カフェインレスコーヒーは妊娠中でも飲んで大丈夫?デカフェとの違いも解説
最近、「妊娠中でも安心して飲める」として、カフェインの摂取量を抑えることができる「カフェインレスコーヒー」が注目を集めています。しかし、本当にカフェインレスコーヒーは妊婦が飲んでも大丈夫なのか、不安な方も多いでしょう。
また、カフェインレスコーヒーやデカフェ、ノンカフェインなど、さまざまな商品があり、どういった違いがあるのかも気になるところです。そこで今回は、妊娠中にカフェインレスコーヒーを飲むことの影響や、デカフェ・ノンカフェインとの違い、カフェインが妊婦に及ぼす影響を解説していきます。
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カフェインレスコーヒーは妊娠中に飲んでも大丈夫?
妊娠中は、摂取する食べ物や飲み物の成分に配慮する必要があります。カフェインについても、摂取しても大丈夫なのか心配する方は多いことでしょう。そこで、まずは妊娠中にカフェインレスコーヒーを飲んでも問題ないのか、解説していきます。
量に気を付ければ妊娠中でも基本問題なし
結論から言うと、カフェインレスコーヒーには少量のカフェインが含まれていますが、適量であれば妊娠中に飲んでも問題ありません。
カフェインレスコーヒーとは、カフェイン量を90%以上除去したコーヒーを指します。通常のコーヒーを飲むよりもカフェインの摂取を抑えることができるので、毎食1杯ずつ飲む程度であれば妊娠中でも安心して飲むことができます。
カフェインレスコーヒーのカフェイン量について詳しくは、後述の「▼カフェインレス:カフェイン量を90%以上除去したコーヒー」をご覧ください。
なお、カフェインレスのほかに、「デカフェ」と記載されたコーヒーもあります。デカフェとはカフェインを抑えた飲み物の総称であり、カフェインを除去する量に規定がない点には注意が必要です。
詳しくは、後述の「▼デカフェ:カフェインを取り除いた飲料全般」をご覧ください。
妊娠中のコーヒーは「2杯程度まで」が基準
英国食品基準庁(FSA)によると、妊婦の1日あたりのカフェイン摂取量は約200mgまでが安全とされています[1]。これは、通常のコーヒーだとマグカップ2杯分程度の量です(※)。
前述のとおり、カフェインレスコーヒーはカフェイン量を90%以上除去したコーヒーなので、通常のコーヒーの約10倍=マグカップ20杯程度で上記の基準量に達することになります。とはいえ、カフェインレスコーヒーであってもミルクや砂糖などの摂り過ぎにはつながりますので、飲み過ぎは避けましょう。
また、カフェインはコーヒーだけでなく、緑茶や紅茶にも含まれている点に注意が必要です。緑茶(煎茶)の場合は湯呑み6杯まで、紅茶の場合はティーカップ5杯までが妊娠中の1日あたりの適量です(※)。
※:マグカップ1杯を150mL、湯呑み1杯を150mL、ティーカップ1杯を130mLで計算。
カフェインの過剰摂取による影響一覧
カフェインを過剰に摂取した場合、以下の作用や影響が考えられます[2]。
- 胎児の低体重
- 胎児の成長の阻害
- めまい
- 心拍数の増加
- 興奮
- 不安
- 震え
- 不眠症
- 下痢
- 吐き気
- 頭痛
- イライラ感
- 脱水症状
- 緊張感など
カフェインの大量摂取により、母体だけでなく胎児が発育不全で低体重になるリスクがあります。安全性を高める意味合いでもカフェインを大量に摂取することのないよう気を付けましょう。
「カフェインレス」と「デカフェ」の違い
カフェインレスと似た商品に「デカフェ」があります。デカフェという言葉は聞いたことがあるものの、「カフェインレスとデカフェの違いがわからない」という方は多いでしょう。
カフェインレスとデカフェはどちらもカフェインを抑えた飲料であるものの、明確な違いがあるので、安全に飲むためにも違いを知っておきましょう。ここからはカフェインレスとデカフェの違いについて解説します。
カフェインレス:カフェイン量を90%以上除去したコーヒー
カフェインレスとは、「本来含まれているカフェインを取り除いた飲料」を指します。
コーヒーにおける「カフェインレス」の表記は、全日本コーヒー公正取引協議会が定めた規約[3]に基づいています。コーヒー飲料の場合は、カフェイン量を90%以上除去しないと、商品に「カフェインレス」の表記を入れることができません。
ちなみに、カフェインレスコーヒーを作る場合、焙煎前の生豆の状態でカフェインを取り除く手法が用いられます。
デカフェ:カフェインを取り除いた飲料全般
デカフェとは、「カフェインを取り除いた飲料全般」を指します。カフェインを取り除く量に規定がなく、カフェイン量を少しでも減らしていれば「デカフェ」と表記できます。
デカフェの語源はフランス語の「décaféiner」で、「dé」(取り除く)+「caféine」(カフェイン)と考えられています。確実にカフェイン量が少ないコーヒーを飲みたい場合、カフェイン量を90%除去した「カフェインレスコーヒー」がおすすめです。
「ノンカフェイン」はカフェインゼロの飲料を指す
飲料によっては、「ノンカフェイン」と表記されているものも見たことがあるかと思います。
