家電の知識

教えて家電王!Vol.14 家電王の快眠講座(2) きれいな空気で心地良い就寝タイム。空気清浄機の正しい選び方は?

毎日を元気に過ごすために欠かせない睡眠。少しでも快適に眠るために、睡眠障害の改善や睡眠の質を向上させるための製品やサービス、いわゆる「スリープテック」が注目されています。前回(快眠講座1)では、快眠に導く「照明」を取り上げましたが、今回は「空気」に注目。寝室のホコリや臭いは快適な眠りの妨げになります。きれいな空気の中で気持ちよく眠るためにはどんな空気清浄機を選べばいいのか、家電王こと中村さんに教えていただきました。

教えてくれる人

中村 剛(なかむら つよし)さん

中村 剛
(なかむら つよし)さん

東京電力エナジーパートナー株式会社 勤務
2002年に『TVチャンピオン』スーパー家電通選手権で優勝し、銀座にて体験型ショールーム「くらしのラボ」の開設と運営に従事。現在は“家電王”として動画マガジン『くらしのラボ』をFacebookとYouTubeで毎週配信しているほか、テレビや雑誌、新聞などの様々なメディアで暮らしに役立つ情報を発信している。無類のネコ好き!

快眠のためには寝室の「空気」のきれいさにも注目!

実は私、大の猫好きで子どものころから猫を飼い続けてきていながら、「猫アレルギー」で目のかゆみやくしゃみに悩まされてきました(笑)。しかも花粉症で、ハウスダストも苦手です。

ということで、快適な生活には空気清浄機が欠かせないのですが、それは寝るときにも言えること。アレルギーで鼻がグスグスした状態では、なかなか眠りにつけませんし、呼吸がしにくいと眠りも浅くなってしまいます。空気清浄機で空気をきれいにすれば、安心して眠りにつけるというわけです。

もちろん、私のようにアレルギーを持っている人でなくても、空気清浄機は快適な睡眠に有効です。例えば「臭い」。「臭い」は脳に直接働きかけ、その働きを変化させる重要な感覚のため、不快な臭いだと脳のアルファ波が減少し、睡眠の質が下がるといわれています。

寝室は、汗やカビの臭いがしやすい場所ですし、食べ物やタバコなどの臭いが残ってしまうことも。空気清浄機は消臭もしてくれるので、嫌な臭いを除去できますし、アロマなども併せてうまく活用すれば、より快適に眠ることができるはずです。

ちなみに、空気清浄機の上は、我が家の猫もお気に入りの場所となっています(笑)

「適用床面積(畳数)」は「広さ」よりも「強さ」という考え方で

空気清浄機を選ぶうえ上でまずチェックしたいのが、「適用床面積(畳数)」です。この数値は日本電機工業会で定められた基準に基づいており、「タバコ5本分の空気の汚れを30分できれいにできる広さ」を表しています。

とはいえ、「8畳の寝室で使うから、8畳用を買えばいい」というわけではありません。エアコンなどはその考え方で選ぶのが一般的ですが、空気清浄機の場合は、使用する部屋の面積よりも適用床面積(畳数)が大きいモデルを選ぶことをおすすめします。

例えば8畳の寝室の場合、適用床面積(畳数)16畳の空気清浄機を使用すれば、理論上は倍速の15分で空気をきれいにしてくれるということになります。「適用床面積(畳数)=空気をきれいにするスピード(強さ)」と考えるといいのではないでしょうか。

心地よい睡眠に適した空気清浄機とは?

快適な睡眠を考えたときに、空気がきれいなことに加え、寝室の湿度や温度が快適に保たれていることも重要です。空気清浄機の中には、加湿機能付きなどがついた、いわゆる「ハイブリッド型」もありますが、私個人としては「分けたほうがいい」派です。というのも、加湿機能がついている空気清浄機は細菌やカビの問題があり、場合によっては空気清浄機が悪臭の原因となってしまうことも。空気清浄機と加湿器の両方を置くのは寝室のスペース的に難しいという方も多いと思いますので、加湿機能付きの空気清浄機を選ぶ際は、除菌・防カビ対策がしっかりしているものをおすすめします。

また、寝室で使うことを考えると、「音」も重視したいポイントです。テレビのついているにぎやかなリビングや忙しいキッチンなどではあまり気にならなくても、静かな寝室ではわずかな運転音でも寝るときの妨げになる場合があります。寝室で使う空気清浄機には、静音性の高いものがおすすめです。

ホコリや花粉などのハウスダストを強力に吸引「Blueair DustMagnet™」

まず紹介したいのが、スウェーデンの空気清浄機専業メーカーで、「きれいな空気の供給率」を測る世界基準CADR(Clean Air Delivery Rate)において最高水準の評価を獲得しているBlueair(ブルーエア)の空気清浄機です。いろいろなタイプがラインナップされていますが、今回はフラッグシップシリーズの「Blueair Protect」よりもリーズナブルで、2022年1月13日発売の新製品「Blueair DustMagnet™」(ブルーエア ダストマグネット)をいち早く紹介したいと思います。

「Blueair DustMagnet™」は、上下2カ所の吸引口からホコリや花粉などのハウスダストを吸引。レッグパーツがあることで、底面からも吸引可能となり、ハウスダストが溜まりやすい床上30cmにアプローチし、効率的に除去してくれます。レッグパーツやテーブルトップはインテリア性の向上にも寄与。まるで北欧家具のようにスタイリッシュです。その機能美が評価され、グッドデザイン賞をはじめ国内外の権威あるデザイン賞を受賞しています。

