  2. ジャガイモと一緒にコンソメと水で煮込む

完了期(1歳~1歳半)の離乳食のレシピ

お好み焼き

1歳〜1歳半の完了期に入るころには、食感が楽しめる離乳食へ徐々に切り替えていきましょう。赤ちゃんの自立心を育むためにも「手づかみ食べ」をしやすいメニューがおすすめです。

キャベツ入りお好み焼き

キャベツのシャキッとした食感を活かしたお好み焼きは、野菜の甘みも楽しめます。好みに合わせて少量のソースやマヨネーズを添えると、食事を楽しめるはずです。

  1. キャベツ、好きな野菜を細かくみじん切りにする
  2. 卵、水、小麦粉をボウルに入れて混ぜ、切った野菜を加える
  3. フライパンでしっかりと焼き、お好みでソースやマヨネーズをかける

まとめ

キャベツは、生後5~6か月ごろの離乳食初期から食べられる栄養豊富な食材です。月齢に合わせた調理法で離乳食に取り入れ、自然な甘みを引き出せば、赤ちゃんも食べやすくなります。

また、冷凍保存すると、毎日の離乳食作りもスムーズに進められるでしょう。キャベツを使ったレシピのレパートリーを増やし、赤ちゃんが楽しく食事できるよう工夫しながら、健やかな成長をサポートしていきましょう。

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