ノンカフェインとは、「完全にカフェインを含まない飲料」を指します。コーヒーに含まれているカフェインをゼロにするのは困難なため、基本的にコーヒーをベースにしたものはノンカフェインと呼ばれません。
例えば、たんぽぽで作られる「たんぽぽコーヒー」はコーヒーに似た味ですが、コーヒー豆から作られたものではないため、ノンカフェインコーヒーとされています。また、ルイボスティーやハーブティー、麦茶もノンカフェインの飲み物です。カフェインの摂取を避けたい方には、ノンカフェイン飲料をチェックしてみましょう。
カフェインレスコーヒーがおすすめの人
カフェインが持つ成分は体にさまざまな影響を与えます。健康体の人でも、飲みすぎることで体調を悪くする可能性があり、適度な摂取が望ましいとされています。なかでも、以下に当てはまる人は、カフェインレスコーヒーを飲むことをおすすめします。
妊娠中の方
妊娠中の方は、胎児に悪影響を与えてしまう可能性が指摘されている[1]ため、カフェインの摂取量を1日コーヒー2杯分までに抑えることが推奨されます。
カフェインレスコーヒーは、カフェイン量が普通のコーヒーよりも大幅に少なく、妊婦の方でも安心して飲めます。味も普通のコーヒーに近いため、コーヒー好きの方でも満足できるでしょう。カフェイン量をゼロに抑えたいという方は「ノンカフェイン」を選びましょう。たんぽぽコーヒーやノンカフェインのお茶などが安心して飲めます。
夜にコーヒーが飲みたい方
夜まで仕事や作業をしているとき、コーヒーを飲んで一息つきたくなったことはありませんか?しかし、カフェインは脳を興奮させる作用があり、眠れなくなることがあります[1]。
そんなとき、カフェインレスコーヒーであれば、寝る前に飲んでも睡眠への影響が少なく抑えられるため、夜でも気軽に飲みやすくなります。
カフェインが得意ではない方
カフェインには心拍数の増加・興奮・不安・震え・不眠症・下痢・吐き気などの健康被害が生じる可能性があります[1]。過剰に摂取しなければほとんど起こらないことですが、体質的にカフェインが得意ではないという人は少量の摂取でも体調の悪さを感じることがあります。
一方、カフェインレスコーヒーであればカフェインがほとんど取り除かれているため、これらの健康被害が発生する心配は抑えられるでしょう。カフェインが苦手な人でも安心して、コーヒーをおいしく楽しむことができます。
カフェインレスコーヒーの味は?
カフェインレスコーヒーは、通常のコーヒーと比較してカフェインが90%以上取り除かれているため、「味が薄いのではないか?」とイメージを持つ人が少なくありません。
コーヒーが好きな人にとって、コーヒーのおいしさとは「苦み」や「深み」、焙煎の仕方で異なる「酸味」です。そのため、カフェインが取り除かれたことでそれらが無くなってしまうのかどうかは、気になる点だと思います。
そんなコーヒー好きの人向けに、カフェインレスコーヒーの味の特徴や、おいしい飲み方についてご紹介していきます。
口当たりが軽くすっきりと飲みやすい傾向
カフェインレスコーヒーは苦みのもとであるカフェインが取り除かれているため、苦みの少ない傾向にあります。決して味が薄いというわけではありません。苦みが少ないことで口当たりが軽くなり、すっきりとした味わいを楽しむことができます。
カフェインの抽出方法や豆の種類によっても味が異なるため、さまざまなカフェインレスコーヒーを試してお気に入りを見つけるのが良いかと思います。コーヒー豆本来のおいしさを感じるためには、シンプルにブラックで飲むのがおすすめです。
ミルクや砂糖の味を感じられる
先述のように苦みが少ない傾向にあるカフェインレスコーヒーは、通常のコーヒーと比べてミルクや砂糖の味を強く感じることができます。普段よりミルクや砂糖の量を減らしても、しっかりした甘みを感じるため、コーヒーの苦みが苦手な人にもおすすめです。
カフェラテやカプチーノで飲む際には、カフェインレスコーヒーを使ったほうがおいしいと感じる人もいるようです。また、ミルクや砂糖と相性がいいため、コーヒーゼリーやコーヒープリンなどのお菓子作りにも活躍します。
いろいろなアレンジに挑戦し、カフェインレスコーヒーの楽しみ方を見つけてみましょう。
まとめ
今回は、妊婦さんでも飲めるコーヒーである「カフェインレスコーヒー」についてご紹介しました。妊娠中やカフェインが苦手な方でもコーヒーブレイクを楽しみたいなら、ぜひカフェインレスコーヒーを試してみてください。
また、カフェインレスコーヒーはカフェイン含有量が少ないので、夜寝る前のリラックスタイムにも最適です。最近では、カフェインレスコーヒーの種類も豊富になってきているので、お好みの味を探してみるのも良いかもしれません。ぜひこの機会に、カフェインレスコーヒーをお試しください。
- 厚生労働省
食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~ - 農林水産業
カフェインの過剰摂取について - 全日本コーヒー公正取引協議会:
レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約
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