さらに、側面2カ所の吹き出し口から渦状の気流を部屋に生み出し、効率的に空気中のホコリを捕らえるほか、有害物質をマイナスに帯電させ、プラスに帯電したプレフィルターでハウスダストを磁石のように強力に吸い寄せるなど、最新のテクノロジーにより空気中の有害物質をしっかりと除去。花粉、ダニなどのハウスダストはもちろん、0.1μmほどのウイルスレベルの微粒子まで99.97%*1除去してくれるので、気持ちよく過ごすことができます。

*1:【試験機関】RISE Research Institute of Sweden AB (ボロース、スウェーデン)【試験方法】欧州フィルター規格EN 1822-5:2009に基づくフィルター粒子捕集率試験【試験粒子】塩化カリウム【試験結果】0.1~1μmまでの微粒子を99.97%以上除去 *フィルターの除去性能です。部屋全体への除去性能とは異なります。

メインフィルターの掃除は必要なく、約半年~1年に一度交換するだけ。掃除の手間がないのもいいですね。

有害なホルムアルデヒドを連続的に分解「Dyson Purifier Humidify+Cool Formaldehyde™加湿空気清浄機」

かつて社会問題にもなった「ホルムアルデヒド」。シックハウス症候群の原因となる代表的な化学物質で、以前は住宅の塗料や接着剤などに使われていました。今は24時間換気が建築基準法で義務化されており、ホルムアルデヒドの建築資材への使用が厳しく制限されるようになりましたが、ここ最近のDIYの普及で、知らずにホルムアルデヒドが使われた輸入建材などを室内に持ち込んでしまう人も増えているようです。

そんなホルムアルデヒドを独自の触媒フィルターで連続的に捕らえて、ごく少量の水と二酸化炭素に変換してくれるのが、ダイソンの「Dyson Purifier Humidify+Cool Formaldehyde™加湿空気清浄機」。ホルムアルデヒド以外にも、活性炭フィルターがVOC(揮発性有機化合物)などの有害なガスやニオイを捕らえ、H13規格の高性能HEPAフィルターがPM 0.1レベルの微細な粒子を99.95%除去してくれるので、小さなお子さまにも安心ですね。

空気清浄機としての機能に加え、冬は加湿器、夏は扇風機と、1台3役の機能を搭載。気になる細菌やカビについては、強力なUV-Cライトを照射して、水に潜む主な細菌を瞬時に除菌し、さらに銀繊維を編み込んだ抗菌・防カビ加湿フィルターを通すことで衛生的な加湿を可能にしています。ボタンひとつで簡単に衛生的なメンテナンスができる「加湿お手入れ機能」も搭載。タンクとフィルターをボタンひとつで同時に洗浄し、隅々まで水垢を除去します。

Dyson Linkアプリと接続して、手持ちのスマホでモニター&コントロールできるほか、スマートスピーカーと接続すれば、ハンズフリーでも操作可能。ベッドに寝ながらでも操作できるのも便利ですね。

人が感じる運転音を軽減した静音性が魅力。「ダイキン 加湿ストリーマ空気清浄機 MCK70Y」

加湿もできるダイキンの最新モデルは、タワー型のすっきりとしたフォルムで、省スペースでの設置が可能。直線基調のシンプルなデザインなので、どこでもフィットするのが特徴です。

製品名ともなっているストリーマですが、ダイキンが独自に開発した空気清浄技術のこと。高速電子を発生させて、ニオイの原因菌やカビ菌などの有害物質を分解するプラズマ放電の一種なのですが、酸化分解力の高い高速電子を3次元的・広範囲に発生させるため、一般的なプラズマ放電と比べて1000倍以上もの分解能力を発揮します。
本製品は、そのストリーマユニットを2基搭載する「ツインストリーマ」仕様となっており、脱臭性能や除菌スピードが従来の2倍に。ウイルス・菌のほか、1年中飛散する全国の花粉16種類を抑制するなど、空気中のさまざまな有害物質を抑制してくれます。また、集じんフィルターには、10年間交換不要で集塵能力が持続する「TAFUフィルター」を採用しており、0.3μmの微細な粒子を99.9%除去します。

給水の仕方も工夫されており、従来のように給水タンクを持ち運び蛇口から直接給水するのに加え、タンクを外さずに上部から水を継ぎ足すことができます。

さらに注目したいのが運転音の静かさ。吹出口の拡大による風切音の低減と、ファンをフィルター下部に配置することによる防音効果で、人が感じる運転音を低減しています。メーカーの公式発表では約30%低減しているとのことですが、私が体験したところでは、それ以上に静かに感じました。空気清浄機の運転音が気になって眠りが浅くなる、という人にもおすすめです。

今回は、きれいな空気で心地良く寝るための空気清浄機について紹介しました。最近、眠りの質を向上させたいというニーズはどんどん高まってきています。脳は眠っている間にも動いており、ホコリやニオイなどで交感神経が刺激されるとゆっくりと休むことができません。寝ることがストレスにならないよう、家電やガジェットをうまく利用して、気持ちよく眠りましょう。

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