生花 長持ち
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生花を長持ちさせる方法は?飾る前と飾った後に分けて解説

贈り物で生花(花束・フラワーアレンジメントなど)を貰った際、「すぐに枯れてしまいそうで心配」「生花を長持ちさせる方法は?」といった疑問が浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

美しい生花を長く楽しむためには、「水揚げ」や「剪定(せんてい)」など、長持ちさせるためのケアが欠かせません。そこで今回は、生花を長持ちさせる方法を解説します。

生花を長持ちさせる方法【飾る前】

生花を長く楽しむためには、花瓶に生ける前の準備が大切です。適切な処理を施すことで、切り花の寿命を大幅に延ばすことができます。

プレゼントで素敵な切り花をいただいたら、できるだけ早く水揚げや剪定(せんてい)に取りかかりましょう。ここでは、生花を長持ちさせる2つの準備とそのときのポイントをご紹介します。

水揚げ:花に水を吸わせる行為

水揚げとは、切り花に十分な水分を吸収させることを指します。花瓶で飾る前に水揚げを済ませておくことで、生花の鮮度を保ち、美しい状態を長く維持できます。

水揚げの最適な方法は、花の種類によって異なります。一般的には、まず、茎の先を清潔な水に浸した状態で茎を切ります。その際、茎は斜めに切り、水を吸い上げる面が多くなるようにするのがポイントです。

剪定(せんてい):葉や枝を切る行為

剪定とは、花瓶に挿したときに水につかる葉や枝、つぼみを切り落とす作業です。この過程を怠ると、水中の葉や枝が腐ることで水中にバクテリアが繁殖し、花の寿命が短くなる可能性があります。

剪定を行う際は、水面下に来る部分の葉や枝、つぼみをすべて丁寧に取り除きます。花瓶の大きさに合わせて余分な枝を切り落とし、全体のバランスを整えることも大切です。

適切な剪定は、花の美しさを引き立てるだけでなく、花瓶内の水質を維持するために必要です。清潔な環境を保つことで、花をより長く楽しめるのです。

剪定(せんてい):葉や枝を切る行為

花の種類によって水揚げ方法を変える

適正な水揚げのやり方は、花の種類によって変えるのが一般的です。適切に処理することで、生花の寿命を延ばしやすくなります。ここでは、代表的な花の種類に応じた水揚げ方法をご紹介します。

水切り(斜め):バラ・ユリなど

バラやユリなどの花には、水中で茎を斜めに切る「水切り」をします。これによって水を吸い上げる面積が広がり、より多くの水分を吸収できるようになります

清潔な花瓶に水を入れ、花の根元から2〜3センチの箇所を斜めに切ると吸水を促進できます。

水切り(斜め):バラ・ユリなど

水切り(水平):ガーベラ・チューリップなど

ガーベラやチューリップのような柔らかい茎を持つ花は、水中で茎を水平に切りましょう。

茎が柔らかい花は、水切りを水平に切ることで茎の断面がつぶれにくくなり、水分を効率的に吸収できるようになります。処理したあとは、乾燥する前に水に浸してください。

水切り(水平):ガーベラ・チューリップなど

湯揚げ:ひまわり・アジサイなど

ひまわりやアジサイには、熱湯を使う「湯揚げ」が効果的です。やり方は簡単で、茎を1センチ程度切り、80℃以上の熱湯に10〜30秒ほど浸けた後、冷たい水に移します

これにより、茎の中の空気を追い出して水分が吸収しやすくなります。

湯揚げ:ひまわり・アジサイなど

焼き上げ:ポインセチア・クチナシなど

ポインセチアやクチナシには「焼き上げ」を試してみましょう。湿らせた新聞紙で隙間なく花と茎部分を包み、茎を1センチほど切った後、コンロなどで黒くなるまで焼きます

そのあとはすぐに水に浸け、樹液の流出を防いでください。

焼き上げ:ポインセチア・クチナシなど

水折り:リンドウ・マーガレットなど

リンドウやマーガレットには「水折り」という方法が効果的です。水折りは文字通り、水中で茎を手でねじ曲げるようにして折ります

折った後はそのまま常温の水に浸しましょう。水折りをすることで茎の断面の繊維が細かくなるため、より多くの水分を吸収するようになります。

水折り:リンドウ・マーガレットなど

割る・裂く:ツツジ・桜など

ツツジや桜などの樹木に咲く花は、茎を割ったり裂いたりするのがおすすめです。

この場合、茎を水に浸けた状態で、花の根元から2〜3センチの箇所に切れ込みを入れましょう。ハサミで十字の切れ込みを入れることで、水分の吸収面積が広がります。

割る・裂く:ツツジ・桜など

深水法:ボタン・ラナンキュラスなど

茎が太くて硬いボタンやラナンキュラスには「深水法」が効果的です。

まずは茎が先端から約20センチ出るように残して、それより上の茎から花までを湿らせた新聞紙できつめに包みます。

その後、水を張った花瓶やバケツの中に茎の部分を半日〜1日浸けておきます。ボタンを含め、大輪の花を咲かせる品種にも適した水揚げ方法です。

深水法:ボタン・ラナンキュラスなど

逆水:葉が大きな植物

アジサイやガーベラなど、葉が大きな植物には「逆水」という方法が最適です。最初に花の部分が下になるように持ち、葉の裏側から霧吹きなどで水をかけます

これにより、葉の気孔から水分を吸収させます。花全体を湿らせたら、新聞紙で丁寧に包んで涼しい場所で1〜2時間放置します。水分が全体に行き届いたら花瓶などに生けてください

逆水:葉が大きな植物

生花を長持ちさせる方法【飾った後】

生けたお花を長持ちさせるには、毎日のちょっとしたお手入れが欠かせません。ここからは、生花を長持ちさせる5つの方法と知っておきたいコツをご紹介します。

毎日水を変える

水は毎日取り替えるのが基本です。雑菌の繁殖を防ぐことで、茎が痛んだり腐敗したりするのを抑制します。単に水を替えるのではなく、花瓶までしっかりと洗って清潔な状態を保ちましょう。

水の中に10円玉を入れると、銅イオンの作用により雑菌の繁殖が抑えられるといいます。ただし、10円玉1枚から溶け出る銅イオンは微量なので、入れる際は数枚入れるようにしましょう。

また、食器用洗剤や漂白剤を極少量(水300mLに対して1滴程度)加えることでも同様の効果が得られますが、入れすぎると切り花が枯れる原因になるので注意してください。

毎日水を変える

酢や重曹を入れて殺菌する

酢や重曹は、化学物質を使わない「天然の殺菌剤」として知られます。水200mLに対して小さじ1杯以下の酢、または花瓶に1つまみの重曹を加えてください。

殺菌効果で雑菌の繁殖が抑制され、生けたお花が長持ちしやすくなります。いずれも入れすぎると花を傷めるので注意しましょう。

栄養分の砂糖やサイダーを入れる

サイダーなどに含まれる果糖ブドウ糖は、花の生命力を維持する栄養源となります。ジュースを使いたくない場合は、砂糖をそのまま水に加えても問題ありません(水200mLに対して小さじ1杯程度)。

ただし、糖類は細菌の繁殖も促進するため、小まめな水替えが必要です。

延命剤を使う

ホームセンターなどで購入できる延命剤は、雑菌の繁殖を抑制しながら花に栄養分を供給できるアイテムです。適切に使用すれば花を傷めることなく寿命を延ばせます。

商品説明と使用方法をあらかじめ確認した上で、花の種類や状態に合った延命剤を選びましょう。

高温多湿と冷暖房の風を避ける

高温多湿だったり冷暖房の風が直接当たったりする場所には、花瓶を置かないようにしましょう。

特に高温多湿の場所は雑菌が繁殖しやすく、花の寿命を縮めてしまいます。そのため、いつも涼しく、直射日光や冷暖房の風が当たらない場所に置くのが理想です。

花束・フラワーアレンジメントを長持ちさせる方法

贈り物などでいただいた花束・フラワーアレンジメントは、少しの手間でその美しさを長く保てます。正しい飾り方、お手入れ方法をしっかりと確認しておきましょう。

ここでは、花束やフラワーアレンジメントを長持ちさせる方法をご紹介します。

花束:ラッピングを外して花瓶に入れる

花束の場合、ラッピングを丁寧に取り外すことから始めます。セロファンや和紙、リボンなどの装飾品は「蒸れ」の原因となり、花の寿命を縮める可能性があります。ラッピングを外したら、きれいに洗浄した花瓶に水を入れ、花を生けましょう。

水を入れるときは、花瓶の7〜8分目程度にするのがおすすめです。水が多すぎると茎が腐りやすくなり、少なすぎると花が十分な水分を吸収できません。また、花の種類に合わせて水揚げや剪定を済ませておきましょう。

フラワーアレンジメント:セロファンを外してスポンジを水で浸す

フラワーアレンジメントでは、本体を覆っているセロファンのみ取り外します。アレンジメントそのものは、すでに専用の器に生けられているため、そのまま飾ることができます。

ここでポイントとなるのが、本体下部にある吸水スポンジです。スポンジは花に水分を供給する役割を果たしており、一度乾燥すると水を吸収しにくくなります。そのため、常に適度な湿り気を保つことが大切です。

夏は冷水を毎日、冬は2~3日に1回、スポンジに水を含ませることをおすすめします。花や葉に直接水がかからないよう注意しながら、丁寧に水を注ぎましょう。

まとめ

生花を長持ちさせるためには、「飾る前」と「飾った後」のケアが大切です。飾る前は水揚げや剪定を行い、花の種類に応じた方法で処理しましょう。

飾った後は毎日の水替えや延命剤の使用で雑菌の繁殖を防ぎ、花瓶の水を清潔に保つことが大切です。これらのポイントを押さえて、美しい生花を長く楽しんでください。

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